大人気ライトノベルシリーズ『とある魔術の禁書目録』のスピンオフ作品。本編で登場する人気キャラクター・一方通行を主人公にした作品です。本編はノベル作品ですが、こちらは漫画作品になっています。2019年にはアニメ化も予定されていて、まさに今注目の作品です。 今回は既刊9巻分をご紹介。ぜひご覧ください。
ある日の夜、武装をした男に追われている1人の少女・エステル。彼女が逃げ込んだ先には、入院中の「一方通行(アクセラレータ)」がいました。
男に襲われている彼女を前にしてもまったくの無関心だった彼ですが、2人の去った後に「打ち止め(ラストオーダー)」の写った写真が落ちているのを見つけて……!?
- 著者
- 山路新
- 出版日
- 2014-07-26
『とある魔術の禁書目録』で人気のキャラクター・一方通行を主人公にしたスピンオフ作品の第1弾。物語は、本編の5巻以降から始まります。
一方通行は、打ち止めを救った際に負った脳の損傷のために、入院生活を送っていました。そんな彼の前に突然現れたのは、エステル・ローゼンタールという少女。
武装した何者かに追われているらしい彼女と出会ったことから、彼はさまざまな組織の陰謀が渦巻く戦いへと巻き込まれていくことになります。
第1弾となる本巻で注目したいのは、やはり本シリーズでヒロインとなる、エステルの存在です。彼女は、ローゼンタール家という一族の当主。ローゼンタール家というのは特別な死霊術を使う一族で、この能力が今回の事件の重要なキーワードとなっていきます。
『とある魔術の禁書目録』について詳しく知りたい方は<小説『とある魔術の禁書目録』を全巻ネタバレ!最強キャラをランキングも!>をご覧ください。
彼女を狙い、追ってきたのは、「DA」という謎の組織。彼らは、武装した「警備員(アンチスキル)」で構成されています。
当初、一方通行は、追われているエステルを見ても興味を持ちませんでした。しかし、彼女が打ち止めと何か関係があるらしいということがわかったことで、手を貸すことになるのです。
打ち止めを利用しようとしているらしい「DA」、さらに学園都市の暗部組織である「屍喰部隊(スカベンジャー)」、そして一方通行とエステルという複数の勢力による戦いが、どういった展開を見せていくのか……まったく予想不可能な展開に続きが気になる第1巻です。
謎の組織「DA」によって殺された人皮挟美(ひとかわ はさみ)の死体を回収した一方通行。
エステルの死霊術によって彼女を復活させようとしますが、術式の途中、「DA」の構成員がやってきてしまい……!?
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2014-11-26
謎の組織「DA」との戦いに身を投じることになった一方通行。エステルとともに行動をする彼は、死体と霊格を利用した兵器と戦いをくり広げ、それを倒したことで兵器に利用されていた死体・人皮挟美を回収しました。
エステルは、この挟美に「禍斗(かと)」という疑似霊魂を入れ、蘇生させることにします。エステルの力は死体そのものを蘇らせるというよりも、死体に疑似霊魂を憑依させるというもののようです。
術の途中で「DA」の構成員が乱入してきてしまい、一時はどうなることかと思われましたが、一方通行、そして復活した挟美の活躍によって、構成員は見事に撃退されました。
一方通行はまだ怪我の影響もあって本調子ではないようなのですが、それでも十分に強く、また今後はエステルと一緒に行動をすることになる挟美も強いことがわかったので、これからの戦闘がどんなふうになるのかも気になるところです。
また、「DA」や「屍食部隊」の他に、亡本裏蔵(なきもと りぞうという人物も登場。彼は学園都市の統括理事会の1人ですが、今後の展開にも関わってくる重要なキーパーソンになってくるので、ぜひその動きにも注目してみてください。
打ち止めをはじめとした「妹達」を誘拐した「DA」の構成員達。そこへさらに「妹達」を狙う「屍喰部隊」が参戦し、それらを阻止しようとして黄泉川愛穂(よみかわ あいほ)達「警備員」も動き出します。
科学も魔術も入り混じった戦いの幕開けです……!!
