子役時代から多くの映画やテレビドラマに出演し、ミュージシャンとしても活動している北村匠海。『君の膵臓を食べたい』で注目された彼は、視線や声を駆使した演技で見る人の心を惹きつけています。多数の話題作に出演し、今後の活躍が注目される俳優です。この記事では北村匠海が演じた役柄と作品について紹介します。
北村匠海は1997年11月3日生まれ、22歳(2020年9月現在)、身長175cm、東京都出身の俳優です。小学3年生の時にスカウトされて芸能界へ足を踏み入れることになりました。
映画初出演は2008年の『DIVE‼︎』。子役時代は登場人物の幼少期の姿などを演じることが多かったですが、年齢とキャリアを積み重ね、着実に演技力も成長してきました。
そんな彼が憧れ、目標としているのが小栗旬。小栗の監督作品『シュアリー・サムデイ』への出演や、俳優としての共演経験などから自然と尊敬を覚えていったそうです。
多くの映画やテレビドラマで活躍し、2017年公開の映画『君の膵臓を食べたい』で日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得。2020年公開の映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では、『君の膵臓を食べたい』のヒロイン・浜辺美波と再び共演することで注目を集めました。
俳優として活躍する一方で、ダンスロックバンド・DISH//のリーダーとして音楽活動もしています。
2018年には土屋太鳳とボーカルユニット「TAOTAK」を結成し、2人の共演映画『春待つ僕ら』の主題歌『Anniversary』を歌い上げました。演技に音楽に、多岐にわたって才能を輝かせています。
俳優として幅広い役柄に挑戦するだけでなく、ミュージシャンとしても活躍している北村匠海。彼の魅力の根元とはどこにあるのでしょうか?
ヒット作『君の膵臓を食べたい』や『君は月夜に光り輝く』では、余命わずかな少女との関わりの中で、セリフだけではなく瞳の表情で感情を表す「眼差しの演技」の秀逸さが評価を得ています。この表現力豊かな眼差しが、色気とも呼べる雰囲気を醸し出し、視聴者の心を惹きつけているのです。
また、静かだけれどハッキリと耳に届く声も北村の特徴。一般的に声量を抑えたセリフは聞き取りづらくなりやすいですが、北村にはそれがほとんどありません。だからこそ、儚さを感じるようなセリフも視聴者の心に染み入るように届くのです。歌唱シーンがある役を演じることもあり、『サヨナラまでの30分』や『あやしい彼女』などではミュージシャンとしての卓越した歌声でも視聴者を魅了しています。
この瞳と声にこそ、彼が人々の目と耳を釘付けにする魅力があるのでしょう。
そんな北村のファースト写真集『U&I』には、奄美大島で撮り下ろされたものに加えて、19歳から21歳までに撮影された姿が収録されています。タイトルには「自身の存在は『あなたと僕』で成り立っている」という想いが込められているそうです。自分を支えてくれる人たちへの想いが詰まった眼差しを堪能したい方へ、おすすめの1冊となっています。
- 著者
- 北村 匠海
- 出版日
北村匠海が演じる大学生・窪田颯太の身体に、新田真剣佑が演じるミュージシャン・宮田アキの幽霊が乗り移るというストーリー。 人と関わるのが苦手で就活も難航している颯太は、アキとの出会いをきっかけに人として成長していきます。
カセットテープという古さを感じさせるキーアイテムと、この世に留まり続けられない幽霊のアキが重なり合い、どこかノスタルジックな切なさが残る作品です。
颯太とアキという2人の人格を演じ分ける技術はもちろんですが、ミュージシャンとして仲間とともに歌声を披露するシーンもあり、演技力と歌唱力という彼の魅力を最大限に堪能できるでしょう。
では、ここからは北村匠海が出演した作品の中で、原作があるものをピックアップしてご紹介します。
『DIVE‼』は水泳の飛込競技を題材にした青春小説。主人公の坂井知季は、ミズキ・ダイビング・スクールに所属する中学生。クラブ存続の危機とともに現れた新コーチ・浅木夏陽子のもとで才能を開花させていきます。
本作を通して、飛び込み競技の世界について、その魅力を知ることができるでしょう。そして、瑞々しく描かれる少年たちの成長と青春も見どころです。ライバルとの切磋琢磨、仲間の嫉妬、そしてほろ苦い恋……。プールの内外でさまざまな壁にぶつかりながら、一歩ずつ成長していく登場人物たちの姿に胸が熱くなる作品です。
