「和太鼓ガールズ」は原作を読むべき!映画化漫画は2巻完結がもったいない名作

更新:2021.11.21

ミッション系お嬢様学校で、修道女とお嬢様が和太鼓に挑戦!意外な組み合わせですが、和太鼓を通して友情を育み、成長していく少女たちの姿が眩しい青春物語です。2巻で打ち切りとなってしまったことが悔やまれる作品ですが、実写映画化が決定したことで再び注目が向けられています。原作漫画の魅力をご紹介していきます。

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「和太鼓ガールズ」が面白い!打ち切りが悔やまれる……!

ミッション系の学校でまさかの和太鼓を打ち鳴らす、という異色のガールズバンド漫画の「太鼓ガールズ」。2巻で完結という短さの本作は、連載当時は注目を浴びていなかったのかもしれません。しかし少女たちが和太鼓に情熱を注ぐ姿は熱く、後々の展開が楽しみになる部分も多くありました。

埋もれてしまうのは、もったいない!

といことで、この記事ではまた、『叩き壊すほどに君へ-WADAIKO†GIRLS-』というタイトルで実写映画もされる本作の魅力や見どころについてご紹介していきます。

ちなみに映画については公式ツイッターから情報が見られますので、映画が気になる!という方はそちらをご覧になってみてください。

映画『叩き壊すほどに君へ 』公式 (@wadaiko_girls) | Twitter

まずは、あらすじをご紹介

まずは、あらすじをご紹介
出典:『和太鼓†ガールズ』1巻

 

魅力をご紹介する前に、あらすじを簡単に説明いたします。

ミッション系お嬢様学園・珠ノ坂女学園に通う主人公・環(たまき)は、何でもそつなくこなす器用な人物。しかし幼少期の経験から音楽とシスターに苦手意識を持っていました。

ところがある日、シスター服で和太鼓を演奏する先輩・マリアに出会い、その躍動感あふれる姿に惹かれていきます。そして自らも和太鼓を始め、部活の存続のために仲間を集めようと動き出しますが……。

人とあまり関わらずにひとりで人生を歩んできた少女が、音楽と仲間に出会い、新しい道を歩み始めます。

 

 

作品の魅力:感情は、音に出る!気持ちがのった描写に引き込まれる

 

本作の最も注目すべき見どころは、やはり和太鼓を演奏している登場人物たちの姿です。

マリアは言葉をしゃべることが出来ず、感情表現の手段が太鼓しかありません。そのためところかまわず太鼓を打ち鳴らし、周りに迷惑がられて学園では孤立していました。しかし、環はその音色から彼女の気持ちを感じ取り、心を動かされていきます。

2人の出会いのシーンも含め、力強い音とともにマリアの感情が伝わってくる様子や、環が初めて夢中になれるものを見つけて和太鼓を叩く楽しそうな姿など、やはり演奏シーンが魅力的です。

特に環は、過去に自分のピアノ演奏を「つまらない音」だと言わた経験から、音楽を楽しめないと思っていたこともあり、そのシーンの感慨はひとしお。マリアと一緒に和太鼓を叩くうちに、どんどん笑顔が多くなっていきます。

和太鼓の力強い音が、少女たちの繊細な心を合わさり、独特の魅力を生み出しています。

 

著者
すたひろ
出版日
2014-03-10

作品の魅力:孤独な主人公が、仲間をつくり、変わっていく

作品の魅力:孤独な主人公が、仲間をつくり、変わっていく
出典:『和太鼓†ガールズ』1巻

もともと優等生・お嬢様としての自負を強く持っていた環が変化していくのも本作の見所。

初めは和太鼓と自分のイメージのギャップに恥ずかしさを感じ、和太鼓部への入部を断った彼女。しかし、喜びや悲しみ、怒り、感情のすべてを表すマリアの太鼓の音色に、どんどん心を奪われていくのです。 

