映画やアニメにもなり、少女漫画の不朽の名作である『NANA』。現在は連載が休止していますが、多くのファンが再開を待ち望んでいます。そんな本作の魅力といえば、なんといっても登場人物のセリフでしょう。さまざまな人物が、心に残る名言を残しています。 今回の記事では、キャラクターごとに名言をご紹介します。ちなみに本作が無料で読めるスマホアプリは、そのほかにも『天使なんかじゃない』や『君に届け』『有閑倶楽部』など豪華なラインナップが多数なので、この機会をお見逃しなく!
まずは、本作のあらすじをご紹介します。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2000-05-15
小松奈々(通称・ハチ)は、東京にいる恋人・遠藤章司と生活するために上京します。その新幹線の中で、自分と同じ名前である大崎ナナと出会い、意気投合。ナナは、音楽活動のために東京に向かう最中でした。
2人は、その後偶然にも再会し、同じ部屋に住むことになります。2人の「ナナ」は、お互いの恋人や友人とともに、東京での生活を始めるのでした。
ナナはBLACK STONES(通称ブラスト)というバンドに所属しています。そんな彼女には、忘れられない、かつての恋人がいました。彼の名前は、レン。彼は、かつてのメンバーであり、現在はTRAPNEST(通称トラネス)というバンドで、ギタリストとして活躍しています。
この2つのバンドを交えて、物語は進んでいくのです。
また、本作が無料で読めるスマホアプリは『天使なんかじゃない』や『アオハライド』なども読めるので、ぜひご覧になってみてください。
本作は、物語だけ見ると、よくある恋愛漫画のように感じられてしまうかもしれません。しかし、他の作品と一線を画しているのは、登場人物の個性です。
主人公である2人の「ナナ」はもちろん、脇役でも個性が際立ち、それぞれの魅力があります。すべての人物が、物語で重要な役割を果たし、本当に実在しているかのように生き生きと描かれているのです。そのため読者は、キャラクターに感情移入することができるのかもしれません。
好きになれる人物もいれば、そうではない人物もいるでしょう。自分自身に似ている人物も、いるかもしれません。男女を問わず物語に熱中できるのは、個性的な登場人物たちがいるおかげなのです。
ここからは、そんな魅力的な登場人物達の名言をご紹介していきます。
大崎ナナは、主人公である2人の「ナナ」のうちの1人。ブラストでボーカルを務め、ミュージシャンとして活躍するために上京します。もう1人の「ナナ」である一ノ瀬奈々を「ハチ公」と呼んでかわいがっており、恋愛でも私生活でも協力しています。
そんな彼女は強気な性格ですが、繊細な部分も持ち合わせており、孤独に弱いという一面も。
上京してしばらく経った頃、ブラストは遂にブレイク。トラネスと、音楽番組で共演することになりました。そして、かつての恋人・レンと再開を果たした彼女は、彼からプロポーズを受け、結婚することになるのです。
再開を果たし、幸せが待っているかのように見えた2人。しかし、そんな彼らに待ち受けていたのは、あまりにも悲しい運命でした。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2002-09-13
そんな彼女の名言は、ハチがタクミと住むため、出ていってしまった後のもの。
どんなに一緒にいても
みんなそれぞれに生きてて…
誰かを自分のものにするなんて絶対無理なのは分かってんだけど
時々どうしようもなくその事が…
寂しく思えるときがあって…
(『NANA』6巻より引用)
強気な彼女が、弱い一面をさらけ出した瞬間です。ハチのことが好きで、一緒にいたかったという寂しい気持ちがわかる一方、本当に彼女のことを心配しているのがわかる場面でもあります。
ナナは母親に捨てられ、15歳から天涯孤独の身だったという過去を持ち、その反動で所有欲が強い性格。そのせいか、レンとの関係に悩んで過呼吸になることもあります。
このセリフも、彼女の心の傷を反映したものなのかもしれません。
もう1人の「ナナ」である、一ノ瀬奈々(通称・ハチ)は、恋多き女です。高校時代には不倫をしていたり、恋愛関係にない男性とも一夜をともにするなど、一見すると節操のない女性に見えます。
しかし実際には、好きになった男性には一途な想いを抱く性格です。自分とは正反対な性格のナナに憧れ、彼女の恋愛や、歌手としてのキャリアがうまくいくように願う優しい一面も。
