漫画やアニメを見た事がない人でも、この作品の名前は聞いた事があるという人がほとんどではないでしょうか。忍者を題材にした作品で、今や世界中に多くのファンが存在します。 そんな「ナルト」に登場する数々の魅力的なキャラのなかでも、戦うくノ一として人気の高い春野サクラ。そんな彼女について、気になる11個の事柄を紹介しましょう。
サクラは見た目は名前のとおり、桜を思わせるピンク色の髪に、薄緑の目が特徴です。性格は自分本位で気性の荒い面もありますが、目上や初対面の人物には礼儀正しさを見せます。
基本的には明るく頭脳明晰で、趣味が暗記やクイズという、座学が得意ないわゆる優等生タイプ。しかし「内なるサクラ」として心の中で悪態をついたり、口調が荒くなることもしばしばです。
好きな食べ物はあんみつと梅干しで、嫌いな食べ物は激辛料理。物語当初の第1部では担当上忍・はたけカカシ、班員・うずまきナルト、うちはサスケとともに第7班に所属します。
サスケに恋心を抱いており、彼を意識して髪の伸ばすなど、恋愛に興味津々な年頃の女の子といった印象が、物語の当初は強く出ている人物です。
同期の仲間達は「血継限界」や「秘伝忍術」を持っているのに対し、彼女は本作の世界では珍しく、血統のないごく一般的な家庭出身の忍者。そのため「大した取り得のないくノ一」といった印象を同期からも持たれていましたが、その反面チャクラコントロールは学年主席だったサスケをも上回るトップレベルと評価されています。
また、原作では登場していませんが、映画やアニメでは彼女の両親も登場しており、父はキザシ、母はメブキという名前です。両親は実は映画で先に登場し、その後アニメ「疾風伝」でも登場。サクラは顔立ちなどは母似ですが、髪色は父譲りのようです。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2000-06-02
第1部当初は忍術や体術など秀でたものがなく、戦闘スタイルも目立たず、チーム内でも守られる状況が多く見られました。ですがサクラは、中忍試験では本来下忍では答えられるはずのない筆記問題を、持ち前の頭脳で全問正解するのです。
実はその筆記試験は、バレずにカンニングをするという、忍術使用ありきの試験だった事が後に発覚。彼女の頭脳レベルの高さが窺える場面となりました。
第2部になると、戦闘スタイルも格段に変化。医療忍術とチャクラコントロールによる怪力を身に着けた事で、ナルトと肩を並べて戦える程の戦闘力へと成長しました。衣装も第1部ではアオザイ風の女の子らしい格好でしたが、第2部では拳を使用して戦うからか、手袋を着用。裾の長かった衣装も空手着風の動き易そうなものに変わっているので、そこからも彼女が忍者として身も心も成長した事が見受けられるでしょう。
彼女は戦う忍者でありながら、初登場から物語が終わるまで、サスケを一途に想い続けている恋する女の子でもあります。
彼に少しでも意識してもらおうと何かとアピールする姿は、恋する女の子そのもの。アピールの仕方がオーバーで、相手にされずに落ち込む事も多々ありますが、それでもめげずに恋を貫こうとする彼女がかわいらしくて、思わず応援したくなります。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2003-05-01
第1部時点での好きな言葉を「一生愛の人生よ!」としてるのが本当だとわかるくらい、彼女は恋に一生懸命。
物語当初は髪をロングヘアに伸ばし、手入れもきちんとしていました。髪を伸ばし始めたのもサスケを意識してという程、彼しか眼中にない様子です。
途中、サスケは抜忍となり里を出ていきますが、それでも彼女が彼を想う心は変わりませんでした。その健気さに、心打たれる場面が多々あるでしょう。
サクラはおでこが広いという特徴もありますが、実はそれが原因で幼少期にいじめられていたという過去があります。そして、彼女はおでこを隠すように前髪を長く伸ばし、顔を隠していたのです。そのため「おばけ」と呼ばれていたりしました。
そんな友達もいなく、1人で過ごしていた彼女に声を掛けたのが、いのです。いのはサクラに、前髪をあげておでこを出す髪型にした方が可愛いとアドバイスし、リボンをプレゼントします。これが、サクラのおでこを出す髪型が定着するきっかけとなりました。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2001-03-02
