4月に入り新入社員なども入ってきて、キャリアプランが気になる季節になりました。 これからの「働き方」については、法改正などもありニュースなど話題にはよくのぼりますが、自分のこととして考えると漠然としてしまいがち。 そんな中で、会社内で新しい事業を立ち上げる「社内起業家(イントレプレナー)」という働き方が注目を集めています。「新規事業の立ち上げ」というと壮大にも聞こえますが、実は日常で感じている「不便さ」がアイデアのきっかけになることも。 「新規事業」に興味のある方にまず読んでいただきたい3冊をご紹介します。
「副業」「起業」「リモートワーク」など働き方のトレンドは日々変化しています。 入社数年では目の前の仕事で精一杯。とはいえ「このまま同じ仕事を続けているだけで、キャリアアップや成⻑はできるのか」といった悩みも出てくるもの。
しかし、トレンドを追いかけて中途半端にあれもこれもと手を出していては、入社してから仕事の軸がブレてしまうなんてことも。 そんな「何か仕事で新しいことに取り組みたいけど、何から手をつけていいかわからない」と悩んだ時に頭の片隅に置いておいてほしい働き方が「社内起業」です。
「社内起業」とは、会社を辞め独立しておこなう「起業」とは違い、今いる会社の中で事業を立ち上げることをさします。「社内起業」をする人を「企業起業家(イントレプレナー)」と呼び、社内で活躍の場を広げる方法としても注目されています。
- 著者
- 石川明
- 出版日
- 2015-07-24
この『はじめての社内起業「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ』は、実際に社内で数々の新規事業立ち上げに携わった石川氏が、事業の発想の仕方から立案、周囲の説得方法、社内での交渉術も含めて、自社で事業を起こすことに特化させて書いたものです。
「じゃらん」や「All About」など誰もが知るオンラインサービスが立ち上がるまでが例として載っており、今すぐ「社内起業」をするというわけではなくても、世の中で成功したサービスの裏側を知るという意味で、一読の価値ありです。
「イントレプレナー」としての働き方に興味が湧いても、実践までのハードルは高そうに感じがちです。「世の中にこんなサービスがあったらいいのに」と普段は思っていても、それを自分で成し遂げようと思うと、なんだか考えることすら後回しに...なんてことにも。
世の中にあるさまざまな事業のきっかけは、実は身近な問題にあります。 例えば今話題の「SDGs」は国連サミットで採択された、世界規模で取り組んでいくことになった 17 項目の目標ですが、企業もまた CSR(企業の社会的責任)の一環として対応を求められています。
「国際問題なんて自分には広すぎる」なんて思ってしまいますが、まずは「SDGs」 に自分の勤めている企業がどのように貢献できるかを知ることで、「新規事業」になるような「芽」を見つけることができるかもしれません。
- 著者
- ["足達 英一郎", "村上 芽", "橋爪 麻紀子"]
- 出版日
- 2018-03-23
第1章では、そもそも「SDGs」とは何なのか、国際社会で成立した背景を噛み砕いて紹介しています。投資などの観点から、金融市場の今後との比較などもあり、ビジネスパーソンとして知っておくべき「ビジネスの展開方法」を学ぶことができます。企業が SDGsに取り組んでいくことは事業として成⻑させていけば大きなビジネスチャンスとなりますが、一方でCSRが求められる大企業にとっては、SDGsを看過することそのものがリスクとなり得ることも示されています。
第2章では企業の経営においてSDGsをどのように受け止め、対応していくべきなのか、産業ごとに紹介しています。まずは自分が関わっている産業から読み、どんな成⻑チャンスがありそうか、探ってみてもいいかもしれません。 日常ではあまり学ぶ機会のない、他産業について知ることができる点もこの本の醍醐味です。
ではそもそも、なぜ私たちは働き、成⻑しなくてはならないのでしょうか?ここで、昨年の書店での販売ランキングなどにもランクインしたことで、様々な場面で取り上げられ話題になった、漫画『君たちはどう生きるか』をご紹介します。
『君たちはどう生きるか』は『日本少国⺠文庫』シリーズの一巻で、戦前の日本で子どもたちがどのような志を持って生きていってほしいかを、作家らが教養書として書いたものです。『君たちはどう生きるか』といったタイトルには力強さがありますが、他の巻も『人間はどれだけの事をして来たか』『人類の進歩につくした人々』とメッセージ性の強いものばかり。シリーズの作者には菊池寛などの今なお知られる文豪も名を連ねています。