環が優等生の殻を破り、今までの自分から生まれ変わる姿は読者にもパワーを与えるもの。彼女本来のエネルギーが湧き上がってくるのが感じられ、胸が熱くなってしまうことでしょう。 

その後も、和太鼓部には少しずつ仲間が増えていきます。以前は環の人望に取り入ろうとする表面的な友達ばかりでしたが、部活を通じて彼女には真に信頼できる友達ができていくのです。

そんな彼女は、練習中は、まだ恥ずかしさから蹲ってしまうこともありますが、発表会のここぞという場面では緊張するメンバーを牽引する頼もしさも見せるように。和太鼓を通じて仲間と心を通わせ、成長していく姿に、惹きつけられてしまいます。 

作品の魅力:打ち切りが悔やまれる!これから面白くなりそうな伏線

作品の魅力:打ち切りが悔やまれる!これから面白くなりそうな伏線
出典:『和太鼓†ガールズ』1巻

 

また、本作はいくつかの伏線も見所でした。しかし打ち切りとなってしまったため、未回収のものが多く、本当にもったいないのです……。

まず、マリアはどうして記憶と言葉を失ってしまったのかという最大の謎が未解決のままとなっています。環たちと心を通わせていくなかで、彼女の過去が明らかになっていく予定だったのかもしれません。

記憶を失っても、和太鼓を叩く楽しさをマリアの心が覚えているらしいということなど、断片的にヒントとなるような部分もあります。それだけに、余計に彼女の過去が気になってしまうのです……。

また、回想や登場人物たちの会話の中でしか登場していない環の父親についても、詳細がわかっていません。

父親はかつて友人関係であった江守と喧嘩別れし、環を珠ノ坂女学園に編入させたという過去が明かされています。しかし、彼の真意がどういうものであったのか、そもそもどういう人物であるのかも、ほとんど描かれていません。

環は父からの期待をプレッシャーに感じている様子もあり、和太鼓を始めたことも秘密にしているようです。和太鼓を続けていけば、父親にそのことが知られ、彼の実態とともにまた見所がつくられていたことでしょう。

環と父親がどのような衝突を見せるのか、江守と和解できるのかなど、さまざまな展開が予想できるだけに、やはりこちらも非常に惜しく感じられます……。

他にも、マリアと、彼女をライバル視する司(つかさ)との関係など、これから面白くなりそうな要素がふんだんに散りばめられています。描かれなかった展開のことを考えると、つくづく打ち切りが悔やまれる作品です。

 

「和太鼓ガールズ」原作を踏まえ、映画化作品は、どこに注目したい?

 

映画化にあたり、原作漫画から一部の設定が変更されています。映画では、父の会社の倒産のため、生活に不安を抱えた状態から環の物語がスタートします。

それらの設定がどうストーリーに絡んでくるかも気になりますが、原作では描かれない部分。やはり原作を踏まえると、見所は演奏シーンでしょう。

環役の紺野彩夏は、自身が演じる環と同様に、今まで知らなかった和太鼓の魅力に触れ、「音やその振動に吸い込まれるような不思議な感覚を味わいました」と語っています。 

また、クランクインの3ヶ月前から和太鼓の練習に励み、役に対する意気込みも充分。その奮闘の甲斐もあり、実際に和太鼓を演奏するシーンは「演技ではなく自然と強い音霊を表現できた」と、会心の出来である様子がうかがえます。

また、もうひとつの見所は、先ほども紹介した、環の成長。マリア役の久保田紗友は、「マリアと環が出会うことで、お互いが初めて自分自身に向き合うことができる」と語っており、2人が和太鼓を通じて人間的にも成長していく様子が映画でもひとつのポイントになるのです。

和太鼓の演奏シーンと、主要キャラの成長。原作と見比べて楽しんでみてくださいね。

 

著者
すたひろ
出版日
2014-03-10

和太鼓の魅力に触れて、主人公と一緒に読者にも新しい世界がひらけそうな作品です。映画の公開が待ち遠しいですね。

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