漫画『ROOKIES(ルーキーズ)』は、泥臭くもアツい青春が描かれた野球漫画です。全233回という長期連載や、ドラマ化や映画化、シリーズの売上累計が2000万部ということからも、その人気のすごさが伺えます。 この記事ではそんな本作の魅力をキャラの設定やその後、名言からご紹介。下のボタンからダウンロードできるアプリから読むこともできます!
物語は主人公の川藤 幸一が、二子玉川学園に赴任してきたことから物語がはじまります。そこで彼は不祥事によって、活動停止中の野球部と出会うのです。
かつては春の選抜甲子園出場まで果たすほどの強豪でしたが、今やヤンキーたちのたまり場と化していました。
しかしどのキャラクターも根は真面目で、野球をしたいという情熱が残っていることを川藤は見抜きます。そして自ら顧問に志願し、野球部の再建に乗り出すのでした。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-09-14
本作の面白さは、なんといってもそれぞれのキャラクター。ひとりひとりの個性がしっかり描かれており、彼らが一生懸命野球に取り組む姿は、その熱気や気持ちが伝わってきて、思わずこちらまでアツくなるもの。はじめは野球からはほど遠かったヤンキーたちが、さまざまな経験を得て成長していきます。
また、本作は2008年にドラマ化もされました。主演は佐藤隆太で、ほかにも豪華キャストが揃っていて、本作最大の魅力であるキャラクターに主眼を置いていることが伝わってくるクオリティーの高いドラマです。
部員全員野球経験があること、野球部部員が1年生ではなく2年生であること、出演者の利き手に合わせているため、登場人物によっては原作と利き手が異なるなどの細かい違いはありますが、原作と同じくらい楽しめる内容です。
ここからは、ドラマ化されたことでも話題の本作のキャラクターたちをご紹介していきましょう。
二子玉川学園高校へ赴任してきた新任の男性教師。ドラマ作品では佐藤隆太がキャストを務めました。教科は現代国語で、教員歴8か月とまだまだ新人の24歳。前職の神田川高校に勤めていましたが、指導した生徒を殴ってしまい退職した経緯がある、ちょっと訳アリな教師です。
幼少期から父に格闘技を習わされていて、体が丈夫、教育熱心で曲がったことが嫌いという性格です。偉人の格言を引用するシーンも多々ありますが、慌てると日本語がおかしくなることも。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-09-14
二子玉川学園高校に赴任してきてから、ヤンキーのたまり場となっていた野球部の顧問を任されます。野球のルールすら知らない状態だったものの、生徒に負けないスピードでルールを覚え、頼りになる存在へと成長していきます。
さらにすごいのは、全生徒の名前と顔を覚えており、対戦校の選手についても名前や顔を覚えているのです。これが野球の試合の際にはとても役立ちます。
彼の魅力は、生徒に夢を持ってほしいというアツい考え。夢を持っている生徒は応援し、持っていない生徒には本当の気持ちに気づけるようサポートする場面も……熱血過ぎる、まっすぐすぎると呆れられる面もありますが、なんだかんだまわりから親しまれているキャラクターです。
そんな川藤のストーリー完結後の様子を、作者の森田まさのりがテレビ番組で特別に明かしていました。二子玉川学園に残るものの、野球部顧問ではなく、今度は問題児だらけの美術部を立て直していたのです。そして美術部の生徒たちと全国高等学校総合文化祭に向けてともに歩んでいるのです。
そんな彼らしい名言は、こちら。
「20歳になろうが30になろうが、
何かを始めるのに遅すぎるということは絶対にないんだ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』1巻より引用)
ストーリー序盤で川藤が生徒たちに訴えるセリフです。ちょっと臭いセリフにも思えるかもしれませんが、何かと年齢のせいで夢をあきらめてしまいがちな人たちに勇気を与えてくれます。
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当初は部室にゲーム機などを持ち込んでサボっていたのが関川。ドラマ作品では中尾明慶がキャストを務めました。川藤に本当にどうしようもない人間などいないという言葉をかけられ改心し、彼に従うようになります。
