春になってもやる気がおきない自分に悩んでいる人におすすめの本

更新:2021.11.17

「人の目を気にしない生活」を選んだがゆえに「人の目が異様に気になる」。 「ユニークな人になりたい」けど「常識はずれな人にはなりたくない」。 「普通なんてない」といいながら「平均が気になる」。 変わった人だねと言われることに喜びを感じつつも、その裏の裏まで気になってしまう…自意識過剰を順調に育てて来た筆者が送る、「自分との戦い」ならぬ「自分との痴話喧嘩」に悩むあなたにおすすめの新書、ご紹介します。

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他人のせいにしちゃいけないのはわかるけど、やる気って「削がれる」もの

開花宣言の話がニュースで取り上げられ始めると、春が近づいているのを感じる。

社会人1年目の頃、春は人生の節目として特別なものだった。

社会人2、3年目となるにつれて、春をあまり意識しなくなった。

ところがここ2年くらい、気温の上昇を期待して「春はまだかな」と思うようになった。

情緒が育ったのか、体が衰えたのか、どちらもだと思いたい。

 

「やる気スイッチ」の言葉にもあるように、やる気にはON・OFFのイメージとどこか受動的なイメージがつきまとう。スイッチの定義を調べると「電流を流したり、止めたりする装置」ということで、裏を返せばスイッチがついているものは「エネルギーを流してもらう」つまりは生殺与奪の権利をスイッチを押すものに握られていることになる。

このエネルギーを「やる気」と捉えるのであれば、「やる気スイッチ」という言葉に納得感を抱きやすいのは、やる気は己が作り出すものではなく、誰かから供給されるものという意識が世論の根底にあるということではないだろうか。

(新書っぽい文体で書いてみた)

 

そんな「やる気」がわかない無気力を、自分のせいじゃなく他人のせいにしたいあなたにおすすめの本がこちらである。

著者
["波多野 誼余夫", "稲垣 佳世子"]
出版日
1981-01-22

恐ろしくすすめる気のないことをいって、早速「読む気」を削いでしまって申し訳ないが、この本はすでに絶版になっている。

もしこの記事を読んで、本を読んでやろうという気になったら、丸善・日本橋店にはまだあるかもしれない。

なぜなら、そこで買ったからだ。(期間限定だか店舗限定だかで復刻しているらしい)

 

 

 

心理学の実験って面白い

まず注目したいのは、この本が1981年に発行され、「努力至上主義」に疑問を呈していることである。

1981年といえば『エースをねらえ!』の連載が終わり、バブルの香りがし始めたか否かみたいな時期だ。

「「努力」を言い訳にすることで「やる気」って削がれるんだぞ!」とかなんだか、無気力な人には優しい内容に感じられないだろうか。昨年勤務していた会社の上司に送ってあげたい。

また心理学の実験という、世の中の「実験」の中ではでんじろう先生の次くらいに親近感があり、理解しやすいものが、たくさん紹介されているのもおすすめしたい理由の一つである。

本書には紹介されていないが、「マシュマロ・テスト」とか、なかなか面白い。

ぜひYou Tubeで検索して見てほしい。ざっくりの説明で恐縮だが、おいしそうなマシュマロを目の前に、いろんな子どもがひたすら我慢させられる動画が出てくると思う。

海外のマシュマロってそんな美味しいの?と思えるレベルで、子ども達は辛そうである。

日本の子どもがそこまで執着するようなお菓子ってあるかなと思える。

 

そういった実験結果を元に人が無気力になる理由がさまざまな切り口で列挙された本である。

勉強をしろと言われて「今やろうと思ってたのに、やる気なくなったじゃん!」は未成年かつ家庭内でしか通用しない。

社会人のあなたは、この本を武器に「無気力」と「やる気を削ぐだれか」と戦ってみてはいかがだろうか。

 

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