2016年から連載を開始した『約束のネバーランド』。略称の「約ネバ」という言葉が「Twitterトレンド大賞2019 アニメ部門賞」にも輝くほど人気を博している、大注目の漫画です。 人間を喰らう「鬼」と、その魔の手から逃れるために奮闘する人間の少年少女たちの姿を描いた脱獄ファンタジーは、手に汗にぎるストーリーが魅力です。しかし物語が複雑で「最初の方のストーリーを忘れてしまった」という人も多いのではないでしょうか。 今回は、物語の流れが分からなくなってしまった人のために、17巻までの流れをポイントごとにまとめて紹介します!
2020年には実写映画化が決まっているなど、人気絶頂中の「約ネバ」は、個性豊かなキャラクターたちが織りなすストーリーの面白さが人気の理由のひとつ。
主人公たちのキャラクター性はもちろん、彼らを取り巻く子どもたち、脱獄を手助けする大人たち、そして、絶対的な強さを見せる鬼たち……。さまざまな登場人物の思惑が交錯しながら、物語は進んでいきます。
そのなかでも特に見どころとなるのは、やはり3人の主人公、エマ、ノーマン、レイ。彼らはずっと一緒にいたものの、考えや思惑が異なるのがポイントです。
ノーマンとレイは「エマを守る」ことを第一に考えて、最善の策を常に探していますが、エマは心優しい性格ゆえに、「ほかの子どもたちと、誰一人欠けることなく無事に人間の世界へと行く」ことを目標にしています。
そのため、意見が衝突することもしばしば。「自分は犠牲にしてもいいから、エマとほかの子どもたちを」と考えていたふたりが、さまざまな人に出会い、徐々にその考えを変えていく様子も、同作品の大きな見どころです。
しかし主人公の3人ですらそれぞれ異なる思いを抱えているのですから、それ以外の人物たちの思惑も絡まりあい、本作は複雑になってしまっている部分があるかもしれません。途中で話が分からなくなってしまった、流れを忘れてしまった、という人も多いのではないでしょうか。
これ以降は、17巻までの流れについて、1巻の「農園編」から順に、約ネバの見どころと押さえておきたいポイントを紹介していきます!
物語の始まりは、孤児院「グレイス=フィールドハウス」で幸せに暮らすエマ、ノーマン、レイとほかの子どもたちの様子から。3人は、孤児院の中の最年長で、孤児院で毎日行われるテストでは、フルスコアを出し常にトップの成績を誇る、優秀な子どもです。
そんな孤児院を管理しているのが、「ママ」と呼ばれ親しまれているイザベラ。子どもたちのことを常に第一に考える優しい女性で、本当のお母さんのような存在でした。ただし、子どもたちはママから、孤児院の「外へ通じる門」と「森の奥の柵」には近づいてはいけない、と強く言われていました。
孤児院は12歳までに里親が見つかり、引き取られるという決まり。エマ、ノーマン、レイはもうすぐ12歳になるので、そろそろ里親が見つかってもよいころ。そんなある日、6歳のコニーに、里親が見つかったという情報が入り……。
ここから物語は大きく展開していきます。コニーが里親に引き取られる日、大切にしていたウサギのぬいぐるみを置いてしまったことに気づき、エマとノーマンはコニーの元にそれを届けに向かうと、そこには絶命しているコニーの姿がありました。
そこに現れたのは異様な風貌をした1匹の鬼と、鬼に頭を下げるママの姿。「グレイス=フィールドハウス」は孤児院ではなく、鬼が食す人間を飼育する「農園」で、ママは鬼たちに仕えながら農園を管理する人間で、里親に引き取られることはなく、12歳までに「出荷」され鬼の食材になってしまうという事実を、エマとノーマンは目の当たりにします。
これまで誰ひとりとして疑問を抱くことなく育ててきた「やり手」のママは、農園のなかの誰かに知られたことに気づいていました。誰かはわからないけれど、誰かがコニーの出荷現場を目撃している、そう気づき、あらゆる手を使ってその現場を目撃した子どもを特定しようとしてきます。
物語が大きく動き出す1話は、それだけで世界観を知れるとともに、スピード感満載の展開で見ごたえバツグン。その後はエマ、ノーマン、そして彼らから秘密を明かされたレイの3人と、ママとの情報戦が見どころとなります。
GF農園随一の頭の良さを誇る3人が、ふたりを育てたママとの心理戦をくぐり抜けることができるのか。注目したいところです。
グレイス=フィールドハウスの正体を知ったエマとノーマンは、真っ先にレイにその真実を報告。2人の真面目な表情と言葉に、レイはその真実をあっさりと受け入れます。
そして、3人は農園からの脱獄を決意するのです。
