女性警察官が、性犯罪者達とアウトスレスレの痴態をくり広げるセクシーコメディ『マルセイ‼』。性犯罪専門の特殊対策部署に配属された主人公の女性をメインに、日常業務での様々なハプニングを描きます。 この記事では本作の魅力をご紹介。スマホの漫画アプリでも無料でご覧頂けます。気になった方はぜひそちらからどうぞ!
主人公の但木心(ただしきこころ)は念願叶って警察官になったばかりのうら若き女性です。平和を守る使命感に燃える彼女が配属されたのは、彩玉県警にある「捜査3.5課」という聞いたこともない部署でした。
捜査3.5課――通称「マルセイ」。マル暴ならぬマル性の異名を持つ、性犯罪特殊対策チームだったのです。マルセイの主な業務は、女性課員が主導する性犯罪の摘発と防止……はっきりと言えば性犯罪専門のおとり捜査でした。
生まれてこの方、男性経験もほとんどなく、地味な見た目で大人しい性格の心にとってマルセイの仕事は未知の領域でした。人並みのモラルと羞恥心を持つ彼女にはつらい仕事でしたが、マルセイの軽いノリに流されて、バレンチで思わず笑える捜査に巻き込まれていきます。
鯨川(くじらかわ)リョウは2000年代後半から商業や同人で活動している漫画家です。以前は「ぐじら」の名義で成年漫画を手がけていましたが、2016年に小学館を中心として一般誌にデビューしました。
代表作は『秘密のレプタイルズ』。爬虫類のペットショップを舞台として、爬虫類好きの女性店員と彼女にその良さを教え込まれていくサラリーマンの交流を描いたラブコメとなっています。
- 著者
- 鯨川 リョウ
- 出版日
- 2016-09-16
鯨川リョウ自身も無類の動物好き。Twitterのアカウントでは『秘密のレプタイルズ』でフィーチャーされる爬虫類以外にも、コウモリや比較的珍しい小動物を飼育している様子が見られます。
一般誌で描く作風はラブコメがメインです。肉感的な女性の描写には定評があって、作品中ではたびたびコメディ的に絶頂の表情(いわゆるアヘ顔)が出てくるのがお約束。
しかしそれだけでなく、コメディでもしっかりとした話作りがされています。さらにダイナミックな構図のアクション要素も得意としており、男性読者を中心として評価の高い作家です。
『秘密のレプタイルズ』については<漫画『秘密のレプタイルズ』が無料で読める!魅力を全巻ネタバレ紹介!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
『マルセイ‼』は性犯罪者に性をもって当たるという、ぶっ飛んだエロコメディです。設定も展開も滅茶苦茶ですが、それらを演じる登場人物は輪をかけて変人揃いとなっています。
主人公の但木心は作中における数少ない常識人で良心的存在。しかし異常なまでに押しに弱いので、だいたいエッチな被害に遭ってしまいます。そしていったんエロスイッチが入るとされるがままに……。
そんな有様で正義の刑事が務まるか疑問に思えてしまいますが、無双の格闘術「但木流鋼体術」の師範代なので戦闘力はピカイチ。それゆえに本当にアウトなところは防いでくれるだろう、という安心感があります。
味方で1番厄介なのがマルセイの課長、陣万尊(じんばんそん)でしょう。サングラスと葉巻がトレードマークで、白スーツでハードボイルドを気取っていますが、口を開けばセクハラのオンパレード。一応、信義にはあつい人物でもあり、手腕は優秀で人望もあるよう……。
- 著者
- 鯨川 リョウ
- 出版日
- 2018-05-11
マルセイにはこの他にも、様々な性癖に応える女性キャラが目白押しとなっています。コードネーム「フェロモン」の異名を持つ妙齢の美女(露出過多の痴女)、3.5課の秘書で後方支援を担う通称「ヒソ子」(無表情ロリ)、心とは同期で「神風」のあだ名を持つスポーツ娘・雀羽達駆(すずばねたつく)などなど……。
