『BUNGO―ブンゴ―』面白さをマジ語り。最新19巻の見所もネタバレ紹介

更新:2019.8.27 作成:2019.8.27

『ドガベン』や『タッチ』、『ダイヤのA』など、野球漫画といえば名作揃いの漫画の王道ジャンルです。高校野球を舞台とした作品が多いなか、『BUNGO―ブンゴ―』は主人公が中学生になるところから始まります。 その若さがゆえ、ひたむきに野球と向き合う主人公や仲間たちの成長を、リアリティのある描写で追いかけることができる本作の存在は見逃せません。今回は『BUNGO―ブンゴ―』のどのような点に着目して読めばより作品を楽しめるのか、ご紹介していきたいと思います。ネタバレを含みますので、まだ読んでいない方はご注意ください。

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『BUNGO―ブンゴ―』が面白い理由を語りたい!最新19巻までの見所をネタバレ紹介

著者
二宮 裕次
出版日
2015-07-17

主人公の石浜文吾は小学生のころ、熱帯魚を眺めてばかりで外で遊ばないことを心配した父から野球のボールをプレゼントされます。すぐさま飛びつきましたが、学校にも近所にも野球クラブはなく、朝から夜までただ自宅の庭で壁当てに熱中する毎日を3年間も過ごしました。

しだいに速いボールを投げられるようになってきた文吾は、ある日、野田幸雄という同い年の小学生に出会い、初めての勝負を挑まれます。しかし、ホームランを打たれ、敗北。

それもそのはず、幸雄は日本代表に選ばれるほどの実力の持ち主でした。この日を境に決心した文吾は、中学入学とともに彼の所属する静央シニアへと加入します。

才能はあるものの独学だけで粗削りな野球をしている彼が、今後どんな人物と出会いどのように成長していくのか。彼の成長の様子に一緒になって一喜一憂してします作品です

作者・二宮裕次とは

著者
二宮 裕次
出版日
2013-09-17

愛知県の知多半島出身で、2013年に少年マガジンにて『LAST MAN―ラストマン―』で連載デビューしました。『LAST MAN―ラストマン―』はバスケットボール部を舞台とした作品であり、そこから二宮は一貫してスポーツを題材とした作品を手がけています。

小学生時代は野球、高校生時代はバスケットボールをやっていたという自身の経験も活かされている彼の作品。リアリティのある表現で現実離れしすぎない試合展開や、主人公を中心とした登場人物の心理描写が丁寧であるのが特徴。

王道のスポーツの白熱する展開、それにともなう喜怒哀楽を描ききるだけの力量のある漫画家です。

『BUNGO―ブンゴ―』の面白い理由1:魅力的な仲間とともに成長していく文吾

本作の魅力は主人公はもちろん、ともに成長していく仲間にあります。

静央シニアは本格的な野球クラブだけあって多くの実力者がやってきます。そんななかで文吾はいわば野球素人。足手まといということで、当初は煙たがられていました。

しかし、彼がほとんど野球経験がないうえでのこの実力であること、左利きなのに右投げで剛速球を投げていたとわかると、徐々にチームメイトから見直されていきます。

著者
二宮 裕次
出版日
2015-08-19

特に吉見という先輩は文吾のことを気にかけてくれました。吉見は静央シニアのエースでしたが格上の上本牧シニアに敗れて以来イップスに悩まされていました。

苦しむあまり野球が楽しくないと感じていた頃もあった吉見にとって、純粋に野球を楽しんでいる文吾の存在は自分を見直すきっかけとなったのです。

彼に一から野球を教えつつ、自分のスタイルを見直す吉見。かつては剛速球を軸に投げ込むピッチャーだった彼は、それをきっかけに変化球を交えて相手を翻弄するピッチャーへと変貌します。

そして、こうした吉見の姿を見ながらピッチングのコツをつかんだ文吾もまた、チームにとって欠かせない存在となっていきます。

『BUNGO―ブンゴ―』は単に主人公の成長を描いていくだけの漫画ではありません。文吾がチームメイトとともに成長していく物語だからこそ、成長の喜びが倍増して感じられるのです。

『BUNGO―ブンゴ―』の面白い理由2:文吾の成長が一気に読める!

