こぶしファクトリー広瀬彩海が「女の子に生まれて良かった」と思える小説

こぶしファクトリー広瀬彩海が「女の子に生まれて良かった」と思える小説

更新:2021.12.7

こぶしファクトリーの広瀬彩海です。 暑さが和らいで参りました。いかがお過ごしでしょうか? 私は先日メジャーデビューから4周年を迎えました。 来月にはアルバムの発売も控え、充実した毎日をすごしています。 そんな10月2日に発売されるアルバム『辛夷第二幕』には、こぶしファクトリーのメンバーそれぞれのメイン曲というものが1人1曲ずつ収録されています。 イマイチピンと来ない方に簡単に説明させて頂くと、その曲の雰囲気に似合うメンバーがそれぞれの曲にあてがわれ、いわゆるセンターポジションを5人1曲ずつ担当していると言った感じです。 私が頂いたメイン曲は「Come with me」というジャジーでお洒落な曲になっています。こぶしファクトリーのメンバーの年代は、女の子から女性にどんどん変化していく時期です。 そんな、目を離したらすぐに変わっていく女の子や、こぶしファクトリーの今を表した曲になっています。 今回はそんな「Come with me」にちなんで、女の子から女性に変化していく方へ読んで欲しい小説を3冊ご紹介します。 カフェで読書をする大人な女性に憧れる。 バーで静かにお酒を嗜む女性に憧れる。 女の子は誰にでも理想の女性像というものがあるものです。 そんな今だからこそ、女の子に生まれてよかったと思えるような小説をご紹介します。 さらに自分が磨かれること間違いなしです。

ブックカルテ リンク

タイニー・タイニー・ハッピー

著者
飛鳥井 千砂
出版日
2011-08-25

東京のとある場所に佇むショッピングモール、通称「タニハピ」でくり広げられる恋愛ドラマ。どこにでもありそうな、温かく優しいお話です。

アラサーの男女が展開していくストーリーということもあり、ものすごくリアルな感情が垣間見えるところで、共感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

同じタニハピという舞台で展開される短編集なのですが、どこかしらで誰かと繋がっていて、少しずつ紐解かれていく物語になっています。

普通というのがどれだけ幸せなことか、ごく普通の毎日を送りながらもお仕事や恋に葛藤し、ぶつかる物語の主人公達は、幼い頃に憧れた大人そのものであり、リアルです。壁にぶち当たることさえかっこいいと思えた幼い頃から成長し、初めてこの本に出会った中学生時代は、この世の全てが悩みの種で、穏やかな毎日に憧れていました。

そこからさらに時は過ぎ今。非凡な生活と平凡な毎日のどちらがいいかなんて正解は分かりませんが、平凡な中に悩みを抱え、それと向き合い、自分の幸せを見つけていけるタニハピの主人公達に憧れを抱く気持ちは今も変わりません。

誰かが見ている

著者
宮西 真冬
出版日
2017-04-13

こちらはタイニータイニーハッピーとは打って変わって、生々しいサスペンス小説。女性特有のおどろおどろしさが全面に出ているような物語です。

嫉妬や僻みが拗れながら女性達の運命を狂わせていく。誰もが持つ黒い感情がどこかで繋がり連鎖していくことと言うのは日常でも起こりうることで、連鎖の中にいるのはとても苦しいことです。誰も悪くないとわかっていても、憎しみをとめられないというのは誰もが経験したことがあるかと思います。

そんな負の連鎖をただの傍観者として覗いた時、人間は皆もっと先が知りたい。その後が気になる……と、興味を持ってしまうのでしょうか。

それも心配という訳ではなく、ただの出来心として。そんな風に思ってしまうほど、続きが気になり一気に読み上げてしまいました。

ただ結末では、女性の強さというのも感じる素敵なラストで気持ちのよい話の落とし方だなぁと心にじんときました。女は何度でも立ち上がれる。そんな勇気さえ貰えるサスペンス小説になっています。

ティファニーで朝食を

著者
トルーマン カポーティ
出版日
2008-11-27

私が中学生の頃にこの小説の映画を初めて観た時、主演女優のオードリー・ヘプバーンの美しさに衝撃を受けたのを覚えています。そこから原作も気になりこの作品のファンになりました。

自分に正直で、天真爛漫で皆から愛されるこの作品の主人公が織り成す物語は、私の女の子としてのバイブルでもありましたし、今でもそうあり続けています。日本語版は瀧口直太郎訳と、村上春樹訳の2種類がありますが、私はどちらの訳もとても好きです。

大方のストーリーはもちろん原作が同じなので変わりありませんが、翻訳者によって少しずつ登場人物に受ける印象が違うのです。当時、塾でお世話になっていた先生にわがままを言って、日本語版2冊と、原作を同時に読み照らし合わせたことがありますが、英語の熟語1つでも、言い回しが変わるだけで少しきつく感じたり、温かみを感じたりと言語の繊細さに深く感動を覚えた記憶は今でもハッキリと心の中にあります。

どちらがいいと甲乙を付けることなどもちろん私にはできないほどどちらにも良さがありますが、龍口直太郎版と村上春樹版では出版が60年程違うので、読みやすさ、現段に寄り添った表現という部分で、入口としては村上春樹版をオススメします。

ですが、原作と龍口直太郎版、それぞれの良さがあるので、ぜひ映画と合わせて網羅してjほしいと思います。

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