ちょっと変態チック(?)な狼男を中心とした面々が織り成す、ドタバタ事件を描いた作品。個性豊かでクセモノだらけのキャラクター達が、シュールでありつつもスピード感のある笑いを生み、時々シリアスな雰囲気もあったりする、楽しみどころ満載な作品となっています。 今回はそんな本作『キューティクル探偵因幡』の魅力を、キャラの名言をとおしてご紹介!スマホアプリからは、無料で読めますよ。
毛に対して異常に執着する赤毛の男・因幡洋(いなば ひろし)。彼はなんと、人工授精により生まれた「秘密警察犬(シークレットドーベルマン)」という狼男だったのです。
彼は行方不明になってしまった弟を探すため、助手達とともに私立探偵となります。そんななか、警察犬時代の相棒だった荻野邦治(おぎの くにはる)より、マフィアのボスであるヴァレンティーノの追跡を依頼される事になるのでした。
しかし、そんな彼の正体は……まさかのヤギ!? 果たして、因幡達とヴァレンティーノファミリーの戦いの行く末はどうなるのでしょうか。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2008-03-27
本作はアニメ化もされている話題作ですが、原作とアニメ版とで、少々異なる点があります。
といっても、大筋のストーリーは変わりません。アニメ版にはなかったエピソードがあったり、時系列の異なる回が存在したりといったパターンがあるといった具合なのです。
アニメ版には一部オリジナルストーリーが追加されていたりもするので、気になった方はこちらもご視聴くださいね。
今回は、そんな本作の原作版をメインに登場するキャラクターの魅力をご紹介!キャラごとの名言・名シーンなどからお伝えしていきます。
まずは本作の主人公・因幡洋についてご紹介。
彼はあらすじでもお伝えしたとおり、元警察犬の狼男という稀有な素性の持ち主です。行方不明の弟を探すため探偵事務所まで立ち上げては、日夜情報収集も兼ねて探偵業に勤しんでいます。
そんな彼ですが、かなり異質なのは、極度の「毛フェチ」だということ。髪の毛1本あれば、その人物の経歴・性格・DNA配列、生活習慣などなど、さまざまな情報を読み取る事が出来る程の驚異的な能力を備えています。そのため作中では、鑑識能力としてお役立ちとなっているわけです。
そして、なんと満月の夜には、さまざまな色の髪の毛を噛む事によって、多彩な能力を使う事が出来るようになるというトンデモな設定も持っています。
そんな彼ですが、優れた能力は別として、病的なまでに毛を愛しすぎています。時には悪事を働いてでも髪の毛を奪い返そうとするなど、髪の毛の事となると冷静さを著しく欠いてしまうのです。
そんな彼の毛フェチぶりを一言で表したのが、表題の名言。
「世界の毛は俺が守る!!」
(『キューティクル探偵因幡』3巻より引用)
- 著者
- もち
- 出版日
- 2009-03-27
この台詞だけを見ると、一見カッコよくも見えます……が、愛する元相棒の警部・荻野のものを含めた毛をヴァレンティーノに奪われた事から、自らもそれに追随して窃盗を働こうと考えた末の発言です。
しかも、この決断をするまでの間に、自らの髪の毛コレクションが失われた事に対する悲しみによって、全力で泣きじゃくっていました。はっきりいって、その様子はヘタレ以外の何物でもなく、主人公としてのカッコよさは微塵も感じられるものではありません。
時として、味方の身柄よりも毛を優先しようとするほどの病的な毛フェチであるからこそ、このような考え方になるのでしょう。
まさに毛のためなら、正義も悪も関係なし。主人公としても、人間(犬)としても異常性を感じる事が出来る一言。ドタバタコメディーの主人公としては、最的確といえるのではないでしょうか。
続いては、本作でも珍しい常識人枠である、因幡探偵事務所の助手・野崎圭(のざき けい)についてご紹介します。
彼は時給900円という心もとない金額で働く、16歳の少年です。知り合いの元で居候しながら健気に働く感心な若者ではありますが、中卒という経歴のため、将来が少し不安視される人物でもあります。