100m走10秒台を出す俊足の持ち主で、足を活かしてたくさんのチャンスをもたらす役割。バントヒット、盗塁、一気にホームスチールを決めるなど、相手チームにとってどんどん驚異的な存在になります。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-10-18
関川のその後ですが、陸上部のある実業団へ入社します。さらに日本代表にも選ばれ、その足の速さを活かして今でも頑張っているようです。
そんな関川の名言はこちら。
「俺だって笑って卒業してぇんだ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』1巻より引用)
ヤンキーのたまり場のなかにずっといた彼がはじめて本音をもらしたセリフです。今までの行いは苦しかった心の現れだったということが感じられ、切ないながらも彼のまっすぐな心根を知ることができます。
二子玉川学園高校の男子生徒で、はじめは打順10番でしたが、5番を任されることになりました。
ヤンキーのたまり場となっていた際は、リーダー格でした。仲間相手でも気に入らなければすぐ殴るなど、荒い性格をしています。 川藤に対しても暴力を振るいますが、力で仲間を得ることは間違っていると指摘されます。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-10-18
その後すぐには野球部に合流しなかったものの、用賀第一高校野球部との練習試合の最終局面でバッターボックスに立つことに。そして日々の地道なトレーニングの成果によって、とうとうスラッガーとして開花します。ピンチのときには仲間を叱咤激励し、流れを変えることも多いです。
新庄はストーリーのその後、教師として活躍しています。一度就職しますが、会社員が合わず教員採用試験を受け教師の道を進んでいきます。
そんな彼の名言はこちら。
「おまえ一人が痛てーんじゃねーんだよ。
それは俺たちニコガクのキズだ。
みんなが痛てーんだよ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』第18巻より引用)
指を骨折し、無理してでも試合に入ろうとする若菜に対し、退場を命じる際に放ったセリフです。自分一人ですべての責任を持とうとする若菜の気持ちを理解していたからこそかけられた言葉ではないでしょうか。新庄の不器用な心遣いが垣間見られるセリフです。
本作のエースで、最も野球がうまいのが、安仁屋恵壹です。ドラマ作品では市原隼人がキャストを務めました。中学時代から野球をやっていましたが、自身を打ち負かした因縁のライバルである川上貞治投手が甲子園で惨敗する姿を見たことから、努力することが虚しいと感じてしまうようになります。
部室がヤンキーのたまり場となっていた際には、女子生徒を連れ込んで性行為に及ぶなど、自分を見失っていました。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-11-16
彼も野球部にすぐには合流しませんでした。川藤が甲子園に行くと口にしたことが軽々しく見えて反発した安仁屋は、現実はそう簡単にはいかないことを知らしめるため、バッティング対決を申し出て、川藤に野球を教える資格があるかを試します。
その勝負の後から野球部に合流することになりました。
中学時代は外野手でしたが、肩の強さを活かすためピッチャーに転向。150㎞/hのストレートを投げるエースとなります。はじめはワンマンで勝負するところがありましたが、周囲が成長していく過程でチームプレイの大切さも見出せるようになりました。
安仁屋のその後についてですが、高校野球を引退した年のドラフト会議で阪神タイガースからドラフト1位指名をもらうこととなります。その年の阪神は、彼の活躍もあり、リーグ10連覇の快挙を成し遂げるなど好成績を収めます。
安仁屋の名言はこちら。
「一生つまんねー人生過ごしてやんよ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』2巻より引用)
野球をやろうと必死に説得を試みる川藤に対し、少し悲しげに放ったセリフ。本当は野球のことが大好きなのだということが言外に感じられる、安仁屋の悔しそうな表情が印象的です。そして彼はこの時の思いをバネに、野球部のエースになっていくのです。
