『NARUTO -ナルト-』の登場人物のなかでも異色の忍である彼。「忍としての才能がない」と言われたにも関わらず、その情熱と、日々努力を重ねたことで忍になりました。 今回の記事では、そんな彼の6つの真実をご紹介。見た目のコミカルさとは裏腹に、あまりにもイケメンすぎる彼の生きざまをご覧ください!
おかっぱ頭に濃くて太い眉、そして緑の全身タイツ。リーの特徴といえば、まずこの見た目の強烈さが目に付きますよね。彼は第3班、通称「ガイ班」に所属。班員は日向ネジ、テンテンと「体術」に秀でたメンバーで構成されています。
中忍試験編で初登場し、なんと春野サクラに一目惚れ。今でこそ敬語キャラが定着していますが、当初は「おいおい」と言ったり、若干キャラが違っていました。その独特さに加えて見た目的にも強くは見えないため、かませ役だと思っていた方も多かったことでしょう。
好きな言葉は「根性・努力・愛」など。常軌を逸した熱血漢で、熱すぎて周囲はやや引き気味。しかし本人はまったく気にしない、強いハートの持ち主です。
NARUTO -ナルト- 10 (ジャンプコミックス)
2001年12月04日
常日頃から「自分ルール」という自らに過酷な試練を強いるというストイックさは、師匠であるマイト・ガイ仕込み。
体術に優れたリーは、戦闘ではスピードが武器になります。そのため、常に足に重りを付けた状態で体に負荷を与えているのです。重りを付けたままでも、そのスピードは同期のなかではトップレベル。
ちなみに、ガイの見た目もおかっぱ頭に濃い眉、緑の全身タイツといった格好から「ガイはリーのお父さんなのでは?」という声もよくあります。あんなにソックリな2人ですが、実は赤の他人なのには驚きです。
当初はかませ役かと思われたリーですが、作中では大活躍する場面も。『劇場版 NARUTO -ナルト- 大興奮!みかづき島のアニマル騒動だってばよ』ではガイ班ではただ1人、うずまきナルト達第7班とともに任務に加わり、出番も多くありました。
彼のファンは、こちらも合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
初登場時にリーは、すでに注目度が高かったうちはサスケの強さに興味があったようで、勝負を挑みます。サスケと戦うために現れた彼ですが、その際に近くにいたサクラに一目惚れ。その場で大胆にも、すぐに告白をするのです。しかし、敢え無く玉砕。即刻フラれましたが、まったくめげません。
「死ぬまでアナタを守り抜きます」と告白した彼は、フラれたにも関わらず、事ある毎にサクラにアピールを続けます。そして中忍試験中、音忍の襲撃でピンチに陥るサクラの元に駆け付け、宣言通りに彼女を守るために戦ったのです。
そんな彼の姿に、サクラも彼に敬意を持って接するようになりましたが、残念ながら恋には発展しませんでした。
それでもリーは彼女に対して、一途で誠実な態度を貫き続けるのです。彼女が自分の事を相手にしていないのを、心のどこかでZはわかっていたはず。しかし、1度自分が口にした宣言を撤回することはしませんでした。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2001-03-02
初登場時、14歳でサクラに「死ぬまでアナタを守り抜きます」と言ったリー。実は3年後の第4次忍界大戦中にも、彼女に同じ事を言うのです。
穢土転生で蘇った「忍刀七人衆」を前に、戦闘態勢に入るリーとサクラ。サクラと背中を合わせて、厳戒態勢中の緊張感のなか、リーは彼女に再び「サクラさんはボクが死んでも守り抜きます」と言ったのです。
しかし、その時のサクラは心身ともに成長し、前線でも戦える立派なクノイチ・医療忍者になっていたので守られるだけの存在ではありませんでした。それでもリーにとっては、彼女は初めて会った時から「守る存在」だったのでしょう。
リーの一途さ、誠実さがよくわかる場面です。
サクラについては<漫画「ナルト」春野サクラに関する11の事実!サスケとの結婚の経緯は?>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
彼の師匠は、見れば一目瞭然ですが、マイト・ガイです。
ガイはナルト達第7班の担当上忍であるはたけカカシと同期で、ライバル関係のような間柄。リー同様、体術の使い手です。性格は熱い熱血漢で努力家で、リーは彼の事を心から尊敬しています。
NARUTO -ナルト- 10 (ジャンプコミックス)
2001年12月04日
そもそもリーは、アカデミー時代はイジメられっ子でした。運動音痴で、忍術も幻術もからっきしだった彼は、いつも馬鹿にされていたのです。
