恋愛に対して理想主義者である市原由奈と現実主義者である山本朱里。2人の高校生が様々なことで悩みつつ恋愛をしていく物語が『思い、思われ、ふり、ふられ』、通称「ふりふら」です。 2017年、第41回講談社漫画賞にノミネートされ、2018年には第63回小学館漫画賞少女向け部門を受賞。累計発行部数は550万部を突破しており、実写映画化、アニメ映画化もされた人気作品です。 本作は、甘い展開の恋愛模様を描くと同時に、まだ青い彼らが悩みを打ち破り成長していく様子が見所の恋愛青春群像劇。 この記事では、本作の見所を最終12巻の結末まで全巻ご紹介します。ネタバレを含むので、気になる方は無料で読めるスマホアプリなどでもご覧になれます。
本作は市原由奈と山本朱里、2人の女子高生が恋愛をしつつ成長していく恋愛群像劇漫画。累計550万部以上売り上げ、実写映画が2020年8月に、アニメーション映画が同年9月に放映された人気作です。
由奈と朱里という2人の女子高生が互いの価値観を共有しながら恋愛をしていく本作。恋愛劇だけではなく彼女たちの親も深く掘り下げることで親と子供というテーマも描かれます。
特に朱里については親のエゴに振り回されながらも彼らを気遣わずにはいられない朱里の心情が、痛々しくリアルに描かれています。
さらには彼女たちの相手役となる山本理央や乾和臣などの男子高校生の心情も丁寧に描いており、それぞれが親と向き合う姿にも心を揺さぶらる内容です。
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2015-10-13
つまずきながらも、自分の道を進んでいことする2人の恋愛につい胸キュンしてしまうでしょう。ここからさきは、『思い、思われ、ふり、ふられ』全巻を紹介していきます。ネタバレも含みますので、まだ読んでいない方はご注意を!
すでに本作が気になった人には、スマホの漫画アプリをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
この作品の魅力は何といっても「個々の人間の成長をしっかりと描いている点」です。
恋愛に対して理想を抱いている由奈は、引っ込み思案で人とかかわるのが苦手な性格。彼女の王子様的存在である理央に恋をするのですが、開始早々に振られてしまいます。
しかしそれを機に理央や朱里と関わりながら、積極的に成長していきます。その変化によって由奈の純粋さが表に出るようになり、周囲に影響を与えていく存在になるのです。
朱里も由奈の姿に影響を受け、自分の空っぽな性格を変えるように努力するようになります。朱里の成長も和臣や元恋人の亮介がうまく関わりながら綿密に描かれます。
2人の主人公が相互に作用しながら魅力的な群像劇となる本作。メインの登場人物が、抱える問題を乗り越え成長していく姿に青春らしい爽快感を感じられます。
恋愛に理想を抱いている夢見がちな少女・市原由奈。高校入学前に、絵本に出てくる王子様にそっくりな男の子に出会います。
そんななか偶然友達になった山本朱里の家に遊びにいくと、そこにはその王子様のような男の子がいて……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2015-10-13
第1巻の見所は由奈が理央に恋を自覚するまでの様子がしっかりと描写されている点です。
絵本の王子様のような男の子と出会い、少し会話をしただけで存在を記憶に鮮明に焼き付けられた由奈。
その後、彼女とは反対に現実的な考えを持つ山本朱里と出会います。彼女の家へ行くと、そこにはその王子様のような男の子がいたのです。彼は、実は朱里の弟。それを機に理央とも親交を持つようになり、彼が好きだと徐々に自覚していくのです。
理央はルックスだけでなく行動までイケメン。非常に好感が持てるキャラです。その気遣いの描写が丁寧で、由奈が恋に落ちる理由を読者も時間をかけてしっかり納得することができます。
理央の秘密を知ってしまった由奈は、自分の気持ちを隠しているのが彼に失礼だと思い、告白。しかし振られてしまいます。
由奈は交際を断られるも、彼に接したことで自分の内面が変わり始めたことに気づき始めて……?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2016-02-25
第2巻では由奈が交際を断られた後、それでも理央を支えるため行動する献身的な姿がメインで描かれます。彼女の優しさがしっかりと伝わってくる展開です。
由奈が知った秘密とは、両親の再婚で家族になったということで朱里と理央は血がつながっていないこと、さらには理央が朱里が好きだということ。
由奈は理央の恋心を知ってしまったことに罪悪感を覚え、自分だけ気持ちを隠しているのは失礼だと思い、告白したのでした。
振られて落ち込むものの、それを機に彼との日々によって自分が成長したことに気づき、恋人でなくても唯一秘密を知る友達として彼を支えていくことを決意。