脱獄に向け、他の子どもたちには真実を隠しながら準備を進めていく3人でしたが、ある日、新しいシスターであるクローネが農園に配属されます。これはママが誰が真実に気づいたかをあぶりだすための策のひとつ。しかし一枚岩というわけではなく、クローネはイザベラを蹴落として、自分がこの農園の「ママ」になりたいと思っていたのです。
イザベラの弱点を探しながら、子どもたちをうまく使えないかと観察を進めるクローネ。子どもたちも、彼女の様子に警戒しながら、ママを出し抜き脱獄する術を探していきます。ママvs子どもたちの情報戦に、新しくクローネという人物が加わる形となりました。
クローネの最後にぜひ注目を。彼女が子どもたちに託した「ボールペン」が、ストーリーの大きな鍵となりますよ。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2016-12-02
2巻からは、子どもたちの中に「内通者」がいるという真実が明かされます。ママやクローネの挙動から、スパイの存在を考え出したエマ、ノーマン、レイの3人。
ある日、3人の次に年齢の高いドンとギルダにも農園の真実を伝えることに。「ハウスとママのことが大好きなエマがそんな嘘をつくはずがない」と、2人はエマとノーマンの言葉を信じます。
真実を知る子どもが5人になったある日、ノーマンは内通者として怪しい人物に罠を仕掛けます。内通者は誰なのか、そしてその人物はどうして内通者となっていたのか……。エマ、ノーマン、レイ3人の考え方の違いや、内通者が誰かが分かってからの彼らの行動にも注目です。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2017-02-03
GF農園編の終結は、思わぬ形で迎えることとなります。農園からの出荷は2ヶ月周期。前回のコニーの出荷から2ヶ月後を目標に脱獄の計画を進めていたエマ、ノーマン、レイ、ドン、ギルダの5人。
しかしママがエマの足を折り、全治2ヶ月の怪我を負うことに。現実的に脱獄を実行するのが難しくなってしまいます。
さらに追い打ちをかけるように、2ヶ月を前にして、ノーマンの出荷が決まってしまうのです。12歳の誕生日を迎える前のノーマンの出荷は、全員での脱獄を実行させないよう、ママが仕組んだ急な出荷でした。
そんななか、ついにノーマン出荷の日がやってきてしまいます。エマとレイはあらゆる方法でノーマンがママを出し抜いて隠れられるよう、一緒に脱獄できるよう案を持ちかけますが……。
ノーマン出荷についての展開は、3巻の終盤以降から4巻中盤までで描かれます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2017-04-04
ノーマンが出荷されたのち、4巻中盤から5巻中盤まででGF農園編はクライマックスを迎えます。
キーパーソンがひとり欠けた状態で、絶望の淵に立たされたエマとレイ。しかし、2人は諦めていませんでした。さらに2ヶ月後、エマの足が完治し、次はレイの出荷が決まったある日、ついに脱獄を実行するのです。
一緒に行動することはできなくなったノーマンですが、農園を後にする前にエマとレイにある作戦を残します。また、それに際して全員と脱出する、というエマはある苦渋の決断を下します。その詳細はご自身でご覧になってみてください。
子どもたちの脱獄を前にしたママの姿が印象的な農園編のラスト。それぞれの思いが変化し、ついに脱獄を成し遂げる様子は圧巻です。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2017-07-04
農園の塀を越え、ついに外に出たエマたちでしたが、そこには野生の鬼が住まう森が広がっていました。彼らが目指すのは、「B06-32地点のミネルヴァさん」の元。
ミネルヴァとは、エマたちが農園の図書室で見つけた、かつて同じように農園から脱獄を成功させたであろう人物のことです。彼の元に向かえば、この世界の真実や、人間のいる場所へとたどり着く方法がわかるかもしれない、そんな一縷の望みをかけて、足を進めていきます。
しかし、森は鬼が住まう場所。エマたち15人の子どもがGF農園から脱獄したことはすでに鬼の中で知られており、追っ手も放たれています。常に気を抜けない状況で、ついにエマとレイ、そしてほかの子どもたちは、野生の鬼と対峙してしまうのです。
はじめての鬼との対峙で、子どもたちはどのような決断を下すのか、自分たちの培ってきた運動神経や頭脳は、外の世界ではどのくらい通用するのか。彼らの姿に注目したいところです。
そんな中、自分が囮となって鬼へと立ち向かっていくレイ。もちろん農園から逃げ出したばかりのレイには鬼を倒す知識もなく、窮地に陥ってしまいます。そこに現れ鬼を倒したのが、仮面をつけ馬に乗った、人間のような風貌をした人物で……。
