5分でわかる「年金」制度!種類、仕組み、もらえる金額をわかりやすく解説!

更新:2019.7.2

老後の生活を安心して過ごすための「年金」制度。20歳以上の日本で暮らすすべての人に加入が義務付けられています。その一方で少子高齢化にともない、制度そのものを不安視する声も。この記事では、年金の種類や仕組み、金融庁の試算などをわかりやすく解説していきます。

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公的年金制度はそもそもなぜ必要なの?

 

定期的に、そして継続的に一定の金額を受け取れる「公的年金制度」。その形態は国によって異なりますが、日本では一般的に「国民年金」と「厚生年金」の2つを指します。

「国民年金」は、日本で暮らす20歳以上、60歳未満のすべての人が加入するもの。法律で義務づけられています。一方で「厚生年金」は、雇用されている被用者が加入するもので、所得によって支払う金額、給付される金額が異なるのが特徴です。

これら公的年金制度がもつ役割について、「日本年金機構」はホームページで次のように説明しています。

誰でも年をとれば、個人差はあっても若い頃のように働けなくなり、収入を得る能力が低下するリスクなどを背負っています。(中略)
こうした中、どれだけ長生きしても、また子供の同居や経済状況など私的な家族の状況にかかわらず、安心・自立して老後を暮らせるための社会的な仕組みとして、公的年金は大きな役割を担っています。

平均寿命が延び続ける現代社会では、老後をどのように生活するのかが大きな課題。働けなくなっても自立した生活を続けるために、大切な役割を担っているのです。

 

年金制度の種類と仕組みをわかりやすく解説!「国民年金」「厚生年金」「個人年金」

 

年金に関する説明では、たびたび「1階」「2階」「3階」という言葉を目にします。これらの語句を用いながら、種類と仕組みを解説していきましょう。

まず「1階」に相当するのが、「国民年金」です。

すべての年金制度の基礎となります。日本で暮らす20歳以上60歳未満のすべての人に加入が義務づけられていて、外国人の方も対象です。「基礎年金」と呼ばれることもあります。

次に「2階」に相当するのが、「厚生年金」です。

会社員や公務員など、何らかの組織に所属している人が「国民年金」にプラスして加入しているもの。「国民年金」と「厚生年金」を合算した金額が給付されるため、「国民年金」にだけに加入している人よりも受け取る金額が多いです。

そして「3階」に相当するのが、「企業年金」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」のように、公的機関ではなく企業や個人がそれぞれで加入する「私的年金」と呼ばれるものです。「公的年金制度」によって支給される年金額に上乗せするために、個人の判断で加入することができます。その制度は多種多様で、自分のニーズにあったものを選択することが可能です。

このように、日本の年金制度は「3階建て」で成り立っており、「2階」部分までが公的年金制度です。日本では「賦課方式」を採用していて、現役で仕事をしている人が保険料を毎月納付し、高齢者など年金受給者の支払いに充てる方法で運営されています。

「賦課方式」はインフレに対応しやすく、年金の価値を一定に保つことができるのがメリットです。その一方で、受給者が増加すると、支払いを担当する世代の負担額が増えてしまうという問題点があります。

現代の日本は少子高齢化が進み、受給者が増える一方で、年金を納める人は減少しています。そのため、個人の負担額が増え続ける問題が生じているのが現状です。

 

給付される年金の種類を解説

 

日本において、一定の年齢に達した人に給付されるのが「老齢年金」です。

60歳までに納付した金額に応じて、原則65歳以上から受け取ることができます。申請すれば受け取りを60歳まで前倒しすることも、反対に70歳まで遅らせることも可能です。前倒しをすれば月々の給付額は減り、遅らせれば増えるので、それぞれのライフプランに応じて受け取るタイミングを考える必要があるでしょう。

また、これまで「国民年金」や「厚生年金」などの公的年金を支払っていた人が亡くなった場合に、亡くなった人に生計を頼っていた人が受け取れる「遺族年金」というものがあります。

子どもや、子どもがいる配偶者が受け取ることができる「遺族基礎年金」、自営業をしていた夫に生計を頼っていて、10年以上継続して婚姻関係にあった妻が受け取れる「寡婦年金」、そのほか「死亡一時金」や「遺族厚生年金」など、加入していた公的年金と家族構成などによってさまざまな制度が利用できるようになっています。

最後に、病気や怪我などによって仕事をできなくなった人が受け取れる「障害年金」です。「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、加入していた公的年金によって区別されます。給付額は障害の等級によって変化します。自分が働けなくなった時に、子どもや配偶者など家族を支えるセーフティーネットとして、大切な役割を担っているのです。

 

結局老後の年金はいくらもらえるの?金融庁の試算を紹介

 

近年は「年金問題」への関心が高まっています。特に若い世代の人は、自分が高齢になった時に実際に受け取ることができるのか、不安でしょう。

2019年6月3日、金融庁は「高齢社会における資産形成・管理」を公表しました。ここには、安定した老後を過ごすためには、年金とは別に2000万円の資産が必要と記されていて、大きな話題となっています。

厚生労働省が公表した「家計調査」にもとづいて、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯の主たる収入源は年金で、その平均額が月に20万9198円になると試算。その一方で平均的な支出額は月26万3718円。毎月の赤字額が約5万円となるので、仮に95歳まで生きたとすると30年間で2000万円の資産が必要になるという計算です。

ただこれはあくまでも平均的な金額を前提とした話で、実際には個人によって異なります。

厚生労働省が発表した「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、「国民年金」の平均支給額は5万5464円、「厚生年金」の平均支給額は14万7927円です。夫婦ともに「国民年金」のみに加入している状態であればより多くの資産が必要になりますし、反対に夫婦ともに「厚生年金」にも加入していれば、家計にもゆとりができると考えられます。

いずれにせよ、年金だけで安定した老後を過ごすことができる人は、けっして多くはありません。若いうちから試算形成を考える必要があるでしょう。

 

知っておきたい政治、経済、国際社会の基礎知識

著者
出版日
2019-02-21

 

政治、経済、国際社会の基礎をわかりやすくまとめた作品。最低限知っておきたい内容がまとまっています。

イラストや漫画、図などが多く載っていて、視覚で理解しやすいのがポイント。見開き1ページに1つのテーマで、ちょうどいい分量で要点を知ることができるのです。

年金や税金など、日本に住んでいるのであれば理解しておきたい制度についてもしっかり解説。学生はもちろん、学び直しをしたい社会人にもおすすめです。

 

初心者でもわかる企業年金制度

著者
山崎 俊輔
出版日
2017-01-27

 

主に中小企業の経営者や、総務担当者を対象に書かれた作品です。作者は、企業年金コンサルタントとして活躍する人物。さまざまな年金制度を比較して、従業員のやる気を引き出す制度をどのようにして設計すべきか論じています。

企業年金や退職金など広範囲に言及していますが、初心者でも理解できるよう平易な表現が用いられているのが魅力的な一冊です。

 

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