北村匠海は池松壮亮演しる富士谷要一の幼い頃を演じています。ストイックな性格で、3年連続中学生チャンピオンという実力者です。そんな彼がどんな悩みに行き詰るのかは、ぜひ作品を読んで確かめてください。
- 著者
- 森 絵都
- 出版日
- 2006-05-25
『豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日』は著者・黒田恭史が、大阪の小学校で実際におこなった授業を描いた1冊です。
4年生のときにクラスで飼い始めた豚のPちゃん。家畜としてみんなで食べるための飼育でしたが、生徒たちは世話をするうちに、Pちゃんにペットとしての愛着を持っていきます。卒業を目前に控え、Pちゃんを本当に食べるのか、殺さずに下級生に世話を引き継ぐのか……生徒たちは決断を迫られます。
生徒たち1人ひとりが真剣に考え、悩む姿には、胸が痛くなるとともに、読者自身も命について考えさせられるでしょう。
北村匠海が演じているのは豚を飼育する6年2組の生徒の1人・拓実。
映画で子役たちに配られた台本では、ディベートシーンのセリフや結末が書かれていなかったそうです。演技ではなく、子役たちにそのままの気持ちで議論にしてほしいという監督の意図があったといいます。また、子役たちも実際に食肉センターや養豚場の見学・ブタの飼育をおこない、原作となった生徒たちに近い気持ちをもって作品に臨むこととなりました。
- 著者
- 黒田 恭史
- 出版日
『重力ピエロ』は伊坂幸太郎のベストセラー小説。
仙台市で連続放火事件が起こっているなか、主人公・泉水は弟の春から「次に狙われるのは泉水が勤める会社だ」と忠告されます。その言葉どおりに放火が起こり、泉水は驚きを隠せません。春は放火の現場の近くにあるグラフィーアートからヒントを得たらしく……。
著者の特徴でもあるジョークを交えた小気味よいテンポの文章に惹かれ、どんどん読み進めてしまうでしょう。グラフィティアートに隠された暗号、春の周囲を嗅ぎまわる女性など、怪しい要素が散りばめられていて気になります。
事件の謎を追っていくと、複雑な事情を抱えた春の出生にも関わっていき、そして意外な犯人に驚かされる展開です。
北村匠海は、弟・春の幼少時代を演じています。出生から心に暗く重たいものを抱えている彼ですが、物語のラストでは泉水や父との家族の絆を感じられるでしょう。
- 著者
- 伊坂 幸太郎
- 出版日
- 2006-06-28
『藪の中』は芥川龍之介の小説で、ある事件について目撃者や関係者の証言が綴られていきます。
夫婦が襲われて、夫は亡くなり妻は行方不明という事件。初めは目撃情報などから、盗人の多襄丸という男が犯人らしいと思われ、捕まった多襄丸本人も「自分がやった」と言います。
しかし、さらに事件の被害者である夫婦の証言が続き、当事者である3人の語る内容が食い違ってくるのです。本当に夫を殺したのは誰なのか、まさに真相は藪の中。短いながらも深い謎が残り、何度も読み返して真実を考察したくなるでしょう。
本作をもとに作られた映画『TAJOMARU』では、夫婦や多襄丸の設定を大胆にアレンジ。北村匠海は主人公・畠山直光の幼少期の姿を演じています。
- 著者
- 芥川 龍之介
- 出版日
- 2009-08-12
『沈まぬ太陽』は実在の航空会社とその社員の体験をもとに作られたフィクション小説。「アフリカ篇」「御巣鷹山篇」「会長室篇」の3部構成です。
労働組合の委員長になった主人公・恩地元は、労働組合としての役割を果たすためにストライキなどを起こした結果、アフリカへと左遷されてしまいます。
懲罰的な人事に憤りを抱える恩地がアフリカの現場で目にしたものは、整備士やパイロットの過酷な勤務状況でした。これが後に御巣鷹山で起きた事故の遠因にもなっていくのです。
恩地の視点を通して、航空会社の当時の実情が克明に描き出されています。「会長室篇」では組織の再建を目指す国見会長とともに恩地が尽力しますが、上層部の人間たちが安全よりも権力や金銭に執着している姿には憤りや悲しみを感じるでしょう。大きな事故を経て、組織は変わることができるのでしょうか。
北村匠海は恩地の息子・克己の幼い頃の姿を演じています。
- 著者
- 山崎 豊子
- 出版日
『落第忍者乱太郎』は忍術学園に通う忍者のたまご「忍たま」たちの活躍を描いた漫画。主人公は1年生の乱太郎で、友だちのきり丸・しんべヱとともに、学園の内外でさまざまなトラブルを起こしたり、巻き込まれたりしていきます。
忍者というと水上を走ったり火を吹いたり、魔法じみた超人的な能力のイメージもありますが、本作で描かれている忍術は、変装や心理学を使った現実的なものです。使用している武器なども、時代考証に基づいて描かれています。
