歴史の教科書でもおなじみの新撰組が、よりかっこよく、より分かりやすく、大胆なアレンジを加えてよみがえる!新選組初心者や歴史に抵抗感のある人に特におすすめしたいのが、『ちるらん 新撰組鎮魂歌』です。 この記事ではその魅力をご紹介。25巻の見所とともにお伝えします。また、本作は下のボタンからダウンロードできるスマホアプリで読むこともできます!
時は明治45年3月。東京毎日新聞社の記者である市川真琴(いちかわ まこと)が北海道小樽市に取材にやってきたところからストーリーは始まります。彼女は土方の真実を知るため、新撰組の生き残りである杉村義衛(すぎむら よしえ)を尋ねにきたのです。
義衛はもともと、新撰組の真実は墓場まで持っていこうと考えていたのですが、真琴が並々ならぬ覚悟を持ってここまで来たこと、土方の孫だということを知り、歴史を語り始めます。
- 著者
- ["橋本 エイジ", "梅村 真也"]
- 出版日
- 2011-04-20
新撰組が活躍したのは江戸時代後期。浦賀湾に黒船が現れ、国内は大混乱に陥っていました。当時は、弱体化した幕府を強化してこれまでどおり鎖国を続けようとする「佐幕派」と天皇陛下を中心に新しい日本を作ろうとする「倒幕派」の2派がありました。
ご存知の方も多いでしょうが、新撰組は「佐幕派」として活躍した一団で……。史実を大胆にアレンジし、こういう裏話があったのかも、と思わされる時代漫画です。
江戸時代後期の幕末と呼ばれる時代、佐幕派として活躍した新撰組は、日本人なら知らない方はいないといっても過言ではないほどの一団でしょう。しかし登場人物も多く、時代が混沌としていたため、詳しい流れは知らないという人が多いのも、また事実でしょう。
- 著者
- 梅村 真也
- 出版日
- 2011-10-20
本作は、新選組に興味を持つのにうってつけの漫画です。学校で習ったけどよく分からない、詳しいことを知りたいという人に特におすすめです。
当時、新撰組はどのように活躍していたのか、またどんなドラマがあったのか知ることができます。歴史を知っている方は、幕府は倒れ、明治維新が起こるということで佐幕派は負けてしまうことも既知かと思いますが、そこには一言では言い表せないほどのドラマがくり広げられていたのです。
幕府のためにと必死に戦った新撰組に属した者たちの生きざまは、今の生活を守ろうとする必死さに心をうたれます。
- 著者
- 梅村 真也
- 出版日
- 2012-02-20
歴史というと、重要な人物だけでも数が多くて覚えきれないという苦手意識がある方もいるのではないでしょうか。たしかに新撰組だけでもたくさん人が出てきます。
しかし本作は数が多いゆえにヒーロー漫画のようなバトルシーンが迫力満点になっています。刀、そしてこぶしが躍動する本作では、単純な武器や力の迫力だけでなく、キャラたちが信念をもって戦っていることが、より真に迫った魅力を醸し出しています。
しかし男性向けのバトル漫画に多い、泥臭さがなく、作画の美しさから力強くもきれいにまとまっていて読みやすいのが魅力です。
また、ヒーロー漫画のような魅力はキャラだけでなく、スピーディーで分かりやすいストーリー展開にもあります。長い説明はなく、初心者にも分かりやすいように要点を押さえて簡潔に物語が進んでいくのでます。
明解なキャラ、展開が魅力で、ヒーロー漫画としての面白さもあるのが本作なのです。
- 著者
- 梅村 真也
- 出版日
- 2012-07-20
本作が独自と言われる理由は、新選組の雰囲気を大胆にアレンジしているからでしょう。彼らはまるで「ヤンキー」のように見えることがあります。
漫画のかっこいいヤンキーのイメージは、見た目は怖いけど、心は熱くて優しい面があるというのが王道のものではないでしょうか。
本作でも新選組のキャラたちに見られる特徴は、見た目の怖さに反しての純粋な心。幕末が舞台とはなっていますが、現代のヤンキードラマを楽しんでいるかのような感覚を味わえます。
特にここに登場する土方は、とてもヤンキーっぽいキャラ。ちょっとバカなところがあるけど強くなることに関してはまっすぐな男です。史実では泥臭い場面だけでなく、頭脳戦もあったようですが、本作ではその実直さが読者を魅了します。
よくある新選組ではなく、独自の魅力がある本作。ヤンキー漫画好きや、新選組のテンプレートな解釈に飽きた方におすすめしたい魅力があります。
若き日の土方は強さを求め、闇雲に道場破りをくり返していました。そんなある日、天然理心流の試衛館にいた近藤勇に敗北します。そこで初めての屈辱を味わいますが、今度は道場破りではなく修行のために再びその門をたたきます。
やがてそこから壬生浪士組が結成され、芹沢鴨一派と近藤一派に分かれたあとに、現在の新撰組が作られていきます。
- 著者
- 橋本エイジ
- 出版日
- 2019-05-20
24巻ではその流れの後、大英帝国から亡霊の騎士団が送り込まれ、新撰組が戦わなくてはならなくなった状況が描かれます。
不安定な船上を舞台に、戦いの結果はどうなるのでしょうか?瀕死の状態になりながら山崎烝という男が敵の前に立ち続けます!
もともと山﨑はお金でしか動かず、新撰組のメンバーではありますが信用されていないキャラでした。しかし最後はお金に関係なく、仲間のために命を散らすのです。今まであまりよいイメージのない彼が最後まで必死に立ち向かう姿にしびれさせられる展開です。
24巻にて大英帝国の亡霊騎士団との対決が終わりました。25巻からは新政府軍の先鋒が江戸に到着する様子が描かれます。
江戸城の無血開城が決まりますが、怒りの矛先は新撰組に向かってしまいました。そこで近藤隊長は、局長として最後の命令を下します。それはなんと「新撰組解散」で……。
- 著者
- 橋本エイジ
- 出版日
- 2019-09-20
ここまで続いてきた物語も最終局面に近づいてきました。突然の解散宣告に驚かされます。解散を言い渡され、これまでともに戦ってきたメンバーはどうなってしまうのでしょうか?佐々木只三郎の特報も届き、どんどんメンバーが減っていくさまは、見ていてこちらまで悲しくなってきます……。
物語、そして新選組が終わりを迎えようとしていますが、そこから新たな夢に向かってそれぞれキャラクターが動きを見せていきそうな気配も。最終回まで残りわずかでしょうが、最後まで目が離せません!