この内容は5巻中盤以降でご覧いただけます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2017-09-04
レイが鬼を引きつけている間エマたちは、隠れる場所を探します。ですが、脱獄の時の傷やこれまでの疲労がたたり、エマが倒れてしまいました。すると、同じく仮面をつけた少女のような人物が、エマたちの元へ現れ助けてくれます。
レイの元へ現れた馬にのった青年と、エマたちの元へ現れた少女は、ソンジュとムジカという鬼でした。異形の人喰い鬼とは異なり、ふたりは人間のような見た目。さらに「自分たちは宗教上の理由で人間を食べない鬼だ」と言います。
初めて人を食べない鬼に出会ったエマたち。子どもたちが寝静まった頃、エマとレイはソンジュの元へ行き、鬼と人間の世界について、話を聞きます。
そこでふたりが知ったのは、「鬼と人間との間で約束が交わされて、鬼の世界にいる人間は食料として食べられる取り決めをしたこと」「鬼の世界とは別に、鬼が干渉しないことを決めた人間の世界があること」でした。
ソンジュとムジカ、ふたりの人を食べない鬼との出会いで、エマたちの行く先に希望が見えてきました。これまで絶望続きだった彼らの旅路。新しい「人を食べない鬼」の登場と、彼らの語るこの世界の真実に注目して読んでみてください。エマたちが目指す道筋が見えてきます。
この様子は6巻でご覧になれます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2017-11-02
ソンジュとムジカと別れ、ミネルヴァさんの元へと足を進める一行。次に登場するのは、B06-29地点の地下に広がるシェルターに住むひとりの「オジサン」です。
無事にB06-29地点に到着したエマたちが見るのは、地下に広がる大きなシェルターでした。そこに住むひとりのオジサン。彼はエマたちと同じく、農園から脱出してきた人物でした。エマたちを邪魔者扱いしますが、殺すつもりはなく、出て行けと命令します。
シェルター編は、名前を明かさない「オジサン」との出会いをきっかけに、彼が辿ってきた苦しい過去が中心となって構成されています。農園からの脱出がどれほど難しいか、人間の世界へたどり着くこと、鬼を倒すことがどれほど難しいかを実感でき、手に汗にぎる展開が見逃せません。
この展開は6巻のラストから、7巻終盤にかけてご覧いただけます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2018-01-04
シェルターには、ミネルヴァからの置き手紙が残されていました。それによると、ミネルヴァはA08-63という地点にいる模様。エマとレイは、ミネルヴァの示すその地点を目指すため、子どもたちを置いて2人で下見に行くことを決意します。
その用心棒として、オジサンを任命。断ればシェルターを爆破するという脅しにより、おじさんはしぶしぶ用心棒を引き受けます。
しかしオジサンはエマとレイを無事に目的地へ向かわせるつもりはなく、どちらかを野生の鬼に殺してもらおうと目論んでいました。
その道中では、オジサンの身体能力の高さがよくわかります。エマとレイが必死にそれに喰らい付こうとしますが、ふたりはまだまだ弱く、鬼に捕まってしまいそうになる場面も。
それもそのはず、オジサンはエマたちと同様、何年も前に別の農園を仲間とともに脱出した人物。数々の死線をくぐり抜けてきていました。
しかし仲間はゴールディ・ポンドで全員殺され、命からがらオジサンだけが生き延びたのです。仲間を助けられなかった過去を悔やみ、ずっと一人でシェルターで暮らしていました。
ここまでの展開で明かされる彼の過去と、それを受け止めて強い意志でオジサンの気持ちを動かすエマの姿が印象的です。
この展開は7巻終盤から8巻中盤でご覧になれます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2018-04-04
エマの熱い気持ちに打たれ、オジサンが心を入れ替えた次の瞬間。エマはロープのようなものに捕らえられてしまいます。意識を取り戻したエマが到着したのは、目指していたA08-63地点「ゴールディ・ポンド」でした。メルヘンチックな建物が並ぶ街です。
実はここ、鬼が人間を狩るための猟場。レウウィス公と呼ばれる金持ちの鬼が造り上げた娯楽のための場所でした。人間は自由に暮らしていますが、3日に1回、音楽がなると狩りが始まり、鬼が人間を狩りにきます。