彼女は、もともとファンだったトラネスのリーダーでベース担当の、一ノ瀬巧と関係を持ちます。その後に彼に別れを告げ、ブラストのギター担当・ノブと交際を始めるのですが……。
NANA―ナナ― 2 (りぼんマスコットコミックス)
そんなハチの名言は、ナナに向けられたものです。
ねえ ナナ
ナナは気ままなノラ猫みたいで誇り高く 自由だけれど
癒えない傷を負ってたよね
能天気なあたしは それさえ かっこいい事のように思ってた
それが どれ程の痛みなのかも知らずに
(『NANA』2巻より引用)
このセリフが登場した時点では、ハチはナナの過去を詳しく知りません。物語も序盤で、今後の展開をにおわせる言葉でもあります。
本作の随所で挿入される、このようなモノローグは、未来のハチが言っているという設定。ここで紹介したセリフも、その1つです。
彼女は、物語の冒頭ではわがままな性格で、友人の淳子や、ナナに呆れられています。しかし、さまざまな人物との交流をとおして、人間として成長していく姿が見られるのです。
本作を読む際は、ぜひそんな彼女の姿にも注目してみてください。
ここからはブラストのメンバーの名言を紹介していきます。
高木泰士(通称・ヤス)は、ブラストのドラム担当。ナナの親代わりのような存在でもあります。彼女が家を借りるときは保証人になり、相談にも乗るなど面倒見のよい性格です。
スキンヘッドにサングラスという風貌ですが、国立大学を出て、メジャーデビューまでは弁護士事務所で勤務をしていました。ナナの仲間のなかでは最年長で、インテリでもあるのです。
両親を幼い頃に亡くしており、高木夫婦に引き取られるまで、児童養護施設で育ちました。レンも同じ施設にいた関係で、彼とは兄弟のような間柄です。
かつては、トラネスのボーカル・レイラと恋人関係でしたが、現在は篠田美雨と交際しています。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2002-05-15
そんなヤスの名言は、レンに対する、このセリフです。
もう会う気がねぇんなら ナナはおれがもらう
(『NANA』5巻より引用)
この場面の少し前で、レンは、ライブにナナが来ていたことに戸惑っています。ヤスは、2人がよりを戻せるように、わざレンを挑発しました。2人のことを思っての言葉ですが、ヤスの本心が垣間見える場面でもあります。
本作の魅力は、個性的な脇役にもあります。彼はその代表格で、彼がいなければ物語が成立しないといっても過言ではありません。
本作を読む際は、彼の活躍にも注目してみてください。
寺島伸夫(通称・ノブ)は、ブラストのギター担当。明るく人懐っこい性格で、ハチと気が合います。
実家は旅館を経営していますが、レンに憧れて音楽を始めました。高校時代にナナと知り合い、常に1人で行動していた彼女の、唯一の親友となります。
酒に弱く、酔うと口が軽くなってしまう一面も。このために、他の登場人物の過去を語るなどをしてしまうのです。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2002-05-15
ノブの名言は、レンとナナの関係についての発言です。ハチと2人でいるときに、彼らへの想いを口にしました。
二年も音信不通で離れてた相手を
お互いずっと変わらず想い続けるって普通は出来ないよ
人の気持ちなんて流されて変わるのが自然だし
だいたい そこまで強く引かれ合う相手に出会える事自体 まれじゃないかなぁ
(『NANA』5巻より引用)
もっとも近くで、ナナとレンのことを見ていた、彼ならではのセリフです。
彼は、物語の中盤で、タクミと別れたハチと親密な関係になります。ここは本作の大きな見所の1つでもあるので、彼らの関係がどのように発展していくのかも必見です。
岡崎真一(通称・シン)は、ブラストの最年少メンバーのベーシストです。15歳なのに酒と煙草をたしなみ、体を売ってお金を稼ぐなど、いろいろと問題行動が目立ちます。レンに憧れてベースを弾いており、演奏スタイルは彼に似ているのが特徴。
奔放な性格ですが、母が自殺して、父親からは邪険に扱われるなど、複雑な家庭に育ち、影を持つ人物でもあります。日本人離れした容貌にもそこに秘密があるのです。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2002-09-13
そんなシンの名言は、ハチに向けられたものです。
だって僕の知ってる女の人達は みんな
僕の体だったり心だったりを欲しがるけど
ハチは何も求めずに
ただ優しくしてくれるから