非常識なトラブルメーカーだらけの本作において、貴重なツッコミ役。味方はもちろん、敵に至るまでのボケにしっかり対処し、時には暴力も交えたツッコミでスピーディーに処理するのです。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2008-09-27
心も体も猫に過剰反応しちゃうんだ♡
(『キューティクル探偵因幡』2巻より引用)
そんな彼ですが、唯一猫好きという点が欠点で、因幡同様に好き過ぎて正気を失ってしまう事が度々あるのです。猫によってダメ人間化してしまった彼はツッコミ役としては役に立たず、表題の台詞通り、何をおいても猫優先の言動となってしまいます。
この台詞が登場した話では、猫好きだった彼が犬好きに洗脳させられてしまうという事件が起こるのです。が、最終的には潜在意識に残っていた猫好きを利用し、無毛猫スフィンクスのルナの写真を見せられた事で一瞬動きが止まるなど、洗脳による影響を上回る猫好きっぷりを発揮したのでした。
彼の愛猫家ぶりが引き起こす病気の深刻さがよくわかる一言。普段が常識人なだけに、崩れた時はそのギャップが人一倍愉快な人物だといえるでしょう。
続いては、探偵事務所の2人目の助手である、佐々木優太(ささき ゆうた)です。見目麗しいお嬢様のような見た目ですが、その正体は女装趣味を持った金髪の美少年。過去に誘拐事件で攫われた際に因幡と関わった事から彼の事を気に入り、それ以来ともに行動しています。
そんな彼ですが、性格面は非常にサディスティックで猟奇的。場合によっては、平然と殺意を口にしたりします。
特に、因幡の元相棒として親しくしている荻野に対する嫉妬心はすさまじく、何度も計画的に亡き者にしようと画策しているようでした(というより本人にも直接殺意を伝えているので、もはや実力行使)。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2009-03-27
空気読めなきゃ吸わなきゃいいのに
(『キューティクル探偵因幡』3巻より引用)
そんな彼が、あどけない少女のような表情でさらりと言い放ったのが、この台詞です。
緊張が走るようなアジトへの潜入というシーン。シチュエーション的にハラハラする場面であるにも関わらず、空気の読めないタイミングで登場したヴァレンティーノに対し、さらりと言い放ったのが、表題の毒気たっぷりな一言なのでした。
シーンとしてはあっさりしていますが、自然な流れで発されただけに優太という人間のSっ気を理解するのには最も分かりやすい一言といえるでしょう。
続いては因幡の元相棒であり、作中トップランクの強靭な肉体を誇る警部・荻野邦治(おぎの くにはる)についてのご紹介。
私立探偵となった因幡の元に頻繁に訪れては仕事を持ちかけてきますが、その大半が厄介事(ヴァレンティーノ捜索の件も含めて)であるという、事務所にとっては助かるようで面倒な人物です。
警察官としては優秀ですが、やや天然な性格をしており、作中では何度も敵の罠にハマったりしています。
しかし特筆すべきは、その人間離れした身体能力でしょう。とにかく頑丈なその肉体は、拳銃の弾を喰らっても軽傷(!)で済み、骨折は1日で治癒、しまいにはダイナマイトの爆発にも耐えきるとまで言い切るのです。
加えて腕力も異常で、拳で山を殴って雪崩を発生させるなど、どうあがいても人間とは思えない力を有しています。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2008-03-27
久しぶりに人間扱いされた
(『キューティクル探偵因幡』カバー裏4コマより引用)
そんな彼ですから、敵味方問わずしだいに人間としての扱いをされなくなっていきます。表題の台詞は、そんな最中に因幡の弟である遥から「人間嫌いだから」という言葉を受けた事で、嬉しそうにしながら放った言葉です。
この台詞は本編ではなく、単行本の4コマに収録されているものですが、読者がこぞってツッコミたくなるような台詞なのでご紹介させていただきました。
続いては、因幡と旧知の間柄で、荻野の同期である人物・緒方柚樹(おがた ゆずき)です。彼は荻野と同じく優秀で、階級は警視。身体能力も荻野程ではないにせよ、十分に前線で戦える程の力を持っています。
