「タフ」シリーズを最新巻までまとめてみた。最強格闘漫漫画【ネタバレ注意】

更新:2021.11.17

最強の古武術とも称される灘神影流(なだしんかげりゅう)。その後継者として生まれた、1人の少年。彼はライバルや友と出会い、そしてさまざまな死闘をくり返していくのでした。 長寿格闘漫画として有名な「タフ」シリーズ。単行本には実在の格闘家がコメントを寄せるなど、根強い人気を誇っています。そんな本シリーズのあらすじや見所を、今回の記事でご紹介。シリアスな内容ながら、笑える部分もある本作は、一体どのような物語なのでしょうか。これを読んで、あなたも人気格闘漫画に触れてみてください。

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長寿格闘漫画「タフ」シリーズが面白い!

 

本シリーズのスタートは『高校鉄拳伝タフ』です。1993年から2003年までの約11年間、「週刊ヤングジャンプ」で連載されました。その後『TOUGH』『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』と続いています。

主人公は、宮沢熹一という少年(通称・キー坊)。灘神影流活殺術(なだしんかげりゅう かっさつじゅつ)15代継承者です。

彼が強くなるためにさまざまな格闘家と戦って成長していく、というのが基本的な筋。空手、剣道、ボクシング、ムエタイなど実在する格闘技が登場し、それぞれの達人と死闘をくり広げます。

 

高校鉄拳伝タフ 1 (ヤングジャンプコミックス)

1994年03月18日
猿渡 哲也
集英社

本作の魅力は、登場人物や武術がリアルに描かれているところ。敵キャラクターは、大半が実在の格闘家や武術家をモデルとしています。戦いのシーンも非現実的な技はなく、実にリアルな描写がされているのです。

さらに、格闘家や武術を知らない人でも親しめるように解説もされており、誰でも楽しめる内容となっています。

作者の猿渡哲也は、本作の他に『力王 RIKI-OH』などの作品で知られる漫画家。あの『サラリーマン金太郎』でお馴染み・本宮ひろ志のアシスタントを務めたこともある人物です。本作でもわかるように筋肉の描写が緻密で、登場人物の熱気やパワーが伝わってくる絵柄が特徴的となっています。

本作の単行本の帯には実在の格闘家が推薦コメントを寄せるなど、格闘技の世界でも根強い人気を誇っています。後述するように登場人物のモデルに格闘家が使われるなど、格闘技ファンには嬉しい内容になっているのも特徴です。

 


猿渡哲也の世界観に惹かれている方は<猿渡哲也のおすすめ漫画ランキングベスト5!圧倒的な格闘シーンの描写!>の記事もおすすめです。「タフ」シリーズはランクインしているのでしょうか。ぜひご覧ください。

 

『高校鉄拳伝タフ』のまとめ【あらすじ】

 

本作は、「タフ」シリーズの原点となる作品です。単行本では42巻も発売され、その後のシリーズに続く物語が展開されました。

主人公・宮沢熹一は、高校生にして灘神影流活殺術(なだしんかげりゅう かっさつじゅつ)の15代目当主を務めています。見た目は不良のようですが、実際は純情で優しい性格で、「不良嫌い」を公言している人物です。

高校生活は無遅刻無欠席で1日2時間は勉強するような性格ですが、武術に関してはプロの格闘家でも圧倒するような実力を誇ります。本人にはその気はないのですが、圧倒的な強さから「番長」と呼ばれているほどなのでした。

 

高校鉄拳伝タフ (2) (ヤングジャンプ・コミックス)

猿渡 哲也
集英社

 

彼は高校格闘技界の強豪を次々と倒していきますが、ある事情から灘神影流に因縁を持つアイアン木場に狙われることになりました。そして、木場が送り込む刺客と戦ううちに、TDKというトーナメント戦に参加することになるのです。

TDKとは、木場の200億円の財産と名声をかけて、選びぬかれた格闘家が戦うトーナメント。参加者は異常な身体能力や殺人術を身に着けており、一筋縄ではいきません。

果たして、熹一は優勝することができるのでしょうか……。

 

作品の見所は?

