大人気ライトノベルシリーズ『とある魔術の禁書目録』に登場するメインヒロインを主人公にした、スピンオフ作品。本編はノベル作品ですが、こちらは漫画となります。今回は、2020年1月に3期テレビアニメが放送される本作の既刊14巻分を一挙ご紹介します。 わかりやすい内容なので、本編を知らなくても十分に楽しむことができますよ。
学園都市でも屈指のお嬢様学校・常盤台中学。その風紀委員(ジャッジメント)である白井黒子(しらい くろこ)は、路地裏に女子生徒が連れ込まれたとの知らせを受け、現場に駆け付けます。
しかし、そこにいたのは学園で7人しかいないレベル5の能力者・御坂美琴(みさか みこと)で……!?
- 著者
- 冬川 基
- 出版日
- 2007-11-10
本編にあたる『とある魔術の禁書目録』でのヒロインの1人・御坂美琴を主人公にした、スピンオフ作品である本作。時系列的には、本編1巻の3日前から始まります。
本編を読んだことのある方であればもちろんすでにご存知だとは思いますが、御坂は電撃を操る能力を持ち、その実力は学園屈指のレベル5。能力の特徴から「超電磁砲(レールガン)」と呼ばれています。そんな彼女なので、たいがいの相手は敵になりません。
しかし、ある日出会った上条当麻(かみじょう とうま)には、なぜか能力が通用せず、彼女はひどくプライドを傷つけられてしまうのです。
この2人に加え、ジャッジメントの黒子、同じくジャッジメントの初春飾利(ういはる かざり)、飾利の友達の佐天涙子(さてん るいこ)が、今回のメインキャラクターになります。
学園都市では爆破テロが頻発しており、それに美琴達も巻き込まれてしまいます。美琴や当麻の活躍もあってテロの危機からは間一髪逃れることができましたが、これはさらなる大きな事件の幕開けに過ぎませんでした。
テロの裏には、どうやら「幻想御手(レベルアッパー)」という、能力者のレベルを短期間で上げることのできるアイテムがあることがわかるのです。
1巻ということで事件が次々に起きていき、ストーリーはまだまだ序盤といったところ。次巻への期待が高まる一冊です。
『とある魔術の禁書目録』についておさらいしたい方は、小説版を紹介した<小説『新約とある魔術の禁書目録』の魅力を全巻ネタバレ紹介!>、漫画版を紹介した<漫画『とある魔術の禁書目録』が面白い!21巻までの見所ネタバレ解説 無料>の記事がおすすめです。
爆破テロに巻き込まれてしまった御坂達でしたが、犯人の学生も捕らえ、なんとか危機を脱しました。
しかし、犯人の学生をはじめ、都市では昏睡状態に陥る能力者達が頻出していて……?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2008-06-10
前巻では、使えば簡単にレベルを上げることができるというアイテム・幻想御手の存在が明かされました。「幻想御手編」第2弾となる本巻では、その正体が少しずつ明かされていきます。
冒頭から登場する木山春生(きやま はるみ)は、続々と現れる昏睡状態の人々の調査にやってきた大脳生理学の研究者です。
エアコンの効かない部屋で暑さに耐え兼ねたとはいえ、いきなり下着姿になるなど、かなり変わった人物。しかし彼女は、今後の展開において重要な存在となるので、ぜひチェックしておいてください。
幻想御手の危険性が徐々に明るみになるなか、初春の友人である佐天が、幻想御手を手に入れます。最初は差し出そうと考えていた佐天でしたが、レベル0の無能力者であることにコンプレックスを抱いていたこともあり、同じく無能力者の友人達と使用してしまうのです。
彼女の周りはレベル5の御坂をはじめ、高位の能力者が多いので、この気持ちに共感できる読者も多いのではないでしょうか。
佐天と、彼女の気持ちを知った初春との切ない会話にも注目。そして、遂に佐天までも昏睡状態に陥ってしまったなかで、幻想御手を蔓延させている黒幕がとうとう姿を現します。
その正体とはいったい誰なのでしょうか……。
幻想御手に関わる計画の黒幕を相手に、激闘をくり広げる御坂。
1度は圧倒的な敵の力に倒れたかのように見えましたが……!?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2009-02-01
「幻想御手編」完結なる本巻。前巻で幻想御手に関わる騒動の黒幕が明らかになり、御坂との戦いにもつれ込みました。
黒幕は幻想御手を使い、本来は1人1つしか使えない能力を複数使用。レベル5の御坂を追い詰めていきましたが、不意を突いた彼女の攻撃で、とうとう倒れるのです。そこで、黒幕の過去が明らかになります。