そんな彼の前の現れたガイは、「努力すれば忍になる事は出来る」と希望を与えます。実はガイ自身も忍術や幻術が得意ではなかったため、リーの気持ちが痛い程わかったのです。
その励ましに勇気付けられたリーは凄まじい努力を続け、やがて体術の使い手になります。「体術だけでも立派な忍になれる」事を証明するのが、リーの最大の目標となったのです。
また、ガイも忍道を「リーを立派な忍に育てる」事としており、2人は師弟として本当に深い絆があるのでした。
なぜ、彼は忍術が使えないのでしょうか?理由を考察していきましょう。
忍術が使えないリーですが、身体エネルギーである「チャクラ」自体は有しています。忍術はそのチャクラを練る事で発動させられますが、おそらく彼は「チャクラコントロール」が苦手なのでしょう。
ひょっとすると、「チャクラを練る事」自体が苦手なのかも。もしくは「どちらも」かもしれません。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
忍術は、チャクラを必要量練る事が出来れば、簡単な術は発動が可能。しかしコントロールがうまくいかなければ、本来の効果を発揮出来ないという特徴があります。おそらくリーは、これらの理由から忍術や幻術が使えないのだと推測出来るのです。
遺伝による特殊能力である血継限界を持つ血筋の家柄でもなく、忍術や幻術も使えない彼に残された選択肢は、まさに体術のみだったのでしょう。
リーが使う体術は「木ノ葉流体術」です。その技の数々をご紹介してきましょう。
まず「木ノ葉流体術」は、「八門遁甲」という体にある8つの門(チャクラ経路のリミッター)を無理やりこじ開ける事で発動します。門は「開門」「休門」「生門」「傷門」「杜門」「景門」「驚門」と頭に近い場所から始まり、もっとも危険なのは「死門」という心臓にある門です。
リーも、こうした八門のリミッターを外す事で、身体能力を飛躍的に上げる事が可能。次から、彼が主に使用する技を紹介していきます。
まずは「表蓮華」です。八門のうちの1つを外す事によって使用可能。中忍試験中に、この技を使用しています。目にも留まらぬ速さで敵を蹴り上げ、手に常に付けている包帯で敵と自分を括り付けて回転しながら落下する大技です。
包帯で括り付けられているため相手は受け身も取れず、頭から地面へと叩きつけられます。決まれば、相手はタダでは済みません。しかし使用者の負担も大きい技なので、普段はガイから使用を禁止されています。
次に「裏蓮華」です。八門を1つ開ければ使用出来る表蓮華と違い、こちらはリミッターを3つ以上開ける事で使用出来る技。いわば「蓮華の真の姿」です。表蓮華よりもさらに速く、超高速で攻撃が可能。連撃した後に包帯で相手を拘束し、右手・左足を同時に叩き込んで相手を吹き飛ばします。
中忍試験予選で、表蓮華で我愛羅を倒す事が出来なかったた使用。奥の手となる最終手段でしたが、我愛羅が自らに封印されている尾獣「守鶴」の力を使用したので、一歩およばず負けてしまいました。
リーが使用したのはこれくらいですが、師匠であるガイは八門すべて開く事が出来ます。八遁甲のその他の技もご紹介しましょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2014-05-02
朝孔雀(あさくじゃく)。第六門「景門」まで開く事で使用出来る技です。相手に猛列な打激を与え、それによって生まれる摩擦熱の炎で相手を焼き尽くします。
技の由来は、炎が、孔雀が羽を広げている姿に似ているということから。ガイは第2部で、干柿鬼鮫と対峙した際に使用しました。ガイ曰く、「この技を解禁した戦いでは必ず勝ってきた」という程の必殺体術でもあります。
昼虎(ひるどら)。第七門「驚門」まで開く事で使用可能。ガイ曰く、「空圧正拳」で両手による強烈な空気圧を相手に打ち込む技です。撃ち込まれた空気圧は一点に集まったのち、拡散しながら相手を吹き飛ばします。空気圧なので、チャクラを使用していないのも特徴です。
夕象(せきぞう)。「八門遁甲の陣」解禁状態として発動した技。拳で空気の壁を叩き、強烈な空気弾を連打する事が出来ます。一発撃つ度に、その威力が増すのも特徴です。最大で5発まで撃つ事が可能。空気弾の形が象の足型に見える事が、技名に由来しています。
第4次忍界大戦中、穢土転生で復活したうちはマダラと戦った際に使用。死を覚悟しながら放ったガイ渾身の必殺技でしたが、マダラを仕留めるには至りませんでした。
