『伝説のお母さん』がファンタジーなのにリアルすぎ!感想や結末の見所など…

更新:2021.4.5

『伝説のお母さん』は、主人公が「赤ちゃんを抱えた専業主婦のお母さん(魔法使い)」という異色のストーリー。赤ちゃんを預けて戦いたいけど、主人公に向けられるのは冷たい言葉ばかり。出産を終えた母親が、再び戦い(仕事)を始めようと思ったときには、赤ちゃんをどうするか、世間の冷たい目にどう対処するかなど、越えなければならないハードルがいくつもあるのでした……。 ファンタジーの世界で魔王を倒す旅をしながら、母親の切実な思いが随所に入っている本作。前田敦子主演でドラマ化もされた本作の魅力を結末までご紹介いたします!

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目次

漫画『伝説のお母さん』がファンタジーなのにリアルで面白い!前田敦子主演でドラマ化【あらすじ】

物語は、封印した魔王が復活するところから始まります。そのために彼を封印した伝説の一行が招集されるのですが、そのうちの3人はすでに家庭を持つ身になっており、すぐには身動きできない状況でした。そのうつのひとり、子育て中の「伝説の魔法使い」が本作の主人公です。

魔王を倒す旅にいくためには、子供を保育所に預ける必要があります。しかし、すでに保育所はいっぱいで待機児童は100人という状況。預ける場所がないので、魔法使いは赤ちゃんを戦いに連れていくことに!?

ファンタジー漫画でありながら、戦っていても(仕事をしていても)子供のことを考えてしまう様子や、そんなときに頼りにならない父親などの様子が、リアル。ネット上では、「家事と育児は妻の仕事、と思っている旦那に読ませたい!」「思っていることを代弁してくれてうれしい」「働くお母さんに世の中はなんてシビアなんだろう」と反響が集まっています。

著者
かねもと
出版日
2018-07-13

そんな本作は、ファンタジー漫画ながらテレビドラマ化されることが決定。主演は前田敦子が務めることが発表されています。彼女自身も一児の親となっており、母となってから初主演の作品ということで、期待が膨らみますね。

放送スタートに向け、続報が気になる方はNHKドラマ『伝説のお母さん』のページをチェックしてみてください。

 

作者・かねもととは?

『伝説のお母さん』の作者・かねもとは、東北在住で、実際に2人のお子さんを育てているお母さんです。イラストをふんだんに取り入れたブログを書いていて、そのなかでファンタジーの異世界4コマ漫画を思いつきで描いたところから、本作が始まりました。

最初は続編を描くつもりはなかったようですが、「子持ちのお母さんが世界を救う」という展開が面白いと口コミで広がり、その声を受けて、続編の漫画がつぎつぎと公開されました。

Twitterでも、親近感のありながら、時々ハッとさせられる内容もつぶやく作者ですので、気になる方は作者の公式ツイッターもご覧になってみてください。

 

かねもと@連載中(@kanemotonomukuu)さん | Twitter
 

『伝説のお母さん』の魅力1:仕事をしたくても、母親の思考から抜け出せない主人公

『伝説のお母さん』の魅力1:仕事をしたくても、母親の思考から抜け出せない主人公
出典:『伝説のお母さん』1巻

魔王との戦いが終わり、結婚・出産と平穏な日常を過ごしていた主人公。子育てをしていたところ、魔王が急に復活したため、再び戦いに参加することに……。

しかし考えるのは、戦いのことよりも、赤ちゃんのこと。旅に赤ちゃんを連れていっても、旦那さんに預けていても、頭の中は心配だらけです。「泣いていないかな?」「お腹空いてないかな?」「ウンチしていないかな?」……。

また安全なところで作戦を考えていても、「砂利はベビーカーでは歩きにくいなぁ」という感想が出てきてしまうほど。母親ならではの思考から抜け出せない主人公に、ワーキングマザーの多くの方が共感できるのではないでしょうか。