そこには、学園都市から「置き去り」にされた子供達・チャイルドエラーという存在が関係していました。黒幕の過去はなかなか壮絶で、今回の騒動も、この理不尽に傷つけられたチャイルドエラーを救いたいがゆえのものだったのです。
そしてその切ない気持ちから暴走した行動は、さらなる怪物を生み出してしまいました。クライマックスらしく御坂や初春達の活躍が全編に渡って描かれ、ラストでは昏睡状態に陥っていた佐天の様子も描かれます。
御坂達側から見ると明るい結末ですが、黒幕側から見ると違う印象を受けるラストになっており、ハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか、ぜひ実際に読んで考えてみてください。
また、本巻には黒子と初春の出会いを描いた番外編も収録。2人が好きな方は必読です。
筋ジストロフィーを患って懸命にリハビリに励む少年を見る、幼い御坂。
彼を助けるために、電撃使い(エレクトロマスター)である御坂のDNAを提供することになるのですが……?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2009-10-27
本巻より始まる「妹達(シスターズ)編」。その始まりとなる本巻です。
「妹達」というのは、本編を読んだことのある方ならすでにご存じかと思いますが、御坂のクローンのこと。過去に御坂が提供したDNAマップをもとに作られた彼女と瓜二つの少女達ですが、オリジナルの御坂がレベル5であるのに対して、クローンはレベル2しかありません。
もともと、レベル5の御坂を大量生産して軍事兵器として使おうというのがクローン作りの目的だったため、計画は頓挫したかのように思われていました。
御坂は、そんな計画の事実はまったく知りませんでしたが、長点上機学園の生徒で製薬会社の研究者でもある少女・布束砥信(ぬのたば しのぶ)との出会いをきっかけに知ることになりました。本巻では、実際にクローンである妹の1人と出会い、交流を深める御坂が描かれます。
妹と本当の姉妹のように過ごし、情を感じるようになっていた彼女でしたが、そんな時「妹達」を使った恐ろしい計画が実行されていることを知るのです。ここで登場するのが、彼女と同じように本編での人気キャラクター。一方通行。
彼はレベル5の能力者のなかでも、トップクラスに強い力の持ち主。そんな彼が都市唯一のレベル6へ進化するため、「妹達」はある実験に利用されていたのです。
本編での主人公・上条当麻はもちろん、一方通行や「妹達」など人気キャラクターも続々登場して、ますます盛り上がっていく展開から目が離せません。
御坂のクローンである「妹達」を2万体殺せば、学園都市唯一のレベル6へと進化することができる――そんなあまりにも非道な実験が実行されていることを知った御坂。
彼女の目の前で「妹」を殺した少年へ、怒りのまま戦いを挑みますが……!?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2010-06-26
「妹達編」の2冊目となる本巻。御坂のクローンである「妹達」は、ただ1人の少年のレベルを上げるためだけに量産、殺害されていました。
その少年というのが、本編でも人気のあるキャラクター・一方通行です。この辺りの話は本編でも語られているものではあるのですが、描かれていないエピソードもあるので、見比べてみるのも面白いかもしれません。
「妹」を目の前で殺された御坂は、怒りのまま一方通行に挑みますが、まったく歯が立ちません。強さを求める一方通行に対して絶体絶命のピンチに陥ります。その後、何とかその場は「妹達」の説得もあっていったん収まりました。
しかし、圧倒的な敗北と、自らを実験動物と称する「妹達」の現実に、御坂はあることを決めます。それは、実験施設をすべて破壊すること。そして、施設を破壊して回る彼女の前に現れたのが、施設を護衛する「アイテム」のメンバーでした。
なかには御坂と同じレベル5の1人・麦野沈利(むぎの しずり)もいます。レベル5同士の激しい戦いも必見です。
実験動物として、その命をもてあそばれている「妹達」を救うため、実験施設をすべて破壊しつくした御坂。これで計画も頓挫したはずだと安堵していましたが、そんな彼女の前に再び「妹」が現れ、実験は続行されていることを知らされます。
絶望する彼女の前に現れ、手を差し伸べた人物とは……?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2011-02-26
