5分でわかるヒトデの生態!胃袋が外に!血が流れてない?わかりやすく解説!

更新:2018.7.14

海辺で見かける「ヒトデ」。星型で見た目はかわいらしいですが、その生態はとてもユニークです。この記事では、骨の構造や毒性、分裂の秘密、驚きの捕食方法などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本もご紹介するので、ぜひご覧ください。

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ヒトデの生態は?骨の構造や毒性など

 

棘皮(きょくひ)動物門に分類される、ヒトデ綱やクモヒトデ綱の無脊椎動物です。進化の歴史は古く、約5億年前の「オルドビス紀」に出現したと考えられています。同時期には、顎のない魚類も初めて海に現れたそう。

世界にはおよそ2000種類が生息しているとされていて、そのうち日本には北海道から沖縄までの広い範囲に300種類ほどいます。海の浅瀬や岩場で見かけるのは、そのうちの100種類ほどだそうです。

見た目はずんぐりしたものから細いものまでさまざま。おおむね星型をしています。漢字では「人手」と書きますが、英語だと「starfish」、フランス語だと「etoile de mer(海の星)」、ドイツ語でも「Seestern(海の星)」と呼ばれているのも頷けますね。

中央から外側に向かって5方向に分かれていますが、実はこれらはすべて「腕」です。なかには30本以上の腕をもつ種類もいます。

足は、腕の裏側の深い溝の中に、触手のようにユサユサとついています。「管足」といい、先端が吸盤状になっているのが特徴です。

腕の付け根である中央付近は「盤」といいます。表面にコブ状のデコボコや針状の突起物がある皮膚で覆われていて、色は砂や岩場になじむようなものから、南国特有のカラフルなものまでさまざまです。

皮膚の下には石灰質の骨板と筋肉がつながった丈夫な肉骨格があります。移動をする際は管足を使いますが、素早い動きはできません。ただ肉骨格を駆使して体を変形させ、岩場の隙間に入り込んだり砂の中に潜ったりして身を隠すことができます。

肉食性で、主な餌はカキやホタテ、アサリ、アワビなどの貝や、死んだ魚など。ただオニヒトデはサンゴを食い荒らことで有名です。

体内にカドミウムや鉛など毒性のある重筋属が含まれているため、人間がヒトデを食べることはほとんどありません。しかし彼らの体に含まれるガングリオシドやグリシン、サポニンなどの成分には滋養強壮作用があるそうで、漢方薬に使われることがあります。また九州の天草ではキヒトデを塩茹でして、その卵を食べる習慣があるそうです。

ヒトデは分裂しても再生可能!天敵はいる?

 

彼らは再生能力が高く、何者かに腕を掴まれた場合は自ら切り離してしまうことがあります。

切り離した腕はすぐに再生するほか、たとえば体を自発的に割き、分裂したそれぞれの個体を再生させることで2匹に増殖することもあるのだとか。凄まじい生命力だといえるでしょう。

また彼らの体には先述したとおり毒性があるほか、栄養素が少ないため、捕食対象になりづらく天敵はほとんどいません。ヒトデだけを食べるフリソデエビ、オニヒトデを食べるホラ貝などが数少ない候補だといえます。

ヒトデの体には血液の代わりに海水が流れてる?

 

彼らの体の中には、血管ではなく「水管」と呼ばれる器官があります。これは棘皮動物だけがもつもので、管内には血液ではなく外から取り込んだ海水が流れているのです。物質の輸送を担っていて、呼吸や循環に役立っています。

つまり身の周りにある海水を体液の代わりとし、生命を維持するために必要なさまざまなものを運んでいるのです。

一般的な動物がもっているその他の循環系の器官はほとんど退化。尿などの老廃物を輩出するものもありません。シンプルさを極めているといえるでしょう。

ヒトデは口から胃袋を出して餌を食べる

 

彼らがもっている最大の器官が胃袋で、盤の内部のほとんどを占めています。多くの種は、管足などをうまく使い、腹の下についている口から餌をとりこみます。

ただマヒトデやアカヒトデ、イトマキヒトデなど一部の種は、なんと胃袋を口から外に掃き出し、獲物全体をおおって体外でそのまま消化をするのです。

こうすることで、大きな餌も食べることができます。ただ消化するのに数日から1週間かかるので、相当長いお食事タイムになりそうです。

日本のヒトデを網羅した図鑑

著者
["佐波 征機", "入村 精一", "楚山 勇"]
出版日
2002-07-01

 

日本全国の海辺でみることができるヒトデたち。形もさることながら、そのカラーバリエーションの多さも魅力的です。同じ種類でも、棲んでいる場所や環境によって色や形が異なるといいます。

本書は、そんなヒトデの豊富な写真を掲載し、各部位の特徴を説明してくれている図鑑です。実際に現場に持って行って見比べてみるのもおすすめ。

著者陣はいずれも海洋生物の生態に精通している専門家で、学術的な側面から解説をし、現地調査で得られた不思議な現象などをコラム形式で記しています。

日本の沿岸でみられる約100種類のほとんどを網羅しているので、ぜひ手元に置いておきたい一冊です。

ヒトデをはじめ大海の生態系を深く知ることができる一冊

著者
ファビアン・クストー(序文)
出版日
2007-07-17

 

ヒトデが生息しているごく浅瀬の海から、沿岸、深海へと生態は繋がっています。海には地球上の生き物の90%が生息しているといわれ、私たちが知っているのはそのうちの2%程度だとか。

本書は、そんな海洋生物の生態や生息している環境を写真とCGで描き出した図鑑です。

巻末に索引に掲載された名称や専門用語の数にも圧倒されるでしょう。新たな興味が湧き、海のさらなる魅力に取りつかれていきます。

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