絶対的な力を誇るレウウィスと、人を狩ることを娯楽とする鬼たちと戦う人間の姿が描かれていきます。これまでレウウィスに勝つことができなかった人間たちは、エマの登場でどうなるのか。物語が大きく動き出していきます。
しかし敵との出会いだけでなく、そこには仲間もいました。オリバーという青年をリーダーとした、グランド・ヴァレーという農園出身の9人の子どもたちです。
そこでエマは、オジサンの仲間であり、見殺しにしてしまったと悔やんでいたルーカスという男性と出会います。彼は死んでおらず、13年もの間ゴールディ・ポンドで生き延び、この狩りを終わらせるための計画を練り続けてきたのでした。
そして彼との出会いが、また物語を大きく動かすことになるのです。
ルーカスによると、ゴールディ・ポンドには風車と森をつなぐ穴があり、その先に扉があるそう。そしてエマたちがシスター・クローネから託された「ミネルヴァのボールペン」を使えば、そのカギのかかった扉が開くのではないかと話します。
2人がその扉を開くと……そこには、すべての真実が隠されていました。
ミネルヴァが鬼との約束を結んだ人間の一族の末裔であること、人間の世界へと続く道がある場所の在り処、ミネルヴァがすでに殺されてしまっているかもしれないという事実……。
時を同じくして、心を入れ替えたオジサンと、レイが、ゴールディ・ポンドへ足を踏み入れる決意を固めます。これまで過去のトラウマからゴールディ・ポンドを避けてきたオジサンが、同じ夢を抱いた子どもたちの気持ちに打たれ、ついに自分から敵の陣地へと向かうことにするのです。
この内容がたっぷり詰まった展開は、8巻中盤から9巻中盤でご覧になれます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2018-06-04
9巻中盤から11巻までは、レウウィス公をはじめとした、猟場での戦いが描かれていきます。仲間を犠牲にしながら何匹もの強い鬼を倒していくルーカスとオリバー、エマを中心とした人間たち。
レウウィスとの戦いももちろん見どころですが、ここではぜひオジサンとルーカスとの再会に注目を。仲間との絆で、さらに強くなる人間たちの姿に心打たれること間違いなし。頭をひねったさまざまな計画は、どんでん返しの連発です。
レウウィス公の「狩りを楽しむ姿」も面白さのひとつかもしれません。ただ人間を狩って食べるのではなく、人間がどのような方法で自分を倒しにくるのかを楽しみにしている様子は、圧倒的な強さが自信になっているレウウィス公だからこそです。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2018-11-02
9巻以降は、要所要所ですが、エマたちのゴールディ・ポンドでの戦いと平行して、別軸の話が2つ進んでいきます。そのひとつが、鬼と約束を交わした一族、ラートリー家と鬼たちの様子について。
レウウィスの死をきっかけにゴールディ・ポンドは崩壊。その報せは早くも、ラートリー家の新当主であるピーター・ラートリーの耳にも届いていました。このピーター・ラートリーという人物は、ミネルヴァの弟。食用児たちを人間の世界へと導こうとするミネルヴァの企みを知り、彼を殺したであろう人物です。
頭が良く、鬼と対等に渡り合うピーター・ラートリー。彼はもちろん、エマたちの敵にあたります。スマートな出で立ちをしたピーターの思惑が、ここでの見どころ。何を考えているかいまいち分からない謎の多い彼の姿が描かれています。
そして、もうひとつ別軸で進んでいく話が、GF農園から出荷され鬼に食べられたはずのノーマンの姿です。実はあの出荷の日、ノーマンは鬼に食べられることなく、別の農園に連れられていたのでした。
ここでは、新しい農園の姿が明かされます。頭のよいノーマンが、これまで見てきた農園とはまったく異なる、おかしな農園に連れられそこでいろいろな試験を受ける様は、「ノーマンが生きていた」という喜びと、異様な農園が持つ気味の悪いような恐ろしさを読者に与えています。
さて、別軸をご紹介いたしましたが、ここからは本筋のエマたちの物語に戻りましょう。
ゴールディ・ポンドでの戦いを終え、シェルターへと帰還した一行。ゴールディ・ポンドの扉の先で知った真実と、エマたちが不在の際にシェルターで調査を進めていたドン、ギルダの調査結果を合わせて、次の目的を決めます。
ここまででわかっていることは、「人間の住む世界はこの世界のほかにあるということ」「その世界へと繋がる道は農園に隠されているということ」「人間と鬼との約束を結んだラートリー家の当主であるピーター・ラートリーが敵であるということ」。
そして、ドンとギルダの調べの結果「『クヴィディダラの竜の目で昼と夜を探すべし』というミネルヴァからのヒントがあること」が新たにわかりました。