前巻で実験施設をすべて破壊したと思っていたら、施設はまだ多数残っており、実験も続行されていました。自分のせいで「妹達」が実験動物にされ、殺されていく……そんな現実に、御坂はどんどん絶望へと追いやられていきます。
彼女は「妹達」が殺されているのは自分のせいだと思っているためか、悩みを誰にも打ち明けることができません。そして、1人追い詰められていくのです。
一方で、彼女が何か悩みを抱えているらしいと察しつつも、自分に何も言ってくれないと落ち込む黒子の姿も描かれています。どちらの姿も見ている読者としては、そんな関係にもどかしさを感じることもあるかもしれません。
そんななか、立ち直れずにいる御坂に手を差し伸べたのは、本編での主人公・上条当麻でした。彼は御坂と「妹達」を助けるため、一方通行と戦うことになります。
本巻の見所は、やはりこの当麻と一方通行の戦いです。学園都市最強と呼ばれる一方通行と、最弱といわれる当麻。普通に考えれば一方通行の圧勝ですが、もちろん、そう簡単な展開にはなりません。ラストでは、自らを実験動物と言っていた「妹達」が、当麻の戦いを見て心を動かすシーンも。
心をぐっと掴まれるステキなシーンがたくさんある、第6巻です。
最強の一方通行との激闘をくり広げる、最弱の当麻。
カウンターを食らわせるも、一方通行の圧倒的な強さを前に倒れてしまい……!?
- 著者
- 鎌池 和馬
- 出版日
- 2011-12-17
前巻に引き続き、一方通行と当麻の激闘から始まる本巻。今回で「妹達編」は完結です。
一方通行の圧倒的な力を前に、遂に瀕死状態になってしまった当麻でしたが、そんな彼を助けたのは御坂と「妹達」でした。「妹達」による妨害で、うまく力のコントロールができなくなった一方通行は、標的を当麻から「妹達」に変更。しかし、そんな「妹達」をかばったのは、オリジナルである御坂だったのです。
彼女は「妹達」を自分の本当の妹だと言い、彼女たちのことは絶対に守ると決意します。そんな気持ちが届いたのか、当麻も再び立ち上がり、一方通行はしだいに追い詰められていきました。
自分の強さのみを追い求め、「妹達」を殺し続けていた一方通行ですが、彼がどうしてそんなにも強さを求めるようになったのか、その過去にも触れられます。
「妹達編」では悪役のポジションである彼ですが、ただの悪人では終わらないのが本シリーズの面白いところ。彼には彼の思いや辛さがあり、それが描かれることで、物語を一層奥深く感じることもできるでしょう。
また、後半では新しい章「大覇星祭編」もスタート。レベル5の能力者・食蜂操祈(しょくほう みさき)と削板軍覇(そぎいた ぐんは)も登場。ますます続きが気になる一冊になっています。
学園都市最大規模の体育祭「大覇星祭(だいはせいさい)」。その開催に、都市も賑わっていました。御坂も競技に出場して活躍しますが、服が汚れてしまったために着替えに行きます。
しかし彼女が戻ってきた時、そこには思いがけない人物がいて……!?
- 著者
- 冬川 基
- 出版日
- 2012-10-27
大規模な体育祭「大覇星祭」が開催され、都市もすっかりお祭り騒ぎです。しかし、楽しく競技をするだけでは終わりません。
御坂の「妹」は、どの学校にも所属していないので、本来は「大覇星祭」に出場することはないのですが、御坂と瓜二つの「妹」が、周りの人達が御坂本人だと勘違いしたことによって、出場することになってしまいました。
そうして始まる、御坂達の所属する常盤台中学と、無名学校の対決。最初は常盤台の圧勝と思われていた勝負でしたが、そんな状況をさまざまな奇襲で覆したのが、馬場芳郎(ばば よしお)という男。彼は本編でも登場する人物ですが、「大覇星祭編」ではキーパーソンとなってくるので、ぜひ注目してみてください。
熱い戦いがくり広げられる一方で、「妹」を拉致する謎の人物が暗躍し始めます。しかも「妹」を探す美琴は、記憶操作の能力を持つ食蜂操祈によって、友人達の記憶を改ざんされ、味方のいない状態になってしまいました。
「妹」を巡りさまざまな能力者がぶつかりあうなか、敵の思惑はまだこの時点では明かされません。少しずつ追い詰められていく御坂がどう立ち向かっていくのか、ハラハラする展開をぜひ楽しんでみてください。
「妹」を攫われ、友人達の記憶を改ざんされ、傷つけられ、怒りも頂点に達している御坂。敵のアジトへ乗り込むも、そこはすでにもぬけの殻でした。
一方、黒子達は、自分達の記憶に違和感を覚え始め……?
