理系の人も楽しめる小説おすすめ6選!科学や数学を用いたミステリーなど

更新:2019.11.4 作成:2019.11.4

読書というとどうしても文系のイメージが先行してしまいますが、理系の人でも楽しめる科学や数学を用いた小説はたくさんあります。この記事では、ミステリーやノンフィクションなど幅広いジャンルの作品を紹介するので、気になったものから読んでみてください。

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新たなジャンル法医昆虫学が面白い!理系の人におすすめの小説『147ヘルツの警鐘』

 

連続放火事件が起きている地域で、新たにアパートが全焼。ひとりの遺体が見つかりました。しかし解剖してみると、奇妙なことに食道から胃にかけてがすっぽりとなくなっていたのです。さらに腸の下からは球体になったウジ虫の塊も見つかり、捜査は混乱します。

事件解決のために白羽の矢を立てられたのが、法医昆虫学捜査官の赤堀涼子。昆虫に関する豊富な知識を武器に、核心に迫っていきます。赤堀が辿り着いた真相とは……?

 

著者
川瀬 七緒
出版日
2012-07-18

 

2012年に刊行された川瀬七緒の作品です。タイトルの「147ヘルツ」はハエの羽音の周波数を表しているそう。羽音の周波数が150ヘルツの蜂に近い周波数を出すことで、捕食者に狙われづらくなるようにしているのです。

法医昆虫学という、新しい角度から真相に迫るミステリーが魅力的。ただただ昆虫に情熱を注ぐ赤堀と、彼女に振り回されながらも地道に捜査を進める警察のやり取りが面白いです。

ややグロテスクな表現もありますが、興味深い知識も盛りだくさんの科学ミステリーになっています。

 

理系の人は共感できる!ひたすら真理を追究していくおすすめ小説『天地明察』

 

囲碁の名門に産まれ、その実力を認められて江戸幕府に雇われていた渋川春海。しかし彼の頭のなかは、算術でいっぱいです。

そんな時、北極星を観測しながら全国をめぐる「北極出地」という公務を命じられることになりました。そして彼は、日本で使用されている「宣明暦」にズレが生じていることに気付きます。

会津藩主の保科正之から、誤差がある宣明暦に代わる新しい暦を作ることを命じられた春海は、改暦という江戸幕府の威信をかけた一大事業へと挑戦することになるのです。

 

著者
冲方 丁
出版日
2012-05-18

 

2009年に刊行された冲方丁の作品。日本独自の暦を作り出した渋川春海の人生を描いた、史実をもとにした小説です。

国家権力や政治の力に翻弄され、何度も挫折を味わう春海。しかし周囲の人に支えられ、ひたすらに真理を追究しようとする姿勢に胸を打たれるでしょう。

江戸時代の和算は、鎖国下にも関わらず世界的に見てもかなり高度なレベルに達していたそう。本書に描かれている遺題継承や算額絵馬の文化を知ると、理系の人であればその発展ぶりに納得できるはずです。

 

数学の美しさと楽しさを教えてくれるおすすめ小説『数学ガール』

 

数学が得意な主人公の「僕」。高校の入学式の日に、黒髪にメタルフレームの眼鏡をかけたミルカというクラスメイトと出会いました。彼女も数学を趣味としていて、2人は自然と放課後の図書室で、一緒に数学の問題に取り組むようになります。

そして1年が経ち2年生になると、「僕」に数学を教えてほしいと、テトラという少女が手紙を送ってきました。彼女も放課後の勉強会に加わります。

 

著者
結城 浩
出版日
2007-06-27

 

2007年に刊行された結城浩の作品。大人気「数学ガール」シリーズの1作目です。

作中にはさまざまな数学の問題が並んでいるのですが、読み物として楽しめるのが魅力的。受験のためのトピックではなく、数学の美しさや面白さを感じさせてくれる問題が並んでいます。純粋に、知りたいと思ったことを突き詰めて考え、答えに辿り着くことがこんなにも心をときめかせるものなのかと、勉強に対する価値観を覆されるのではないでしょうか。

