朽木ルキアとは漫画「ブリーチ」に登場する死神です。性格は冷静沈着で生真面目。仲間思いで自分でいろんなことを背負ってしまう強い責任感の持ち主です。 さらにボーイッシュな見た目とは裏腹にかわいいもの好き。意外な趣味に主人公一護が戸惑うシーンもあります。しかしそんな明るいエピソードの裏には暗い過去も……。 今回はつらい過去を乗り越え、仲間を支える準主人公朽木ルキアの秘密を徹底解明していきます!
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2002-03-04
ルキアは護廷十三隊十三番隊副隊長である女性の死神です。身長や見た目からまだ子どもに見られがちですが、実はその年齢は150歳前後。死神のなかでは特段変わったことではないようです。
流魂街の出身ですが、朽木家に養子として引き取られています。六番隊隊長の朽木白哉はルキアの兄にあたり、ルキアは尊敬の気持ちを込めて「兄様」と呼んでいます。
そんなルキアが空座町に赴任して、一護と出会ったことで物語が始まりました。 ルキアこそ、一護に死神の力を手渡し、彼を死神代行にした張本人なのです。彼のあたりは強く、しばしばきつい蹴りやげんこつが入ることも。 ルキアの口調は古めかしく、「たわけ!」「馬鹿者!」と一護を一蹴するシーンがよく見られます。
死神代行編では、死神の世界のことなど何も知らない一護に1から物事を教え込むためルキアが奮闘します。
ルキアの趣味は高いところにのぼること。嫌いな食べ物はなく、好きな食べ物は白玉あんみつ。背格好に似合った子どもっぽいところがあるようですね。
さらに、子どもっぽいだけではくかわいい趣味もあり、ウサギグッズが好きで仕方なく、敵にもウサギグッズで翻弄されてしまう場面もあります。ボーイッシュな見た目で普段はつんけんとした態度のルキア。そんな彼女がふわふわのウサギグッズに翻弄される姿は、ギャップもあいまってかわいらしさが倍増しますね。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2002-03-04
鬼道とは死神が用いる霊術の1つです。言霊を詠唱することで発動できるもので、攻撃や防御、束縛などさまざまな技を発現させることができます。九十番台の鬼道を繰り出す浦原喜助や藍染の戦闘術などは有名ですね。
詠唱する言霊には中2病心をくすぐるダークファンタジー要素が満載。作品を盛り上げる大切な演出要素になっています。
朽木ルキアはその鬼道に長けた死神でもあります。幼少のころより霊力が高かったために鬼道では優秀な成績を残しているようです。
中級レベルの蒼火墜(そうかつい)や赤火砲(しゃっかほう)はルキアの得意な鬼道のようで、実践に多用されているところが描かれています。
蒼火墜は攻撃系の鬼道、破道の三十三番にあたります。赤火砲は三十一番。
ここではルキアの得意な鬼道の言霊を紹介しましょう。
「“君臨者よ!”
“血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!”
“真理と節制”
“罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!!”
破道の三十三!!蒼火墜!!」
(『BLEACH』2巻から引用)
蒼火墜は両手のひらを相手に向けて衝撃波を打ち込む技です。
言葉選びもかっこいいですが意味を考えるとさらに面白く感じますね!
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2003-03-04
ルキアが養子となった朽木家は尸魂界では四楓院家と並ぶ、四大貴族の1つです。引き取られた理由は、ルキアが亡き白哉の妻、緋真と瓜2つであったからだと伝えられていました。
しかし、ルキアを処刑から救った直後、白哉から真実が伝えられます。亡くなった緋真はルキアの実の姉でした。流魂街という貧しい地域に住んでいた2人。まだ赤子だったルキアを抱えて生きるのは到底難しく、緋真は生活苦からルキアを捨ててしまったのでした。そのことをずっと後悔していた彼女は、死ぬ間際に、ルキアを引き取ってほしいと白哉に頼むのです。
流魂街出身の血を貴族の家の血に混ぜることは掟に反するとして、朽木家内部には白哉が緋真と結ばれることを反対するものも多かったようです。
緋真を迎え入れたときも、ルキアを迎え入れたときも、白哉はその掟を破っていました。だから、もうこれ以上掟は破らない、白哉はそう決意したためにルキアの処刑にも反対しなかったのです。
しかし、ただ心のままにルキアを救い出そうとする一護を見て、白哉はその考えを改めたのでした。