- 著者
- 山路新
- 出版日
- 2015-04-24
冒頭から派手な戦闘がくり広げられる本巻。前巻で「DA」に「妹達」をさらわれてしまった一方通行でしたが、その「妹達」を巡って、複数の勢力がぶつかり合うことになります。
本巻での戦いで気になるキャラクターは、やはり黄泉川愛穂。本編である『とある魔術の禁書目録』にも登場する体育教師で、第73活動支部に所属する「警備員」です。一方通行とも関わりの深いキャラクターですので、ぜひこちらのシリーズでの動きにも注目してみてください。
魔術も科学も入り混じっての戦闘は、迫力があって面白いのですが、一方で「禍斗」を入れられた挟美と、暗部の少女の格好がかなり気になります。
暗部はなぜか全裸に着ぐるみのようなパワードスーツ、挟美は全裸にマントという出で立ち。なぜそんな露出の高い衣装なのかはわかりませんが、2人の戦いはシリアスな展開のなかでいろいろと際立っているので、読む際はどうぞ背後に気を付けてください。
どうやら「DA」は「妹達」を使った企てをしているようなのですが、「妹達」が関わってくるとなれば一方通行も黙っているわけにはいきません。そんな彼の戦いに、要注目です。
「妹達」を狙う「屍喰部隊」と、黄泉川に加勢したエステルと人皮。
戦闘向きではないエステルを守りつつ戦う人皮でしたが、しだいに追い詰められていき……!?
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2015-10-24
全裸に近い少女2人の戦いは、相変わらず熾烈をきわめています。
人皮とエステルが戦っている「屍喰部隊」の構成員は、ナルという、部隊でもエース格の少女です。悪ガキのようなキャラですが、その実力は確かなもの。紙を操って巨大なパワードスーツのようなものを作るなど高い戦闘能力を誇り、人皮とエステルの2人を追い詰めていくのです。
人皮達がやられそうになったギリギリのところで現れたのは、もちろん一方通行。彼が登場した時点で、勝敗の予想は多くの読者ができるかもしれません。圧倒的な戦力差で戦う彼の活躍は、相変わらず読んでいてスカッとするものがあるでしょう。
また、エステルを守りながら戦う人皮が傷ついて倒れる姿を見て彼女が涙を流すシーンなどは、心を揺り動かされる読者も多いかもしれません。
一方通行の圧倒的な強さに思わず弟子入りを頼んでしまうなど、エステルの純粋なキャラクターが際立つ一冊です。
「屍喰部隊」のナルを圧倒的な力のもとで一蹴した一方通行でしたが、そんな彼の前に新たに現れたのは「DA」の協力者である菱形光比古(ひしがた みつひこ)でした。
1度取り逃がした彼を前に、一方通行は戦意をむき出しにしますが……!?
- 著者
- 山路新
- 出版日
- 2016-05-26
一方通行の前に現れた新たな敵・菱形光比古。彼が開発した兵器は能力者の脳を使ったもので、かなり強い戦闘能力を持っているようです。
常に反射状態を保つ一方通行ですので、本来であれば滅多なことで傷を負うことはありません。しかし、この特殊兵器との戦いで怪我をしてしまいます。従来の力を発揮していないことも関係しているのかもしれませんが、ハラハラする展開に、ページをめくる手が止まらないでしょう。
また、エステルと菱形の関係が明かされるのも注目ポイント。実は菱形には死んだ妹がいて、エステルにとっては、その妹はたった1人の友人でした。
死霊術を持つエステルは妹を生き返らせますが、彼女の死霊術は本人を蘇らせるものではなく、疑似魂魄を死体に入れたものに過ぎません。この一件から、彼女と菱形は対立してしまったようなのです。
「妹達」を拉致されて怒り心頭の一方通行は、菱形のアジトへと乗り込みます。そこで見たものは、菱形の目的と、その目的から生まれたある特殊な能力者でした。
一方通行と菱形の新たな戦いがどんなものか、ぜひ手に取って確認してみてください。
能力者を犠牲にして作り上げた、人工的な能力者。そのレベルは5にも達しようというほど、強力なものでした。
しかし相対する一方通行は、そんなこと意にも介さないようで……。
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2016-11-26
菱形の作り上げた人工的な肉体(ロボット)。レベルでいうと5に相当する、とても強力なものです。
ちなみに、学園都市でトップの実力を持つ一方通行は、レベル5の能力者。敵の強さは一目瞭然です。そんななかでも、相手がどんなに強力であっても戦い方を心得ている一方通行は、優位に戦いを進めていきます。
しかし菱形の目的は、このレベル5のロボットではありませんでした。その本当の目的は、なんとレベル6の肉体を作り上げること。死んだ妹・蛭魅(ひるみ)を、完全な肉体とともに蘇らせることだったのです。
前巻では、この妹・蛭美と、エステルの関係も明かされていました。菱形の行動のすべては、この妹への歪んだ愛情からきていたのです。彼の作り上げた肉体は遂にレベル6に達してしまい、一方通行とエステルの前に立ちふさがります。
かなり強力な敵に2人がどう立ち向かっていくのか、続きが気になる内容です。
巨大で禍々しいゴーレムへと変貌した、レベル6のロボット。ぶっ飛ばす、と敵の前に立ちふさがった一方通行達ですが、その強大な姿には圧倒されてしまいます。
そんななか、エステルにはある秘策があるようで……?