一方で、現代のカタカナ語や機械を使ったり、キャラクターがコマの枠線を破壊したりという大胆なギャグも、子どもたちの心を鷲掴みにしている魅力。
乱太郎たち以外にも、登場するキャラクターは個性的な人物ばかり。北村匠海が実写映画で演じている田村三木ヱ門は、石火矢が得意な4年生ですが、火器に女の子の名前をつけて愛するという特殊な趣味を持っています。
- 著者
- 尼子騒兵衛
- 出版日
「女子が男子に読ませたい恋愛小説」というタレコミでヒットした『陽だまりの彼女』。
主人公・奥田浩介は広告代理店の営業マン。ある日、クライアントとの打ち合わせの場で中学時代の同級生・渡来真緒と再会します。北村匠海は浩介の中学生時代を演じており、いじめられていた真緒を助ける姿が頼もしいです。
10年ぶりに再会した2人が惹かれあい、恋に落ちていく様子には胸がときめき、仲睦まじく過ごす甘い日々には頬がゆるんでしまうでしょう。
しかし、真緒の過去や行動に不審な点が見え始めたころ、彼女はぱったりと姿を消してしまうのです。周囲の人間の記憶からも、彼女の存在がすっぽり抜けています。予想外の出来事に、真緒の秘密が気になる展開です。
真緒の意外な正体と、2人の愛の結末はぜひご自身の目で確かめてください。
本作の著者の他の作品はこちらで紹介しています。
<越谷オサムのおすすめ作品6選!映画化された『陽だまりの彼女』の著者>
- 著者
- 越谷 オサム
- 出版日
- 2011-05-28
普通の女子高生だった星泉が、ひょんなことからヤクザ「目高組」の4代目組長に指名される『セーラー服と機関銃』。本作はその続編です。
卒業を間近に控えて平穏に過ごしたいと思う泉ですが、騒動に巻き込まれていきます。
ヤクザ相手にも度胸で立ち向かう、正義感とパワーが溢れる泉の魅力に惹きこまれていくでしょう。バイオレンスな描写も多いですが、赤川次郎の軽快な文体でサクサク読み進められます。
映画では、北村匠海は泉のクラスメート・周平役で出演。学校でのシーンはヤクザの世界を忘れさせるような穏やかさもありますが、就職が決まって泉との関係にも影が生じます。
- 著者
- 赤川 次郎
- 出版日
北村匠海が演じる主人公・「僕」は、「共病文庫」という1冊の本をきっかけに、クラスメートの山内桜良が膵臓の病気であることを知ります。
人と関わることを避けていた「僕」ですが、桜良の秘密を知ってしまったがために、彼女の「死ぬまでにしたいこと」に付き合うかたちで交流を深めていくのです。
自分とは正反対に明るい桜良に振り回されながら、「僕」は人との関わりを学び、成長していきます。
タイトルにもなっている「君の膵臓を食べたい」というセリフには、恋というありきたりな言葉にはおさまらない2人の特別な関係性が込められており、読者にも独特の感慨をもたらすでしょう。
- 著者
- 住野 よる
- 出版日
- 2017-04-27
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
『君の膵臓をたべたい』に隠された初恋の謎。結末や名言から見所ネタバレ考察
2016年「本屋大賞」第2位、「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR」2位、「2015年 年間ベストセラー」6位(文芸書・トーハン調べ)、「読書メーター読みたい本ランキング」1位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015」1位、「2016年年間ベストセラー」総合5位・文芸書1位(トーハン調べ)、「2016年 年間ベストセラー」総合4位・単行本フィクション1位(日販調べ)、「キノベス! 2016」3位、「2016 TSUTAYA BOOKS 上半期ランキング総合部門」1位と、さまざまな評価を受けている『君の膵臓を食べたい』。 累計発行部数は300万部を突破し、実写映画、アニメ映画化もされる本作。この物語に隠された謎について、さまざまな観点から考察を加えていきます。本作はさまざまな解釈ができることから、ネットでもその評価は賛否両論。 この記事では、結末や見どころ、名言などを深く考察することによって、本作の魅力について詳しく説明していきます。ネタバレも含みますので、ご注意ください。 また、漫画版作品がスマホアプリで無料で読めるので、そちらからこの世界観を覗いてみるのもおすすめです。
桜良を演じた浜辺美波についてはこちらの記事で紹介しています。
浜辺美波の出演作品総まとめ!大ヒットの映画、テレビドラマは原作の物語が面白い!