そーゆーのって愛を感じるじゃない
『NANA』6巻より引用
さまざまな女性と関係を持った彼が、ハチの純粋さに魅力を感じているのがわかる言葉です。彼は物語のなかでトリックスター的な立ち位置ですが、まだ15歳なので、子どもらしい一面もあります。
母親がいない彼は、彼女をどこかで母親のように思っており、一方のハチも、母親のような優しさで彼に接していくのです。
ブラストは念願叶ってメジャーデビューを果たしますが、そこには意外な運命が待ち受けています。それには、シンが大きく関わっているのですが……。
ブラストは、果たしてどうなってしまうのでしょうか。
ここからはトラネスのメンバーの名言を紹介していきます。
芹澤レイラは、トラネスのボーカルです。アメリカ人とのハーフですが、事務所の戦略でそれを隠して活動しています。ナナが嫉妬するほどの、高い歌唱力の持ち主です。
演奏中は高嶺の花のような存在ですが、実際は子供っぽい一面があります。ナナと初対面の際も、ボーカル同士の火花散る展開かと思いきや、彼女のほのぼのとして挨拶によって、ナナが呆気にとられることになりました。
高校時代にヤスと交際していましたが、幼なじみであるタクミに長年恋心を抱いています。しかしタクミは、彼女のことを妹のようにしか思っていません。しかし物語が進むにつれ、この関係性は徐々に変化していき……。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2002-10-15
そんなレイラの名言は、歌うことへの想いを語ったものです。
あたしはべつに歌うの好きだし
いっそ歌うマシンになれたらいいのにって思うの
欲望とか嫉妬とか 何も感じない 疲れ知らずの高性能マシーン
でも感情を捨てたら いい歌は歌えないよね
(『NANA』7巻より引用)
ナナが嫉妬するほどの歌唱力を持った彼女の、歌うことへの葛藤が感じられますね。同時に、生きること自体への葛藤も感じられます。彼女は絶対的なボーカリストという立場でありながら、タクミとシン、2人の男性に対する想いに揺れることになるのです。
彼女は歌唱力が高い美人ですが、シンをお金で買うなど、意外な一面が目立ちます。その不安定なところのあるギャップが、彼女の魅力の1つといえるでしょう。
本城蓮(通称・レン)は、元ブラストのメンバーで、トラネスに移籍したギタリスト。高い演奏技術を持っており、ファンからの人気もあります。
ナナとはブラスト時代に交際していましたが、移籍をきっかけに破局。2年間は音信不通でしたが、ナナが上京した後に再会を果たしました。彼が首にかけている南京錠はナナがプレゼントしたもので、鍵はナナが持っています。このアクセサリーは、セックス・ピストルズの、シド・ヴィシャスをイメージしたものです。
レンはクールな性格ですが、『みなしごハッチ』や「週刊少年ジャンプ」を愛読するなど、子供らしい一面もあります。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2007-03-15
そんなレンの名言は、ナナへの愛情を語ったものです。
おれはナナがおれの思い通りにならなくても
たとえ他の男と結ばれても
ずっと変わらずに大事に思えるくらい
優しい人間になりてぇよ…
(『NANA』17巻より引用)
ナナに対する、熱い想いを感じます。彼はナナのことや、さまざまなことに悩んだ結果、薬物に溺れていきます。ある意味では、それほどに彼女を大切に思う気持ちが強かったのです。
しかし、2人はしだいにすれ違っていきます。誰よりも、お互いのことを想っているにも関わらず。
本作では、最重要人物であるレン。彼が辿る運命とは……。
一ノ瀬巧(通称・タクミ)はトラネスのリーダーで、ベース兼プロデューサーでもあります。ヤスとレイラの幼なじみであり、中学時代は学校の窓ガラスを割るなど、素行の悪い生徒でした。
バンド内でもワンマンで知られ、レイラ以外のメンバーが何度も入れ替わっているのは、彼のせいだといわれています。仕事中心の生活を送っており、非常に頭の回転が速い人物です。
アルコール依存症の父親を持つ複雑な家庭環境で育ったため、姉が母親代わりであり、そのためシスコン気味という意外な一面も。
複数の女性と関係があり、女性関係にルーズだとわかるような描写も、しばしば見られます。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2003-11-14