いのは、アカデミーでも成績優秀な人気者。サクラは、そんな彼女に憧れの気持ちを抱きます。そして、2人は親友になるのです。
しかし、そんな彼女達の友情に亀裂が入る出来事が起こります。それは、サスケを巡っての恋です。サクラは幼少期からずっとサスケが好きなのですが、実はいのも、彼の事が好きだと発覚するのでした。
それから2人の間に、気まずさと負けたくないという気持ちが交差し、下忍になる頃にはお互いを「いのぶた」「デコリン」と呼んで顔を合わす度に喧嘩するようになります。親友だからこそ負けたくないという思いから、ライバル関係になるのでした。
実質ヒロインポジションとして登場している彼女ですが、可愛いという意見の他に、なかには「嫌い」という声も。それはなぜなのでしょうか。
そもそもの原因は、実は彼女の言動にあります。同じ第7班のナルトに対しての言動が酷いという意見が、多くあるのです。ナルトは彼女に気があるのですが、サクラはサスケが好きなので、ナルトの事を「成績ドベのばか」「自分の恋路を邪魔するやつ」と思っていました。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2000-12-09
しかも、それが思うだけならまだしも態度や言葉で直接嫌悪感を表現していたので、当時の読者からはよい印象を持たれなかった、という背景があったのです。
しかし、ともに任務をこなしていくなかで、ナルトの懸命さと成長を目の当たりにした彼女は、彼に対しての考え方をあらためるようになり、しだいに態度も穏和になっていきます。
第2部になる頃には信頼関係もしっかり築けて、仲間としての関係も良好。ここから、サクラが先入観だけで物事を判断するのではなく、しっかりと相手の内面や努力をくみ取れるようになったという成長が見られるでしょう。
彼女が、忍者として強くなるために自分も成長しなければと思ったキッカケは、中忍試験の時に訪れます。
アカデミー時代の彼女の髪型は、長髪です。リボンでおでこが見えるように前髪をあげているのが、トレードマークでした。下忍になった際にも、アカデミー卒業の証である額当てをリボンの代わりに使うようになります。
中忍試験開始時には自慢の髪は長髪を保っており、初対面でロック・リーに一目惚れされて告白されます。しかし、サクラは瞬時に断ったので、リーは敢え無く撃沈……。
NARUTO -ナルト- 28 (ジャンプコミックス)
その後、中忍試験の第二試験中に、森で音忍(敵の組織の忍者)からの襲撃を受けるのです。その襲撃時ナルトとサスケはすでに満身創痍で、サクラは2人を守るために単身で交戦。しかし敵わず、髪を掴まれて捕まってしまいます。
まさに、絶体絶命。その時サクラが取った選択肢は、自分の髪をクナイで切る事でした。
ピンチの状態だったとはいえ、手入れしていた自慢の髪を切るのは、よっぽどの覚悟があったからでしょう。彼女が闘う事を諦めない決意をしたことと、強くなりたいという気持ちが表れた結果でした。
そして、このピンチに現れたのが、リーです。いのを含む第10班のおかげもあって音忍を退け、事無きを得る事が出来たのでした。クナイで切ってざっくらばんになってしまった髪は、いのが整えてくれて、ショートボブの短髪になります。
第2部の頃には、髪型はボブヘアで登場。2年間の綱手の元での修行の間に、長髪に髪が伸びていた時期もあったようですが、今度は自分の意志で短くしているようです。おそらく、任務や戦闘に支障がない髪型にしているのでしょう。
第1部では仲間に守られる事が多く、特別な能力もなかった彼女。そんな彼女の成長が、第2部では随所で見られます。2年の間、綱手の元でみっちり修行してきたサクラは、とんでもない強さを身に着けていたのです。
彼女が主に学んだのは医療忍術ですが、綱手に教わっていたのはそれだけでありません。なんと、体術も教わっていたのです。その代表的な技が「桜花衝(おうかしょう)」。チャクラを瞬時に拳に集める事で爆発的な怪力となり、一発で地面を叩き割る程の威力を発揮します。
チャクラを必要な時に、必要な分だけ拳に集める技術が必要で、これはチャクラコントロールが得意なサクラに合った戦闘スタイルといえるでしょう。戦闘シーンではもっぱらこの桜花衝を披露する事が多く、当たれば相手はただでは済まない程の威力を誇ります。まさに、一撃必殺。彼女の必殺技といってよいでしょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2013-09-04