 

本作の見所は、熹一の戦いと父・静虎との関係です。

静虎は、圧倒的な強さをほこる格闘家でもあります。実は彼と熹一には因縁があり、他の登場人物との遺恨もあったのです。熹一は、そんな父を超えていけるのでしょうか。その後の続編でも重要な要素となる父や伯父との関係が、本作では物語の軸になります。

また灘神影流は古武術なので、実際にはありえないとも思える関節技が出てくるなど、見ていて飽きない内容になっています。その一方で、他の格闘技の使い手は実在する技を使ってくるなどリアルな一面もあるのです。

TDKの終盤では、意外な人物の戦いが描かれます。果たして、物語はどのような結末を迎えるのでしょうか。

 

高校鉄拳伝タフ 42 (ヤングジャンプコミックス)

2003年07月18日
猿渡 哲也
集英社

 

「タフ」シリーズの特徴の1つは、意外なキャラクターが仲間になるところ。

ただのやられ役だと思った敵が知らないうちに仲間になり、熹一の親友になることもあります。本作だけでなく『TOUGH』や『TOUGH 龍を継ぐ男』などでも、そのパターンがあるのです。

そして、もう1つの見所は、キャラクターの名前と顔です。実在する格闘家を本名で登場させたり、芸能人の名前をもじったり、ふざけているとしか思えない人物も登場します。ストーリーはシリアスなので、そういった点が笑える要素となり読者を楽しませてくれるでしょう。

 

『TOUGH-タフ-』のまとめ【あらすじ】

 

『高校鉄拳伝タフ』の次は、『TOUGH』という作品が続きます。

ここからは、そんな本作のあらすじと見所をご紹介しましょう。

 

TOUGH 01 (ヤングジャンプコミックス)

2004年01月19日
猿渡 哲也
集英社

 

シリーズ2作目となる本作では熹一は19歳となり、体格も性格も成長。前作の結末で、父・静虎は再起不能になっており、その治療費を稼ぐために彼は戦っているのでした。

ヤクザと手を組んで闇の試合をおこなっていますが、しだいに表の舞台「ハイパーバトル」という世界へと移っていきます。
 

その過程で彼は、自身の出生の秘密にも触れることになります。そして、ライバルである幽玄真影流との戦いも始まっていくのです。個性的な敵も多数登場し、波乱に満ちた戦いが始まります。

「人はなぜ戦うのか」「愛とはなにか」など、深いテーマを扱っているのも本作の大きな特徴。バトルをとおして、熹一はどのように成長していくのでしょうか。

 

作品の見所は?

 

本作の見所は、なんといっても格闘シーンです。主人公の熹一はもちろん敵キャラクターも豊富な技を持っており、どのように戦うのかまったく先が読めません。

昨今の漫画作品は伏線を張ったり、キャラクターの過去を描いて深みを持たせたりしています。本作にもそういった側面はありますが、基本的にはバトルが最大の見所なのです。

 

  • 身の回りにあるものをすべて武器にできる敵
     
  • 寝技で相手を再起不能にする敵
     

 

など、さまざまな相手と戦うことになり、熹一は何度もピンチに陥ります。しかし、彼もまた武術の達人。機転を利かせて危機を乗り越えるのです。読者はハラハラしながら、ページをめくることになるでしょう。

 

著者
猿渡 哲也
出版日
2012-08-17

敵キャラクターの過去が描かれる点も、要注目。虐待を受けた者や殺人の前科がある者など、一癖も二癖もある格闘家が現れます。

本作では伯父・鬼龍や静虎など、熹一をとりまく人物の過去が明らかに。鬼龍は熹一の実父と考えられていましたが、謎が解き明かされるにつれて、そうではないことが判明します。それでも熹一にとっては特別な存在であり、物語の鍵を握っている人物なのです。