ストーリー当初、部室にたむろするヤンキー生徒のうちの1人だったのが湯舟。ドラマ作品では五十嵐隼士がキャストを務めました。川藤が顧問となってからも、そもそも野球に興味がなかったことから合流しませんでした。
そんななか、とあるスポーツ店に訪れた時に練習試合の相手である他校の生徒に、二子玉川学園高校の野球部を馬鹿にされているのを聞いてしまいます。それに怒りを感じ、見返すために部活に合流してきました。
長身で打撃力があり、バットを長く持って大きく構えるという独特のスタンスでプレイします。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-11-16
教師である真弓りえに思いを寄せていると同時に信頼をしています。それでいてイケメンで容姿がよいことから、女子生徒から人気があり、何ともうらやましいキャラです。
湯舟のストーリー完結後ですが、結婚して子供が産まれています。奥さんの会社に就職して、夫そして父として頑張っています。
そんな湯舟の名言といえば、やはりこちらでしょう。
「にゃーーーーっ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』13巻より引用)
湯舟が必殺技をくり出した際に叫んでしまうセリフです。力を込めて打とうとすると、感極まって「うおおおお」と声が出てしまうことがありますが、湯舟の場合は猫になるのだそう。ちょっと笑ってしまいますが、このときの打ち方が本当にすごいので、あなどれません。
セカンドが基本ポジションで、身長は154cm→162cmと成長しても小柄なのが御子柴です。ドラマ作品では小出恵介がキャストを務めました。
中学時代から野球をやっていましたが、レギュラーが取れず球拾いばかりやらされていました。ストーリー序盤では、部室の鍵係としてパシられキャラとして登場。しかしもともと真面目な性格だったので、川藤が野球部顧問となってからは鍵を返して1番初めに彼に付いていくと決めた人物でした。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-12-13
いっときは野球をやめようとも考えていましたが、川藤からキャプテンを任されるなどチームのメンバーとして貢献。キャプテンとして野球部をうまくまとめ、野球部が謹慎処分を受けた時も、授業に出席するなど真面目な面を見せます。感動したときはすぐ泣く情熱的な面もあり、本作のなかでも分かりやすい、いいヤツです。
御子柴は完結からのその後、大学進学への推薦を蹴ってプロ志願届を出します。しかしドラフト指名はされず、野球選手としての道をあきらめかけていました。
しかしそこで川藤にはげまされ、一般受験で大学へ進学。そこで野球を続け、卒業の年にドラフト会議で阪神に入団できましら。安仁屋とチームメイトになり、プロのセカンド選手として活躍しています。
そんな彼の名言はこちら。
「一所懸命やって…何が悪いんだよ…」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』4巻より引用)
野球なんてくだらないとバカにしていた安仁屋に対し、御子柴が泣きながら叫んだセリフです。川藤のおかげで生まれ変わった自分たちをバカにされて、本気で起こった御子柴。今まで弱い立場だった彼がちゃんと言い返し、自分の芯を通した瞬間です。
当初は同級生の八木塔子に好かれたくてコーラス部に所属していたものの、彼女が野球部マネージャーとなったため、野球部に合流してきたのが平塚です。ドラマ作品では桐谷健太がキャストを務めました。
代打要員で同学年の部員の中では1番野球が下手。しかし重要な局面で起用されると、チームの流れを変える活躍を見せます。
しかも顔面の近くに飛んできたボールは必ず打つというある意味とても役立つ人物。単純でおだてられるとすぐ乗ってしまう性格で、大事なところで活躍するのでチームには欠かせません。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2007-12-13
ストーリー完結後は、プロ志願届を出すもののドラフトでは指名されず、その後「ピコっち」という名前で、ユーチューバーになっています。
そんな彼の天真爛漫な性格が伺えるセリフがこちら。
「ぅあ~~~……冷てーっ!!