余命わずかのヒロインやギャンブルに賭け狂う美少女、全力変顔の恋する乙女など、どんな役柄も自分のものにしてしまう浜辺美波。テレビドラマや映画だけでなく、数多くのCMにも起用される彼女は期待の若手女優です。 この記事では、浜辺美波が演じた役柄やその原作について紹介します。
『恋と嘘』は少子化対策のため、政府が国民の遺伝子情報をもとに結婚相手を決めるという架空の日本を舞台にした漫画です。
主人公のネジ(根島由佳吏)は、小学校の時から好きだった高崎美咲に告白し、両想いであったことがわかりますが、その直後に政府から将来の結婚相手が通知されて……。
非現実的な設定が面白く、ネジが自分で選んだ恋人と政府が決めた結婚相手のどちらを選ぶのか、三角関係の行方が気になって引き込まれるでしょう。
映画は原作のアナザーストーリーとして女性1人と男性2人の三角関係が描かれています。
北村匠海が演じる司馬優翔は、主人公・葵の幼馴染。葵のことが好きですが、病気で先が長くないため、政府が決めた相手である高千穂蒼佑に彼女を託すことを決めるという、切ない役どころです。
原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
- 著者
- ムサヲ
- 出版日
『勝手にふるえてろ』は主人公・ヨシカの恋と妄想を描いた小説です。恋愛の物語ですが、甘酸っぱさや切なさなどはありません。
忘れられない片思いの相手「イチ」と、自分のことを好きだと言ってくれる同じ会社の「ニ」の間で、ヨシカが勝手に揺れ動き、葛藤し、妄想しています。
恋の相手をイチ・ニと番号で呼ぶ独特の感性や、身勝手な妄想に耽る様子に、苦笑いしてしまう読者もいるでしょう。
妄想をこじらせまくっているヨシカですが、最後には自ら進むべき道を選択します。彼女がイチとニのどちらを選ぶのか、結末は原作を読んで見届けてください。
北村匠海はイチ役で出演しており、彼の冷淡でどこかミステリアスな雰囲気をよく表現しています。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2012-08-03
『スマホを落としただけなのに』の主人公・稲葉麻美はごく普通のOL。ある日、彼氏がスマホを落としてしまい、電話をかけてみると拾い主と連絡が繋がります。スマホは手元に返ってくるのですが、さまざまな個人情報が抜き取られており、麻美は恐ろしい事件に巻き込まれていくことになるのです。
プライベートな情報や写真が奪われ、SNSではなりすましによって人間関係も侵食されていきます。不気味な犯人に狙われ、麻美がどうなってしまうのかハラハラするでしょう。読者が自身のスマホのセキュリティを見直すきっかけにもなるかも知れません。
北村匠海は映画のラストシーンに5秒間だけ出演しています。短い出演ではありますが、彼にこれから起こる恐怖を想像させる演出に身震いしてしまうでしょう。
原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
<「スマホを落としただけなのに」シリーズを解説!原作ならではの魅力とは【結末ネタバレ注意】>
- 著者
- 志駕 晃
- 出版日
- 2017-04-06
『春待つ僕ら』はイケメンがたくさん登場する王道の青春漫画を読みたい方におすすめです。
主人公・春野美月は、引っ込み思案でなかなか友達ができないことが悩み。しかし幼い日の思い出を胸に「脱ぼっち」を目指します。
そんな美月のバイト先であるカフェに現れたのは、北村匠海が演じる浅倉永久を中心とするバスケ部のイケメン四天王です。彼らはカフェに入り浸るようになり、美月とも仲良くなっていきます。
内気な美月が自分を変えるために努力する姿に好感が持て、彼女の可愛らしく純粋な笑顔にも癒されるでしょう。
永久は美月に惹かれていくのですが、彼女の幼馴染・亜哉が登場し、恋敵となります。美月を巡る真剣勝負も見どころです。三角関係の気になる展開から、最後まで目が離せません。
原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
<『春待つ僕ら』最新9巻までの見所ネタバレ紹介!乙ゲー展開に萌え禿げる!>
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2014-07-11