そんなタクミは、あるきっかけからハチと親しくなります。タクミのファンだった彼女は、戸惑いながらも彼に惹かれていくのです。彼の名言は、そんなハチへの想いを語ったもの。
奈々は現実が理想とは違う事
それなりにわきまえてるから
どこで学んだんだか知らねえけど
その上でヒネずに夢見がちだから かわいいんだよ
(『NANA』9巻より引用)
当初は、お遊びのような態度で彼女と接していたタクミですが、しだいに本気であることがわかっていきます。そんな彼の、意外な内面が垣間見える一言ですね。
ここからはその他の登場人物たちについて見ていきましょう。
早乙女淳子はハチの高校時代の同級生で、よき理解者でもあります。ハチに恋愛や人生のアドバイスをすることもある、ある意味で保護者的な存在です。
本作の単行本では巻末に「淳子の部屋」というおまけページがあり、読者からの投稿や、イラストを紹介しています。
中学時代にヤンキーだった影響か物怖じしない性格で、時々厳しい口調で物を言います。しかし、それはしっかり者である証拠であり、彼女の優しさからくるものなのです。
NANA―ナナ― 4 (りぼんマスコットコミックス)
そんな淳子の名言は、ハチと章司の恋愛についてのものです。
奈々は 自分を好きでいてくれた章司の事が 好きだったんだよ
恋愛だって…人間同士の関わリ合いなンだから
相手を思いやれなきゃ上手く行きっこないよ
(『NANA』4巻より引用)
彼女自身も、京助と高校時代から付き合っており、現在は同棲中の立場。そのため、彼女は彼女なりの恋愛観を持っています。それが垣間見える一言ですね。
遠藤章司は、ハチの元恋人です。順子の幼馴染。ハチとは地元の専門学校で出会いました。
順調な付き合いをしていましたが、彼の心変わりで破局。真っ直ぐで嘘のつけない性格が災いしてか、奈々のわがままについていけなくなってしまってから、幸子と二股をしてしまうのです。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2004-08-11
彼は本作の登場人物のなかで、もっとも凡庸な性格といっても問題ない人物。そんな彼の名言は、ハチのことを言っていると思われるものです。
遠くなるほど見えるのに
近くになるほど見失うんだよね
(『NANA』11巻より引用)
身近な人こそ見失いがち、という気持ちはよくわかります。現在の恋人である幸子の前でおそらくハチのことを言っていると思われ、一見身勝手にも感じられますが、そんな素直で人間らしいところが魅力なのです。
川村幸子は、章司のバイト先にいた女性です。ハチと章司がすれ違い始めたころに出会い、急接近します。
章司がハチと付き合っていると知って、一度は身を引こうとしました。しかし、彼と関係を持ったのをきっかけに、そのまま関係を続けることになるのです。
NANA―ナナ― 3 (りぼんマスコットコミックス)
そんな彼女の名言は、漫画好きの間では有名な、あの発言。
章司と一緒に終電に乗ろうとしますが、階段でハイヒールが脱げてしまいます。いつもはスニーカーなのに、この日に限ってハイヒールを履いていたことについて、彼女の一言。
わざとだよ
(『NANA』3巻より引用)
彼女が小悪魔っぷりを発揮したこのシーンはネットでも有名で、名場面として紹介されることがあるほどです。彼女の策略には、賛否両論がありそうですね。
彼らの三角関係の結末。ここは序盤の大きな見所の1つとなります。章司をふる際の、ハチの言葉もなかなかの名言なので、ぜひそちらにも注目してご覧ください。
上原美里は、ブラストがメジャーデビューする前からの熱狂的なファンで、ブラストが上京した後もライブに駆けつけます。ついにはハチとナナが住んでいるアパートにも出入りするようになり、ハチとも親しい間柄になるのです。
さらには、ブラストが好きすぎて、彼らのマネージャーになってしまいます。それほどに、彼女の彼らに対する愛は、凄まじいのです。
物語の中盤で、美里というのは偽名であると判明し、本名は都築舞であるとわかります。しかし、その後も美里と呼ばれるなど、ブラストのメンバーから非常に愛されている人物です。
本作では、ナナの過去は謎に包まれています。美里はそれを明らかにしてくれる、重要な人物なのです。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2005-08-12
そんな美里の名言は、彼女の一途な気持ちがあらわれたもの。
好きなものを大切にするためには 我慢が必要なのに
どうして神様は 人間を好きなものに程
我慢が出来ないように作られたんでしょうか
神様は 悪魔ですか?