さらに第2巻では由奈の幼馴染である乾和臣と朱里の恋愛模様も描かれています。朱里もまた、由奈の献身的な姿に憧れを抱いて変化していきます。
由奈と朱里、双方の変化が気になる第2巻です。
由奈から和臣の好きなタイプは全力で頑張る子だということを聞いた朱里。走る気のなかったマラソン大会で全力を出す決意をします。
しかし全力を出しすぎて倒れそうになる朱里。そんなところを和臣に助けられて……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2016-06-24
3巻は朱里と和臣の恋愛模様が見所。
朱里は和臣の思いついたことをそのまま言ってしまう純粋な性格に翻弄されつつも、徐々にほのかな好意を抱いていきました。
そんななか合コンに誘われて由奈と参加するのですが、和臣の姿が頭から離れず集中できません。そしてこの合コンを通じて自分が和臣を好きだと自覚するのです。
和臣は天然な性格ですが、ここぞというときにはハッキリと主張するため、そのギャップが魅力的なキャラクター。第3巻は朱里視点が多いため和臣のかっこよさがふんだんに盛り込まれています。
徐々に発展していく朱里と和臣の恋と、それに割り込んでくる理央。波乱の予感が感じられ、先が気になる内容となっています。
キスしたことで互いに気まずくなって会話がなくなった朱里と理央。険悪ムードとなっていきます。
そんななか、理央は由奈や母親の話を聞いて朱里が家族を維持するためにどれだけ頑張っていたかを知って……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2016-10-25
第4巻は理央と朱里のすれ違いがメインに描かれ、もどかしい展開が描かれます。
朱里に衝動的にキスをしてしまった理央。それに対し朱里は「ノリでこういう事しないでよ!」と理央の気持ちを誤解して突き放します。
理央からその出来事を相談された由奈は、自分のせいで強く恋心を自覚した理央を結果として追い詰めてしまったのではないかと自己嫌悪に陥ってしまうのでした。
そんななか理央は母親や由奈の話から朱里の家族に対する想いに気づきます。理央は朱里の本当の想いに気づき、自らも家族のために行動していくことに。自分を捨て家族を気遣う朱里の姿は痛々しく、彼女の健気さが伝わってきます。
理央が姉弟間の恋愛にどう決着をつけるのか、理央と朱里の家族への想いの美しさに魅了される第4巻です。
クラスメイト何人かで祭りへ行くことになった由奈たち。そこで由奈とクラスメイトの我妻が仲良くしている姿に嫉妬した理央は……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2017-03-24
第5巻から理央が由奈に好意を抱くようになりますが、同時に我妻というライバルも登場します。
きっかけは由奈の夢を見たこと。理央はそれから少しずつ彼女が気になり始めます。
そんななかで出た、みんなでお祭りに行く話。由奈が好きだと自覚していない理央は我妻が由奈と仲良くしていることに何だかモヤモヤすることになります。
一方、朱里は祭りで和臣と良い感じになり連絡先を交換することになり、その勢いのまま和臣に告白。しかし和臣は理央が朱里のことを好きだと思っており、友人の好きな人とは付き合えないと断ってしまいます。
登場人物が増え、互角関係となった物語。ハラハラドキドキで誰と誰がカップルになるのか気になる展開です。
文化祭が近づくなか、理央と我妻は互いに由奈が好きだと確認し、どちらが彼氏になれるか競うことに。
そして文化祭当日となり、学校の中庭で理央と由奈はいい雰囲気に……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2017-08-25
第6巻では由奈と理央、我妻の関係に変化が出るところが見所。特に理央が我妻にライバルだと表明するシーンはかっこよく見えます。
きっかけは、理央が由奈と我妻が仲良くなっていること。我妻に由奈のことが好きなのかと問い詰めると、彼はあっさりとそれを認めます。
我妻と由奈がお似合いだと感じていく理央。それでも由奈のことがあきらめきれず、我妻に自分も彼女が好きだと言い放ちます。我妻はそれに気づいていたらしく、こうしてどちらが彼氏になれるか勝負することになるのでした。
一方、和臣は朱里の告白を断ったことについて考えるようになり、彼女とどう接していいか分からなくなっていました。そんななか始まった文化祭で和臣は、理央が好きなのは朱里ではなく由奈だということを知るのです。
由奈と理央と我妻の展開していく関係、朱里と和臣に訪れた変化のきっかけ。徐々に動き始めた様子が非常に気になる第6巻となっています。
文化祭の後夜祭で互いにどこにいるか探し合う由奈と理央。中庭に来た理央は後ろから由奈にぶつかられ、やっと2人は会えました。
そこで由奈は彼のおかげで成長できたということを言い、それを聞いた理央は……?