また、ルキアは処刑される事件が起きるまで平の隊士であり、それゆえ、危険な任務に出る機会は少なかったといいます。しかし、実際の彼女の力は副隊長レベルだったのではないかとも言われています。
実は彼女が危険な任務に就くことのないよう、白哉が根回ししていたのです。
自分が愛されているとは気づかずにいたルキアでしたが、本当は誰よりも大切にされていたのです。
白哉の魅力を紹介した<漫画『ブリーチ』の孤高の存在・朽木白哉の11の魅力!天然な一面も!?>の記事もおすすめです。気になる方はあわせてご覧ください。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2003-12-01
阿散井恋次(あばらいれんじ)は六番隊副隊長の死神。初登場シーンは、ルキアを現世から連れ戻す際に、白哉とともに空座町へやってきた場面です。
もともと、ルキアとは流魂街時代からの幼馴染だった彼。しかしルキアが養子に引き取られてからというもの、かかわる機会はどんどん減っていました。
さらにはルキアの処刑。
2人の仲がもどらないままルキアの処刑が行われることになるかと思われましたが、一護たちが命をかけてルキアを救い出そうとする姿に改心させられます。尸魂界を裏切ってでもルキアを救うと決意するのです。
戸魂界編でのルキア処刑の一件は、恋次がいかにルキアを想っているのかよくわかる話でもありました。
ルキアが救出されてからは、恋次との仲が回復し、2人で一護の助けに行く場面も多いです。
恋次がルキアを好きなのだろう……とはファンの目からもわかりますが、肝心のルキアはどう思っているのか……。2人の関係は気になるばかりですね。
ルキアは護廷十三隊に入隊したとき、自身に剣の才が乏しいことを痛感します。鬼道の成績が良かったのも入隊する以前のことであり、護廷十三隊のなかでは大したことはないと落胆し、自分の存在価値に疑問を抱き始めていたのです。
そんなとき、修行をつけてくれていたのが志波海燕(しばかいえん)でした。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2007-10-04
自分の未熟さに、何のために護廷十三隊にいるのか……と悩むルキア。海燕は、ルキアの心が護廷十三隊にいたいと願うなら悩まずここにいるべきだと伝えます。さらには、人と人がかかわったときに、その間に心はできるもの、それを守るために戦うのだとも。
だからこそ、死ぬときは仲間に心を預けなくてはいけないとも話します。海燕はあっけらかんとした性格で楽観的。けれど頼りになる兄貴分的な存在です。そしてそんな彼の性格と、この言葉にルキアは救われたようでした。
しかし、あるとき、ルキアは海燕を殺してしまいます。
殺すつもりがあったわけではないのです。しかしホロウに取り込まれた海燕が突然襲い掛かってきて斬魄刀で刺すしか方法はありませんでした。
そのとき海燕はありがとうと口にしました。
「心は此処に置いて行ける」
(『BLEACH』30巻から引用)
この名言はこの時生まれたものだったんです。
しかし、仕方なかったとはいえ、海燕を殺してしまったことがルキアにトラウマを植え付けてしまい、長らく罪悪感を抱えることになります。
そもそもルキアが処刑されることになったのはなぜだったのでしょう。
ルキアは怪我を負い、自分の力ではホロウを倒せなくなったため、一護に自分の霊力を譲ることにしました。1部のつもりが、一護の霊力の高さゆえにすべて吸い出されることになり、結局死神としての力を失ったルキアは、一護を死神代行として頼ることになるのです。
このことが罪となりました。
罪状を簡潔に表すと、霊力の無断貸与と喪失、そして滞外超過となります。
処刑の方法は双極と呼ばれる大型のギロチンのようなもので行われます。しかしこれは本来であれば隊長格の死神に使われるもの。さらにいえば、この程度の罪で処刑されることはありません。
この処刑決定の裏で藍染が手を引いていたのです。
ルキアの魂魄のなかに浦原喜助が隠した崩玉があると知った藍染はその崩玉を手に入れるために、ルキアが双極で処刑されるように仕向けたのです。 さまざまな人に利用され、翻弄されるルキアの数奇な運命を思うと、同情せざるを得ません。
しかしそこでも誰かを恨むなどしないのがルキア。そんなところも彼女の魅力の1つでもあるでしょう。
崩玉とは浦原喜助が作り出したものです。
瞬時にホロウと死神の境界線を取り払うことのできるアイテムだといわれます。
しかし、崩玉を手に入れ自分の体のなかに取り込んだ藍染は崩玉の真の力は別にあるといいます。
崩玉の本当の力は自身の周囲の心を取り込んで具現化する能力なんだそうです。魔法のランプのような夢のアイテムだといえるでしょう!
