いつ、どこで発生するかわからない巨大災害。今回の記事では、女性向けの防災対策や、子供やペットと暮らしている人に役立つ具体的なノウハウが載っている本をご紹介していきます。災害への備えに役立ててください。
ワークショップなどを通じて、被災地域とそのほかの地域を結びつける活動に取り組んでいる「つながる.com」が発表した作品。
東日本大震災で被災した母親たちの体験談と、その経験をふまえた防災対策を紹介する内容です。
防災用品の紹介や避難所の確認などオーソドックスなものだけでなく、日常生活のなかでできる避難に備えた対策など、実践的なのが特徴です。
- 著者
- つながる.com
- 出版日
- 2012-03-02
本書で紹介されている母親たちの体験談を読むと、東日本大震災後の避難生活において、彼女たちがさまざまな困難に直面していたことがわかります。
避難所で子どもが泣き続けてしまった、子どもが保育園にいる時に被災して離れ離れになってしまった、震災直後に出産することになった……。そのほか被災後の防犯対策や家族のすれ違いなど、問題は地震が起こった時だけでなく、その後もずっと生じていることを実感できるでしょう。
災害に直面すると、想定外の出来事は必ず起こります。本書で紹介されている母親たちの経験を踏まえて、事前にできる準備をすることや、考えをめぐらせておくことが大切でしょう。
本書は、東京都総務局総合防災部の防災管理課が作成したもので、日常の防災対策や避難生活のノウハウがまとめられています。コンセプトは、女性の防災への参画を促すことと、一層きめ細やかな災害への備えを促進すること。
そのため本書には女性ならではの視点が盛り込まれていて、冊子版を都内の公共施設で無料配布しているだけでなく、電子書籍版が無料でダウンロードできるようになっています。
東京くらし防災
2018年03月01日
食器が落ちにくくする重ね方や、防災を意識したファッションなど、その内容は普段の生活に取り入れやすいものばかり。イラストを用いてポイントをわかりやすく提示してくれているのも魅力です。
また子どもに実践させておくべき対策も紹介されていて、子持ち家庭を意識した内容はどれも参考になるでしょう。
本書では再三にわたって、あらかじめ防災意識を高めること、考えられる限りの対策をとっておくことの大切さを説いています。手軽に入手することができるので、本書の内容を活かして、日常生活に防災を盛り込んでみてください。
福岡市が作成した防災ブックで、タイトルのとおり特に女性や子育て中の家庭に役立つ情報がまとめらています。
電子書籍版が無料でダウンロードできるほか、福岡市のホームページでも公開されているので、自身のスマートフォンなどの端末にいれて必要な時に確認できるようにするのがおすすめです。
女性の視点を活かした防災ミニブック
2017年11月07日
30ページほどとコンパクトながら、避難時のポイントや日常でできる防災対策、避難所作りのポイントにいたるまで必要な内容を手堅く押さえています。
かわいらしいイラストや写真がふんだんに用いられていて、必要な箇所は文字でもしっかりと説明してくれているのでわかりやすいでしょう。
巻末には、熊本地震や九州北部豪雨で被災した方のインタビューを掲載。経験者が語るリアルなアドバイスは、防災対策を考えるうえで大きなヒントとなるでしょう。
東日本大震災が発生した際、多くの避難所ではペットを受け入れることができませんでした。やむを得ないペットの置き去りなどの問題が発生していたのです。
もしもの時、家族のように暮らしていたペットを守ることができるのは、飼い主しかいません。本書では獣医師の監修のもと、ネコをはじめとするペットと一緒に災害を乗り越えるための対策をまとめています。
- 著者
- 徳田 竜之介
- 出版日
- 2018-03-26
たとえば災害発生時にネコが取りうる行動パターンや、その時に飼い主がやるべきことが具体的に紹介されています。避難所生活を念頭に置いてあらかじめキャリーケースに慣らしておく必要がある、ポータブルトイレの準備など、ペットを飼っている方なら知っておいて損はない情報が多数。
日本で暮らす以上、どこにいても自然災害のリスクから逃れることはできません。しかし人間のための防災対策は自治体などから発信されるものの、ペットに関する情報は自分で取りにいかないと得られないのが現状です。
ずっと一緒に暮らすために、ペットを飼っている方はぜひ本書を読んで具体的な対策を練ってください。
タイトルのとおり、犬の飼い主のための防災対策をまとめた作品。
巻末にはチェックリストも付いていて、本書を読みながらすぐに具体的な行動に移せるよう工夫された一冊です。
- 著者
- いぬの防災を考える会
- 出版日
- 2016-03-11
本書では、ペットの防災において「準備(Ready)」「避難(Refuge)」「責任(Responsibility)」という「3つのR」が重要だと指摘しています。
特に責任について、たとえば不特定多数の人と共同生活を送る避難所では、犬が不用意に吠えたり噛みついたりするとトラブルの原因になりかねません。またノミや病気の対策なども問題となるでしょう。これらの問題を未然に防ぐためには、日ごろから飼い主が責任をもってお世話をする必要があるのです。
いざという時を想定して、日ごろからシミュレーションをすることが大切だと学べる一冊です。