- 著者
- 冬川 基
- 出版日
- 2013-08-27
引き続き「大覇星祭」が開催されている学園都市。しかし、競技が盛り上がっている裏では、御坂達は何やら巨大な陰謀に巻き込まれているようです。
敵の狙いがわからないなかで、「妹」を取り戻すために御坂は動いています。しかし、アジトが空っぽだったことで、ついに手掛かりが尽きてしまいました。
一方、記憶を改ざんされ、御坂との友情も忘れてしまっていた黒子達ですが、そのことに違和感を覚えて御坂と接触をはかります。「妹」を巡り、人質を取られてしまった御坂を助ける黒子など、記憶がなくなっても絶妙なコンビネーションをくり広げる姿には、熱いものを感じることができるでしょう。
また、記憶を改ざんした張本人である食蜂操祈にも、新たな動きがあります。御坂にとって敵対する相手であることは間違いなさそうなのですが、彼女もまた、違う組織と敵対しているようなのです。
「妹達」を本当に狙っている首謀者が存在し、さらにその首謀者にはまた違う狙いがあることもわかります。
また、当麻も「大覇星祭」の裏で何かが起こり、それに御坂が巻き込まれていることに気が付きました。彼がこれからどう動くのかも、気になるところです。
首謀者の本当の目的は、御坂をレベル6へとすることでした。
首謀者の手にかかった御坂は、角と翼の生えた姿に変貌してしまい……!?
- 著者
- 冬川基
- 出版日
- 2014-07-26
さまざまなところで戦いが勃発する本巻。「大覇星祭編」は、ここで完結です。
首謀者と食蜂の戦いを始め、当麻と削板のコンビと、首謀者の手にかかり姿を変えてしまった御坂の戦いなど、見所たくさんの戦いが次々と起こります。なかでも、当麻と削板のコンビが御坂に立ち向かう戦いは、かなり熱いものがあるので要注目。
削板は、御坂と同じレベル5の能力者。一方、御坂はレベル6へと完全に進化はしていないものの、その力を暴走させている状態です。本編の主人公である当麻も入れた3人の戦いは、それぞれの能力がいかんなく発揮されており、見ごたえ抜群。
当麻達の戦いがガチンコバトルのような印象である一方、食蜂と首謀者は、頭脳戦のようなハラハラ感があります。御坂にとっては敵ポジションだった食蜂の戦う理由なども明かされ、その理由に切ない気持ちになることもあるかもしれません。
そんなバトルの数々に目を奪われがちな本巻ではありますが、実はまだ「大覇星祭」はちゃんと開催されています。最後は「大覇星祭」に参加する当麻と御坂の話も描かれているので、そちらも注目してみてください。
「大覇星祭」も終わり、御坂達は久しぶりに通常授業をこなし、穏やかな時間を過ごしていました。
そんななか、御坂はひょんなことから今流行っているという「インディアンポーカー」という謎のカードを手に入れて……?
- 著者
- 冬川基
- 出版日
- 2015-10-27
本巻から「天賦夢路(ドリームランカー)編」が始まります。
前巻で「大覇星祭」が終わり、久しぶりに通常の授業をこなしている様子の御坂達。食蜂と御坂は相変わらずいがみ合っていますが、それでもどこか信じあっている風なのが伝わってくるあたりに、キャラクターの成長を感じることができるでしょう。
そんなふうに平穏に過ごしていた御坂はある日、「インディアンポーカー」という謎のカードを手に入れいます。それは夢を共有できるという、カード型の非正規品アイテムでした。
装置を身に着けた人の夢がカードに記録され、そのカードを使用した人が同じ夢を見ることができるというもので、面白い夢や役に立つ夢を安定供給できる人のことを、「ドリームランカー」と呼んでいるのです。
その謎のゲーム、序盤では他人と夢を共有するというどこか楽しそうな雰囲気もあるのですが、物語が進むにつれて、少しずつ嫌な雰囲気が強くなっていきます。どうやら、また何者かが策略を巡らせている様子。
とはいえ、コメディ要素の強いカード「巨乳御手(バストアッパー)」のエピソードもあり、笑えるところも結構あります。ギャグの部分にも注目して読んでみてください。
テレビ番組の影響で、サバ缶の売り切れが続出!