また、本作は初心者だった文吾がある程度の実力になるまで一気に物語が進むことで、ストレスなく物語を読み進められます。なんと最初の大会が終わったら物語の時間が2年飛ぶのです。

著者
二宮 裕次
出版日
2015-10-19

文吾はその間に1年生から3年生になっています。3年生だったチームメイトたちも進学し、高校野球を舞台に努力を続けています。文吾を取り巻く環境も一気に変わり、彼の立場を脅かす後輩まで現れるようになるのです。
 

徐々に初心者だったところから地道に努力する過程もそれはそれでよいですが、一気にある程度の実力まで駆け上がる展開を見せ、そこから水準の高い戦いが見られるのはスピード感があり、瞬時に物語に引き込まれます。

序盤の珍しいストーリー展開から一気に読者を引き込んでくる展開が魅力です。

『BUNGO―ブンゴ―』の面白い理由3:リアリティを重視した描写

主人公の文吾は連載当初、最高110キロの速球を投げられる投手として描かれています。

普段プロ野球を見ている人にとって、110キロは物足りないと感じる数字かもしれません。しかしながら、中学1年生としては十分合格点を与えられる球速です。

このようなことからもBUNGOは徹底してリアリティを追求した野球漫画といえるでしょう。

著者
二宮 裕次
出版日
2016-02-19

シニアに所属しているとはいえ、さすがに中学生ですから完璧にすべてのプレイをこなせるわけではありません。登場人物たちは守備では時々エラーもしてしまいますし、走塁などでもミスを犯してしまいます。そこに読者はリアルさを感じ、感情移入できるのです。

また、中学生ならではの性格描写も共感できるリアルさがあります。

たとえば文吾のライバルにしてチームメイトである野田幸雄は、当初はクールな存在として描かれていました。しかし、文吾が同じシニアに所属するようになると、しだいに負けず嫌いの側面を見せていきます。

とにかく負けたくない幸雄は、三振したりすると悔しさをあらわにするのです。まだ大人になりきれず、つい感情的になる様子は、中学時代がはるか遠い時代になった人物でも当時を思い出すような身近さを感じられます。

『BUNGO―ブンゴ―』19巻の見所をネタバレ紹介!

19巻では、文吾の所属する静央シニアが、富士ケ丘シニアとぶつかる夏季関東大会の4回戦の試合が描かれます。富士ケ丘は十数年間も静央に負け続けており、今回は河村幸一という強打者を大黒柱とした打順を組んでこの試合に全てを賭けて挑みます。

一方の静央の野田監督は落ち着いてチームを鼓舞し、先の試合をも見越した戦略を打っていくよう。しっかりとすべきことが分かっている言葉こぼします。

「誰もが攻撃のキーマンになれるのが静央の強みだと思っている」
(『BUNGO―ブンゴ―』19巻より引用)

著者
二宮 裕次
出版日
2019-08-19

19巻の見所は、試合のなかで一歩ずつ成長していく登場人物たち。そして彼らがその成長の一歩の大きさを競う様にどんどん切磋琢磨していく様子です。

先発メンバーに選ばれていないものの、周囲から一目置かれている文吾。この試合でピッチャーを任された鮎川瑛太も、味方ながら以前の試合での文吾が無安打無得点を記録したことが大きな影となっています。

彼に感化され、さらに進化した投球をしようと決意した瑛太は、河村を抑えることができるのでしょうか?勝負のゆくえは……?

のテレビ越しに見る甲子園に勝るとも劣らない興奮をリアルに感じながら読み進めることができる白熱の展開です。

文吾たちのようにスポーツに熱く打ち込んだ経験のある方はもちろん、経験がなくてもそんな青春に憧れを抱いたことがあるという方はぜひ、この作品を読んでこの先の物語を見守ってみてください。