「心を整える。」長谷部誠の、仕事に役立つ5つの名言をネタバレ解説!

更新:2018.12.12

日本代表で長くキャプテンを務めたプロサッカー選手・長谷部誠。浦和レッズで多くのタイトルを勝ち取り、海外移籍後はドイツのブンデスリーガ・アイントラハト・フランクフルトでもキャプテンを務めています。そんな彼の真髄である、メンタルマネジメントの手法を余すことなく披露したのが本作。アスリートの「心を整える」力は多くのビジネスマンや一般人に影響を与え、100万部を超えるベストセラーとして有名になりました。 今回は、そんな本作のなかから、選りすぐりの名言をご紹介!仕事でも役立つ言葉が満載です。

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『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』内容をネタバレ紹介!

 

サッカーの有名選手の本はたくさんありますが、長谷部誠のこの本が他ともっとも違うところは、読者の7割が女性であるということでしょう。

通常スポーツ選手の本は、ビジネス書として捉えられて、多くの読者は男性です。しかし、この本は30〜40歳代の女性が多く手にしているのだとか。

その理由は、この本が単なるサッカー人生を綴った「伝記もの」ではなく、「勝利をたぐり寄せるための56の習慣」という自己啓発に直接つながるメソッドが、シンプルに、ダイレクトに、そしてすぐに役立つように書かれているからです。

これらは、そのまま私たちの仕事のパフォーマンスを高めることにも繋がると考えられます。本作で明かされる56の習慣は、何もスポーツ選手特有の激しいトレーニングや、厳しい環境を必要とするものではありません。

1つ1つは決して難しいものではなく、私たちの心の持ちよう、心の在り方ですぐにでも実行が可能なものばかりなのです。だからこそ、多くの人の共感を得て、ベストセラーとなったのでしょう。

 

著者
長谷部 誠
出版日
2014-01-29

 

お洒落な写真、本文で使われる文字色も「青」を使用し、彼が大好きなMr.Childrenのおすすめ曲を紹介したり、彼が読んだ本のなかから感銘を受けた言葉を引用したり、心を整えるためのアロマオイルのことまで言及したり、「心のカウンセリング」の要素が盛りたくさん。

もちろん、サッカー選手としての、日本代表選手との舞台裏でのやりとりや、エピソードも満載。また発売当初から、「売上で入る印税は全額東日本大震災のために寄付をする」と発表していることも話題になりました。

幻冬舎文庫からの文庫本も発刊されていますので、いつも手元に置いて、時間のあるときにページを開きながら、「心を整える」ことを習慣にしてみるのもおすすめです。

 

長谷部誠を紹介!

 

1984年生まれ。サッカーどころ、静岡県出身の現役プロサッカー選手です。

ポジションはMF(ミッドフィルダー)で、チーム全体を把握してゲームをコントロールする役割を担っています。所属クラブの浦和レッズで多くのタイトルを手にし、2006年に日本代表に初めて選ばれました。その後は海外移籍を果たして、ドイツのブンデスリーガで今も活躍しています。

彼の最大の特徴は、華麗なドリブル、驚異的なスピード、強靭なスタミナ、屈強な身体能力といったものはもちろん、そのすべてに通じる強いメンタリティーです。

その証として、国内外のクラブ、日本代表、そのすべてのチームでキャプテンを務めました。どの監督からも信頼され、どのチームメイトからも尊敬され、時に「真面目すぎる!」と揶揄さえされる彼の心の持ちようは、それでも多くの人々から愛されているのです。

 

『心を整える』の名言1:誰に対してもフラットな視線を持つ

 

選手同士、監督との関係、そしてクラブや、そのサポーターともフラットな視線を持ちたいと長谷部は言います。

上から目線で接するのはもちろんのこと、過剰に自分の立場を卑下する必要もない。誰に対してもフラットな視線を保てば余分な軋轢も生まず、より安心して仕事に打ち込めるという考えです。それは、ある意味新鮮に聞こえるのではないでしょうか。

私たちも、仕事ではいろいろな人と関わる機会をもちます。協調し易い人もいれば、なかなかコミュニケーションをとるのが難しい関係もあるはずです。自分と気の合う人とは態度をよくして、そうでない人には険しい表情で警戒感を抱いて接してしまうのが、人の常でしょう。

相手が自分の価値観に合わない場合は、その悪い部分ばかりが目について、よいところを探そうとしません。とにかく1度心を白くして、よいところを探してみる。こちらが好意を持てば、きっと相手も好意を持ってくれる。この試みが重要だといいます。

相手の好意を失うことは、自らビジネスチャンスを失うようなものだと、長谷部は言っているのかもしれません。

 

『心を整える』の名言2:考えは生き物、常に変化していい!