『十二人の死にたい子どもたち』は時代小説やSF小説が人気の作家・冲方丁が初めて現代を舞台としたミステリー小説です。
Webで募集された集団自殺に集まった12人の子どもたち。しかし、会場の廃病院ではすでに1人の少年が眠りについていました。誰も知らない「13人目」の登場に困惑する参加者たち。彼の正体は何者なのか、12人の中に彼を殺した犯人がいるのか?子どもたちは謎を解決して自殺を決行するため、話し合いを始めることに。
北村匠海が演じるノブオは、ミスリードを誘うような発言が気になる怪しい人物です。
13人目の正体も謎ですが、集まった12人がなぜ自殺を決意したのかも気になる見どころ。話し合いが進むにつれて少しずつ明らかになっていき、読者が共感できるものもあれば、理解しがたいものもあるでしょう。
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
<小説『十二人の死にたい子どもたち』あらすじ、結末などをネタバレ!映画化!>
- 著者
- 冲方 丁
- 出版日
- 2018-10-06
『君は月夜に光り輝く』は、大人のためのライトノベルを中心とした賞・電撃小説大賞を受賞した作品です。
北村匠海が演じる主人公・岡田卓也は、入院している同級生・渡良瀬まみずのお見舞いを任されます。彼女は「発光病」という不治の病で、余命もわずかなのです。 お見舞いに行くうちに2人は仲良くなり、卓也はまみずの「死ぬまでにやりたいこと」を叶えていくことに……。
発光病は月の光を浴びると体が発光する不思議な病気。どこか幻想的な雰囲気があり、命の儚さと美しさも感じられるでしょう。
卓也とまみずは惹かれ合い、2人は付き合うことになるのですが、着実に近づいてくるまみずの死の気配に、卓也の心も不安定になっていきます。残された時間を少しでも幸せに過ごそうとする姿が切なく、涙を誘う展開です。
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<原作小説『君は月夜に光り輝く』を結末までネタバレ!最後まで切ない名言たち>
- 著者
- 佐野 徹夜
- 出版日
- 2017-02-25
『影踏み』は泥棒を生業とする真壁修一を主人公としたミステリーです。物語は7つの短編から構成され、修一はいくつかの事件に巻き込まれ、真相にたどり着いていきます。1つひとつの事件に「なるほど!」と唸らされる謎解きがあり、ページをめくる手が止められなくなるでしょう。
そして、北村匠海が演じているのは修一の双子の弟・啓二。19歳のときに亡くなったのですが、魂だけの存在となり、修一と心のなかで会話ができるのです。
修一と啓二という双子の設定はファンタジックですが、ハードボイルドな修一の雰囲気を啓二がやわらげ、バランスがとれたコンビになっています。
2人がそれぞれに秘めている想いが明かされると、読者の胸には切なさが残るでしょう。
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<『影踏み』悲しい結末、あらすじなどネタバレ紹介!映画化の原作小説が切ない>
- 著者
- 横山 秀夫
- 出版日
『思い、思われ、ふり、ふられ』は『ストロボ・エッジ』や『アオハライド』の作者による青春物語。恋に理想を抱く市原由奈と、現実的な山本朱里。正反対な2人の少女と、その恋に関わる2人の男子の人間模様を描いた漫画です。
北村匠海が演じる山本理央は、朱里の義理の弟。両親の再婚で姉弟となりましたが、理央は朱里へ恋心を抱いています。
理央に恋をし、振られてしまっても彼を応援する由奈。義理の姉・朱里への恋心を止められない理央。そして朱里が恋するのは、理央の友人である和臣……それぞれの想いが絡み合うなか、彼らがどんな関係に落ち着くのかが気になります。
複雑な人間関係と向き合い、それぞれが人として成長していくところも見どころです。
本作は実写映画だけでなく劇場アニメも製作されており、北村匠海はこちらにも男子生徒として声の出演をしてます。
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- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2015-10-13
