「私と離婚してください!!」 妻の衝撃のお願い、そして土下座から始まるのが、『離婚同居』。驚愕の別れから始まるストーリー展開に、家族について考えさせられる深い内容が見所の作品です。 この記事では本作の見所を最終回までご紹介!スマホアプリで無料で読むこともできるます。
ある日、鈴木竜次は妻の春美に離婚をいい渡されます。彼は普段から仕事で家にはほとんどおらず、家事も育児も彼女に任せっぱなしでした。
実家にとりあえず帰るという春美に、「娘のリカとユカは連れて行くな」と言いますが、「燃えるごみの日は何曜日?」「リカとユカのご飯の用意」「公共料金の引き落としの日は?」と次々言われ、つい「それは全部お前の仕事だろ⁉」と言い返してしまいます。
離婚同居 1
そんな投げっぱなしの態度や、会社の林原という女性との1度きりの過ちに耐えきれなくないと、ついには土下座までされて離婚することをお願いされた竜次は、何も反論できなくなり、最終的に力なく「好きにしたらいいよ」と答えるのでした……。
しかし本当に物語が始まるのは、そこから。春美と娘2人は1か月後にいきなり自宅に3人は戻ってくるのです。なぜ戻ってきたのか?そうして離婚しながらの同居が始まります!
離婚同居という言葉を聞きなれない方もいるでしょう。通常離婚したら住まいも別々にするものという認識もありますが、離婚した後別居しなくてはいけないという決まりはありません。
本作であげられているメリットとしては、子どもがいる場合、幼稚園や学校が変わらずそのまま通えることができ、子供たちの心理的負担が少なくなること。さらに住まいが一緒で家賃やローンの費用も浮くので、金銭的にも助かります。
一方デメリットとして、世間では離婚同居は一般的ではないため、なぜ同居をしているのか?と冷たい目で見られることが多いようです。子どもがいる場合は、子どもも冷たい目で見られたり、学校でいじめにあうきっかけになったりするかもしれません。
実際に金銭的な負担などから、いったんは離婚したあとも同居しなければならないという人は一定数いるようです。
当作品でもそんな離婚同居が始まりますが、途中から竜次は子どもたちのことを思い、狭いアパートに引っ越すことに。家族にとって大切なこととは何だろう、と考えさせられる作品です。
本作は離婚という出来事から、竜次が結婚や家事の分担などについて見直すようになるストーリー。読者も彼と同じように、家事の分担など、男性でしたらリアルな悩みについての理解が深まり、女性でしたら共感できるところが多くあります。
最近では共働き家庭も増えましたが、子どもの世話や料理を作るなど、家事の負担はやはり妻側にかかっていることが多いのではないでしょうか。特に専業主婦の場合、自分は仕事をしているから、家事を手伝わなくてもいい、役割を果たしていると、妻への感謝の気持ちを忘れてしまう夫も珍しくありません。
しかし毎日働いて週末の休みがある仕事に対し、家事は休みがありません。本作でも、竜次が春美のこなしていた家事を分担されてヘトヘトになることもあります。気づき、そして共感を生むリアルな様子も本作の魅力のひとつです。
竜次は春美たちとの家を後にし、狭いアパートで節約暮らしを始めます。それをきっかけにしてか、彼の周りには、にわかに他の女性たちが集まってきます。物件紹介担当であった野中という女性や、1度だけ関係を持ってしまった林原など……。ひとり身になった竜次は果たしてどのような選択をするのでしょうか?
離婚同居 2
離婚同居といういびつな生活を通じて、竜次は春美や娘2人の大切さに気がつきます。また、少し距離を置いたことで自分の気持ちを客観的に見直した春美も、彼がいない寂しさに最終的に気がついていきます。
何年も一緒に暮らしていると、家族のありがたさを忘れてしまうものではないでしょうか。そして感謝の気持ちを持たないようになり、すれ違いが生じてしまうのだと、当作品を読み終えると感じさせられるところがあります。家族の大切さ、温かさに気づかされる最終回は、ぜひ作品でごらんください!