静虎は、序盤では再起不能の状態ですが、中盤で復活。なんと、熹一とは実の親子ではないことがわかります。それでも今までどおりの親子関係を続ける2人の姿は、なんとも微笑ましいです。

鬼龍も静虎も熹一の父親ではないのなら、一体誰が彼の親なのでしょうか。それが、本作の大きな謎の1つ。それも、終盤で明かされます。

『TOUGH 龍を継ぐ男』は数々の謎が熱い!【あらすじ】

「タフ」シリーズの最新作である本作は、前作『TOUGH』から10年以上後の世界が舞台となっています。

主人公は長岡龍星という青年で、名門の長岡家の次男です。彼の母は亡くなる際、彼の実の父親が宮沢鬼龍であると知らせます。龍星は長岡家を飛び出し、父を探すたびに出るのです。

その途中で、鬼龍の双子の兄・静虎に出会い、彼のもとで修行をすることになるのでした。

著者
猿渡 哲也
出版日
2016-05-19

 

修行をしているうちに、龍星は静虎の息子・熹一のことを意識し始めます。熹一は、ある事件がきっかけで、鬼龍のように冷徹な人間になってしまっていたのでした。

熹一を追ううちに、数々の強敵との戦いに巻き込まれる龍星。そして熹一は「血の謝肉祭」というという格闘大会を開催し、自分に関わりのある格闘家を強制的に参加させることにします。熹一はなぜ変わってしまったのでしょうか。そして、龍星は父・鬼龍と出会えるのでしょうか。

本作の見所は、たくさんの謎があるところです。前作では優しい青年だった熹一が、なぜ冷酷な人間になってしまったのしょうか。そして鬼龍は生きているのでしょうか。

数々の謎があり、少しずつ解き明かされていく過程が、読者を魅了します。

黒幕らしき人物も登場し、複雑な人間関係が展開されるのです。

 

作品の見所は?最新11巻の見所もネタバレ紹介!

 

ここでは、本作の最新刊の見所をご紹介しましょう。

10巻では「血の謝肉祭」が始まり、巨大迷路内での戦いがくり広げられました。鬼龍と静虎の兄である宮沢家の長男・尊鷹とガルシアの戦いでは、尊鷹が圧倒されてしまいました。

ガルシアは人間兵器として作られたクローンであり、その価値を認めさせるために大会に参加させられていたのです。

その後は、船上バトルロワイヤルが開催。船から敵を落とし、最後まで残っていた人間が勝利というルールです。

熹一と流星も参加しますが、果たして戦いの行方はどうなるのでしょうか。

 

TOUGH 龍を継ぐ男 11 (ヤングジャンプコミックス)

2018年12月19日
猿渡 哲也
集英社

11巻では、サイボーグや光学迷彩などを使った改造人間が敵として立ちはだかります。熹一は並の人間では勝負にならないので、このような敵が送り込まれたのです。

「血の謝肉祭」の背後には、実は中国の軍部が絡んでおり、まだ見ぬ陰謀が徐々に明らかとなっていきます。
 

その一方で、静虎は中国人武術家・馮の悪行を白状させますが、それは意外なものだったのでした……。

本巻の見所は、物語の真相に近づいていくことが感じられる白熱の展開。今までは影を潜めていた中国人たちの存在が明らかになり、サイボーグなどの改造人間なども含めて、一癖も二癖もある敵として登場します。

10巻までではわからなかった事実も明らかになり、物語が加速していく展開に、読んでいて興奮すること間違いなしでしょう。

 


格闘ものが好きな方には<格闘漫画名作おすすめランキングベスト5!>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

人気長編格闘漫画「タフ」シリーズ、いかがでしたでしょうか。これだけ長く続いているにも関わらず、いまだに多くの謎が残っていて読者を楽しませてくれるのも、本作の魅力の1つです。もちろん迫力満点のバトルシーンが見モノなのは、言うまでもありません。

ぜひこの機会に、本シリーズを手に取ってみてはいかがでしょうか。

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