 

国、言語、文化、住居、街、気候、食事、クラブ、監督、チームメイト、サポーター、そして次の対戦相手。

同じように見えても、これらは常に変化していて、プロサッカー選手であれば、常にこの変化に対応する必要があります。このことから、固定された絶対的な真実というものはなく、長谷部はその時々によって真実や正解は違うものだという考えを持つようになったのだとか。

僕は何に対しても固定観念にとらわれないように注意している。
正解を決めつけてしまうと、自分が知らない物の見方や価値観に対して、
臆病になってしまう可能性がある。
自分の殻に閉じ込もってしまわないためにも、
正解はそのときどきに応じて変わるものだと考えるようにしている。
(『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』より引用)

私たちの生活や、仕事でも同じかもしれません。たとえば会社の中の人間関係、商品やお客との関係、取引先との条件、そういたものの価値観や指標は変化していくはずです。

その変化に対応するためには、「これでなければならない!」とか「この価値観は譲れない!」と我を張るより、長谷部の言葉を思い出して、相手は何を求めているのか?この場合の正解は何なのか?を、フラットな気持ちで問いかけるのが大切なのでしょう。

 

『心を整える』の名言3:最悪のケースは常に想定しておく

 

最悪のケースを考えるというと、
何だか悲観主義者のように思われてしまうかもしれないけれど、
僕はそうは思わない。
最悪を想定するのは、「失敗するかもしれない」と弱気になるためではなくて、
何が起きてもそれを受け止める覚悟があるという「決心を固める」作業でもあるからだ。
(『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』より引用)

このように、長谷部は言っています。

私たちも、常に最良の結果を求めるために仕事はしているかもしれませんが、だからといって必ず思うとおりの結果が出る保証はありません。

もしかすると、予想や他所の範囲を大きく下回る事が起きるかもしれませんし、まったくダメという状況が発生することもあります。

「もし、こうなった場合は、どういう対処が必要なのか?」「もし、この時にこのような事態になれば、どう考えればよいか?」というシミュレーションをすることは、決して弱気の虫が顔を出しているわけではありません。リスクマネジメントとして、必要な作業だということを長谷部は語るのです。

 

『心を整える』の名言4:誰も自分のことは気にしていない

「周りが自分をどのように見ているのか」がとても気になった。
でもね、よくよく考えてみると、誰も僕のことなんて気にしていないんですよ。
(『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』より引用)

プロサッカー選手である以上、監督をはじめ周りの評価は気になるもの。でも、その周りの視線を意識するあまりに、自分のやりたいプレーができずにいる自分に、長谷部は気付いたそう。

私たちも上司の視線や、同僚の視線、「自分はこう見られたい」という意識が強すぎて、自分ではない自分を演じてしまうことがあります。その考えは、結局のところ自分の可能性や能力に、蓋をしてしまっているともいえるのです。

人に見られているという意識を少し横に置いて、「自分を見ている人は、案外誰もいない」と思ってみると、ぐっとストレスがなくなり、自分らしさを素直に出せるかもしれません。その方がきっと仕事にもよい影響を与えて、結局は自分にプラスになって、はね返ってくるでしょう。

『心を整える』の名言5:愚痴は絶対に述べない

愚痴だけではなく、負の言葉はすべて、
現状をとらえる力を鈍らせてしまい、
自分で自分の心を乱してしまう。
(『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』より引用)

そして長谷部は「心を正しく整えるためにも、愚痴は必要ない」と、きっぱりと言い切るのです。

著者
長谷部 誠
出版日
2014-01-29

マイナス(負)のことがあると、ついマイナスの言葉「愚痴」で対処してしまうことは、誰しも身に覚えがあるかもしれません。

しかし愚痴はプラスの要素はなく、何の解決策も生み出しません。むしろ仕事関係での愚痴は、下手をすると、社内での評判を大きく落とすことにも繋がりかねないでしょう。

長谷部は、「愚痴をこぼすということは、自分が向き合わなければならない問題から逃げているだけ」と言っています。

愚痴をこぼすくらいなら、どうしたら仕事がうまくできるようになるか考えたり、実際に行動に移してみたりした方が、はるかに自分のためになるのです。明日からは、ついついこぼしがちな愚痴を、1つでも減らす努力をしていきたいですね。

「心を鍛える」のではなく、「心を鎮める」のでもなく、「心を整える」という言葉が、なぜか新鮮に聞こえます。このタイトルの源流は、実は長谷部がプロ選手として戦っているドイツという地の格言のようです。「整理整頓は人生の半分」という言葉が、ドイツにはあります。長谷部はこの言葉に出会ってから、自分の生活や習慣を見直し、この「心を整える」という考えに至ったようです。

「鍛える」のはちょっとツライ。「鎮める」ほど人間ができてはいない。でも「整える」ということなら、私たちにも出来るかもしれない。何も考えずに、寝る前に天井をじっと見つめる時間をつくる。そんなちょっとしたことで、私たちの心の持ちようはかなり変わると、この本を読んでいると思えてきます。

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