理系の人はもちろんですが、登場する3人も悩みながら問題に取り組んでいくので、数学に苦手意識がある方にもおすすめです。

 

科学を駆使したノンフィクション小説に理系の人も大満足!『イヴの七人の娘たち』

 

遺伝子科学のテクノロジーで人類の軌跡を辿るノンフィクション小説。我々はどこから来たのかという疑問に、ミトコンドリアDNAからアプローチをしていきます。

母親の系譜をさかのぼり、人類の祖先を探し求め、従来の定説を覆して得た驚くべき事実とは。データを駆使して謎を解く気持ちよさに、理系の人もしっかり楽しむことができるでしょう。

 

著者
ブライアン サイクス
出版日

 

2006年に刊行されたブライアン・サイクスの作品です。ブライアンはイギリスの分子人類学者で、サイエンスライターでもあります。

ミトコンドリアDNAというミクロな世界の情報を元に、人類の歴史を壮大なスケールで解き明かしていくさまはまさに圧巻。ダイナミックに歴史の流れを感じることができるでしょう。5000年前のヒトの化石と現代を生きる私たちが結びついていくロマンに、夢中になってしまうはず。

今後、さらに科学技術が進歩していことで、次はどんな意外な事実が発見されるのか楽しみになる一冊です。

 

理系の人はワクワクできる!証明の過程を描いたドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』

 

17世紀にフランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが唱えて以来、研究者たちを300年以上も悩ませ続けた「フェルマーの最終定理」。本書は、その真偽の証明に挑んだ数学者たちの苦悩と、最終的に証明を達成したイギリスの数学者、アンドリュー・ワイルズの人生を追ったドキュメンタリー小説です。

ワイルズは、このフェルマーの最終定理の証明に挑んでいることを誰にも伝えていませんでした。多くの数学者が挑み、そして敗北してきたこの稀代の難問にたったひとりで挑んだのです。孤独な道のりには、果たしてどのようなドラマが隠されていたのでしょうか。

 

著者
サイモン シン
出版日
2006-05-30

 

2000年に刊行された、イギリスのサイエンスライター、サイモン・シンの作品です。

ピタゴラスの時代から、ワイルズによってフェルマーの最終定理が証明されるまでの長い歴史のなかで、数学者たちによって積み上げられてきた業績やエピソードが描かれています。その過程は、理系の人が読めばきっと心躍るはず。

数学の証明の裏側という、普段は日の目をみないところにスポットを当てることで、数学者たちの苦悩や葛藤を知ることができるでしょう。実は日本人数学者も大きな功績を残していることもわかり、興味深いです。

 

理系の人におすすめ、森博嗣の代表作『すべてがFになる』

 

天才工学博士の真賀田四季は、14歳の時に両親を殺害した過去があります。現在は孤島のハイテク研究所で隔離された生活を送っていました。

ある時、四季が暮らす島に、大学助教授の犀川創平と、同大学に通う学生の西之園萌絵が訪れます。四季に会うため研究所に入った2人でしたが、外部との交流を一切断っている密室状態の彼女の部屋から、ウエディング・ドレスをまとった遺体が発見されました。しかも遺体の両手両足は切断されています。

誰がどのように殺したのかもわからず、謎に包まれた四季の部屋を調べていくと「すべてがFになる」というメッセージがパソコンのモニターに映し出されていました……。

 

著者
森 博嗣
出版日
1998-12-11

 

1996年に刊行された森博嗣の代表作。テレビドラマ化、アニメ化、漫画化もされています。森博嗣自身も工学博士で、その経歴を生かした理系の人にぴったりの作品だといえるでしょう。

抜群の存在感を見せつける真賀田四季や、犀川、萌絵のように魅力的なキャラクターたちの掛け合いも本書の魅力のひとつです。頭脳明晰な彼らが交わす会話はときに哲学的で印象に残るものも多く、思わず考えこんでしまうかもしれません。