さらに口寄せの術として、大ナメクジの「カツユ」を召喚し、負傷者の治療もおこないます。カツユは綱手と契約しているナメクジですが、サクラも口寄せ出来る事が大戦中に明らかになりました。
また、「百豪の術」を綱手から教わって受け継いでおり、大戦中にその技を披露。これはチャクラを一定期間、一定量を額に溜めて完成する術です。シズネによれば、チャクラを溜めるのに通常では3年は掛かるらしいところを、サクラは修業期間を換算したとしても2年足らずで溜めていた事になります。
これも、彼女のチャクラコントロールの細密さが大きく関係しているでしょう。大戦中にチャクラを溜め終えた彼女の額には、ひし形の百豪の印が刻まれます。膨大なチャクラを溜めた事で怪力にさらに磨きが掛かり、巨大な敵を一撃で吹っ飛ばす力を見せつけるのです。
ナルトやサスケには一歩およばずながらも、肩を並べて戦うのに遜色ない程の戦闘力を手に入れたサクラ。頼もしいの一言に尽きます。
彼女の師匠は、5代目火影の綱手です。医療忍術のスペシャリストである彼女の弟子は、意外にも多くはありません。彼女の付き人であるシズネは数少ない弟子の1人であり、医療忍術を使用します。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2003-08-04
綱手曰くシズネ以来、才ある弟子はいなかった様子。サクラが医療忍術の修行中、その発言を確認する事が出来ます。綱手は「シズネ以来の逸材か」と心の中で関心する場面があるのです。医療忍術のスペシャリストである彼女にこの発言をさせるという事は、サクラは天才である、という事が出来るでしょう。
怪力に関しても、チャクラコントロールが精密に出来る彼女は無駄な消費をする事もなく、必要な時に必要な分だけチャクラを引き出せるので、戦闘の最中でも技を最大限の効果で発揮する事が出来るのです。
師匠である綱手から認められた彼女は、医療忍術だけでなく怪力をも自在に操る事が出来るようになりました。
医療忍者は戦場で味方の傷を癒し、チャクラを回復させるなど貴重な存在。サクラは若くして綱手に認められる程、その才を見せます。
第2部が始まるまでの僅か2年の間で医療忍術を取得して、戦場で支障ない程の実力を発揮するのです。医療忍術はチャクラコントロールが重要となり、精神力も必要です。簡単には取得できません。そんなサクラの医療忍術の技術が初めて発揮されたのは、砂の里のカンクロウの治療にあたった時でした。
暁のサソリの毒に侵され、一刻を争うカンクロウは、通常の治療では間に合わない状態でした。しかしサクラが解毒剤を作り、彼の体内にある毒を直接摘出する事で命を救ったのです。
体内の毒を摘出する際に使用した医療忍術は「細患抽出の術」で、手に集めたチャクラで毒や病原体を直接抜き取るというもの。集中力と細かいチャクラコントロールが必要な技術で、その場にサクラがいなければ、カンクロウの命はおそらくなかったと推測されます。
彼女の医療忍術が確かなものだとわかる場面という事で、印象深かった読者も多かったのではないでしょうか。
サクラは普段から、綱手の事を「師匠」「綱手様」と呼び慕っています。綱手もまた彼女の事を気に掛けて可愛がっているようで、師匠と弟子としての絆は大きいようです。姉弟子であるシズネとの関係も良好なようで、サクラは医療忍術を学ぶ環境に恵まれているといえるでしょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2003-11-04
綱手は自分が教えたからという自負もあるのでしょうが、サクラの医療忍術に関しても信頼を置いているようで、師弟関係の絆が確かなものであることが伺えます。
綱手が彼女を信頼している証としてわかる描写といえば、サクラが口寄せの術でカツユを使役している事でしょう。
綱手でとカツユは昔から契約状態であり、その絆関係も良好です。そのカツユがサクラとも契約するという事は、師匠である綱手と弟子のサクラの絆が強く、カツユがサクラの事も信頼しているからといえるのではないでしょうか。
綱手については<漫画「ナルト」綱手の7の事実!実はよぼよぼのおばあさん?ナルトの祖母!?>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
