5分でわかるオリンピックの歴史!古代と近代の概要や目的など【年表付き】

更新:2021.11.16

紀元前776年から開催された古代オリンピック。1度は廃れてしまったものの、1896年に近代オリンピックとして再興され、世界大戦での中止を挟みつつも今日まで継続して実施されています。2020年には東京で開かれることも決まっているため、何かと注目している人も多いのではないでしょうか。この記事では、古代と近代の歴史を、概要や目的とともに振り返りつつ、おすすめの関連本を紹介していきます。

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オリンピックとは。歴史を年表で簡単に解説!

 

いま私たちが親しんでいる祭典は、「近代オリンピック」と呼ばれるものです。その起源は、紀元前に始まった「古代オリンピック」までさかのぼります。

では古代も含めてオリンピックがどのような歴史を歩んできたのか、おもな出来事を年表で紹介していきましょう。

紀元前776年

ギリシャのオリンピアで、記録上最古の「オリンピア大祭」が開催されました。

393年

392年にローマ帝国がキリスト教を国教とし、異教の神の祭典である「オリンピア大祭」は禁止されることになりました。393年に開催された第293回が最後となります。

1892年

フランスのクーベルタン男爵が歴史書に感銘を受け、オリンピックの復興を提唱しました。

1894年 

「パリ国際アスレチック会議」で、クーベルタン男爵の提唱したオリンピックの復興が満場一致で可決されました。同時期に、第1回をギリシャのアテネで開くこと、4年に1回開くことなどが決定されます。

1896年

近代オリンピックの第1回大会であるアテネオリンピックが開催されました。

1916年 

ベルリンオリンピックが開催される予定でしたが、第一次世界大戦のため中止となりました。

1938年

1940年に開催される予定だった第12回大会の開催地は東京で、初めてアジアで開催されるとなり話題となりました。しかし1937年に勃発した日中戦争などを理由に、日本が開催権を返上。その後代替地がフィンランドのヘルシンキとなりましたが、こちらも第二次世界大戦によって中止になっています。

1948年

1936年のベルリンオリンピック以来、12年ぶりの夏季大会としてロンドンオリンピックが開催されました。第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツは招待されていません。

1964年

アジアではじめて開催されるオリンピックとして、東京オリンピックが開催されました。

1980年 

共産圏で開催される最初の大会として、モスクワオリンピックが開催されました。しかし1979年に生じた「アフガニスタン侵攻」を受け、日本やアメリカなど西側諸国を中心にボイコットが相次ぐ結果となっています。

この報復として、1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックでは、共産圏の国々がボイコットを実施しました。

2016年

リオデジャネイロオリンピックが開催されました。南米大陸で初めて開催される大会でした。

 

古代オリンピック誕生の歴史。始まった理由や目的、メダルはあった?

 

先述したとおり、記録に残っている最初の古代オリンピックは、紀元前776年にギリシアで開催されたものです。当時の名称は「オリンピック」ではなく「オリンピア大祭」というもので、ギリシャ神話の神ゼウスに捧げるものとして開かれました。

そのほか古代ギリシャでは、「ネメア大祭」「イストミア大祭」「ピューティア大祭」という競技大祭が開かれていて、なかでも大神であるゼウスに捧げられるオリンピア大祭がもっとも盛大におこなわれたそうです。

当時のギリシャは、アテネをはじめとするさまざまな「ポリス(都市国家)」に分かれている状態。ポリス同士の戦いも生じていましたが、これらの競技大祭が開催されている期間中は「聖なる休戦」として戦いを中止する習わしがあったといわれています。

初期は「スタディオン走」という約190mの直線を走る、徒競走の1種目のみが実施され、1日で終わっていたそうです。その後しだいに競技数が増え、長距離走や円盤投げ、レスリング、ボクシング、さらには詩の競演など、多彩になっていきました。

これらの競技の勝者には、メダルではなく「オリーブの冠」が授与されていました。「オリーブの冠」を得た者はポリスの誇りとされ、報奨金や免税などさまざまな特典を受けることができたそうです。ただこれが、後に審判の買収などの不正行為を引き起こすことにも繋がっていきました。

ちなみに古代オリンピックも、現代と同じように4年に1度の開催だったそうです。その理由は諸説ありますが、もっとも有力なのは、ギリシャで用いられていた太陰暦にならっているというもの。もともとは季節のずれを修正するための「うるう年」に祭典が開かれていて、それがオリンピア大祭に繋がっていったとされています。

