私たちの日常生活に直結している「天気」。くもりの日はどんよりして、雨の日は憂鬱になってしまいがちですが、どんな空模様の日でも楽しい気持ちで過ごせたら素敵ですよね。この記事ではくもりでも雨でも雷でも、ワクワクできるような天気がテーマの絵本をご紹介していきます。
くもはどうしてできるのか、雨はなんで降るのか……とても身近なものなのに、不思議なことだらけの「天気」。
本書は、そんな天気への疑問をすっきり解決してくれる作品です。さわやかなイラストとともに、楽しく学びましょう。
- 著者
- 出版日
- 2013-06-12
「どうして?」「なんで?」とさまざまなことに疑問を抱きはじめる年ごろの子どもにぴったりの、「はじめての」シリーズ。
気象予報士が監修しているだけあり、子ども向けながらその内容は本格的です。晴れや雨など気候の仕組みはもちろん、天気予報で必ず見かける天気図の見方など、大人でもためになる「いろは」を学べます。
絵本を持って、実際に外に出てみるのもおすすめ。空と見比べてながら読んでみると、理解が深まるでしょう。
どこまでも広がる深い森に、ぽつぽつと雨が降りだしました。雨がだんだん強くなるとともに、青緑だった森は灰色になっていきます。
横殴りの風が吹いたと思ったら、雷が落ちてきました。
- 著者
- ["長田 弘", "荒井 良二"]
- 出版日
- 2011-10-12
詩人の長田弘が文を、絵本作家の荒井良二が絵を担当した作品。
だん だだん だんだん
雨はつよくなり
だんだん 青いいろが灰いろになり
だんだん みどりいろが灰いろになり(『空の絵本』より引用)
印象的なのは、天気の移り変わりとともに変化しながらくり返される「だんだん」というフレーズ。ページいっぱいに描かれたダイナミックな空のイラストとともに、大きなエネルギーをもって胸に迫ってきます。
時間とともに移ろう自然の姿を体感できる一冊。声に出して読むのもおすすめです。
双子のこぐま、クーとマー。寝る時間になったので、パパとママにおやすみなさいをしてベッドに入りました。
でも2匹は、なかなか眠りにつくことができません。あしたの天気の予想を始めます。
- 著者
- はた こうしろう
- 出版日
- 2015-02-12
もしも晴れていたら川に行ってお魚をとる、もしもビュービュー風が強かったら海でヨットに乗る、もしも雪が降ったら動物をいっぱいつくってかくれんぼをする……ベッドの中であしたの天気を想像する2匹。
柔軟で自由な想像力を駆使して、どんな天気でも目一杯満喫します。カラフルに描かれたイラストの効果もあり、読者の心も思わず弾んでしまうでしょう。
絵本を読むだけで、自然と天気を覚えられるのも嬉しいポイントです。
モモちゃんが買ってもらった「いいもの」。それは、真っ赤な傘と、真っ赤な長靴です。
しかしお空はあいにくの晴れ模様なので、お庭で雨降りごっこをすることにしました。
「あめこんこん ふってるもん
うそっこだけど ふってるもん
あめふりごっこ するもん よっといで」(『ちいさいモモちゃん3 あめこんこん』より引用)
傘をさして長靴をはいて、ご機嫌に歌うモモちゃん。すると歌声にこたえるかのように、誰かが「いれて」と話しかけてきました。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 2003-04-02
1964年に1作目の『ちいさいモモちゃん』が刊行されて以来、多くの人に愛されてきた「ちいさいモモちゃん」シリーズ。40周年を迎えた2003年に、復刻版が登場しました。
大人にとって雨は憂鬱なものですが、子どもにとっては楽しいものなのでしょう。少し大きめの傘と長靴をはいて、楽しそうに雨降りごっこをするモモちゃんの姿は、読者の心を温かくしてくれます。
読めば雨が待ち遠しくなるはず。モモちゃんがくり返す歌のリズムも心地よく、読み聞かせにもぴったりです。かわいらしいイラストの雰囲気そのままに、優しく読んであげてください。
日が沈んで、あたりが薄暗くなってきました。はりねずみは、こぐまが大好きなハチミツを持ってお家に遊びに行くことにします。
道中で、はりねずみは思わず立ち止まりました。星がまたたく空の下、深く立ち込める霧の中に、白い馬が浮かんでいたのです。
「しろうまさん、きりのなかでおぼれないかしら?」(『きりのなかのはりねずみ』より引用)
- 著者
- ["ユーリー ノルシュテイン", "セルゲイ コズロフ"]
- 出版日
- 2000-10-25
1975年にロシアのアニメーション作家ユーリー・ノルシュテインが発表した短編「霧につつまれたハリネズミ」が、絵本になりました。
視界をさえぎるほど深く立ちこめる霧、その中にぼんやりうかぶ白い馬……絵画と見間違えるほどの美しい情景に、思わず息を飲んでしまいます。霧の中に飛び込んだはりねずみを包むのは、とても静かで、優しいけど少し怖い幻想的な世界です。読者は、はりねずみと一緒に霧の中に迷い込んだような錯覚に陥ってしまうでしょう。
絵本なのに静寂が伝わってくるのが魅力的。大人へのプレゼントにもおすすめです。
やまださんちの天気予報をお届けします。今日のやまださんちの天気は「はれ」。みんなにこにこ、気持ちのよい朝を迎えています。
だけどぼくの布団の中は「こうずい」です。おねしょをしてしまったのです。
おや、「たつまき」ヘアーがチャームポイントの、隣の奥さんが回覧板を持ってきましたよ。
- 著者
- 長谷川 義史
- 出版日
- 2005-04-01
「あさから たいふう
のち いちじ くもり」(『やまださんちのてんきよほう』より引用)
天気予報の用語を使って、言葉遊びを楽しめる作品。一見何の変哲もない普通の天気予報ですが、イラストが加わるとあら不思議、やまださんちの日常と見事にリンクしていくのです。台風、竜巻、雷と、コロコロ変わる天気模様に、大人も子どもも思わず笑顔になれるでしょう。
絵本の左下にちょこんと描かれる「お父さんの一日」や、表紙裏の「空を見て明日の天気予報をする方法」など、本編以外のおまけも充実しています。ぜひ注目してみてくださいね。