なんだこりゃーっ!?」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』15巻より引用)
自販機であったかいコーンスープを買った際に、思わずの冷たさに叫んでしまった際のセリフです。あったかいと思っていたコーンスープを頬にあてた直後の表情、その後コーンスープにひたすらキレる平塚の様子にほっこりしてしまいます。ストーリーでもお笑い展開に起用されることが多く、物語の緩急をつけてくれるキャラです。
レフトから左利きを活かすためライトに転向したのが岡田。ドラマ作品では佐藤健がキャストを務めました。赤星加入後は、スタメンから外れて途中出場が増えます。
もともとは川藤が顧問となってからも、野球に興味がなかったためなかなか合流しなかったキャラでした。しかし、湯舟と同じく、他校の生徒に野球部の悪口を言われているのを知り、彼らを見返すために野球部に合流することとなりました。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2008-01-18
ストーリー完結後は、友達とバンドを組みロックアーティーストとしての道を歩んでいる様子が見られます。
そんな彼の名言はこちら。
「先生は存在が頼もしいんだ。
だからみんな安心して好き勝手やってんだよ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』6巻より引用)
湯舟、桧山らと一緒に常に行動し、あまり発言も少なかった岡田が本心を露わにしたセリフです。もともとは川藤をまったく信用していなかった彼が、実はちゃんと存在を認めていることが分かった瞬間でした。
桧山もともと野球に興味がなかったものの、他校の悪口を聞いて野球部に合流したひとりです。ドラマ作品では川村陽介がキャストを務めました。
目黒川高校野球部の部員とバッティングセンターでいざこざを起こし、練習試合のきっかけを作ります。ポジションはショートで守備が上手です。
桧山はストーリー完結後、警察官となっています。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2008-01-18
そんな彼の名言はこちら。
「打ってやる…ぜってー打ってやる…
ぜってーに。見てろコラーッ!
逆転ホームランぶち込んでやんぜ
てめーナメンなよコラーッ!」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』13巻より引用)
その日の試合で一切ヒットを打てなかった桧山のセリフです。まわりのメンバーが次々と打っていくなかで一人だけ追い詰められている桧山。しかしそこで落ち込むのではなく、なにくそ、とエネルギーに変えて結果を残そうとする姿に勇気づけられるシーンです。
平塚平と親しく、コーラス部に誘われていたこともあり、すぐには合流しなかったのが今岡。ドラマ作品では尾上寛之がキャストを務めました。
当初ライトでしたがレフトに転向し体を張ったプレイが得意です。何でも器用にこなすタイプで、意外性のあるプレイをすることもあり、活躍します。
今岡はストーリー完結の後、映像クリエイターとして活躍しているところが見られました。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2008-02-15
「は?お…俺⁉」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』6巻より引用)
試合で4失点もしてしまうという大ピンチの際に、急遽川藤にピッチャーとして指名された際のセリフです。いくら器用だとはいえ、特に目立った特技もなく、さらにピッチャーという大事なポジションを任されるのですから、動揺してしまうのも無理はありません。
しかし川藤の目に狂いはなく、マウンドにのぼった今岡は見事なアンダースローを披露するのでした。彼最大の見せ場だったといってもいい展開での言葉です。
野球部が荒れていた頃は、リーダー格の1人として部室にたむろしていたのが若菜。ドラマ作品では高岡蒼甫がキャストを務めました。当初は本当にやりたいのはサッカーだと出まかせを言っていました。
しかしそれを信じた川藤が彼のためにサッカー部への入部をとりはかろうとしたことに良心が痛み、それをきっかけに彼を信用して野球部に入ることに。ポジションは捕手で、チームメンバーを盛り上げるムードメーカーです。
若菜のストーリーのその後ですが、運送業の職に就き活躍しています。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
- 2008-02-15
そんな彼が川藤に心を開いたときの名言がこちらです。
「オレが今からアメリカ大統領になりたいっつっても
あいつだけは真剣に聞いてくれるよ。
そんなやつだ」
(『ROOKIES(ルーキーズ)』3巻より引用)
川藤に信頼を置いていることが分かるセリフです。最初は何度も何度もうるさく野球部に勧誘してくる川藤にうんざりしていました。しかしこんなクズな自分にも真剣に向き合ってくれると思いなおすようになり、こんな考えを持つまでにいたるのでした。
いかがでしたか?本作のキャラの魅力、アツさが伝わりましたら幸いです。