- 著者
- 咲坂伊緒
- 出版日
- 2017-12-25
第7巻はついに由奈たちの関係に区切りが打たれます。我妻、理央がともに由奈に告白するという展開になるのです。
まず最初に動いたのは我妻。自分と一緒に後夜祭に出てほしいと由奈に告白しますが、彼女は好きな人がいて後夜祭で告白するつもりだと言って断ります。
我妻からその話を聞いた理央は、由奈が誰を好きでも自分の気持ちを伝えようと決心します。そして由奈を探して校舎裏まで来たところで後ろから彼女にぶつかられたのでした。
そこで由奈は理央の後ろにいる体勢のまま、彼のおかげで成長できたのでずっとお礼を言いたいと思っていたことを告白します。
そして由奈が他に何か言いかけたとき、理央がそれを制止して彼女を真正面でから見つめるのです……。
果たして無事に理央と由奈が恋を成就させることができるのか?その結果は実際に第7巻を読んでみて確かめてみてください。
付き合うことになった由奈と理央は幸せなクリスマスデートを楽しみます。
一方、朱里と和臣もクリスマスに一緒に展望台で過ごすことになります。そして展望台でお互いの悩みを分かち合った後、良い雰囲気となり……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2018-04-25
第8巻は由奈と理央のクリスマスデートと、朱里と和臣の展望台デートが描かれ、彼らの内面が丁寧に描かれていきます。
まずは由奈と理央から。クリスマス当日、由奈は彼にエスコートされ有頂天。この幸せな毎日がずっとずっと続くといいと思いながらデートを終えます。
一方、朱里はクリスマスの夜に展望台で過ごそうと和臣を誘います。彼はそこで家族に対しての悩みを打ち明け、彼女に共感してもらったことで充足感を得るのでした。
家族に対して思うところのある朱里と家族に自分の夢を認めてもらえない和臣。2人は同じ悩みを持った者として共感しあいます。
本作のメインはもちろん恋愛なのですが、第8巻からは親に振り回される子供というテーマも描かれ始めます。由奈たちの甘い展開と、朱里たちのシリアスな展開が織り交ぜられた第8巻です。
朱里は家族の離婚問題や元恋人・亮介の言葉により精神的に追い詰められていました。
そして、朱里の両親の問題について知らなかった和臣もたまたまその話を知ってしまい……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2018-07-25
第9巻では和臣と朱里が家族の問題でさらに精神的に追い詰められていきます。辛いシーンも続くのですが、由奈と理央の甘い恋愛展開が清涼剤となって、ストレスなく読み進められます。
バレンタインの日に、理央が自分のことを好きなのはただの勘違いなのではないかという不安を吐き出す由奈。彼はそれに対して怒る素振りを見せるものの、気持ちを示すために彼女の家まで行って親に挨拶をすることになります。
一方、朱里と理央の両親は険悪ムードとなり、離婚寸前の状態に。両親に振り回され、さらには元恋人の亮介も現れ、朱里は混乱状態となっていきます。
その後、朱里と亮介の話をたまたま聞き、その事実を知ることになった和臣は……。
第10巻以降も家族の暗い展開は続きそうですが、和臣と朱里の絆が深まっていることも感じられる第9巻です。
朱里と和臣は現状を変えるために親とぶつかる決心をします。
そして2人は互いに自分の両親と話し合うこととなり……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2018-10-25
第10巻では朱里と和臣がそれぞれの親にぶつかり合う展開が見所となっています。
和臣との関係がただの傷のなめあいだと言われた朱里。亮介の言葉について深く考えてしまいます。さらに両親の離婚の話が出ている中、行動できない自分に自己嫌悪にも陥っていきます。
しかしそこでくじけず、現状を変えるために行動に移さなければならないと考え直し、母親に離婚をしてほしくないと話すのです。
一方、和臣は夢のためにイギリスへ渡った兄の言葉をきっかけに、親に反対されている映画関係の仕事をしたいと本気で考え始めます。そしてついに親とぶつかる決心をするのです。
2人の成長が感じられる本作。ただし正当にぶつかれた和臣と、その場の流れで何とかなった朱里が対比的に描いていて、この違いが今後どうなるか気になる展開です。
朱里と和臣と亮介の三角関係というドキドキの恋愛要素もありつつ、家族問題も掘り下げている第10巻です。
ついに自分の夢を両親に伝えることができた和臣。
朱里も空っぽな自分から成長することで亮介からの想いを断ち切ることに成功しました。
そして朱里と和臣は展望台で互いに相手への想いを伝える決意をして……!?
