『頭文字D』の世界観を引継ぎ、続編ともいえる作品が『MFゴースト』。しげの秀一が前作と同様、現実世界にある公道でのレースを題材としたカーレース漫画です。 昨今では若者の車離れやエコカーの登場などで昔ながらの内燃自動車のレースに夢中になる人口は減ってきていますが、そこに切り込んで、通称ハチロクを主役にすえてレースの面白さを真正面から描いています。 この記事では本作の魅力を最新6巻までご紹介!
当作品を知るには、前作品の『頭文字D』が外せません。まずは『頭文字D』についてあらすじや魅力を紹介しましょう。
主人公の藤原拓海は家が豆腐屋のため、配達をするため朝4時には家を出ます。家を手伝うかたわら、アマチュアですが、ドライバーとして関東各地の猛者との対戦を重ねていました。やがて高橋涼介が立ち上げた「プロジェクトD」のメンバーに加わり、公道最速伝説を築いていきます。
- 著者
- しげの 秀一
- 出版日
- 1995-11-02
物語には峠道を走るシーンが頻繁に登場。峠で自動車を高速で走行させるのは、テクニックが必要とされます。そのテクニックをどう駆使するか、いかに早く走り抜けるかがキーとなるのでです。
「溝落とし」「インベタのさらにイン」など、走り屋たちならではのテクニックや工夫が登場し、危険と隣り合わせで彼らが走り抜けていくさまに引き込まれます。
その影響は大きく、拓海が愛用していた「トヨタ・スプリンタートレノ・AE86型」は生産終了となっていますが、中古車が高値で取引される現象が起きたこともありました。また、2012年にトヨタ自動車から発売された小型FRスポーツカー「トヨタ・86」は、この影響を受けて生み出されたといわれています。
時は202X年、化石燃料を動力源とする自動車は世界中で生産中止となり、自動運転をする電気自動車や燃料電池自動車が普及しています。スポーツカーはその存在すら危ぶまれるようになりましたが、公道を閉鎖しきってコースとした「MFG」というカーレースが日本で開催されはじめました。
- 著者
- しげの 秀一
- 出版日
- 2018-01-05
日本をはじめ世界をにぎわせるカーレースとなっており、主人公のカナタも英国から参戦するため来日。彼は英国のレーシングスクールを主席で卒業したドライバーで、19歳と若いながらも期待の星とされていました。
本作品は『頭文字D』とつながりがあります。拓海は本作品開始時には事故で引退しているのですが、カナタを鍛える師として登場するのです。神奈川県の箱根の峠でレースをおこなうシーンが本作品に出てくることから、『頭文字D』と同様にストーリー上で公道でのレースがまた見られると期待も高まる作品です!
本作でなんといっても見所なのが、MFGレースでの白熱の戦い。
閉鎖された公道でおこなわれる、合法イベントで、実際の道をレーシングカーが飛ばしていくという日常と非日常がまじりあった空間に引き込まれます。レーサーにとっては地面の凹凸あり、峠道ならではの立ち込める霧ありと、一筋縄ではいかない路面です。
電気自動車などではなく、ガソリンなどを使用する内燃機関を搭載した車両のみ出場資格があります。作中では生産中止になった車ということで、感慨深いレースという側面も持ち合わせています。
また、コースサイドへのギャラリーの立ち入りが禁止されていることから、レースの模様はドローンでネット中継されるという異色の内容です。
レース用に整備された道ではない、コンディションが悪い峠道を、各マシンを駆使してレーサーたちはどう戦い抜くのか。彼らがスポッター(レース中に道を見渡しながら指示を出す人物)と連携して細かなテクニックを使いながらが超スピードで道を駆け抜けていく姿は圧倒的です。
本作は『頭文字D』と同様に、若者が公道でカーレースをくり広げるというストーリーです。前作が連載されていた頃、若年層を中心にスポーツカーに憧れる人が続出しました。
先ほども説明したように、拓海が乗っていた「トヨタ・スプリンタートレノ・AE86型」通称ハチロクは生産終了ながらも、市場で価格が高騰する事態になることも。しかし近年は若者が車から離れていて、そのお金を別のことに使いたいと考える人が増えてきました。
本作はもう1度ハチロクの魅力を伝えよう!とはじまった作品でもあります。AT限定で免許を取得する人も増えてきて、MT車はどんどん衰退していっていますが、本作品を通じてあらためてスポーツカーやMT車の魅力に気がつく人も多いでしょう。車の魅力を伝えようという意気込みもあり、本作では走りの楽しさや爽快感が存分に描かれているのです。
また、車を買うとなるとまとまったお金が必要ですが、高い車でなくてはいけないということはありません。作中でもストーリー序盤でポルシェやフェラーリに負けない走りを国産車のGT-Rで成し遂げようとしている場面が描かれます。
安い車や中古車でも乗りこなせば愛車となり、ドライブテクニックを磨き、格好よく乗ることができと教えてくれる本作。車への愛着や走りの魅力を、若者をストーリーの中心において描き切っています。
本作は恋愛展開も見どころ。メインヒロインは西園寺恋(さいおんじ れん)です。彼女はカナタのホームステイ先である西園寺家の一人娘の高校生です。
自分は見た目で人を好きにならないと常日頃から発言していましたが、カナタを一目見て心が動いてしまいます。彼は日本人の父とイギリス人の母とのハーフで、彼女でなくても心を動かされてしまうオーラをまとって描かれています。
そして恋はMFGのレースクイーンでもあり、カナタが参戦することを知ってから、そこで働いていることを明かすかどうか悩むことに……。
本作はカーレース漫画ですが、レーシングのアツい戦いの合間合間に恋愛要素が入ってきて、さまざまな魅力で読者を楽しませてくれます。
カナタは開幕戦で9位と好成績を残します。第2戦「芦ノ湖GT」予選でもその実力を見せつけました。そしていよいよ「芦ノ湖GT」決勝がはじまります!パワーで圧倒的に不利な86を駆使し、立ち向かうことができるのでしょうか?
- 著者
- しげの 秀一
- 出版日
- 2019-09-06
カナタは開幕戦で9位と好成績を残します。第2戦「芦ノ湖GT」予選でもその実力を見せつけました。そしていよいよ「芦ノ湖GT」決勝がはじまります!パワーで圧倒的に不利な86を駆使し、立ち向かうことができるのでしょうか?
決勝の舞台は雨の芦ノ湖です。当然、雨のなかの峠道などスリップの恐れもあり、コンディションが悪くて……と考えますが、カナタは「雨は味方」と立ち向かっていきます。
状況把握と細かな対応で雨が降りしきるなか走りきる彼の姿に感動させられこと間違いなし!1巻まるまる使って雨のなかだからこそ、ハチロクの性能を発揮させられるということが実感できます。そしてここからさらにレース展開が荒れそうな雰囲気を残して7巻に続いていきます。
雨という状況を活かして勝利を手にするのはいったい誰でしょうか?