流行りに乗った佐天もサバ缶を買い占めますが、そこでサバ缶大好きなフレンダと遭遇し……!?
- 著者
- 冬川 基
- 出版日
- 2016-11-26
「天賦夢路編」第2弾となる本巻。前巻では、御坂が妙な夢を見ているところで終わり、不穏な空気が漂っていましたが、本巻は佐天とフレンダによるコメディな場面から始まります。
フレンダは、学園都市の組織「アイテム」のメンバーです。大好きなサバ缶を買い損なったところで、買い占めていた佐天と出会い、仲良くするようになりました。しかし、その交流がきっかけとなり、佐天は暗部組織「スクール」の陰謀に巻き込まれてしまうことになります。フレンダと佐天の友情に注目です。
また、そもそも事の発端であったアイテム「インディアンポーカー」についても、その秘密が少しずつ明かされていきます。なかでも重要なキーパーソンとなるのが、操歯涼子(くりば りょうこ)という少女です。
14歳ながら研究施設に出入りする研究者である彼女が、「インディアンポーカー」の作成に深く関わっているようなのですが……どう関わっているのかは、ぜひ本編を手に取って確認してみてください。
ここまでは笑える場面も多く、御坂もギャグテイストで描かれることもありましたが、ここからどんどん謎の本質に迫っていきそうで、ますます目が離せなくなってきます。
「インディアンポーカー」に深く関わる少女・操歯涼子の過去……それは、14歳の少女が背負うには、とても重く暗いものでした。
それを知った御坂の取った行動とは……?
- 著者
- 冬川 基
- 出版日
- 2017-11-27
「天賦夢路編」のキーパーソンである、操歯涼子の過去から始まる本巻。
彼女は幼い頃、事故で肺をつぶしてしまっており、母親からの胚提供を受けて助けられていました。しかし母親は肺を提供したことがきっかけで病がちになり、今では余命いくばくもないと診断されています。
そんな母親を助けるため、涼子はある実験に手を貸すことになりました。それが今回の騒動とつながっているわけですが、それがどんな実験かはぜひ本編を手に取って確認してみてください。切ない気持ちになること間違いなしです。
また、本巻では、学園都市の暗部組織「屍喰部隊(スカベンジャー)」のメンバーが活躍しています。本編や他のスピンオフ作品でも登場する「屍喰部隊」のメンバーと御坂の戦いはもちろんのこと、メンバーのキャラクターについても割と掘り下げて描かれているので、ぜひそちらにも注目してみてください。
「天賦夢路編」は、本巻で完結です。次巻からはまた新しい章がスタートするので、そちらも目が離せません。
民間企業が運営する、巨大な少年院。そこで「脱獄トライアル」というイベントが開催されることになりました。
囚人役を無事に脱獄させることができれば10億円がもらえるというそのイベントに、御坂達も参加することになり……!?
とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(14) (電撃コミックス)
2018年10月11日
本巻より新しい章「獄門開錠(ジェイルブレイカー)編」が始まります。
物語の発端となるのは、「脱獄トライアル」というイベントでした。第二少年院という新しい少年院を舞台に、その脆弱性を見つけるという目的。イベント参加者が囚人役の人間を見つけ、脱走させるというものです。
無事に脱走を成功させた参加者には、なんと報酬として10億円が贈られるというのだから、とんでもないイベントですね。
レベル5の御坂なら敵なしのようにも思えますが、もちろんそう簡単に事は運びません。イベントを運営する側は、参加者を侵入者とみなし、全力で攻撃をしかけてきます。その本気ぶりには、御坂達も引き気味です。
最初は御坂達がイベントに挑んでいく様子が描かれ、内容もゲームのようで、楽しく読むことができるでしょう。しかし、物語が進むにつれ、登場キャラクターも増えてさまざまな思惑が絡み、ストーリーは複雑になっていきます。
予想できない展開は他の章でも同じですが、「獄門開錠編」でもやはり、まだまだ予想できないことが起こりそう。読めば続刊が待ち遠しくなること間違いなしです。
いかがでしたか?主人公の御坂は本編でのメインヒロインということもあり、ストーリーも本編と被る部分が多くあります。その点では、本編を知っている方にとっては少し先が読めてしまうこともあるかもしれませんが、本編では描かれなかった部分もたくさんあるので、読み比べてみるのも面白いかもしれません。