いつ、どこで発生するかわからない巨大災害。もしもの時に備えて防災対策をしたいけど、何をすればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では最近話題となっている防災本を5冊取りあげ、それぞれの概要と特徴を紹介します。ぜひこれらを手に取って、災害への備えに役立ててください。
災害が発生すると、被災者の方たちを支援するために派遣される自衛隊。本書は自衛隊の公式動画サイト「LIFEHACKチャンネル」の内容をもとに、彼らが培ってきた災害時のノウハウを誰でも実践できるようにまとめた作品です。
そのわかりやすい内容から、テレビ番組などを通じて注目が集まり、版を重ねてベストセラーとなっています。
- 著者
- 出版日
- 2018-08-09
本書で紹介されているテクニックは全部で100個。それぞれの項目にはイラストが付いていて、わかりやすいよう工夫されています。
その内容は多岐にわたり、地震に備えた家具配置など日常で実践できる防災、非常時の服装やケガの処置、入浴時に地震に遭遇した場合や沖に流されたときの対処法などさまざま。
なかには「ハサミの切れ味を良くする方法」のように、防災だけでなく日常生活に役立つ小技も紹介されていて、興味深く読むことができるでしょう。
本書が紹介するノウハウは、災害だけでなく海や山でのレジャーにも活かせるものばかり。もしもの時に備えて、手元に置いておきたい一冊です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災。本書は、この震災をきっかけに注目が集まった、防災ブログの内容を書籍化したものです。
さまざまな災害を想定した対策が紹介されていますが、特に地震やその後の火災・津波対策に力が入っています。タイトルのとおり、4コママンガの形式で防災対策を紹介しているのが特徴です。
- 著者
- 草野かおる
- 出版日
- 2014-07-31
1ページに1項目、全部で180の知識を紹介。事前の対策から地震発生時の対処法、その後の避難所でのメンタルケアなどが、マンガとわかりやすい文章で記されています。
特に注目したいのが、車の運転中など、さまざまなシチュエーションで地震に遭遇した際の対処法。くり返し読むことで知識が定着すれば、非常時でも落ち着いて対処することができるのではないでしょうか。
4コママンガを中心に構成されているため、子どもでも気軽に読めるのが魅力です。
本書は累計発行部数が100万部を超えた「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズの10作目となります。
このシリーズのコンセプトは、小学生やその保護者を対象に、生活のための知識を学んでもらうこと。本書では「身近な危険」を題材に、事故や災害だけでなく、誘拐や痴漢に遭遇しないための防犯の心構えなども紹介されています。
- 著者
- 出版日
- 2016-07-20
全編にわたって小学生を意識したイラストが描かれています。気負わずに楽しみながら読むことができるでしょう。
本書の最大の特徴は、どのような行動や状況が危険につながりやすいのかを知ることができること。事前に危険を察知する力を身に付けられるように構成されています。
危険の兆候を自分で感じ、あらかじめ避けられるようになることは、防災のためだけでなく生きていくうえでとても大切な力になるでしょう。
天気予報でおなじみの、防災士の資格をもつ木原実が監修した作品です。
タイトルのとおり、母親の目線を意識した構成になっていて、子どものメンタルケアや、子どもと離れ離れの状態で被災した場合の対処法など、他の防災本とは異なる観点が特徴。また災害時に作ることを想定したレシピや、調理する際の注意点などが紹介されているのもユニークなポイントです。
- 著者
- 草野かおる
- 出版日
- 2014-08-26
本書の内容は、大きく2つに分けることができます。
まず前半では、日ごろの備えや災害時の心構え、災害の種類や被災状況を想定した具体的な対処法がまとめられています。それぞれの内容は4コママンガやイラスト付きの文章で解説されているため、スラスラと読み進めることができでしょう。
そして後半では、災害時の調理など食事に関する対策がまとめられています。電気やガスが止まってしまうと、普段と勝手が違ってどうすればよいかわからないことだらけ。そのような事態に備えたノウハウは、どれも参考になるものばかりです。
東日本大震災では、地震後に発生した津波により多くの犠牲者が生じました。一方で岩手県釜石市では99%以上の小中学生が助かり、その高い生存率に注目が集まっています。
この秘訣は、釜石市が震災前から実施していた「防災教育」にありました。本書の作者は、釜石市の防災アドバイザーを務めていた人物。生き抜くためのノウハウをまとめています。
- 著者
- 片田 敏孝
- 出版日
- 2012-03-16
作者は、行政の防災対策だけでなく、個人の「自助」と「共助」が重要だと述べています。たしかに日本の防災行政は世界的にも高い水準のものですが、行政に依存し過ぎて個人の危機感が低下することは、かえって危険なのかもしれません。
災害時に自分を守ることができるのは、自分自身。本書が提唱する避難の3原則「想定にとらわれるな。最善を尽くせ。率先避難者たれ。」は、有名な「津波てんでんこ」にも通ずる考え方でしょう。
自分たちで身を守るために何ができるのか、その情報を共有しておくことは、災害と向き合う基本姿勢としてとても大切なものです。具体的な対処法だけでなく、災害と向き合う心構えの要点を教えてくれる作品です。
日本で暮らす以上、どこに住んでいても常に災害のリスクは存在します。災害に直面した時に落ち着いて対処するには、常日頃からしっかりと対策をとることが何よりも重要でしょう。今回紹介した本をきっかけに、防災の備えを充実させてもらえたら幸いです。