(『NANA』13巻より引用)
彼女はブラストのライブ中に泣き出してしまうほど一途で、ナナのことを懸命に応援しています。アルバイト代をナナへの貢物に使うなど、その気持ちは本物です。
また、彼女の偽名「上原美里」には、ある大きな秘密が隠されています。それは、ナナの過去に関することで……。
藤枝直樹(通称・ナオキ)はトラネスのドラマーで、中学時代にタクミと知り合ったことでバンドを始めました。メンバーのなかでは知名度が低く、「トラネスの金髪の人」といわれるほどです。
パパラッチのことを「パパラッキョ」といったり、県民性を「国民性」と言ったりするなど、天然ボケなところがあります。
鈍感で少女趣味、ちょっとお馬鹿キャラが入っているところがハチと似ており、そのためか、彼女と初対面を果たした際は、すぐに仲よくなりました。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2003-05-15
そんなナオキの名言は、次のようなものです。
どんなにひかれあっても
お互いに大切な物を理解できない人とは長く付き合えない
(『NANA』8巻より引用)
彼の恋愛観がわかる発言ですね。本作では彼だけでなく、さまざまな登場人物の恋愛に関するセリフがあります。恋愛に悩んでいる方は、特におすすめです。
篠田美雨(通称・ミュー)は、ブラストが所属する四海コーポレーションの売れない女優です。芸名は、美雨。メンバーのなかで麻雀が強いシンよりも、さらに上の実力を持っているという意外な一面も。
物語の途中から、ヤスと交際を始めます。
一見落ち着いていて、何事にも動じないように見える彼女ですが、過呼吸の発作を持っている人物。さらに、腕にはリストカットの跡があります。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2006-03-15
ミューは登場人物のなかでは年長ですが、恋愛には奥手です。彼女の名言は、そんな性格を反映しています。
恋愛感情ってのが あんまり信用できないんだよ
一時の衝動で舞い上がって 色んな事見失うじゃない?
あの感じが苦手なの
(『NANA』15巻より引用)
本作は恋愛がうまくいくばかりではなく、それによって苦しむ人の姿も描かれます。同じような境遇にいるなら、共感すること間違いなしです。
また、そんな彼女がヤスとゆっくり関係を深めていくところ、さらに彼女のペースに合わせ、彼女を想うヤスの優しさも見所です。
香坂百合は、四海コーポレーションの女優です。本名は、松本朝海。
家出をしたところを事務所に拾われましたが、売れない時期が続き、やがてAV女優としてデビューしました。演技力はかなり高く、後にR指定の映画のオファーがきます。
ナナと同じで女王様気質な性格で、美雨を嫌っている節があります。
ノブと関係を持ち、その後に正式に交際するようになりました。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2005-08-12
そんな百合の名言は、次のようなものです。
何で男って
出すだけ出して ネクタイ締めたとたん
脳内が現実に切り替わるんだろう
超しらける
(『NANA』13巻より引用)
奔放な彼女らしい発言ですね。この発言をはじめ、何かと誤解されることの多い彼女ですが、AV女優としての活動に対する悩みなど、さまざまな想いを抱えています。
彼女をはじめ、バンドメンバー以外の活躍にもそれぞれドラマがあり、目が離せないポイントといえるでしょう。
本作は漫画だけでなく、映画やアニメなど、さまざまなメディア作品にもなっています。
実写映画は、中島美嘉と宮崎あおいのW主演で上映されました。主題歌となった『GLAMOROUS SKY』は作者・矢沢あいが作詞し、L'Arc~en~Cielのhydeが作曲したことで話題になりました。映画だけでなく、この主題歌も大ヒット。
続く2作目では、ハチ役が宮崎あおいから市川由衣に変わっていますが、これは宮崎あおいが、ハチに共感できなかったことが原因といわれています。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
アニメは、深夜枠で2006年から放送されました。深夜アニメとしては、異例の高視聴率を記録したことでも話題に。
実は、1、2話の内容が大幅に書き換えられ、矢沢が激怒して放送が危ぶまれたという逸話が残っています。原作はハチの不倫話などが盛り込まれた内容となっているのですが、アニメはナナとハチの出会いから始まっているのです。
本作には「NANA7.8」というファンブックも存在しています。ハチの部屋を再現した写真、2人の「ナナ」の上京マップ、トラネスへのインタビューなど、かなり濃い内容となっています。本作のファンだったら、必読の一冊です。
漫画だけでなく、映画、アニメと、さまざまなメディアで楽しめる本作。ぜひチェックしてみてください。
矢沢あいのおすすめ作品を紹介した<『NANA‐ナナ‐』以外の矢沢あい、おすすめ漫画ランキングベスト5!>の記事もおすすめです。
矢澤あいの名作『NANA―ナナ― 』は、今回紹介したもの以外にも多くの名言があります。きっと、あなたの胸に響く言葉にも、出会えるはずです。長く休載している本作ですが、再開を心待ちにしながら、あらためて読み返してみるのはいかがでしょうか。また、まだ読んだことがない方は、これをきっかけにに読んでいただければ嬉しいです。