紀元前146年に、ギリシャはローマに征服されてしまいますが、その後もオリンピア大祭は変わらず開催されていました。392年にキリスト教がローマ帝国の国教となり、393年に開催された大祭を最後に古代オリンピックは終わりを迎えることとなります。

 

近代オリンピックの歴史。開催の目的、日本の初参加、第1回の種目など

 

古代オリンピックが廃れてから1500年近くが経ち、1800年代になると、ドイツの考古学者シュリーマンが伝説上の存在だと考えられていた「トロイの遺跡」を発掘。ヨーロッパで古代文化への関心が高まっていきました。フランスのクーベルタン男爵がオリンピックの復興を提唱したのも、この潮流によるものです。

クーベルタンは、彼自身もラグビーをプレーするなどスポーツマンの一面をもっていました。ある日歴史書のなかにギリシャのオリンピア大祭の記述を見つけて感銘を受け、1894年に開催された「パリ国際アスレチック会議」の席上で「オリンピックの復活」を満場一致で可決させることに成功します。

これを受けて2年後の1896年に、ギリシャのアテネで最初の近代オリンピックが開催されることとなりました。

クーベルタンは近代オリンピックの目的として、「オリンピズム」と呼ばれる考えを提唱しています。公益財団法人「日本オリンピック委員会」のホームページによると、オリンピズムとは、

「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」

とあります。クーベルタンはオリンピックの開催を通じて世界平和の実現を目指していたのです。

シンボルとして知られる五輪のマークも、クーベルタンによって作られました。5つの輪は世界五大陸を表していて、用いられている青色、黄色、黒色、緑色、赤色に地の白色を加えると、ほとんどの国の国旗を書くことができるという理由で採用されたそうです。

アテネで開かれた第1回大会には、欧米諸国から14ヶ国が参加しました。選手は全員男子で、241人。悪天候で中止されたボートを除く、陸上、水泳、体操、レスリング、フェンシング、射撃、自転車、テニスの8種目が実施されています。

日本が初めて参加したのは、1912年にストックホルムで開催された第5回大会から。短距離とマラソンで2人が出場しましたが、どちらも結果を残すことはできませんでした。

その後も日本はさまざまな種目に選手を派遣し、2018年現在は、2020年に東京で開催される大会を成功させるために準備をすすめています。

 

東京オリンピックの日程と、追加される新種目を紹介!今後の開催地も

 

東京オリンピックの開催期間は、開会式に先がけて実施される野球・ソフトボールの試合を含め、2020年7月22日から8月9日までです。

33競技、339種目が実施される予定で、これは大会史上最多。下記の5競技が新たに加わっています。

・野球、ソフトボール
・空手
・スケートボード
・スポーツクライミング
・サーフィン

これらの競技が採用された背景には、若者のスポーツ離れを防ぐ意図があるそうです。特にスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンは若い世代に人気があり、スポーツの魅力を発信できる大きなチャンスとなるでしょう。

ちなみに東京オリンピックの後は、2022年に中国の北京、2024年にフランスのパリ、2026年にスイスのローザンヌ、2028年にアメリカのロサンゼルスで開催予定となっています。

 

さまざまな情報をまとめた事典

著者
日本オリンピック・アカデミー
出版日
2016-06-15

 

編者の「日本オリンピック・アカデミー」は、オリンピックやスポーツの普及と振興を目的とした団体です。本書は、古代から近代にいたる歴史をコンパクトに事典としてまとめた一冊。

平和の祭典として開かれたこと、戦時中は国威発揚の場として利用された側面があったこと、近代になるにつれて商業的側面ももつようになったことなど、単なる歴史が羅列されているだけでなく、時代のなかでオリンピックがどのような役割を果たしてきたのかもうかがい知ることができます。

また開催地マップや有名選手の記録など、資料も満載。クイズなどもあり、楽しみながら読むことができるでしょう。

 

古代オリンピックの歴史を学べる一冊

著者
出版日
2004-07-21

 

古代ギリシャ史を専門とする研究者による共著です。本書では、それぞれの強みを活かした論究がなされていて、オリンピックはもちろん、古代史を知るうえでも有益な一冊となるでしょう。

古代オリンピックの起源にはじまり、競技の詳細や文化的背景、勝者が得られた栄光など、さまざまな側面から詳細に記されています。

近代との違いを学びつつ、その変遷を学べる貴重な一冊です。

 

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