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2017-08-26
「死霊術師(ネクロマンサー)編」完結となる本巻。
エステルは、レベル6のロボットを倒すための切り札を持っていました。それは、ロボットの根本である疑似魂魄にしか効かない、専用の毒のような力を持つ剣。これを内部にある符に触れさせることで、倒すことが可能になるというのです。
いくら力ずくで相手を倒したところで疑似魂魄の符が残っていれば、そこから肉体は再生してしまいます。完全に相手を倒すためには、この剣を使う以外の方法はありません。
符を破壊するため、ロボットの内部へと潜入する一方通行達。そこで見たのは、ローゼンタール家4代目の当主・イサクにまつわる過去の記憶でした。
400年も昔からローゼンタール家が求めているものが、「妹達」の記憶を手に入れたことで実現しようとしている……そんな長きに渡る因縁に、エステルが一方通行とともに立ち向かっていく姿は、なかなかドキドキする展開となっています。
また一方通行が、らしからぬ傷つき方をしている辺りも気になるところ。この辺りが今後どのような展開へとつながっていくのかも、注目していきたい点です。そして、事件がひと段落した後は、さっそく謎のキャラクターが登場し……。
新しい章への期待も膨らむ、第7弾です。
鞄から出てきた女の子。ドレスのような服装に、頭にはティアラ。
まるでお姫様のような女の子を見つけた一方通行は、どうしたものかとため息をつきますが……。
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2018-03-24
本巻より新しい章の始まりです。
鞄から出てきたお姫様のような女の子が、今回のヒロイン。「死霊術師編」のヒロインであるエステルはどこか陰を感じさせるタイプでしたが、今回のヒロインは明るく元気でわがままなタイプです。いろいろなタイプのヒロインが見られるのも、本作の魅力の1つでしょう。
彼女は、自分のことを姫戯茉離(ひめぎ まつり)と言いました。序盤では名前もわからないままでしたが、名前がわかってから、だんだんとその正体が明かされていきます。
実は彼女の体は、機械じかけ。ゼンマイと歯車で動き、「能力者が体内で分泌した物質」を集めていることもわかります。これが一体何を意味するのかは、この時点ではまだ謎のままなのですが、今後の展開において重要なキーワードであることは間違いありません。
また、同じようにキーパーソンとなりそうなのが、「料理人」と名乗る女の子。自分のことを「オレ」と言うこの少女が何者なのかは、本巻ではまだわかりません。しかし、今後も注目すべき存在なのは間違いないでしょう。
新章開始という意味では、第1巻目の本巻。これからの展開が気になります!
開かれなかった宴を前に、亡本裏蔵と、その手下らしき人物達が顔を合わせていました。
意味深な会話をする彼らは、「食材」と呼ばれる誰かを探しているようなのですが……?
- 著者
- 山路 新
- 出版日
- 2018-10-11
「死霊術師編」でも暗躍していた亡本裏蔵が、冒頭から登場。「食材」や「フルコース」などの気になる単語が出てきて、とても意味深です。「フルコース」は前巻で組織の名前だということが明かされていますが、「食材」が何を示しているのかはまだわかりません。
そんなミステリアスなシーンから始まる本巻は、一方通行が入院してしまっているため、スポットライトは前巻のラストで登場した料理人を名乗る少女に当てられます。
もともと本調子ではない一方通行は、ここしばらく悪化しているような描写が多く、本巻では看護師の見張り付きで入院してしまいました。
一方、料理人の少女、飛緒ゆみ(とびお ゆみ)は、何かを探している様子で、ひとりでさまざまな場所を動き回っています。そんななか彼女の前に現れたのは、自分とまったく同じ顔と能力の少女でした。彼女の名前は、飛緒まみ。ゆみとは双子の姉妹で、左目に眼帯をしています。
この双子の姉妹、過去の因縁が今回の騒動に関係しているようですが、それがどういうものなのかはまだはっきりわからず、これからの展開が気になります。
いかがでしたか?本作は一方通行というキャラクターの魅力を存分に楽しみつつ、また本編『とある魔術の禁書目録』を補完するような形にもなっている作品です。設定や世界観など、本編を知っているとさらに楽しむことができるので、未読の方はまずはそちらを手に取ってみることをオススメします。