虫のなかで、もっとも人間に嫌われているであろうゴキブリ。駆除をするにしても、まずは相手を知ることが大切です。この記事では、彼らの生態や赤ちゃんの特徴、発生原因、対策や対処法などを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、チェックしてみてください。
3億年以上前から生存しているとされ、「昆虫界のシーラカンス」とも呼ばれるゴキブリ。日本では害虫として嫌われています。
国内でよく見かけられる種類は、「クロゴキブリ」「ヤマトゴキブリ」「チャバネゴキブリ」などです。「チャバネ」は15mmほど、「クロ」や「ヤマト」は30mmほどの大きさです。世界中にはおよそ4000種類も存在し、その総数はなんと1兆5000億匹近くいると推定されています。
夜行性で、暗いところを好みます。長い触覚で周囲を感知するので、暗くても活動ができるのです。
雑食性でなんでも食べるのが特徴です。動物質や植物質のものだけでなく、腐敗物も大好物なので、不衛生な場所によく現れます。寒さに弱いので、見かけるのは夏場が多いです。
動きはすばしっこく、足にギザギザの棘がついていて、垂直の壁なども簡単に登ることができます。また個体によっては飛ぶこともできるので、人の手で道具を使わずに捕まえるのは難しいでしょう。
寿命は「クロゴキブリ」が2年ほど、「ヤマトゴキブリ」が3~5か月ほど、「チャバネゴキブリ」が3~4か月ほどといわれています。
「1匹見つけたら100匹いる」という言い伝えがありますが、あながち嘘ではありません。特に家の中で赤ちゃんを見つけた時は要注意です。
成虫の場合は外から侵入してきた可能性が高いですが、赤ちゃんがいるということは家のどこかで卵から孵ってしまっていることになります。
たとえば「クロゴキブリ」の場合は、「卵鞘(らんしょう)」というカプセルのようなものの中に1度に30個ほどの卵を産み付けます。屋内だと天敵もおらず、また天候の影響も受けないため生存率が高く、一気に孵ってしまうのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは3mmほどとかなり小さく、体色は半透明で、米粒のような形をしています。不快感は少ないかもしれませんが、別の虫だと勘違いをして放置をしてしまうと大変です。適切に駆除するようにしましょう。
ゴキブリはいつの間にか現れる印象がありますが、発生にはきちんとした原因があります。生存と繁殖に必要な条件がそろった環境に外から侵入し、侵入したものが繁殖するからです。
まず彼らは、壁を登ることができるうえ、体が平たいのでわずかな隙間があれば潜りこむことができます。
またたとえ家の中を清潔にしていても、外の環境が不衛生であればそこで発生し、侵入してくる可能性があります。侵入先である室内が住みやすい環境であれば、子孫を残すため当然産卵をするでしょう。発生を抑制するためには、室内だけでなく、家の周辺の環境も綺麗に整えておく必要があるのです。
よほどの物好きを除き、たいていの人はゴキブリが苦手、もしくは嫌いなのではないでしょうか。家に出てしまった時の対策と、彼らを寄せ付けないようにする対処法を紹介します。
重要なのは、根本的な原因を取り除くことです。殺虫スプレーなどを使用して1匹だけを退治しても、それだけでは解決していません。重曹やホウ酸団子などの餌を用意し、あえて巣に持ち帰らせて残りの個体も駆除しましょう。
また彼らには共食いの習性があり、仲間の死骸を食べることがあります。毒となる餌を食べて死んだ個体を食べることで、仲間を同時に駆除することができます。
さらに、ゴキブリを寄せ付けない家にするためには、常に綺麗で清潔な環境を整えておくことはもちろんですが、香りを武器にする方法があります。彼らはハーブやハッカの匂いを嫌うので、アロマやスプレー、栽培などをすることで予防することができるでしょう。
- 著者
- 盛口 満
- 出版日
- 2016-08-17
本書は、さまざまな種類のゴキブリを比較しながら、その生態を詳しく解説した図鑑です。
イラストが豊富なのではじめは苦手意識を覚える人もいるかと思いますが、読み進めていくうちに、不思議と彼らの賢さや生命力に感動する場面もあります。嫌悪感を抱いているのは人間の方で、彼らは種を残すために工夫をしながら生きていることがわかるでしょう。
実はカマキリと親戚であったり、成虫でいる期間が短かったりと、意外な事実もたくさん知ることができます。生態を知っておけば、いざという時の対策も適切にできるようになるはずです。
- 著者
- リチャード シュヴァイド
- 出版日
生態や対策についての解説にとどまらず、人間とゴキブリの歴史を学べる1冊です。物語調で書かれているので、ハウトゥー本というよりは小説やエッセイのように読むことができます。
放射線への耐性があることや、宇宙船へ搭載されたことなどを知ると、なぜ彼らが3億年も種をつなぐことができたのかうかがい知ることができるでしょう。
ゴキブリが苦手な方にこそ読んでほしい1冊です。本書を読めば、イメージも変わるかもしれません。