夜ガイ。「八門遁甲の陣」解禁状態として発動した、もう1つの技です。「死門」に全身のチャクラを一点集中させ、チャクラを全開にする事で全身の身体能力を爆発的に上げる事が出来ます。チャクラが龍の姿をした気流となり、その流れに沿って渾身の「飛び蹴り」を放つ技です。
ガイの持つ技のなかでも、最大にして最強の奥義。技自体は飛び蹴りというシンプルさながら、パワーと速度が空間を歪める程の威力があります。
夕象でマダラを仕留める事が出来なかったガイが、すべての力を持ってして放った渾身の必殺技。十尾の人柱力となっていたマダラの半身を消し飛ばす威力を見せました。
元より八門遁甲は、体の潜在能力を無理やり引き出す事で得られる体術。そのため、副作用やリスクが大きい諸刃の剣ともいえるでしょう。一撃必殺の技ではありますが、使用後には全身の筋肉断裂や骨が砕けるなど、術者にとっても使用にはとても覚悟がいる技なのです。
体術のみで、立派な忍となったリー。本作「ナルト」のその後として描かれている「ボルト」では、リーも大人の姿となって登場しています。
さらに驚きなのは、彼の息子も登場している事です。その名前「メタル」。リーによく似た少年で、ナルトの息子のボルトはじめとした、当時の仲間達の子供たちと同期として物語に登場します。
- 著者
- 池本 幹雄
- 出版日
- 2016-08-04
息子が登場するという事は、リーは結婚しているということが考えられます。妻は一体だれなのでしょうか?2019年4月現在、その存在が誰であるのかは発表されていません。ですが、「妻はテンテンなのでは?」という憶測も。
彼らは同期で、同じガイ班としてもずっと側で互いを見てきた存在でもあります。そういった経緯からの憶測ではありますが、真相はわかっていません。今後「ボルト」本編で明かされるかもしれないので、そのあたりも楽しみに読み進めてみましょう。
当初はかませ役扱いされていたリーですが、なんと彼が主人公のスピンオフ漫画が登場しています。デフォルメ化して描かれたキャラ達がくり広げる、いわばギャグ漫画です。
基本的な性格は、「ナルト」本編のように誠実で礼儀正しいまま。しかし、毎回ネジやテンテンを寸劇で振り回し、その結果、散々な目に遭うのがお決まりです。
- 著者
- 平 健史
- 出版日
- 2012-02-03
ギャグ漫画という事もあり、キャラ達はとてもコミカル。本来ならクール・冷静といったキャラ達も、リーの寸劇にノって物語を盛り上げます。特にネジは、テレビアニメ編ではよく女装しており、普段では考えられない姿がたくさん見られるのです。
物語の展開も早いので、トントン読み進められる作品。普段とは違ったキャラ達の一面を見られるので、新たな魅力を発見出来る機会になるかもしれませんね。
ひた向きに自分と向き合ってきた彼の言葉には、心を動かせられるものがあります。その名言のいくつかを紹介しましょう。
この技で証明しましょう
努力が天才を上回ることを
(『NARUTO -ナルト-』5巻より引用)
天才と周囲から期待されているサスケに対し、リーは対抗心を燃やして、こう発言します。才能はないと言われ、馬鹿にされてきた過去。それを努力によって塗り替えてきた彼にとって、努力より強いものはないと信じているのです。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2000-12-09
たとえ忍術や幻術は使えなくても
立派な忍者になれることを証明したいです!
それがボクの全てです!!
(『NARUTO -ナルト-』10巻より引用)
リーの忍道のすべてを表現しているセリフ。努力し続ける事で自分を鼓舞し、自ら発言したことを貫く姿勢は本当に見習いたくなる程でしょう。忍術や幻術の才能に恵まれはしなかった彼ですが、彼は「努力の天才」なのです。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2014-08-04
悲しくなんかありません!!
覚悟を決めた男を前に
哀れみも悲しみも侮辱になります!!!
(『NARUTO -ナルト-』70巻より引用)
マダラを倒すためガイが決死の覚悟で八門を開いた事を、リーは止めはしませんでした。死を覚悟したガイとともに、リーもこの場面で師匠を亡くすだろうという覚悟を決めたのでしょう。
本当は悲しいはずなのに、それでも「男」が決めた決意に水を差すのは同じ「男」として絶対に出来ない。リーはそう思ったのではないでしょうか。ガイとの絆の深さを感じられた名セリフです。
落ちこぼれからスタートし、それを努力で克服してきたリー。読者にとっても「努力は報われる」と感じさせ、証明してくれたキャラです。その数々の勇姿は、ぜひ漫画を手に取って確認してみてください。