しかしながら、この人にも、やはり残念な点が。病的なまでに犬バカであり、犬を愛しすぎたがあまり、ウザ過ぎてすべての警察犬がストライキを起こしたという逸話が残っている人物なのです。
そんな彼ですが、作中でステラという秘密警察犬の女の子と出会った事により、彼女に対して溢れる程の愛情を注ぐようになるのでした。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2009-03-27
ステラは俺が守るよ
なーんも怖がらなくていいからネ
(『キューティクル探偵因幡』3巻より引用)
警察犬であるはずのステラに対して、守ってもらう事を一切考えず、ただただ保護の対象として愛でる事だけを考えた末の台詞が表題のものになります。
ステラを秘密警察犬として育て上げるためにパートナーとなる事になった緒方ですが、その後もステラの所作1つ1つが可愛くて、ツボに入ってしまうのです。そして人語も忘れてしまう程に、心を和ませられてしまうのでした。
黙っていればカッコイイはずの彼ですが、やはり溺愛癖が足を引っ張ってしまうようですね。
次にご紹介するのは、敵対勢力であるヴァレンティーノファミリーの首領・ヴァレンティーノその人です。
その人といっても、彼は人ではなく、正真正銘のヤギ。しかし、見た目こそヤギではありますが、普通に人の言葉を解して因幡達に対して嫌がらせをし続けるという、風変わりなキャラです。
マフィアのボスとして冷酷な面を持ち合わせてもいますが、基本的には本作におけるマスコット的な役割を担っています。「~であろー」という語尾が特徴的です。
ヴァレンティーノファミリーは世界へ羽ばたく!
皆ついて来るであろー!
(『キューティクル探偵因幡』19巻より引用)
- 著者
- もち
- 出版日
- 2017-06-27
そんな彼は、元々王族の出だったらしいことが語られており、それゆえか部下に慕われるだけのカリスマ性だけは備えています。
物語のラストではメインストーリーもひとまず終わり、因幡達とヴァレンティーノファミリーの因縁にも一旦の区切りがつきます。しかし、ヴァレンティーノファミリーの活動は、まだまだ終わりません。これまで投獄ばかりされていた刑務所で、今度は新しい仲間を募って、さらに大々的に大暴れしようと考えているのでした。
組織の再出発に向けて、彼が新たな部下たちに向けた激励の言葉が、表題の台詞となっています。何はともあれ憎めない敵役といった具合で、魅力的なキャラクターのひとりです。
続いては、作中でもトップクラスの見た目のインパクトを誇る人物・ヴァレンティーノの忠実なる右腕であるロレンツォです。ファミリーにおける諜報部部長を担っており、顔を麻袋で覆うという奇抜過ぎる見た目が特徴の人物となっています。
普段は穏やかで、丁寧な振る舞いと話し方をする人物なのですが、とにかくヴァレンティーノに対する忠誠心、というより愛が重すぎてしまい、それにより周囲が見えなくなってしまう事が多々あるのです。
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首領ロードを塞ぐ者は万死!万死!
首領が足りない瀕死!瀕死!
貴方と私は同志!同志!
皆大好き首ォォーーーー領!!
(『キューティクル探偵因幡』8巻より引用)
そんな彼が刑務所に捕らえられたヴァレンティーノの救出に赴き、守衛を殴り倒しながらリズミカルに発した言葉が、表題の台詞になります。まるでライミングのように畳み掛ける言葉と拳のラッシュは、壮絶の一言です。
本来火縄銃が主武器であるはずの彼ですが、ヴァレンティーノの身に危険が迫る時は、素手で守衛を瞬殺できる程の力を秘めているのでした。
首領への溢れんばかりの愛をこれでもかというほど感じられる名台詞でしょう。
ロレンツォと同じく、ヴァレンティーノファミリーの幹部である女暗殺者がガブリエラです。彼女は常に眼鏡をかけ、銃を携行しており、気がとても短い人物。
そんな彼女は、いいストレスのはけ口としてヴァレンティーノの頭を拳銃で撃ち抜いたりしているのですが、ファミリーに対する忠誠は本物のようです。
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私の下僕に手出しはさせん!
