経済という漠然としたものへの興味
こんにちは。藍坊主のベース藤森真一です。ホンシェルジュのサイトで藍坊主のインタビューが掲載されました。ニューアルバム『Luno』に対する気持ちを編集部のO氏が受け止めてくれ、魅力的な記事にしてくれたので覗いてみてくれると嬉しいです。(こちら→http://honcierge.jp/articles/interview/185)
その際に藍坊主のメンバー4人が「藍坊主の原点回帰」というテーマで本を持ち寄り、藤森からは『考えるノート』を紹介しました。自分の考えをまとめるノート術が書いてある魅力的な本であり、この本に出会って以降、実際にノートを使うことも多くなりました。約5年前に始めて、20冊以上は書いたと思います。
改めて読み返してみたら、日記を読み返すような感覚で、恥ずかしくもあり、そして何があっても他人へは見せられない代物に熟成されていました。たった数年前とは思えないクサイ表現に、思わず笑ってしまった。なかでも、はじめの頃に書いた文章が面白くて何度も読んでしまったのだけど、そのほとんどが経済について書いてありました。きっと経済という漠然としたものに興味を持ち始め、関連する本を読んでいた頃なんだと思います。「おい、藤森真一、20代後半で興味を持つには遅すぎるだろ!」と昔の自分にツッコミたくなる気持ちもあるけど、遅い目覚めだったから発見できたこともあったような気がします。
ということで今回は、僕が影響を受けた3冊を紹介しようと思います。テーマはズバリ「お金以上の価値観が生まれる!?今からでも遅くない経済の本」です。熟成ノートの内容も合わせて紹介しようと思いますので、鼻をつまみながらどうか最後までお付き合い下さい。
経済の仕組みが面白いほど分かる一冊
- 著者
- 木暮 太一
- 出版日
- 2010-07-17
経済。聞くだけで距離を感じていた言葉です。しかし天災などでスーパーやコンビニから商品がなくなり、目の前にある貨幣が何の役にも立たなくなる度に、お金のルールの中で生きていることを実感します。節約術のような財布の中のことだけでなく、自分が生きている世界のルールを知りたくなり、本屋に足を運びました。
ひょえー、と声が漏れるくらい沢山ある経済入門書の中から2、3冊購入したうちの1冊がこちら。著者の年齢が自分と近かったこと、帯に「27歳までに体得しておきたいシャカイジンの常識」と書いてあったこと、そんな安易な理由でチョイスしたような記憶があります。にも関わらず、幸運なことに理解しやすい本と巡り会うことが出来ました。遠い国の金融市場を、日本で普通に生活している僕にまで届くように丁寧に解説してくれています。
サブプライムローンを例に挙げるとこんな感じです。太平洋の向こう側で起きた住宅ローンも証券化すると日本でも買える→アメリカの住宅バブルが崩壊→サブプライム関連証券が値下がりする→株や債券その他の金融商品も値下がりする→運用に失敗した金融機関の業績が悪くなる→業績が悪くなった金融機関はそれ以上のリスクをとる事が出来なくなる→一般企業にお金を融資する事が出来なくなる→日本の会社の倒産、またはリストラ、またはボーナスカットが起こる。
さらに言えば、株に投資するリスクが高まり、食料に投資する人が増えたためにスーパーで買う食料も高騰し、主婦にも大きな影響が出たというわけ。文字にすると取っ付きにくさが出るけど、イラストもあり目線を下げてくれるキャラクターもいるので楽しみながら基本を学ぶ事が出来ると思います。僕の中では経済という言葉が近くなった1冊です。
「つながり」は「お金」に替えられるか?
- 著者
- 清水 克俊
- 出版日
- 2011-12-16
当時のノートにこう書いてありました。「内国債だから大丈夫なのか。仮に自分の借金が数千万円あるけど全額身内に借りているから大丈夫と言えるだろうか」。経済という言葉との距離が短くなったのと同時に、危機感まで近づいて来たことを覚えています。なかでも国や地方が発行する債券に疑問を感じ、この本を手にとりました。
国債と地方債合わせてその額一千兆円を越えるらしい。この本を読んだのは4、5年前だったから、多分、その大台には乗ってなかったと思うけど、それでも著書からは危機感が伝わってきます。国債はGDP比の2倍近くあり、まだまだその額は増えている現実。日本国家を年収600万円の世帯に置き換えると、現在の借金が8000万円あり、元金を減らすどころか年間300万円の借金を新たにしていることに相当するらしい。増税や財政運営プランなどの解決策は専門的な知識が足らず100%理解出来たわけではないけど、どれをみても平坦な道のりではないことはしっかりと伝わって来ました。
後半では年金問題を取り上げていて、2045年に子供(15才未満)と老人(65歳以上)の全人口との比率は9.0%対 38.2%というデータが掲載されています。
それでも著者は国債問題に比べればまだ年金問題は楽観的に見ているらしく、その理由はもともと年金制度がなかったとしても、大部分の親には子があり、親と子は互いの生活をサポート出来ると考える人もいるだろうとのこと。この意見をうけて、『国債危機と金融市場』というタイトルの本を読みながらも、お金ではないつながりの重要さを感じました。そこで次に紹介する本を手にとることになります。重苦しい問題が少し前向きに見られる1冊です。