亀山達矢と中川敦子夫妻のアートユニット「ツペラツペラ」。カラフルな色合いで描かれる繊細なイラストに、驚きやワクワクがつまったストーリー……彼らが作り出すオシャレなのにどこかヘンテコな作品は、多くの人々から支持されています。今回は、そんなツペラツペラのおすすめ絵本を厳選してご紹介。ユニークな世界観をお楽しみください。
亀山達矢と中川敦子夫妻のアートユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」。絵本やイラストレーションをはじめ、工作やワークショップ、舞台美術に雑貨デザインなどさまざまな分野で活躍しています。
もともと「ツペラツペラ」という名前は、2人が立ち上げた雑貨ブランドにつけられたものだそう。その後、ひょんなことから親しくなった絵本作家の五味太郎に影響されて、2005年に絵本『木がずらり』を自費出版。作者名に「ツペラツペラ」を使いはじめました。
彼らの作品は、いい意味で型にはまらない斬新なものばかり。オシャレなのにどこかヘンテコで、驚きやワクワクがあふれています。鮮やかな色使いはもちろん、紙を台紙にノリ付けすることでできる陰影や立体感も美しく、大人も子どもも一瞬でとりこになってしまうのです。
パンダの一家が、パンダのためのおふろ屋さん「パンダ湯」にやってきました。
入浴料金の600円ちょうどを払ったら、さっそく脱衣所へ向かいます。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2013-08-15
物語の舞台は、まさかの「パンダ専用の銭湯」。その斬新な設定にまずびっくりしてしまいますが、驚くのはこれだけではありません。
脱衣所に入ったパンダの親子は、なんと身体の黒い部分を洋服のように脱ぎはじめるのです。最後に目の黒い部分をチャ!とサングラスのように外したら準備完了。るんるん気分でお風呂場へ入ります。
予想をひとつもふたつも上回るインパクト抜群のパンダたちの姿に、大人も子どもも釘付けになってしまうはず。パンダ銭湯に貼られている「パンダ以外の入店は、固くお断りしております」という貼り紙の意味にも、深く納得させられます。
昔ならではの銭湯でリラックスしながらお風呂を堪能する彼らの姿は、かわいらしくもシュール。ツペラツペラの魅力であるなんともいえないおかしさがこみ上げてくるでしょう。
赤いバスからゴロゴロとおりてきたのは、大きくて真っ赤なトマトたち。彼らの後にバスに乗るのは、これまた真っ赤なタコです。
続いて黄色のバスや緑色のバスがやってきて……どのバスにも、バスと同じ色をしたさまざまなものたちが、乗ったり、おりたり。次は何色のバスがやってくるのでしょうか。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2013-06-01
トマトやタコ、オムレツ、星、かっぱ、木、クジラ、影……終点に到着した色とりどりのバスから、たくさんの乗客が一斉に降りてくるシーンにも注目です。また同じ色でも、乗客ごとに少しずつ色味が異なるのが魅力。美しい色使いに目を奪われるでしょう。
表紙もおしゃれなので、部屋に飾るのもよいですし、プレゼントにもおすすめ。色を覚える知育絵本としても活用することができます。
パンツをどこかへなくしてしまったしろくまさん。「どこへいったんだろう」と困っていると、ねずみさんがやって来て、一緒に探してくれることになりました。
しかししろくまさん、どんなパンツだったのか忘れてしまったそうで……シマシマのパンツ、花柄のパンツ、次々といろんなパンツが登場するなか、自分のものを探します。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
赤いパンツをはいているしろくまの表紙が印象的な本作。このパンツを脱がせてあげないと本を開くことができないというツペラツペラならではの仕掛けがほどこされていて、物語が始まる前からワクワクできるつくりになっています。
もちろん中にも仕掛けが。パンツの形に穴が開いていて、ページをめくると持ち主がわかる仕組みです。たとえばお菓子がいっぱい書いてあるおいしそうなパンツは、食いしん坊のぶたさんのもの。「ねずみさんが大好き」と書いてあるパンツは、ねこさんのもの。どれもオシャレでかわいらしく、持ち主を想像しながら読むのも楽しいでしょう。
最後のオチも楽しめます。読み終わったら、また赤いパンツをはかせてあげて、おかたづけをしてくださいね。
男の子のぼうしをとったら、かえるさんがケロケロと姿をあらわしました。奥さんのぼうしをとってみると、なんとトゲトゲのつんつん頭!
次のぼうしの中には、いったい何が入っているのでしょうか?
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2012-07-03
ぼうしの部分が仕掛けになっていて、上にめくると中身が見える構成です。「いないいないばあ」のリズムのように「ぼうしとったら……」とめくってみると、いろんなものが現れます。
カラフルなぼうしの中から出てくるのは、カエルやお料理、噴火している山など読者の想像をはるかに超える個性的なものばかり。子どもの想像力を豊かなものへと育てる、柔軟で自由な発想にあふれているのです。
ぼうしが苦手という子どもは意外と多いものですが、本作を読んであげればきっと克服してくれるでしょう。
畑の土から、緑の葉っぱと、オレンジ色の頭が少しのぞいています。
「やさいさん やさいさん だあれ」(『やさいさん』より引用)
すっぽーん!と抜いてみると、にんじんさんでした。
次はどんな野菜が収穫できるのでしょうか?
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2010-07-20
畑の土からぴょこんと飛び出た葉っぱ。縦に見開くページをめくると、隠れていたやさいさんが勢いよく登場!「すっぽーん」という爽快感がやみつきになります。
にんじん、ごぼう、じゃがいも、かぶなど身近な野菜たちの「畑の姿」に、子どもたちは目を輝かせるはず。野菜に興味を抱くきっかけにもなるでしょう。
シンプルでわかりやすく、リズムもよいのでファーストブックとして読み聞かせにもおすすめ。ツペラツペラならではの、個性豊かで味のあるやさいさんたちの表情にも注目してみてくださいね。