5分でわかる「神道」!特徴や仏教との違い、葬式などを解説!おすすめ本も

更新:2019.4.18

日本の土着宗教といわれる「神道」。仏教やキリスト教のように外国から入ってきたものではなく、日本古来の民俗宗教です。この記事では、特徴や仏教との違い、「神仏習合」という考え方、死生観や葬式などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひご覧ください。

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神道とは。特徴を簡単に解説!天皇も神様?

 

自然現象など神羅万象に神が宿ると考える、日本独自の民俗信仰を「神道」、別名「惟神道(かんながらのみち)」といいます。「開祖」や「教典」は存在せず、多神教として「八百万の神」と呼ばれる多数の神を崇拝するのが特徴です。

神道の起源は古代日本に遡り、縄文時代から弥生時代にかけて原型が成立したと考えられています。伝統的な民俗信仰や自然崇拝を背景に、中央政権や豪族たちによる支配体制の根拠と結び付けられながら成長しました。

数多くの神が存在する神道ですが、なかでも最高の神格を有するのが、天皇の祖先神である「天照大神」です。日本では長らく天皇が尊ばれてきましたが、その神格性は天照大神の末裔であることに最大の根拠があると考えられています。

また神道と、6世紀のなかばに日本に伝来した仏教は相性がよく、奈良時代頃より両者が融合してひとつの宗教体系を構成するようになりました。これを「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」といいます。

その後、明治維新による天皇を中心とする国づくりのために「神仏分離政策」がとられ、神道は国教とされました。「国家神道」という体制のもと、天皇は「現人神」として、存在そのものを神と位置づけられるようになったのです。

太平洋戦争が終わると、国家神道は戦争の一助になったとして、GHQから危険視されるようになります。存続を危ぶんだ昭和天皇は「人間宣言」をし、天皇の神格化は否定される結果となりました。

日本には、神道の神々を祀る社「神社」が全国に約8万5000あるとされていて、民間の宗教法人である「神社本庁」がその大半を統括しています。

 

神道と仏教の違いを解説!神仏習合とは?

 

人類の歴史において、数えきれないほどの宗教戦争がくり返されてきました。古来より神道を崇拝していた日本も例外ではなく、外来宗教である仏教が伝来した際に、その受け入れをめぐって激しい対立が勃発しています。

しかし日本は、他の国では想像もしなかったであろう方法で、この争いを解決しました。それが「神仏習合」という、「神道も仏教も両方信じる」という発想です。

たとえば神社の神宮寺。これは神社に付属して建てられた仏教寺院のことで、本来ならば神を祀る神社に仏の存在を持ち込んだことになります。また神前読経という、神道の場において仏教の経典を読みあげる儀礼が実践されていたようです。

この「神仏習合」に端を発する考え方は、日本人に深く根付いているのではないでしょうか。たとえばクリスマスを祝い、ハロウィンを祝い、初詣に出かけ、子どもが生まれればお宮参や七五三に行きます。結婚式は教会や神社で挙げ、一方でお葬式はお寺で執りおこなうことが多いでしょう。さまざまな宗教をミックスした暮らしを送っているのです。


神道と仏教は神仏習合によって融合されましたが、本来は違った宗教のため、異なる点もあります。両者の違いを紹介しましょう。

創始者

神道は自然発生的に生じたもので創始者はいません。仏教の創始者は仏陀(釈迦)です。

教典

神道には存在しません。仏教では仏陀(釈迦)が説いた教えに基づく「経典」「教義」「戒律」があります。

聖職者

神道における聖職者は「神職」「神主」「巫女」と呼ばれ、袴を着て烏帽子を被り、祝詞を唱えたり祈祷をおこなったりします。

一方の仏教では「僧」や「尼」と呼ばれ、お経を唱えたり、説教をしたりする役割があります。宗派によって異なりますが、頭を丸め、袈裟をまとうのが一般的です。

宗教施設

神道の宗教施設は「神社」で、神を祀り、さまざまな儀式をおこないます。仏教の宗教施設は「寺」です。悟りを目指して修行をしたり、一般の人に仏教の教えを説いたりします。神社には鳥居が、寺には墓地や仏像があるのが一般的です。

参拝方法

神道は二礼二拍手一礼で参拝するのが一般的。仏教では合掌をします。数珠を持ったり、護摩を焚いたりするのも仏教独自の参拝方法です。

 

神道の死生観。死後の世界はある?

