5分でわかるクマノミの生態!性転換の秘密や飼育方法などをわかりやすく解説

更新:2018.7.19

アニメ映画でキャラクターのモデルになり、一躍有名になったクマノミ。毒をもつイソギンチャクとともに暮らせるのは、体のつくりに理由がありました。この記事では、そんな彼らの生態や種類ごとの特徴、性転換の仕組み、飼育方法などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

クマノミの生態は?寿命や種類などを紹介

スズキ目スズメダイ科に分類される海水魚で、インド洋から太平洋にかけて生息しています。寿命は約10年で、飼育下では15~20年生きる場合もあるそう。主にイソギンチャクと共生をしています。

全世界には30種類以上存在。そのうち日本に生息している6種類の見た目の特徴をご紹介しましょう。

・クマノミ

体の背びれ側半分が黒く、おなか側半分がオレンジ色に白帯の模様が入っています。産地によって黒い部分の範囲や、白帯模様の入り方が異なるのが特徴です。

・ハナビラクマノミ

全体が淡いオレンジ色やピンク色で、エラの縁と背びれにそって細い白線模様が入っています。

・カクレクマノミ

アニメ映画のキャラクターのモデルにもなった、もっとも有名な種類です。オレンジの体に3本の白帯模様が特徴。おとなしい性格なうえ何でもよく食べるので、ペットとして飼育をするのにもおすすめです。

・ハマクマノミ

赤みが強い体色から、英名は「トマトアネモネフィッシュ」といいます。白帯模様が目のうしろに1本入るのが特徴。気が強く、成魚を2匹以上水槽に入れるとケンカをする場合があるので、混泳には注意が必要です。

・セジロクマノミ

ハナビラクマノミによく似ていて、エラに白線がない種類。警戒心が強く、危険を感じるとイソギンチャクから出てこなくなってしまいます。

・トウアカクマノミ

やや横長な体型をしており、黒っぽい体色に太い白帯が入っています。クマノミのなかでも、なかなか遭遇することのできない希少種です。

クマノミは最初はみんなオス⁉性転換をする理由と仕組み

彼らは「両性生殖腺」というものをもっていて、生まれてくる子どもはオスとメス両方の性をもって生まれるのだそう。その後成長していくにつれ、環境しだいでどちらかの性になりますが、この時基本的にはオスになります。

群れを作って行動しているのですが、そのなかにメスは1匹だけ。1番体が大きく育ったものが、性転換をしてメスになるのです。そして群れのなかで2番目に体が大きいオスとペアになり、産卵をします。卵の世話はオスがおこない、メスは産卵に集中するそう。

ちなみに、1度メスになった後に、オスに戻ることはできません。

もしも何かのきっかけでペアのどちらかが欠けた場合は、次に体の大きい個体を入れて新しくペアになります。この仕組みは、より多くの卵を残せるように進化したものだと考えられています。また彼らは、メスの産んだ卵をパートナーではないオスが面倒をみることもわかっていて、これは自然界ではとても珍しい行動だといわれているのです。

種として、多くの子孫を残そうとしていることがうかがえますね。

クマノミとイソギンチャクの共生関係を解説

「共生関係」とは、異なる種の生物が互いの利益のためにともに生活することをいいます。クマノミはイソギンチャクと共生していて、彼らは外敵から身を守っているのです。イソギンチャクには毒がありますが、クマノミの体は「酸性多糖類」という成分でできた粘液で覆われているので、イソギンチャクの触手に触れても解毒できる仕組みになっています。

一方のイソギンチャクは、クマノミが食べた餌の残りを食べることができ、また彼らが動くことで触手の汚れが落ちて体を綺麗に保つことができるのです。こうして互いに利益を得ながら暮らしています。

種類によって好みのイソギンチャクが異なるのも特徴です。

  • クマノミ:「ハタゴ」「シライト」「イボハタゴ」
  • ハナビラクマノミ:「ハタゴ」「シライト」「センジュ」
  • カクレクマノミ:「ハタゴ」「センジュ」
  • ハマクマノミ:「タマイタダキ」「シライト」
  • セジロクマノミ:「シライト」「アラビアハタゴ」
  • トウアカクマノミ:「イボハタゴ」

飼育をする際、警戒心の強い個体は好みのイソギンチャクを水槽内に入れてあげることで、早く環境になれることができます。

ペットにしたいクマノミ!値段や飼育方法を解説!

飼育をするためには、迎え入れる前に水槽と人口海水を用意しておきましょう。水槽は30~60cm、ろ過フィルターと照明がセットになっているものがおすすめです。サーモスタット付きヒーターも準備します。

人口海水は、迎え入れる1週間前までに作りましょう。大きめのバケツに水槽に入る2倍の量を準備します。必ず専用の素を使うことと、比重を守ることが大切です。サンゴ砂はよく洗って濁りをとります。

1週間ほど前に、サンゴ砂を水槽の底から3cmくらいの厚さまで敷き、海水を入れます。ヒーターとフィルターの電源を入れて水槽の水を循環させ、水温は25度に保ちましょう。ライブロックというサンゴのブロックとバクテリア製剤を投入して、水槽内のバクテリアを増やしておくことが大切です。

3日ほど前に、サンゴやイソギンチャクを先に入れておきましょう。照明をつけて光を与えます。

いよいよクマノミを選ぶ日。痩せていなくて体に傷や白斑がなく、元気に泳いでいる個体を選びましょう。迎え入れたらビニールに入ったまま30分ほど水槽に浮かべ、水温に慣れさせます。バケツにビニールの海水と個体をあけ、5~10分かけて水槽の水を少しずつ足していく「水質合わせ」をおこない、終わったら手でそっとすくって水槽に移してください。

水換えのタイミングは、30~45cmの水槽は10日~2週間に1回、60cmの水槽は2~3週間に1回が目安です。コケを取り除いて、水槽の3分の1の量の水を抜き、作り置きの海水をゆっくり入れます。水槽内の環境を保つために、水替えの量は多すぎても少なすぎてもいけません。

餌は体のサイズにあった人工飼料を2~3分で食べきれる量で与え、サンゴには専用のリキッドタイプのものを与えましょう。水質悪化の原因になるので、餌は与えすぎないよう注意が必要です。

クマノミは慣れない環境では餌を食べないので、その際は2日ほど様子をみて、それでも食べない場合は餌の種類を変えるか、照明の明るさを変えるなど環境を変えてみましょう。

海の大自然で生きる魚たちを紹介する写真絵本

著者
大方 洋二
出版日
2007-06-21

クマノミをはじめサンゴ礁に暮らす魚たちの自然な姿を紹介した写真絵本です。ページをめくるたびに美しい海の青色と、海の生き物の鮮やかな体色に目を奪われます。

クマノミの仲間の生態も、わかりやすい解説と写真で特徴を知ることができます。イソギンチャクだけでなく、他の魚とも共生する姿は大自然ならではの光景です。

難しい用語は使われていないので、小さなお子さんでも学習することができるでしょう。

これを読めばクマノミ博士になれるかも⁉

著者
["鈴木 克美", "石井 聖岳"]
出版日
2010-03-01

カクレクマノミの生態や仲間の特徴などを、やわらかいタッチのイラストで紹介している作品です。「海の生きもの」シリーズの作者は、魚類学者で大学の名誉教授でもある人物。魚の不思議な生態や特徴を子どもにもわかりやすく記しています。

文章は易しいですが、内容は本格的。成長の様子や性転換の仕組みについてもしっかりと説明してくれていて、大人が読んでも満足できる内容です。