2015年から「となりのヤングジャンプ」で連載が始まった4コマ漫画、『ライフル・イズ・ビューティフル 』。ライフル射撃というマイナー競技の部活を舞台に、ゆるくも熱い女子高生達の日常が描かれています。本作は、アニメ化も決定した注目作。今回は既刊分4巻をご紹介します。
小学生の頃から射撃を続けている小倉ひかりは、高校でも射撃をやるため、猛勉強の末に射撃部のある高校・千鳥高校へと入学しました。
しかし、いざ入学してみると、射撃部はまさかの廃部!それでも射撃をやりたいひかりは、部活復活のために奔走します。
その後、無事に射撃部の復活が決まり、ひかり達は着々と活動を続けていくことに。
県大会、全国大会、そして目指すはオリンピック……!? 射撃に青春を捧げる女子高生達の日常を描いた、4コマ漫画です。
- 著者
- サルミアッキ
- 出版日
- 2016-05-19
ライフル射撃が大好きな女子高生・ひかりを中心に、彼女の所属する千鳥高校射撃部の日常を描いた4コマ漫画である本作。
ライフル射撃というあまり知られていない競技を扱っていることの面白さはもちろんのこと、個性豊かなキャラクターが織りなす日常は、ほのぼのとしていて気軽に読むことができます。
主人公の小倉ひかりは、明るく気さくな天然系。ライフルが大好きで、廃部になってしまった射撃部を復活させた張本人ですが、実は射撃の腕はあまり高くありません。しかし、ここぞという時の集中力は誰よりも高く、本番に実力を発揮できるという強みがあります。
そんな彼女の幼馴染みが、渋沢泉水(しぶさわ いずみ)。ひかりと一緒に射撃競技をやっていて、天然な彼女を支えるしっかり者です。射撃の腕は、部のなかでは真ん中程度ですが、安定感があります。
姪浜エリカ(めいはま えりか)はロシア人の父親の影響で射撃をしていましたが、過去の大会でひかりに負けたことがありました。上から目線の言動が多い一方で、プレッシャーに弱いという一面もあります。
そして部で1番の腕前の持ち主が、五十嵐雪緒(いがらし ゆきお)。ジュニア大会で優勝をした経験もあるほどですが、基本的には無表情で、何を考えているのかわからないタイプです。しかし、クールというわけではなく、ひかりのおふざけに付き合うノリのよい一面もある不思議キャラ。
他にも、練習試合や大会の話になると他校のキャラクターも出てきて、どんどん賑やかになっていきます。このような個性豊かで親しみやすいキャラクターのおかげで、あまり馴染みのない競技である射撃競技も、堅苦しくなることなく楽しく知ることができるでしょう。
漫画としての面白さだけではなく、射撃競技について知ってみたいと思う方にもオススメです。
小倉ひかりは、小学校の頃から続けているライフル射撃が大好きな女の子。
高校でもライフルを続けるために射撃部のある千鳥高校へ入学しましたが、なんと射撃部が廃部になってしまっていて……!?
- 著者
- サルミアッキ
- 出版日
- 2016-05-19
射撃競技という、多くの人にとってはあまり馴染みのない競技を扱った4コマ漫画。本巻では、主人公のひかりが高校へ入学。廃部になってしまっていた射撃部を復活させようとするところから始まります。
彼女は射撃競技が大好きで、高校でも射撃を続けたい一心で、自分のレベルでは入るのが難しい千鳥高校へ頑張って入学しました。しかし、肝心の射撃部が廃部になってしまっていたため、1日で4人の部員を集めなければならなくなってしまうのです。
そこで彼女が出会ったのが、姪浜エリカ、渋沢泉水、五十嵐雪緒という3人。いずれもライフル射撃の経験者で、ひかりは彼女達と一緒に射撃部生活を始めることになりました。
第1巻である本巻では、ライフル競技について細かく知ることができます。たとえば、競技の際に着るライフルジャケットのことや、実弾ではないレーザー式のライフルのこと、もちろん射撃競技のルールや醍醐味なども知ることができ、射撃なんてまったく知らないという方でもわかりやすく、その魅力を感じることができます。
射撃とは関係ないキャラクター達の日常も描かれ、射撃シーンでの緊張感ある雰囲気とはまた違う、ゆるい面白さも味わえるでしょう。
射撃というあまり知名度の高くない競技だからこその新鮮さ、面白さを感じることのできる本巻です。
千鳥高校射撃部が初めて挑む公式戦。
追い詰められたひかりは、持ち前の集中力を発揮して、まさかの結果に……!?
