5分でわかるキリギリス!本当はどのように冬を過ごしてる?バッタとの違いも

更新:2018.7.29

コウロギや鈴虫と並んで、その鳴き声で楽しませてくれる昆虫「キリギリス」。童話では怠けものとして描かれていることでも有名ですが、本当はどのように冬を越しているか知っていますか?この記事では、彼らの生態や越冬の仕方、飼育法、姿の似ているコオロギやバッタとの見分け方などを解説していきます。

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キリギリスの生態は?生息地や鳴き声など

 

バッタ目キリギリス科に分類される昆虫。体長は平均40mmで、オスよりメスの方が大きいです。雑食性で、日本国内では本州、四国、九州の草原に生息しています。

キリギリスの特徴といえば「ギーッチョン」という独特の鳴き声ではないでしょうか。実は鳴くことができるのはオスだけなんです。左右の前翅の重なった部分に、音を出すための器官がついています。

左前翅裏には「ヤスリ器」と呼ばれる細かい突起が並んでいて、これを右前翅のヘリの部分にある「コスリ器」で引っ掻くことで微振動を発生させて音を出し、さらに右前翅にある「発音鏡」に共鳴させることで遠くまで届くよう拡大させているのです。

左右の翅を開いてコスリ器とヤスリ器の位置を調整した後に、翅を閉じることでコスリ器がヤスリ器を引っ掻くことを高速でくり返し、「ギーッチョン」という音を出しています。

この生態はキリギリスだけでなくコウロギやバッタの一部にも見られ、主に繁殖期にメスにアピールをする時や、オス同士の争いの時などに使用されます。

童話『アリとキリギリス』では怠けもの。実際はどのように冬を過ごす?

 

夏の間に厳しい冬を越すための準備を真面目におこなったアリと、遊んでいたせいで寒さに凍えるギリギリスとの対比から、勤勉であることの重要性を説いたイソップ童話『アリとキリギリス』。では実際の彼らは、どのように越冬するのでしょうか。

実は、成虫のキリギリスが生きていられる期間は短く、6~9月の間のみ。冬の時期にはすでに成虫は死んでいてい、卵のみが土の中で越冬するのです。

ちなみにキリギリスと近種の昆虫では、クビキリギリスやコロギス、ツチイナゴなどが成虫で冬を越します。

越冬することができないキリギリスですが、漢字では「螽斯」と表記されるので、あたかも冬の虫であるかのような印象を受けるでしょう。なぜこのような字をあてられたのかは定かではありませんが、中国では「冬」という漢字を「シュウ」と読むこと、キリギリスやバッタなどを「シュウ」と呼ぶこと、また同じバッタ目であるイナゴを「螽」と記載することなどと関係しているのではないかといわれています。

またキリギリスという名前は「キリキリと鳴くス(虫)」という意味で付けられており、古くはコオロギがキリギリスと呼ばれていたこともあるそうです。

キリギリスはペットにできるけど噛むので注意!餌など飼育法を解説

 

運よくキリギリスと草むらで出会った場合は、虫取り網を振り回すように大きく動かすことで簡単に捕獲することができます。

もしも捕まえることができたら、必ず1匹ずつ虫かごに入れて飼育しましょう。キリギリスは雑食性ですが共喰いをするため、複数の成虫を狭い環境に置くのは危険なのです。

飼育ケースには熱湯をかけて消毒をした土を5cm程度入れ、タマネギやキュウリの切れ端など植物性のエサのほか、ミルワームや小型のバッタのような生餌、煮干しやカツオブシなども与えるようにしましょう。

彼らが出す音を聞きたい場合は、網状の虫かごに土を入れずに飼育することも可能です。

ただキリギリスは非常に強い顎を持ち、オオカマキリなど大型の昆虫でも一緒に飼育すると食べられてしまうので注意が必要です。エサを与える際や捕獲する際は、噛みつかれないよう気をつけてください。

もし捕まえたのが子持ちのメスで飼育中に産卵をした場合は、卵を冬の外気に当てるために飼育箱は屋外に置くようにします。また土が乾燥すると卵が死んでしまうため、地表を半紙などで覆って霧吹きで水を掛け、湿度を保つようにしましょう。

卵は5月頃に孵化します。共喰いを防ぐため、数匹を残して残りは野生に還してあげるのがよいでしょう。幼虫はアブラムシを好んで食べるので、ヨモギなどアブラムシが付きやすい草を入れておくのがおすすめです。そのほか成虫と同じ野菜や、ニボシを細かく砕いたものも食べます。

キリギリス、バッタ、コオロギの見分け方

 

キリギリスとコウロギは雑食性、バッタは草食性のため、顎の仕組みが異なります。草食性のバッタは草を噛みちぎるために大顎の先が鋭くとがり、臼のようにちぎった葉をすり潰す器官も確認できます。

一方で雑食性で狩りをした獲物も食べるキリギリスやコウロギは、獲物を喰い破ることができるように小さい顎に力を集中するようなつくりになっています。

またキリギリスとコウロギのメスは地中に卵を産むため、お尻に長い産卵管がある独特の外見をしています。バッタはオスとメスでそれほど外見に違いはありません。

さらに、キリギリスはバッタやコウロギに比べて長い後肢を持ち、触覚も長く、前肢には細かい棘が生えているのも特徴です。

よく観察をするとキリギリスとコウロギの鼓膜は前肢にあり、バッタの鼓膜は左右の腹部の脇にあるという差も見ることができます。

鳴く虫をまとめた図鑑

著者
奥山 風太郎
出版日
2016-08-08

 

キリギリス、ツユムシ、クツワムシ……日本国内で見ることができる鳴く虫、総勢70種以上をまとめた図鑑です。新書サイズとコンパクトながらも情報量が多く、それぞれの虫の生息地や近種との見分け方、外見の特徴などのデータはもちろん、幼虫の姿まで載っています。

また鳴き声の特徴も記載されているので、これまで漠然と「虫の声がするね」と言っていた方も、いったい何の虫が鳴いているのかわかるようになるでしょう。

特別な場所に行かなくても、コンビニの帰り道に虫の声に耳を傾けてその姿を想像するのもよい、という著者の言葉が印象的。ちょっとした散歩のお供にしたい一冊です。

アリとキリギリスの生き方から考える

著者
細谷 功
出版日
2016-11-04

 

イソップ童話の『アリとキリギリス』を、現代人の働き方や生き方に当てはめ、果たしてキリギリス的な生き方は悪なのかという視点で多様化する生き方を解説していく作品です。

貯蓄をするアリの価値観も当然認めるべきですが、浪費をするというキリギリスの生き方も現代社会では経済に貢献する重要な役割を担っています。また定住する巣を作らないという生態を引き合いに出し、「アリ型」と「キリギリス型」に分けてれぞれの行動理論などを示していきます。

そして、自分とは違う価値観を持っているからと嫌厭するのではなく、お互いのよいところを認めて弱い部分を補うことで、より生産性を高めていくことができるはずと語るのです。
 

さらに第三勢力として、今後社会に参入してくるであろうAIについても触れられています。人間が作ったAIを脅威のように扱う風潮に意を唱えている記載もあり、相手を恐れ否定していては何も生まれないという新しい共生を訴える一冊です。

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