ナンセンスな漫画をたまには読んでみたい、という方におすすめなのが、『とんかつDJアゲ太郎』です。
北村匠海が演じるのはとんかつ屋の息子・勝又揚太郎。本作はひょんなことからクラブに出会った揚太郎が、最高のとんかつ屋とDJを目指すギャグ漫画です。
まったく接点の無さそうなとんかつ屋とDJ。しかし、とんかつ屋の息子である揚太郎だからこそ気づける共通点があり、その着眼点が面白いです。
主人公がクラブ初心者ということもあり、クラブ文化に詳しくない人も、漫画を読みながら一緒に学べる構成になっています。
個性的なキャラクターだけでなく、ときには人生に通じるような名言セリフも多数登場。強烈な印象が心に残る作品です。
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
<漫画『とんかつDJアゲ太郎』の魅力を最終回までネタバレ紹介!カオス!>
- 著者
- 小山 ゆうじろう
- 出版日
- 2015-02-04
『さくら』は家族の崩壊と再生を描いた物語です。北村匠海が演じる主人公・薫は、長谷川家の次男。実家を出て一人暮らしをしていますが、父からの連絡をきっかけに帰省することにします。
長谷川家は以前はしあわせな家族でしたが、薫の兄の自殺のショックから立ち直れず、荒れた雰囲気から抜け出せずにいました。そんな家族のそばに、いつも寄り添い続けたのが犬のサクラです。
サクラは特別に変わった行動をするわけではない普通の犬なのですが、じつは彼女が家族の心をつなぐ重要な鍵となっています。
家族の喪失という悲しみに胸が痛む場面もありますが、だからこそ再び絆を取り戻していく様子が感動的です。
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
<映画化小説『さくら』6の魅力をネタバレ!西加奈子が描く家族の崩壊と再生、愛。>
- 著者
- 西 加奈子
- 出版日
- 2007-12-04
『砕け散るところを見せてあげる』は衝撃的な展開が待ち受ける小説。浅野いにおによるイラストの表紙が印象的です。
主人公・濱田清澄は正義感の強い男子高校生。ある日、いじめの現場を助けたことをきっかけに、1年生の蔵本玻璃と知り合います。
初めは意味不明な言動で清澄を戸惑わせる玻璃。しかし、仲良くなっていくにつれ、どんどん可愛くなっていくので、その姿に読者も親しみや愛しさが湧いていくでしょう。
清澄と玻璃が惹かれあっていき、青春の甘酸っぱさが感じられる前半ですが、物語の後半は玻璃の家庭問題からゾッとするような事件が起こります。急にガラッと変わる雰囲気に驚かされ、2人がどうなるのかハラハラさせられるでしょう。
北村匠海が演じているのは、大人になった清澄と玻璃の子どもで、「真っ赤な嵐」と呼ばれています。彼は原作では叙述トリックに関わる存在でもあるので、映画でどのように描かれているのか注目です。
- 著者
- 竹宮 ゆゆこ
- 出版日
- 2016-05-28
『東京卍リベンジャーズ』ヤンキーとSFという意外な組み合わせに興味を惹かれる作品です。北村匠海が演じる主人公・花垣武道は、元ヤンの冴えないフリーター。しかしある日、中学2年生の時代にタイムリープしてしまいます。
武道は、中2のときの彼女・日向が、未来で「東京卍會」という暴力団の抗争に巻き込まれて亡くなることを知っています。その未来を変えるため、ターニングポイントとなる出会いや事件を阻止しようと奮闘していくのですが……。
現在と過去を行ったり来たりするなか、少しずつ変わっていく状況から目が離せません。また、タイムリープを繰り返し、多くの人間や事件に向き合う武道の人間的な成長も見どころです。
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
<漫画『東京卍リベンジャーズ』の登場人物と作品の見所を紹介!ネタバレ注意>
- 著者
- 和久井 健
- 出版日
- 2017-05-17
『ぼくらの七日間戦争』は中学生の子どもたちが廃工場に立てこもり、大人たちを翻弄する1週間を描いた小説。
親や教師に反抗したい気持ちには、子どもはもちろん、大人の読者にも覚えがあり、共感できるところが多いでしょう。子どもたちが知恵を出し合い、大人たちに一泡吹かせる展開は痛快です。