しまいには戦いに集中できず周りには迷惑をかけてしまうことに。しかも家に帰れば残っている家事を片付けなくてはならず、寝る時間もなくなっていきます……。

ファンタジーの世界観でありながら、赤ちゃんの育児中の「自分の時間が取れない」「ゆっくり休めない」などの悩みを抱える姿が、本作ならではの魅力です。

『伝説のお母さん』の魅力2:リアルな旦那像

『伝説のお母さん』の魅力2:リアルな旦那像
出典:『伝説のお母さん』1巻

また、本作は無意識にハラスメントをしてくる旦那の姿もリアル。家事・育児にまったく協力的ではない彼に、主人公は「子どもを見てほしい」と言い出せません。

そこで役所に保育園の申し込みにいくのですが、4月から入園希望の申込期限は過ぎていて、待機児童は100人。おそらく2年程度は待たなければいけない、と言われてしまいます。

その後、魔法使いを旅に出すための国王の命令で無職にされた旦那。そこで主人公が勇気を出して魔王との戦いにいくために育児をお願いすると、意外とあっさりOKしてくれます。

しかし数日は平和に父と子の生活を過ごしていたのですが、半月も経てば、もう音を上げます。「しんどい、無理、熱が出た」と、少しでも困ったらいちいち連絡してくる姿は、とても迷惑で、かつ分かるところが多いもの。

結局、困ったときは母親任せ。ふだん一人で家事と育児をやっているお母さんたちが、「旦那に読んでもらいたい」と思うのも納得のリアルさなのです。

『伝説のお母さん』の魅力3:魔王との戦いはなぜか口喧嘩

『伝説のお母さん』の魅力3:魔王との戦いはなぜか口喧嘩
出典:『伝説のお母さん』1巻

魔王が襲来し、伝説の一行との戦いが始まります。そこで魔王がくり出した技は、なんと言葉に魔力をのせた攻撃!その内容が、読者にもグサッとくるのです……。

「もっと男らしくしないとダメでしょ?」

「その年で結婚してないなんて」

「やっぱり女は20代までよね~」

「子共がかわいそう」

(『伝説のお母さん』1巻より引用)

年齢、性別、結婚の有無など、誰しもがどれかに近い言葉で傷ついたことがあるのではないでしょうか?

もっとファンタジーらしいかっこいい戦いを期待していましたが、ある意味どんな攻撃よりも強力かもしれません。「~~らしさ」「~~するべき」という、外側だけを見て判断された言葉は、人を苦しませるものですからね……。

しかし、母親となり、無自覚にハラスメントのような言葉をぶつけてくる旦那がいる主人公には、そんな攻撃は効果がありません。逆に主人公は、「負けない」と強く心を保つのでした。いいのか、悪いのか……。

『伝説のお母さん』の結末が泣ける!家族と戦いの終わりは……

魔王は言葉攻撃に屈しない魔法使いに、セーブポイントというアイテムを渡してきます。これを使うと「子どもを授かる前の時間に戻れる」というのです。

結婚・出産することで魔法の力は弱まり、産後太りで体型も大きく変わってしまった彼女。もし子どもがいなければ、かつての強くて美しい姿に戻ることができ、自由な時間もたくさん……。

そんな誘惑に一瞬、思考を支配される主人公ですが、思い出したのは我が子を抱く旦那さんの姿。子どもを産んだことで、新たにできるようになったこともたくさんあって、何よりそれが自分を強くしていると自覚します。

「セーブポイントは必要ない」。そう自信を持って断る主人公の姿はかっこよく、それまでに共感してきた多くの読者を勇気づけたことでしょう。

著者
かねもと
出版日
2018-07-13

専業主婦でも仕事をしていても、それぞれ抱える悩みはいろいろ……。しかし、そんな悩みを分け合って助けあうのが家族であり、夫婦です。本作をとおして、自分の思いをしっかりと伝えること、夫婦としての絆は2人でつくっていくものだということが、再認識されます。

主人公の旦那は、一人で赤ちゃんを守り切ることができたのか?この戦いを通して、夫婦の関係はどうなっていくのか?そして、伝説のお母さんの「その後」はどうなるのか?

感動の結末が描かれる最終回は、ぜひ本作を手に取って確かめてみてください。戦いが終わった後、いろいろな意味で強くなった主人公の姿が見られますよ。