ルキアの斬魄刀の名は「袖白雪(そでのしらゆき)」です。
氷雪系の斬魄刀であり、柄も刀身も真っ白。尸魂界で最も美しい斬魄刀といわれています。作中で技を繰り出す姿も見事です。
破面編ではアーロニーロ・アルルエリとの交戦で参の舞・白刀を使います。
始解の時点では3つの技があり、1つは「初の舞・月白」2つ目は「次の舞・白漣」、そして3つめが「参の舞・白刀」です。
アーロニーロとの対戦ではトラウマだった海燕を殺してしまった事実に向き合い、そして海燕の心を預かったことをあらためて思い出し、トラウマを克服するのです。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2014-05-02
また、袖白雪の卍解は「白霞罸(はっかのとがめ)」といいます。 一定の範囲のものを一瞬で凍りつかせる能力です。
千年血戦編では恐怖という本能的な部分に訴えかけ、誰にも手出しさせずに死神たちを虐殺していたエス・ノトを一瞬で倒してしまうほどの力を持っていました。
死覇装の装いも変わり、ルキア自身も斬魄刀と同じく真っ白に。氷のような美しい造形の着物だけでなく、肌さえも真っ白になります。 全てが純白に包まれる姿は美しいと言わざるを得ないですね。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2003-03-04
仲間を想う力はだれよりも強いルキア。今回は彼女の強い心に注目した熱い名言たちをご紹介します!
5位
「海燕殿を 侮辱するな…!」
(『BLEACH』30巻から引用)
アーロニーロ戦において、海燕の姿に変身したアーロニーロ。それを見て動揺を隠せないルキアは体が思うように動かなくなってしまいます。
アーロニーロは彼女のトラウマにさらに付け込むように、仲間の首を全部持ってきたら許してやる、といいます。それを聞いたルキアのセリフがこちらです。
外見は海燕でも、中身はまったくの別人だと分かった瞬間でした。
4位
「海燕殿の心は 私が預けて頂いた」
(『BLEACH』30巻から引用)
アーロニーロ戦で海燕との会話を思い出し、トラウマを克服した際のルキアの名言です。
自分を守るために殺してしまった海燕のことをずっと気に病んでいたルキアでしたが、海燕が心の底からありがとうと言っていたのだと気づく瞬間です。
あらためて尊敬する師匠の死を受け止め、そしてその人の想いを背負うルキアの覚悟が見えるよう。 仲間思いのルキアらしいセリフでしょう。
3位
「…礼など…言わぬぞ… …莫迦者…」
(『BLEACH』18巻から引用)
まさに双極でルキアが処刑されようとした瞬間に一護が助けにやってきた場面です。
一護のことを思い、彼のために助けにくるなと伝えたのに、結局一護は助けにきてしまった。助けに来てくれたことをうれしく思う反面、一護の身を案じて複雑な心情もあったのではないでしょうか。
死んでしまうときでさえ、自分のことよりも仲間のことを考えるルキアの優しさを考えると胸が痛くなりますね。
2位
「貴様の心に泥をつけず
その深きにまで踏み込んでそれを訊く上手い術を私は持たぬ。
だから待つ。
いつか貴様が話したくなった時
話してもいいと思った時に…話してくれ」
(『BLEACH』3巻から引用)
一護は幼い時に、自分を庇って母親が死んでしまったという過去があります。
話の一端を聞いたルキアは一護の高い霊力を狙ってホロウが襲ってきたのではないかと意見します。それは一護を傷つける言葉でした。
一護自身が原因で母親が殺されてしまったとしたら、それは耐えがたい後悔につながりますね。ルキアは自分の浅はかな言動を悔いて、反省し、深くは聞かないと言うのでした。相手の心を推し量り、自分の言動を反省できるルキアの素直な一面がよく表れたお話だと思います。
1位
「動くな!!
…そこを一歩でも動いてみろ…!
私を追ってなど来てみろ…私は貴様を絶対に許さぬ…!」
(『BLEACH』7巻から引用)
恋次と白哉がルキアを連れ去ろうとするのを止めるため、2人に襲い掛かる一護。しかし、隊長格相手では歯が立たず、その場に倒れこんでしまいます。それでもなおルキアを助けようともがく一護を見て、ルキアが言い放ったセリフです。
これ以上自分を助けようとして一護が傷ついてはいけない。自分のせいで一護を殺されるのは嫌だと感じたのでしょう。涙を押し殺したルキアの表情は、一護を思う優しさが現れています。
自分を悪役にしてでも一護を助けようとするルキアの深い思いやりが伝わってくる名言です。
『BLEACH』のキャラクターの強さをランク付けした<【再アニメ化】漫画『BLEACH』(ブリーチ)最強ランキング!藍染は3位!>の記事もおすすめです。ぜひご覧ください。
ここまで読んで下さりありがとうございます!ボーイッシュなのにかわいい趣味を持つ意外性の強い準主人公ルキアの魅力は伝わったでしょうか?
ルキアの人気はどんなときでも仲間を1番に考え、自分なりに行動する思慮深さではないかと思います。また、尸魂界でもっとも美しいと言われる斬魄刀も魅力の1つです!その美しさは作品でぜひ堪能していただきたいです!