怪死者・行方不明者の年間平均10,000人以上……。そのほとんどが呪い、呪霊による被害と言われる日本で、呪術師たちが被害を防ぐために戦う様子を描いたダークファンタジー『呪術廻戦』。 この記事では、アニメ化も決定しており、注目度の高い本作品の魅力、今までのストーリーの流れ、結末の考察をご紹介させて頂きます。
アニメ化情報も発表され、さらに注目度が高まっている本作『呪術廻戦』は、週刊少年ジャンプにて連載中のダークファンタジーです。一介の高校生だった主人公が、「呪術」という人間社会のダークな面と向き合い戦う呪術師となっていくストーリー。
ポジティブな思考回路の主人公、魅力的なキャラクター達の言動、予想のつかない展開……シリアス展開も多いですが、なぜかさらりと読めてしまう、不思議な魅力を持っています。
豪華実力派キャストが集結してのアニメ化情報も見逃せません。2020年3月現在公開日は未定ですが、声優は続々と決定。虎杖悠仁を榎木淳弥 、伏黒恵を内田雄馬、釘崎野薔薇を瀬戸麻沙美、五条悟を中村悠一という楽しみなキャスティングです!
気になる方は、アニメ公式サイトや公式Twitterでの情報公開も要チェックです。
呪術廻戦【公式】 (@jujutsu_PR) · Twitter
さて、ここからはいよいよ作品の考察をしていきましょう。盛りだくさんの内容なので、目次でご自身の気になるところからお読みいただくのもおすすめです。ちなみにこんな記事もあるので、気になる方はこちらもご覧ください。
漫画『呪術廻戦』の魅力、最新展開までのストーリーの流れをまとめてみた!
まず、主人公・悠仁について考察をさせていただきます。まずは、彼の成長について。
現在の悠仁の戦法は、宿儺の呪力と身体能力による肉弾戦。基本的な術式とは生まれながらにして体に刻まれているものとされているので、非術師だった悠仁にはないのです。
しかし五条が指摘していたように、今後「宿儺の術式が悠仁の体に刻まれる」のならば、おそらく彼は宿儺の術式を扱う事が出来るようになるのではないでしょうか。
その延長線上には、領域展開の可能性も……?宿儺を飲み込んだということがキーとなって飛躍的に成長することが予想できるのです。
また、悠仁の驚異的な身体能力を目の当たりにした伏黒が、真希と同じだろうかと考察する場面も見られます。真希は天与呪縛によって常人離れした身体能力を持っていますが、悠仁との共通点はそこくらいです。おそらく伏黒はその身体能力を指して「真希と同じ」と考察したのではないかと思われます。
ストーリー上で「悠仁の身体能力は天与呪縛によるもの」と明言はされていませんが、もしそうであれば天与呪縛が「本来持って生まれるはずの術式」の代わりに与えられるものだいうことがキーとなってきそうです。つまり、悠仁が持って生まれるはずだった術式もあるかもしれないのです。
猛毒・宿儺の指を喰らっても平気でいられる、という異常・特異な耐性を持つ悠仁。両親が明かされていない彼は、何らかの術者の家系という可能性もあるのかもしれません。
本作は神話、歴史をミックスしている部分があります。
そもそも、両面宿儺は『日本書紀』に登場する鬼神です。『日本書紀』では、仁徳天皇の在位中武振熊命(たけふるくまのみこと)に討たれた凶賊とされています。
また、二面四腕という特性を持ち、これは双子、2人の人物、兄弟支配者などの逸話を合体させ、1人の人物の逸話として表現した可能性も考証されている神です。
この、1つの体に2人の人物が統合され、善悪裏表一体になっているという部分は、本作品での悠仁と宿儺の関係と重複するところがありますよね。神話をベースにしているのでは、という説が有力になってくるのではないでしょうか。
また、両面宿儺は飛騨(現在の岐阜県北部)の在地伝承では英雄として祀られ、多くの逸話が残されています。つまち実在の人物だという見方もできます。