また、マルセイと敵対する組織「ラヴァーズ」の面々も、強さも絵面のインパクトも主人公以上に個性的です。
たとえばラヴァーズのリーダー、女性のパンツに異常に執着するハート柄マスクの男「ロード・ラブハート」。見た目も言動もふざけたキャラですが、素手の一撃で灰皿を粉々に砕いたりラブホテルを崩壊させるなど、能力漫画を彷彿とさせる尋常ではない力を秘めています。
シチュエーションフェチの「切り裂きジャック」は、組織の中では言動も性癖も比較的常識的。そのせいでラブハートをはじめとするアクの濃い面々に押されがちなのが面白いところ。
このようにバラエティ豊かなキャラが魅力の1つとなっています。
本作のお色気、セクシー要素は一般漫画の枠に収まるレベルではありません。性器の直接描写を避ける(単行本では連載時より過激になっていますが)といった配慮こそあるものの、それ以外のすべてでギリギリセーフ……いやほとんどアウトといえる表現がなされるのです。
パンチラ、パンモロは当たり前。女性キャラそれぞれの個性に見合ったデザインの下着が、フェチズム溢れるこだわりの質感で描かれます。そのシチュエーションも、痴漢や過激マッサージなど様々。
快楽描写もほとんどが成年漫画レベル。逆にどうしてこれが一般漫画で許されているのか不思議になってくるくらいです。寸止めすべきところをノンストップで駆け抜けていくエロスが、やはり本作でも屈指の魅力といえるでしょう。
お馬鹿エロコメを標榜するだけあって、本作の馬鹿っぷりは凄まじいです。まるで性に目覚めたばかりの中学生男子の脳内のごときくだらないエロネタがこれでもかと出てきます。そもそも変態対策に体当たりのエロで立ち向かうという設定がすでにナンセンスですが……。
たとえばパンチラ見たさに、土下座で懇願し続ける変質者。蹴られても罵られても、むしろご褒美というから呆れます。
「始めようかヘンタイ観測!
2分後にシミが来なくとも!」
(『マルセイ‼』1巻より引用)
あまりにも酷い某バンド曲のパロディ。こういった名作名曲のエロ改変パロディが頻出します。ここまで突き抜けられるとつい笑ってしまいます。
変態達の裏で暗躍する謎の組織「ラヴァーズ」。1巻で示唆されたラヴァーズがついに本格的に動き出します。
パンチラを餌に、下着泥棒「パブロフ」から情報を引き出していた心と達駆。彼女達が組織の手がかりを掴んだ時、取調室に謎の老人が突如姿を現しました。色仙老(スーシェン)と呼ばれる怪しげな術を使う老人です。
- 著者
- 鯨川 リョウ
- 出版日
- 2019-03-19
色仙老は凄まじい仙術の使い手で、極度の猫耳フェチでした。あっと言う間に心と達駆をあられもない姿の猫耳に変化させた上、卑猥な触手を召喚して追い詰めていきます。ほとんど全裸の危険なビジュアルにご注目ください。
フェロモンとヒソ子の活躍で、心らはなんとか窮地を逃れるものの、この襲撃がマルセイとラヴァーズの全面衝突のきっかけとなりました。
ただのエロコメディと見せかけてのアクション急展開――からの、やっぱりくだらないお馬鹿なやりとりが見所。特にラヴァーズ幹部の性癖曝露大会が、本筋とは無関係ながら興味深くて面白いです。
性癖に忠実な変態超人集団と、頭のネジが飛んだ常識外れな刑事達。果たして勝つのはどちらでしょうか?
本作は2019年現在、3巻も発売中!この戦いを制した後、どんな展開を見せるのかご覧になってみてください。
いかがでしたか?マルセイとラヴァーズの戦いはどうなるのか?セクシー表現がどこまで過激化するのか?あまりにも突き抜けたお馬鹿っぷりに本作からは目が離せません。