 

神道の基本的な信仰は「祖先崇拝」です。氏族の始祖を「氏神」として崇敬し、子孫の守り神であると考えています。亡くなった人は、家族や親族を見守る祖先神になるとされていて、肉体が滅びでも魂は滅びることなく、死後の世界で家族や子孫を見守っているという考えです。

この死後の世界は「黄泉の国」や「幽冥(かくりよ)」と呼ばれ、大国主大神という神が治めています。幽冥はこの世から遠くない世界であり、現世から見ることはできないものの、あちらから現世を見ることはできるようです。

また神道では、現世で大きな功績を挙げた者、国家に反逆し戦乱を起こした者、恨みを抱いて亡くなった者などは神になると考えられています。特に恐れられていたのが、恨みを抱いて亡くなった人物。彼らは死後に祟り神となって災いをもたらすとされていました。

ちなみに学問の神様として祀られている菅原道真も、怨霊として有名です。

 

神道の葬式やお墓

 

江戸時代になると、幕府が設けた「寺請制度(てらうけせいど)」によって、葬儀や供養は仏教式で統一されるようになりました。現代でも多くの人が葬式を寺で挙げるのは、当時の影響が残っているからです。

あまり知られていない神道の葬式は「神葬祭」といい、仏教式の葬式と異なる点が多くあります。

仏教では、死後の名前として「戒名」や「法名」がつけられるのが一般的です。それに対し神道では、「諡号」(おくりな)がつけられます。また仏教では焼香や線香を用いますが、神道では榊などの枝に紙垂(しで)を付けた玉串を用いて拝礼をおこなうのが一般的です。

墓は「奥津城(おくつき)」といって、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)をかたどった頂点を尖らせた形をしているものが多く、正面に「〇〇家奥津城」と刻みます。

葬儀の流れとして統一された形式があるわけではありません。これは神道が日本古来の自然崇拝や祖先崇拝をもとに、自然発生的に生まれ進化した民俗信仰だからです。地域や神社によってさまざまな形式が存在しています。

 

わかりやすく歴史を探る一冊

著者
伊藤 聡
出版日
2012-04-24

 

全国に約6万店あるといわれるコンビニ。実は神社の数は、そんなコンビニを大きく上回る8万5000社といわれています。この数から、いかに神道が日本人に根強く浸透しているかがわかるでしょう。

戦中は国家神道として猛威を振るい、戦後も紆余曲折を経ながら日本人の生活に影を落としている神道。その影響力は凄まじいものがあります。

本書では、そんな神道がいかにして生まれ形成されてきたのかを探ります。中世を中心に、古代から近世に至るまでの歴史を丹念にたどっていくと、日本人の心の在り方が見えてくるでしょう。

 

神道から日本人の源流を探る

著者
山村 明義
出版日
2011-09-14

 

本書には、「鎮守の森」が登場します。これは神社の境内や周辺にある森林のことで、閑かでありながら無機質な無音ではなく、風や水、木々のざわめき、鳥や虫などさまざまな音が混然一体となっている空間です。その存在に癒しを感じた経験がある方も多いでしょう。

人間もまた自然の一部であり、自然すべてに何かが宿っていると感じる瞬間です。そんな感覚を大事にしているのが神道で、日本人の核となっている部分なのではないでしょうか。

本書の作者は、全国の神職200人以上に取材をし、日本人の根底にある精神性を探っています。神職に就く方の生の声を聞ける、貴重な一冊です。