また、作中では宿儺は「実在した人間」だといわれたり、五条・乙骨(おっこつ)は実在の人物である菅原道真の子孫だと明かされていたりするので、歴史の資料を参考にしている部分もあるでしょう。
そして第0巻で道真公は「日本三大怨霊の一人」「超大物呪術師」と言及されています。このことから呪術師が死後怨霊・呪霊になるということは起こりうることが分かるのです。
ちなみに第4巻では「他者の呪力で」殺された場合、術師が死後に呪霊にはならないと明かされています。つまり「自殺であれば」死後に呪霊化する可能性は残りますよね。
そうなると宿儺を討ったとされる武振熊命は呪力で両面宿儺を退治したわけではないのか、それとも武振熊と戦った時点ですでに宿儺は怨霊と化していたのか……。
可能性は幾通りも考えられ、宿儺の死の経緯も考察のしがいがあります。
- 著者
- ["芥見 下々"]
- 出版日
また、本作では重要な登場人物たちのルーツが本作の重要なカギとなってくるのではないかという考察もできます。
先ほどもいったように宿儺が実在の人物であれば生前の子孫が存在している可能性もあります。
また、本作では悠仁の両親について詳細が明かされていないのが気になるところ。明言されていない以上、何らかの術師の系譜である可能性も否定できません。母の記憶はまったく無く、父の事はうっすら覚えているという悠仁。祖父から両親について聞く事を拒否した彼のルーツはまだ謎に包まれています。
また、ルーツを語るにあたって重要になりそうな人物が、先ほどもご紹介した菅原道真、振武熊命ですよね。この4人が歴史上のルーツで関わってくるという展開もあるのではないでしょうか。
悠仁、宿儺、道真公、振武熊命に着目し、可能性をいくつか考えてみました。
これ以外にも考えられますが、ストーリーとして複雑で面白くなりそうなのが、1番、3番でしょうか。もちろん可能性は無限大ですので、あなたも『日本書紀』を手引きに考察してみてはいかがでしょうか。
最後に、物語の結末を考察していきましょう。やはり物語の最大のポイントとなるのは、「悠仁は生き残るのか」という点と「宿儺はどうなるのか」というところでしょうか。
本作品の結末については、すでに第0巻の「あとがき」にて作者が「最終的な結末と要所要所の結末はすでに決まっている」と言及してます。
また、メインキャラクター(虎杖、伏黒、釘崎、五条)の生死については、ジャンプフェスタにて「3人死んで1人生き残る」か「1人死んで3人生き残る」のどちらかだという作者が回答しており、読者に衝撃を与えたとか。この結末は、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか……?
作者のコメントやここまで述べてきた悠二の家系の考察から導き出されるのは、『呪術廻戦』の物語は、宿儺の指をすべて集めた悠二と残りのメインキャラクターとの最終決戦といったストーリー展開になりそうですね。
抗争を続けている呪詛師との戦いがひと段落したら、遂に最強の呪物「両面宿儺」の核心に迫るストーリーが展開していくのではないでしょうか。
宿儺の力が完全に復活することで、メインキャラクターのみならず、菅家の家系であるといわれている乙骨をはじめとした、呪術師界の全てを巻き込んだ大掛かりな戦闘がくりひろげられることになると予想されます!
果たして、いったい誰が生き残るのでしょうか。それが明らかになるのは最終回との事……。
秘匿死刑が決定している悠仁1人が死ぬ展開となるのか、それとも悠仁1人が生き残ってしまうのか。ラストまで、予想外の展開は続きそうです。ぜひあなたも実際に作品を読んでみて考察してみてくださいね。
- 著者
- 芥見 下々
- 出版日
- 2018-07-04
ダークファンタジーなのに、なぜか和んでしまう不思議な作品。おすすめです。