その中でも『君たちはどう生きるか』は同シリーズの編集者でもあった吉野源三郎が筆をとったもので、学生生活の中で葛藤する主人公と、その悩みにつきあうおじさんとのやりとりという、⻘少年が身近に感じやすいストーリーの展開となってい ます。
漫画『君たちはどう生きるか』では、ストーリー部分は漫画でより読みやすく、物語のキーとなる「おじさんからのノート」は原文を掲載するという作りになっています。
漫画 君たちはどう生きるか
2017年08月24日
比較的恵まれた環境で生活を送っている主人公・本田潤一は旧制の中学校に通っている。ある時「人は世の中の流れの中の分子なのではないか」ということに気づき、 その「発見」からコペルニクスからとった「コペル君」というあだ名をつけてもらう。
ある喧嘩をきっかけに罪悪感や友人たちに許してもらえないのではという恐怖から熱を出し、学校にも行かなくなってしまうコペル君。そこで、おじさんがこれま で2人で話したことから書き留めたノートをもらう。母からも諭され、立ち止まっていてはいけないと決心したコペル君は友人たちに手紙を書き、また直接学校にも行き謝って許してもらう。 コペル君の成⻑に突き動かされたおじさんは、その書き留めた内容を本にする。
「コペル君とおじさん」「コペル君と友人たち」の紡ぐ日々の物語そのものから得られることも多い作品ではありますが、おじさんが「コペル君に問うも の」「コペル君に伝えようとしていること」をつづるノートも読みどころ。
・「立派そうに見える人」と「立派な人の違い」
世間の目よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。
・「消費する側の人」「生み出す側の人」
しかし、自分が消費するものよりも、もっと多くのものを生産して世の中に送り出 している人と、何も生産しないで、ただ消費ばかりしている人間と、どっちが立派 な人間か、どっちが大切な人間か、ーーこう尋ねてみたら、それは問題にならない じゃあないか。
などは、「働く」上でまず考えておくべきことではないでしょうか。 自分は何を「生み出し」たいのかが見えてきたとき、仕事を選ぶ上での軸が見えてきます。
本で理論は学んでいても、手を動かしたり人に相談してみたりしないと実現には結びつけづらいものです。 しかし、何から手をつけていいのか、誰に相談したらいいのかは一人で考えていても思いつかず、結局は着手しないまま時間が過ぎていってしまいます。
そこで、ワークショップ形式で実際に事業立ち上げまでをおこなう講座『en+Lab(エンラボ)』が開講されました。運営は、若者のキャリア支援事業を行っている、(一財)エン人材教育財団。
社会課題解決型人材育成スクール『en+Lab(エンラボ)』は、今属している組織の中でさらなる活躍を目指したい・改革者になりたい、将来的な社内外での起業を目指したいという想いをお持ちの方を対象とした育成プログラムを18~35歳の方を対象に提供している人材育成スクールです。
年間900もの事業が生み出されているMIT(マサチューセッツ工科大学)の起業メソッドを用いた【事業立ち上げ】、サイエンス・歴史・偉人をテーマとした探究学習による教養学習で一人ひとりの探究心に火を付けて興味・関心の幅を拡げる【興味開発】に加え、最先端のテクノロジーを学ぶ【エクスポネンシャル思考特別ゼミ】、自分自身と改めて向き合う【ヴィジョンクエスト】も取り入れたカリキュラムを提供しています。
授業は各分野の専門家による解説と、受講生同士によるディスカッションも頻繁に行うアクティブラーニングで実施。大学生や社会人がお互いの立場にとらわれずにフラットに意見を言い合いながら、またチームを組みながら、自分自身の将来へ向けて学んでいます。
並行して最先端のテクノロジーなど、実践に活かせるビジネストレンドを学ぶことで 「エクスポネンシャル思考」を身につけていきます。そして、事業を立ち上げるための、経営プランの組み方などを学び、実際にチームを組んで事業を立ち上げます。
en+Labの受講修了後は元の職場・学校に戻ってさらに頑張るのもよし、学びを活かして事業を社内外で立ち上げるのもいいかもしれません。事業を立ち上げる方には継続的なサポートを受けることもできます。有料の講座ですが特定の条件を満たすと割引になる制度や支払方法の調整もあるため、気軽に申し込めます。
具体的なカリキュラムが気になったら下部バナーからチェックしてみては!
現在en+Labでは無料体験会を実施中!
気になる人はまずは説明会などイベントに参加してみては。
https://en-hec.or.jp/enlab/event.html
ひらめきを生む本
書店員をはじめ、さまざまな本好きのコンシェルジュに、「ひらめき」というお題で本を紹介していただきます。