(『キューティクル探偵因幡』5巻より引用)
そんな彼女は、身長146㎝~162㎝の人物をすべて下僕であると考えており、それに該当する圭までをも下僕と認識していました。自分の部隊員(下僕達)ばかりを襲撃する大柄のモヒカン男の脅威が圭に迫った際、彼女が立ちはだかって叫んだのが、表題の台詞です。
自らの率いる暗殺部隊に対しても下僕という表現を使う彼女ですが、自分の下にいる者たちは平等に守ろうとする頼りがいのある上司といったところでしょうか。
ヴァレンティーノファミリーの幹部であり闇医者・ノアは、14歳という若さながら、天才的な発明家としての頭脳を持っている少女です。
関西弁を用い、額に十文字のようなアザがあるのが特徴。組織が用いる発明品を開発する彼女がいる事によって、ファミリーの脅威度が大幅に上がっています。
- 著者
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- 出版日
- 2009-03-27
もっと万全なコンディション…心身共健康体
氷河期でも生き残れそうな生命力…そんなのがコロッと逝くのがええねん!
(『キューティクル探偵因幡』3巻より引用)
一方で医者としての本分にも誇りを持っているようで、治療の際は完璧なまでの処置をおこないます。しかしながら、その理由は彼女にとっての嗜好以外の何物でもなく、その嗜好を端的に表現したのが表題の台詞となっているのです。
ヴァレンティーノが宿敵である因幡を殺すようにノアに命令した際、彼女は心身ともに健康体である因幡を、実験もせずに殺す事を明確に拒否するのでした。そして、その理由として自身の嗜好を語ったのがこの台詞なのです。
自らの歪んだ嗜好のために、医者として完璧に患者を治療するというあたりが、やはり本作の主要人物らしいダメ人間っぷりだなぁと感じさせてくれるキャラクターといえるでしょう。
ここからはヴァレンティーノファミリー同様、探偵事務所の敵対勢力である「野羅」についてご紹介していきます。そのなかで最初にご紹介するのは、なんと因幡洋が探していた相手である弟・因幡遥(いなば はるか)です。
彼は白髪と赤い眼が特徴の元秘密警察犬ですが、その割に虚弱体質であったため、作中でも度々健康を害していました。聴覚による鑑識能力が優れており、その力で秘密警察犬として活躍していたようです。
洋と兄弟仲はよかったはずですが、作中で登場した際はすっかり悪の道に染まっていて、兄である洋に対しても容赦なく攻撃を仕掛けてきます。
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- もち
- 出版日
- 2009-03-27
裏声を出すまで追い詰めろ
(『キューティクル探偵因幡』3巻より引用)
そんな彼ですが、ブラコンであるという本質はまったく変わっておらず、兄への愛情が屈折してしまったのが問題のようです。そんな彼の兄への歪んだ愛情が凝縮されたのが、表題の台詞となっています。
これは、自らの部下である夏輝と弥太郎に対し、洋が自分のところに来るまでの間に、出来る限り精神的・肉体的苦痛を与えるように命じる場面です。潜在的ドSである彼にとっては、洋が徹底的に追い詰められている姿が堪らなく愛おしいのでしょう。
未だに一緒に添い寝までしようとする程のブラコンぶりを持ちながら、一方で兄を執拗に痛めつけようとするサディスティックな面まで育ってしまった彼もまた、度し難い人物といえるのです。
野羅のボスであり、因幡兄弟の父親でもある人物が因幡聡明(いなば そうめい)。彼は30年前に肉体を失っており、幽体だけで彷徨う、黒狼のような姿をした秘密警察犬です。
性格は飄々としたセクハラオヤジのようですが、幽体であるという利点を生かして、他人の身体に乗り移る事が出来る能力を有しています。現在は野羅の構成員である弥太郎の肉体を借りて行動しており、本来の肉体を取り戻すために行動しているのでした。
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欲しいのはお前だけだ
(『キューティクル探偵因幡』6巻より引用)
そんな彼が自らの肉体を取り戻す手段として、天才科学者であり発明家のノアの知能が利用できると考え、彼女に対して交換条件とともに放った言葉が、表題の台詞となっています。
まるでナンパでもしているかのような台詞(というより、この直前に実際にナンパしていた)ではありますが、その表情は実に底意地の悪そうな笑みを浮かべているのです。自身の目的のために、利用できるものはしっかりと利用する冷酷な面も持ち合わせている事がよくわかります。