北村匠海が主人公・鈴原守の声を担当している劇場アニメは、原作から30年後の世界を舞台としています。インターネットの活用や、移民や性的マイノリティーに関する問題など、時代の変化に伴った新しい要素に注目です。
原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。
<『ぼくらの七日間戦争』あらすじ、結末などネタバレ!簡単にわかる名作の魅力>
- 著者
- 宗田 理
- 出版日
- 2014-06-20
ここからは、テレビドラマの原作を紹介していきます。
史上最年少で試験に合格し、現役女子大生にして公認会計士として働く藤原萌実。『女子大生会計士の事件簿』は彼女の仕事ぶりや日常から、会計士の仕事について学ぶことができる作品です。
萌実のキュートなキャラクターが親しみやすく、用語なども解説してくれるので会計士の仕事にどんどん興味が湧いていきます。トリックのような不正会計を暴いていく様子はミステリー的な面白さも感じられるでしょう。
数字が苦手な読者でも会計について楽しく学ぶことができます。
北村匠海は、萌実のもとで会計士補として働く柿本一麻の幼少時代を演じており、ドラマ第9話に登場します。萌実に片思いする柿本の恋の行方も見どころの1つです。
- 著者
- 山田 真哉
- 出版日
外事警察は、国際テロに対抗する極秘組織。外事第3課に所属する住本健司と、その部下たちを中心に、テロの実態に迫っていくサスペンスが『外事警察』です。
住本たちの他にも、警察内部のさまざまなポジションの人物が登場し、それぞれに異なる思惑を持っています。さらに警察を利用しようとする政治家や、テロリストの視点なども描かれ、物語はどんどん複雑になっていきます。
重厚なストーリー、緻密な描写、そしてアクション。さまざまな要素が折り重なって読者を物語に引き込んでいくでしょう。
北村匠海は主人公となる住本健司の幼少時代を演じています。
- 著者
- 麻生 幾
- 出版日
『鈴木先生』は中学校教師・鈴木とその生徒たちの学校生活を描いた漫画。学園ものによくある熱血教師のイメージと違って、独特の感性を持つ鈴木の奇妙な魅力がクセになる作品です。
見た目は地味で、性格も暗く、頼りない印象の鈴木。しかし、生徒たちの行動を注意深く観察し、彼らの問題行動の原因を推理して突き止めていきます。ミステリー的なおもしろさも感じられるでしょう。
北村匠海が演じているのは、鈴木のクラスの生徒の1人・出水正です。真面目な優等生ですが、給食の時間に突然カレーをグチャグチャにかき混ぜ、下品な言葉で周りを凍りつかせます。
一体なぜそんなことをするのか、鈴木がどんな答えに辿り着くのかが気になります。
- 著者
- 武富健治
- 出版日
主人公・あかりは31歳の独身OL。お気に入りの家具を揃え、念願のマンションでの一人暮らしに胸を弾ませています。言い寄ってくる男性も多いのですが、なぜかことごとく結婚に至らず……。そんな彼女が男性を振り回し、ときに振り回される姿を楽しく読むことができます。
『ベッドの思惑』は30代以上の未婚女性が「ハイミス」と呼ばれる時代に書かれた作品なので、現在の価値観とギャップを感じる部分もあるかもしれません。しかし、生き生きと人生を楽しむあかりの魅力は、時代が変わっても色褪せることなく、読者の目に眩しく映るでしょう。
北村匠海はドラマ『ピロートーク〜ベッドの思惑〜』の第11話にMOTOKI役で出演。初めは生意気な態度であかりを怒らせますが、じつは寂しさを抱えた繊細な少年であることが分かっていきます。
- 著者
- 田辺 聖子
- 出版日
- 2010-10-15
『信長協奏曲』は、戦国時代にタイムスリップした高校生・サブローが、自分と見た目がそっくりな織田信長と入れ替わり、信長として生きていくことになるというストーリー。
読者が知っている織田信長の活躍が、じつは現代からタイムスリップした人間によるものという突飛な設定に驚きます。しかし史実の信長にも奇抜な人物像というイメージがあるせいか、妙な納得感があって面白いです。
歴史に詳しくないサブローですが、ピンチを飄々と切り抜け、史実に沿って天下人への道を歩んでいきます。そして、本物の織田信長が、サブローと入れ替わった後は明智光秀として生きているところも見どころの1つ。史実では光秀による本能寺の変で信長は命を落としますが、本作では……?
