眠い?しんどい?五月病・六月病の症状や原因、予防と対策をわかりやすく解説

更新:2021.3.29

ゴールデンウイーク明けからたびたび耳にする「五月病」。眠かったり、なんとなくしんどかったり……なまけているようにも見えますが、放っておくと悪化してしまうかもしれません。この記事では、五月病の症状や原因、予防と対策をわかりやすく解説していきます。

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五月病とは。「六月病」もあるし秋にもなる⁉

 

新年度から1ヶ月ほど経過した時期にたびたび耳にする「五月病」。「病」という文字がついていますが、正式な医学的病名ではありません。4月には進学や就職など新しい環境への期待が高まっていたものの、順応できないことへのストレスや意欲の低下などから体調に支障をきたす症状を指します。

一見するとサボっているだけのようにも見えるため、気が緩んでいると考えられがち。しかし実際には、責任感のある真面目な人や頑張り過ぎてしまう人ほど五月病になりやすく、医学的には「適応障害」や「うつ病」と診断されることもあります。

五月病は、環境の変化によるストレスが表面化することで発症します。4月にずっと続いていた緊張状態が解けたゴールデンウイーク明けや、梅雨のせいで憂鬱な気分になりやすい6月、あるいは夏休み明けの9月頃が症状の表れやすい時期です。

近年では五月病だけでなく、6月や秋口に同様の状態に陥ることを「六月病」「九月病」と呼ぶこともあります。

 

五月病の具体的な症状

 

心身ともにストレスのかかった状態でも無理をしてしまいがちなため、責任感のある人ほどかかりやすいといわれる五月病。ストレスが限界を超えると、さまざまな悪影響が生じます。

精神面では、憂鬱な気分から抜け出せない、やる気が出ない、頭が働かない、感情がコントロールできないなど。

身体面では、頭痛、吐き気、めまい、肩こり、動悸、消化器系の不調、疲れているのに眠れないなどが主な症状として挙げられるでしょう。

初期の段階では、適度な休息や運動、規則正しい生活を心がけてストレスが軽減できれば、改善することができます。しかし症状が進行してしまうと、適応障害やうつ病、パニック障害、不眠症などになってしまうのです。

登校や出社が困難な状態になると、自力での回復は困難です。医療機関を受診し、適切な治療が必要になります。体や心の不調を感じたら、まずは医療機関に相談をしてみましょう。

 

五月病の原因

 

適応障害は、「世界保健機構の診断ガイドライン」によると、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」だとされています。

原因は過度のストレスだといえますが、ストレスの表面化には個人差があり、ある人にとっては何でもないような出来事も、ある人にとっては耐え難いほどの苦痛になることがあるのです。

この個人差を生み出す要因のひとつが、脳内ではたらく「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質です。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれていて、精神を安定させる作用や、感情のコントロール、睡眠の調整に役立っていると考えられています。セロトニンが不足すると、脳の機能低下が起こったり、心のバランスを保つことが難しくなったりしてしまうのです。

さまざまな要因でセロトニンが足りなくなると、ストレスに対応することができなくなり、五月病になる可能性が高くなるといえるでしょう。

 

五月病予防と対策5選!キーワードは「セロトニン」

 

では、セロトニンを増やすために有効な対策を紹介します。

1:日光を浴びる

日光を浴びると、目から脳に信号が出され、セロトニンの合成が活発になります。特に朝日を浴びると、体内時計を整えるはたらきもあるのでおすすめです。1日のうち、20~30分ほど浴びるのがよいとされています。

2:適度な運動をする

ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動には、セロトニンの分泌を促す作用があります。太陽が出ている時間に散歩などをすれば、日光浴や運動不足の解消にもなり、一石三鳥だといえるでしょう。

またスクワットなど同じ動作を一定のリズムでくり返す「リズム運動」をすることでも、セロトニンが増えることがわかっています。食事の際に食べ物を噛む動作もリズム運動のひとつ。しっかり噛むことを意識しましょう。

3:栄養バランスに配慮した食事をとる

偏った食生活は、脳内の栄養不足に繋がります。魚や肉、大豆製品などのたんぱく質に含まれる「トリプトファン」は、セロトニンの材料になるアミノ酸。まずは日々の食事で必要な栄養素をしっかり摂ることを意識しましょう。

ちなみにトリプトファンは、炭水化物と一緒に摂取すると体内に取り込みやすくなります。栄養バランスを考えつつ、さまざまな食材を食べることも五月病への対策になるといえるでしょう。

4:睡眠で体を休める

日中のセロトニン分泌を促すために、しっかり睡眠をとって脳も体も休めることが大切です。深い眠りのためには、就寝の2時間前には食事をすませる、就寝直前にはテレビやスマホなどの強い光を目に入れない、就寝・起床時間が日によって大幅にずれないようにすることが大切です。

5:オフの日は気分転換をする

セロトニンは、自分が好きなことや楽しいことをすることで分泌が促進されるといわれています。気分転換の方法は人それぞれ。趣味などに充てる時間を確保することも、五月病の対策として重要です。

現代日本で働く人に読んでほしい一冊

著者
汐街コナ
出版日
2017-04-10

 

「マンガで分かる心療内科」シリーズで有名な、精神科医のゆうきゆうが監修している作品。過労死や過労自殺に追い込まれる人が、なぜ会社を辞めることができないのか、その理由と対策をわかりやすく描いています。

本書でとりあげられているのは「過労」ですが、その先にある精神的な症状は五月病と共通する部分が多々あります。「辛い」と感じている人が身動きできなくなってしまう過程が紹介されているので、身近に五月病の疑いがある人がいる際の参考にもなるでしょう。

責任感の強い人ほど頑張りすぎてしまいがちですが、どんな仕事よりも命の方が大切。辛い状況から抜け出す助けになる一冊です。

五月病で疲れた時に読みたい一冊

著者
井上裕之
出版日
2012-05-22

 

作者の井上裕之は、歯学博士として歯科医院理事長を務めるかたわら、「潜在意識」の第一人者とされメンタルセラピストやコンサルタントとして活躍する人物です。

本書は、疲れた気持ちを整理をするための方法が描かれた作品。優しく話しかけるような文体が特徴で、五月病にかかって疲れてしまった心もほぐしてくれるでしょう。

ひとつのテーマは数ページで完結しているので、パラパラとめくって気になる項目から読むのもおすすめです。