5分でわかるヒバリの生態!高鳴きや巣作り、季節などを解説

更新:2018.9.27 作成:2018.9.27

美しい鳴き声をすることで知られ、ウグイスとともに日本の春を代表する「ヒバリ」。昭和の歌姫の名前の由来にもなっています。この記事では、そんな彼らの生態や「高鳴き」という習性、巣作りや子育て、季語としての扱いなどを解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひご覧ください。

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ヒバリの生態は?季節や生息地など

 

スズメ目ヒバリ科に分類される鳥類で、日本全土に亜種が分布しています。体長は17cm前後。1年を通して姿を見ることができる種類と、寒い季節には南へ移動する種類がいます。そのため北海道などの地域では春から夏にかけて飛来する「夏鳥」として知られています。

元来は拓けた草原や畑に生息する里山の鳥として知られていましたが、2000年代なかば頃からは標高1600~2100mなどの山岳部に営巣する姿も見られるようになりました。

その背景には、彼らが住んでいた農地の荒廃化や草原の減少などがあります。住む場所を追われた結果、山岳部に逃げ込んだと考えられているのです。

雑食性で、主な餌は種子や穀物など。また繁殖期や子育て中は昆虫や蜘蛛などを食べて栄養を補給しています。

寿命は平均で16年ほど。最長では30年生きたという記録も残っています。

ヒバリの高鳴きとは

 

早春から晩夏にかけて、さまざまな声で鳴くことで知られています。これは「高鳴き」と呼ばれるもので、繁殖期にオスが縄張りを主張し、メスにアピールするための行動だと考えられているのです。

「高鳴き」をするのは、垂直に急上昇してホバリングをする時と、その後に滑空する時。地面から飛び立つときは「ピュルピュル」、上空では「チュルリピチュルリ」などと鳴きます。

ヒバリという名前も、この「高鳴き」に関係していて、晴天の日に空高く昇るという意味の「日晴」にちなんでいると考えられています。

また英名の「skylark」には「空を楽しむ」という意味があり、普段は地上にいてあまり目立たない彼らが、高鳴きをしながら空を飛ぶ姿から付けられました。

ヒバリの巣作りと子育てについて

 

春から夏にかけて繁殖期を迎えるヒバリ。パートナーを見つけると、営巣を開始します。樹上ではなく地面に穴を掘り、中に草を詰めてお椀型の巣を作るのです。

1度に3~5個の卵を産み、2週間前後の抱卵で孵化。雛が孵ると、親鳥は交代で餌となる虫などを巣に運びます。その数はなんと、1日に60回近くにまでのぼるそうです。

雛が親元を離れて生活できるようになるには20日ほどかかります。その後は、親鳥のつがいも別々に行動をするようになり、翌年にはまた別の相手と子育てをするのです。

一般的に鳥の巣は樹上に作られているイメージが強いので、ヒバリの雛が地上を歩いていると、巣から落ちてしまっただとか、親鳥とはぐれてしまったと勘違いをされることが多くあります。彼らを保護しようとした人が、かえって弱らせてしまう結果になる事案が毎年報告されていて、営巣地では注意が呼びかけられています。

ヒバリは春の季語!有名な句と意味を紹介

 

春を表す季語としても用いられ、漢字では「雲雀」と表記されます。また冬の季語として、小春日和の日に見られるヒバリを表す「冬雲雀」という言葉もあります。

では有名な句をご紹介しましょう。

日輪に きえ入りてなく ひばりかな

ホトトギス派の俳人であり、高浜虚子に師事した飯田蛇笏(いいだだこつ)が詠んだ句です。空高く舞いあがったヒバリの姿は見えないけれど、その美しい鳴き声から存在がわかる、という里山の情景を切りとっています。

雲雀鳴く 中の拍子や 雉子の声

1689年、あるいは1690年に松尾芭蕉が詠んだ句です。高鳴きをするヒバリの声に合いの手を入れるようにキジの声が響く、うららかな春の日の一幕を表した内容になっています。

わが背丈 以上は空や 初雲雀

ホトトギス派の俳人、中村草田男(なかむらくさたお)が詠んだ句です。「冬雲雀」と、冬の季語として用いました。

広大な草原に立ち、ヒバリの声がして空を見上げると遮るものが何もなく、自分の背丈よりも上には空しか広がっていないという自然の雄大さを詠んでいます。

バードウォッチングに必携の一冊

著者
叶内 拓哉
出版日
2016-10-21

 

身近な野鳥たちを科ごとに分類して紹介している図鑑です。近種で似た外見をしたものの写真を並べて配置することで、細かな差異も理解できるように構成されています。ヒバリについても、特にメスの区別がつきにくい「タヒバリ」と比較をし、斑の出方など異なる点がよくわかるでしょう。

また生息地ごとにアイコンがつけられているので、見たい野鳥がどこにいるのかも一目瞭然。ハンディサイズで持ち運びもしやすいため、バードウォッチングのお供にしたい一冊です。

ヒバリなど野鳥をとおして四季を感じる

著者
大橋 弘一
出版日
2015-12-10

 

国内で姿を見ることができる野鳥を、「旬」の季節ごとに紹介している作品です。生態だけでなく、縁が深い文学や昔話、詩歌もあわせて紹介されていて、他の図鑑とは一線を画しています。

躍動感あふれる美しい写真が数多く掲載されているのも特徴。ヒバリについては、高鳴きをはじめ、砂浴びをして羽の手入れをしている様子や天敵を警戒する様子など、暮らしぶりがよくわかるものが載っています。

紹介されている鳥は全部で145種。文化や文学もあわせて日本の原風景を感じられる一冊です。

以前はいたるところで姿を見ることができたヒバリですが、都市部などではその機会がほとんどなくなってしまいました。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている地域もあり、今後も個体数の減少が懸念されています。ヒバリをとおして、貴重な自然を保全する必要性を再確認するのもいいかもしれません。