テレビドラマで北村匠海が演じている森勝蔵は、有名な森蘭丸の兄。13歳で家督を継ぐという重責を背負った人物です。映画では、森長可という名前に改まり、引き続きサブローに仕えています。
- 著者
- 石井 あゆみ
- 出版日
- 2009-11-12
『天使のナイフ』は少年法に守られた加害者たちの贖罪とは、更生とは何かについて考えさせられる作品です。
主人公・桧山は、3人の中学生に妻を殺されたという辛い過去を持ち、現在は娘とともに平穏に日々を過ごしていました。しかし事件から4年経ったある日、3人犯人のうちの1人が殺されたというニュースが飛び込んできます。北村匠海が演じているのが、この殺された沢村和也です。
なぜ年月が経った今になって殺されたのか?4年の間、彼らはどう生きてきたのか?桧山は彼らと過去の事件のことをあらためて調べ始めます。
謎を追っていくと、亡くなった妻の秘密が明らかになり、それが彼女が殺された理由にも繋がっていくので驚きです。登場人物たちの過去が複雑にからみ合い、後半で謎が一気に解けていく展開に引き込まれるでしょう。
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2008-08-12
『ブラバンキッズ・ラプソディー』『ブラバンキッズ・オデッセイ』はテレビドラマ『仰げば尊し』の原作で、実在の高校吹奏楽部を描いた青春ストーリー。
事故でプロ演奏者の道を諦めた中澤忠雄は、野庭高校の吹奏楽部の指導を頼まれます。部員たちと中澤が、衝突やトラブルを乗り越え、チームとして成長していく過程が見どころです。バラバラだった生徒たちが、吹奏楽に真剣になっていく姿には胸が熱くなるでしょう。
テレビドラマでは、主人公・樋熊が、美崎高校の吹奏楽部の顧問を頼まれるという内容に変更されています。
北村匠海が演じている安保圭太は「問題児5人組」の1人。リーゼントヘアでいかつさもありますが、仲間思いで正直な性格です。
- 著者
- 石川高子
- 出版日
金融の世界を舞台に、主人公・半沢直樹が活躍する人気シリーズ。苦境に立たされても諦めず、活路を見出して逆転する展開が気持ちいいです。
彼の友人の渡真利や、敵対する大和田常務など、周りのキャラクターも個性派揃い。金融に詳しくない読者でも、登場人物の魅力に引き込まれてグイグイ読み進めることができるでしょう。
ドラマ『半沢直樹Ⅱ』の原作となる『ロスジェネの逆襲』ではIT企業の買収の裏に隠された不正を暴きだし、『銀翼のイカロス』では航空会社の経営再建をめぐって政府の要人とも火花を散らします。どちらもハラハラする駆け引きから目が離せません。
北村匠海はスピンオフドラマ『半沢直樹II・エピソードゼロ〜狙われた半沢直樹のパスワード〜』に黒木亮介役で出演。主人公・高坂圭を犯罪に巻き込んだ過去があり、再び黒い思惑を持って彼に近づくという悪役です。
原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
<「半沢直樹」の原作小説ならではの面白さ!「倍返し」とは言ってない!?>
- 著者
- 潤, 池井戸
- 出版日
北村の役柄を振り返ると、子役時代からさまざまな役に挑んできたことや、彼の成長の軌跡が感じられます。原作を読むことで、彼がどのようにキャラクターを解釈し、演技に反映してきたのかも窺い知ることができるでしょう。ぜひ一度目を通してみてください。