大戦も集結し、時が経つにつれて、仲間も結婚をして子供を授かるようになります。ナルトはヒナタと、シカマルはテマリと……などがあるなかで、サクラも結婚をして子供を授かるのです。
その相手は、なんとサスケなのでした。
過去にまったく相手にされず、好意を「うざい」とまで言われたのに、なぜ結婚にまで漕ぎ着ける事が事が出来たのでしょうか。
NARUTO -ナルト- 25 (ジャンプコミックス)
実は、サスケが彼女からの好意をすべて否定して拒絶していたのは、その想いが重荷になるからという考えからでした。そして、サクラの想いに背いていたのです。ナルトとの決着後に、今までの行為について、サスケは彼女に謝罪しています。
その後旅に出ている際に、一時期サクラも同行。それをきっかけに2人は結ばれ、子供を授けたのでした。彼らの間に出来た子供は娘で、名前はサラダ。彼女は本作の続編「BORUTO」にも登場し、サスケとサクラの子供らしく、2人の忍術を受け継いでいます。
サスケと結ばれた彼女ですが、作中でなんと、ナルトに告白する場面があります。
ずっとサスケを一途に想っていたはずの彼女が、なぜナルトに告白をしたのでしょうか。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
サクラとナルトは仲間として深い絆があり、里を抜けたサスケを連れ戻すという共通の目的がありました。第1部でサスケ奪還任務に失敗したナルトは、サクラに「一生の約束」として、サスケを里に連れ戻す事を約束します。
ですが、サクラはそれが彼にとっての重荷になっているのではと思い、そんな責任から解放しようとし「私はナルトが好き」だと嘘をつくのです。しかしナルトは、そんな彼女の嘘を見破り、自分の意志だから、とサスケを連れ戻す事を諦めませんでした。
ナルトが大切な仲間だからこそついた嘘だったのですが、絆が深い関係だったからこそ、すぐに見破られてしまう結果となったのです。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2000-06-02
サクラは気合を入れる時や戦闘中に「しゃーんなろー!」というのが口癖ですが、心身ともにくノ一として成長した、そんな彼女の強さがわかる名言を紹介しましょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2000-12-09
今度は私の後ろ姿を―…しっかり見ててください!
(『NARUTO -ナルト-』5巻より引用)
中忍試験の際に出た言葉。音忍からの襲撃を受け、窮地に陥った彼女。いつもナルトとサスケに守られていた自分が、今度は2人を守るという決意の表れでした。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2006-11-02
上等!素手で戦うのも師匠譲りです!
(『NARUTO -ナルト-』30巻より引用)
第2部に、砂の里でサソリとの交戦中に出た台詞。綱手譲りの怪力を大いに発揮した戦闘シーンが印象的でした。
泣いたってサスケくんは帰ってこないでしょ!
私もいる!私だって一緒に強くなる!!
(『NARUTO -ナルト-』35巻より引用)
大蛇丸のアジトでサスケと再会したものの、また彼を連れ戻す事が出来なかった事を悔しがるナルトに向けて放った言葉。彼だけに責任を負わせない、自分も頑張るという、彼女の本心が見られます。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2014-05-02
どうせ死ぬなら・・・
何もしないより・・・自分なりに戦って死ぬ!!
(『NARUTO -ナルト-』66巻より引用)
大戦中に出た台詞。絶望的な戦いのなかでも望みを捨てず、最後まであきらめないという決意表明です。
この私が看るかぎり簡単に死なせやしないわ!!
(『NARUTO -ナルト-』69巻より引用)
医療忍者として、綱手の弟子として、その自負から出た台詞でしょう。実際に医療忍者としてトップレベルであろうサクラから出たこの発言は、頼もしい限りでした。
春野サクラに関してご紹介しましたが、彼女の魅力は伝わったでしょうか?彼女には、他にも多くの魅力があります。『NARUTO -ナルト-』を読んだことのない方は、ぜひこの機会に読んでみてください。