普段はヘラヘラとした態度の彼ですが、シリアスなシーンではキッチリと悪役らしい顔を覗かせる辺り、魅力的で憎いキャラクターといえるでしょう。
- 著者
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- 2008-03-27
野羅の構成員の女性秘密警察犬である三澤夏輝(みさわ なつき)は、本作では珍しい、素直で可愛らしいキャラクターといえるでしょう。彼女は手を繋ぐ事で相手の心理を読み取る事が出来る能力を持っており、日本刀を武器に戦います。
見た目は幼い少女そのもので、幼馴染の弥太郎を人一倍気にかけている様子です。素直な反面、頭はあまりよくなく、聡明にはいつもおちょくられてはセクハラされるという日々を送っています。
そんな彼女ですが、とにかく気持ちを素直に吐露できる辺りがとても可愛らしい女の子。読んでいて、思わず頬が緩んでしまうでしょう。
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淋しいっス
弥太が遠くに…
行っちゃうみたいっス
(『キューティクル探偵因幡』6巻より引用)
弥太郎がノアとデートする事になった際に、淋しさに耐えきる事が出来ず、遥に対してこぼした台詞。
彼女は、弥太郎が心の内を覗かれる事を恐れて手を繋いでくれなくなった事を、ずっと気にしていたのでした。しかも、その弥太郎は自分とは別の女性とデートをして、何やらいい雰囲気。思わず、幼馴染がどこかに行ってしまいそうな雰囲気に、不安が口から出てきてしまったのでしょう。
クセモノ揃いの本作の中では、きわめて安心できる、裏表がなくて可愛いストレートなキャラクターなのです。
幽体だけである聡明に体を貸し与えている「器」の役割を担っているのが、篠塚弥太郎(しのづか やたろう)です。普段はかなり無口でほとんど発言のない彼ですが、聡明と2人だけの時は比較的よく喋ります。
彼は、一見真面目なようでいて、ロリ属性のムッツリという、これまた残念な嗜好の持ち主。夏輝やノアに対して、妄想全開となってしまう事が度々あります。
そんな彼ですが、幼馴染である夏輝に対しては一際強い絆を感じているようで、性癖を置いておいても、彼女のために行動する事がしばしばあるのです。
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最後に
最後に夏輝は
夏輝だけは守らせてください
(『キューティクル探偵因幡』6巻より引用)
表題の台詞は、狼を嫌うヴァレンティーノの部下であるノアに自らの正体がバレた際、真っ先に夏輝は無関係であると庇おうとした時の心の声です。
彼のセクションでもご紹介したノアとのデートシーンから一転してのシリアスムード。デートの途中で優太から妨害を受けた彼は、その戦闘に際して、自身が狼男である事がノアにバレてしまいます。
そんななか聡明に対して心中で謝罪しながら、それでも幼馴染を守るために自らを犠牲にしようとしたのがこの場面でした。
ヴァレンティーノファミリーもそうですが、組織内の絆が強いのは野羅も同様。加えて野羅は、全組織中でもっともシリアスな傾向が強いグループといえるかもしれませんね。
さて、今回最後にご紹介するのは、聡明が弥太郎の前に器として使っていた肉体の人物・佐久間秋吉(さきま あきよし)です。
とても穏やかな人物で、かつ慈愛に溢れており、その柔らかな物腰には聡明すらもたじろいでしまう程。野羅のなかでは聡明の女房役のような人物で、唯一彼に対して上位に立てる存在といえるかもしれません。
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部下の心くらい貴方の魅力で動かしてくださいよ
(『キューティクル探偵因幡』8巻より引用)
そんな彼が、聡明によって幽閉されていた刑務所から無理矢理脱出を促された際に口にしたのが、表題の台詞。自らが聡明の部下であるという事を認めながらも、彼に対してボスとしての振る舞いを説くという事が出来るのは、おそらく作中でも秋吉だけでしょう。
全キャラクター中、もっとも掴みどころのない人物といえるかもしれません。
魅力的でクセモノ揃いの『キューティクル探偵因幡』、いかがでしたでしょうか。気になった方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。本作はスマホアプリからも無料で読めますよ!