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2019-02-25
自分の夢を伝えた和臣は必死に自分の夢を語り、両親にある程度自分の考えを認めてもらうことに成功しました。
一方朱里は亮介から告白の返事を催促されます。かつては苦しい時に何も考えずに亮介に頼っていた朱里ですが、今はしっかろと申し出を断ります。彼は朱里が空っぽな状態から変わっていると励まし、その場を去っていきました。
亮介と別れた朱里は、和臣から今から報告したいことがあるとメールを受け取ります。呼ばれて行った展望台で、かれらは互いのことを話し始めました。
第11巻は朱里と和臣が悩みを乗り越え、互いの想いを伝えあう展開となります。亮介の想いを振り切った朱里と両親に自分の夢を伝えた和臣。
果たして朱里と和臣は無事付き合うことができるのか、ドキドキの第11巻となっています。
様々なしがらみを乗り越え、やっと思いが通じ合った朱里と和臣でしたが、理央と朱里の父親が海外に赴任することが決まり……?
果たして彼らは、最後にどのような決断を下すのでしょうか!?「ふりふら」、感動の最終巻です!
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2019-06-25
由奈は理央と付き合い、朱里もやっと和臣と付き合うことができました。このまま物語はハッピーエンドへ!……と思いきや。彼らの前には、最後の試練が待ち構えていました。
なんと、理央と朱里の父親がアメリカに赴任することになってしまったのです。
理央は、由奈とずっとくっついていたいと言い、海外へ行く気はさらさらないようでした。しかし、朱里の場合はそうすんなりとはいかないようです。将来の夢が通訳者である朱里に対して、和臣はアメリカへ留学するべきなのではないかと促すのです。
今巻の見どころは、「今」のことだけでなく「将来」のことまでをも考えての決断を迫られる4人の、心の揺れ動きです。悩みに悩んだ末に、彼らはどのような結論を出すのでしょうか?そして、彼らの物語は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
ラストは、あるキャラの決断力を感じさせるもの。また、これからも明るい未来が続いていくことが感じられます。その最終回を読めば、あなたも恋をしたくなったり、迷っていることに勇気が出たりするかもしれません。ぜひご自身でその内容をご確認ください!
本作は、実写とアニメーションでダブル映画化されることが決定しています。実写とアニメでの映画化が同時決定するのは、史上初のこと。本作への注目度の高さがうかがえます。
2020年9月に公開されたアニメ映画は、制作会社のA-1Picturesが手がけます。登場人物たちの純粋な輝きや繊細な感受性が、色鮮やかなアニメーションにより一際眩しく描かれた作品となりました。
実写映画は、2020年8月公開。メガホンをとるのは三木孝浩監督。浜辺美波と北村匠海が共演し、2017年の『君の膵臓をたべたい』以来のタッグが実現しました。
原作の咲坂伊緒は、「漫画原作ではありますが、それでも人の感情の生っぽさを大事にしていただきたいと常に思っている」と本作への想いを語っています。実写映画でも、登場人物たちの感情の揺れ動きにご注目ください。
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』公式サイトでは、その他のキャストや、メインキャストによるコメントも公開されています。最新の情報をチェックしながら、公開を待ちましょう。ぜひ、漫画原作、アニメーション、実写化映画それぞれの良さを味わい比べてみてはいかがでしょうか。
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