- 著者
- サルミアッキ
- 出版日
- 2016-12-19
千鳥高校射撃部の初めての公式戦。県内にある4つの射撃部が参加するこの大会で勝ち残ることができれば、全国大会へとコマを進めることができます。
射撃競技の試合の様子が丁寧に描かれていることはもちろん、公式戦ということで、他校のキャラクターがたくさん登場するのも面白いところです。
本作で描かれる射撃競技は、弓道のように静かに的を狙うものなので、試合そのものに派手な動きはありません。そのぶん静かな緊張感や真剣さがうまく描かれているのも、本作の魅力の1つといえるでしょう。また競技自体が静かなために、キャラクターの個性が前面に押し出されているのも特徴です。
千鳥高校射撃部の部員は全員経験者ですが、なかでも雪緒は、ジュニア大会で入賞するほどの腕前。表情があまり変わらない不思議なタイプですが、本巻では、そんな彼女の試合でのかっこよさを見ることもできます。
また、他校のキャラクターには、オリンピック強化指定選手という腕前なのにいい加減な性格の女の子や、厳格で真面目に見えて実はフレンドリーという女の子など、公式戦だからこそのさまざまなキャラクターを楽しむことができる第2巻です。
遂に全国大会への出場を決めた、千鳥高校射撃部。団体戦に挑むひかり達は、部員4人フル出動です。
順番に射撃をする団体戦では、出場順にもそれなりに意味があるのですが、順番を決める顧問・鶴巻裕子(つるまき ゆうこ)は射撃初心者で……。
ライフル・イズ・ビューティフル 3 (ヤングジャンプコミックス)
全国大会に挑む、千鳥高校射撃部。団体戦では、競技者3人が順番に撃ち、その得点の合計で勝敗を競うことになります(1人は補欠です)。
つまり1番から3番まで、それぞれに違うプレッシャーがかかるということ。特に3番手は勝敗が決するラストの競技者となるため、そのプレッシャーはかなりのものです。そこに配置されたのは、ひかりでした。
順番を決めた裕子は射撃初心者だったため、順番を決める際にそこまで考えておらず、ひかりを配置したことを後悔してしまいます。裕子の存在は、この漫画では珍しい初心者ポジション。射撃を知らない読者にとってはもっとも近い存在であり、彼女の存在が競技について説明されるきっかけにもなっています。
順番決めという出来事だけで、競技の特徴やキャラクターの個性をこれでもかと出しているのも、本作の面白いところといえるのではないでしょうか。
また、射撃のシーンを中心に時々描かれる大きなコマは、コミック全体をとおしてよいアクセントになっています。内容はもちろん、緩急のあるコマ割りなども作品の雰囲気作りに一役買っているので、そのあたりにもぜひ注目してみてください。
全国大会団体戦で、見事に準優勝を果たした千鳥高校射撃部。そんな団体戦の勢いのまま、次に挑むのは個人戦。
さらなる強敵が続々と現れて……。
- 著者
- サルミアッキ
- 出版日
- 2018-10-19
前巻に引き続き、全国大会の様子が描かれる本巻。団体戦では準優勝を果たした千鳥高校射撃部。大健闘ではあるのですが、優勝を逃した悔しさは、確かにひかり達の中にあるようでした。
団体戦で優勝したのは峰澄(ほずみ)高校というところで、そこの3人は過去最強と称されるほどの強者揃い。そのなかの1人、小々森真帆(こごもり まほ)とあたり負けてしまったひかりは、個人戦で団体戦の悔しさを晴らそうと、静かに闘志を燃やしていました。
個人戦では、真帆のように団体戦で登場したライバルはもちろん、個人戦から登場する者も現れます。そして団体戦とは違い、同じ部活の仲間達とも戦うことになるのです。
登場キャラクターが多いので少し混乱するところもあるかもしれませんが、全国大会らしく強敵だらけの戦いには手に汗を握るものがあります。かわいいのにカッコイイ、静かな戦いをぜひ楽しんでみてください。
いかがでしたか?ライフル射撃という、あまり有名ではない競技を扱った本作。まずは、その競技の面白さに目を引かれるでしょう。マイナー競技であることは、本編内でも自虐的に語られることもあるくらいなのですが、だからこそ新鮮に感じるものでもあります。
これを機会に、射撃競技の世界を覗いてみてはいかがでしょうか?