次に目指すのは、クヴィディダラという町。エマたちはシェルターに小さな子どもたちを残し、クヴィディダラへと向かいます。たどり着いたのは、石の遺跡が多く残る町でした。
ここで、エマは不思議な体験をします。ストーリーの鍵となりそうなこのシーンは、ぜひ外さずにチェックしておきたいポイントです。
遺跡を触った際に不思議な空間に降り立ったエマは、小さな鬼と出会い、話をするのです。この相手が一体誰なのか、ここがいったいどこなのか……。一気にファンタジー感のある展開になっていきますので、注目してみてください。
ここまでの展開は12巻前半でご覧になれます。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2019-01-04
長い旅を終えて、無事にクヴィディダラからシェルターへと戻ってきたエマたち。子どもたちもシェルターで安全に暮らしており、旅の結果を報告します。人間の世界へと続く「七つの壁」というもののヒントを得た彼らは大喜びをしますが、そこで突然の敵襲が……。
ピーター・ラートリーの部下であるアンドリューという人物により、シェルターの場所が特定され、襲撃を受けてしまうのです。
ここでの最大の見どころは、オジサン(ユウゴ)とルーカスの姿でしょう。
農園から抜け出し、仲間とともに平穏に暮らす未来を夢見て互いに戦ってきたふたり。「子どもたちが背負う必要はない」と、自分たちが敵襲に対して囮になると決め、若き子どもたちに未来を託すのです。そこには、涙なしでは読めない展開が待ち受けています。
ここまでの展開は12巻の中盤から13巻の中盤でご覧になれます。
- 著者
- ["出水 ぽすか", "白井 カイウ"]
- 出版日
物語はここから一気に進み、エマたちは「ミネルヴァ」の元へ。シェルターから逃げた一行は、犠牲を出しながらも、次にミネルヴァと名乗る人物が示した場所へと向かうことになったのでした。
旅の途中で、エマたちは2人の少年に出会います。ジン、ハヤトとそれぞれ名乗る少年は、「ミネルヴァの指示でエマたちを探していた」と話します。2人によると、ミネルヴァはここ半年で多くの農園を潰して食用児たちを助け出し、大きな食用児たちの集落を築いているのだそう。
ミネルヴァはすでに亡くなっていると思っているエマとレイは、その話をすぐには信じられませんが、彼らが敵ではないと信用し、「アジト」へとついていくことにしました。
その道中、仲間のクリスが感染症にかかってしまい、近くの農園に潜入して薬をとりにいく展開もあります。相次ぐ不安な展開を、エマたちがどう乗り越えるのかに注目してください。
この様子は13巻中盤から14巻中盤でご覧になれます。
- 著者
- ["出水 ぽすか", "白井 カイウ"]
- 出版日
薬を手にし、クリスの容体も無事に安定。一同はジンとハヤトの案内で、ついにアジトへとたどり着きます。
そこで待っていたのは、ミネルヴァと名乗ったノーマンでした!
もちろんここが大きな見どころ。ずいぶんと大人びた表情になったノーマンの姿を見て、エマやレイはもちろん、ドン、ギルドなど、GF農園から脱出してきた一同は、涙しながら再会を果たすのです。
また、エマたちと別軸で進んでいた出荷後のノーマンのこれまでについても、明かされていきます。どんな農園で過ごしてきたのか、なぜミネルヴァと偽り楽園を築いたのか、どうやって仲間を見つけ支援を受けてきたのか……。そして、鬼の正体についても、彼の口から告げられるのです。
それを受け、ノーマンとエマ、レイたちは、再び異なる希望を抱きます。しかしGF農園からの脱走を企てたあの時のように、エマとノーマンの意見が対立してしまうのです。
このシーンも、見どころのひとつ。エマ、ノーマン、レイはそれぞれ異なる道を経て、異なる時間・体験を過ごしてきたため、鬼への思いや感じていることが大きく変わっているのです。
エマやノーマン、レイそれぞれの性格の違いが、どんな結果を生むのか。主人公が3人いる『約束のネバーランド』だからこその面白い展開に、ぜひ注目してみてください。
ここまでの展開は14巻中盤から15巻中盤でご覧になれます。
- 著者
- ["出水 ぽすか", "白井 カイウ"]
- 出版日
人間の世界へと繋がる道があるとされる「七つの壁」という言葉が、『約束のネバーランド』内では何度も出てきます。ただし、いずれも真実味のない曖昧な伝承のようなものばかり。
ノーマンはその実態について謎が多く不確かな情報すぎると話しますが、クヴィディダラで奇妙な体験をしたエマは異なる考えを持っています。七つの壁への入り口へのたどり着き方、そして七つの壁へは入ったが最後、出るための方法が分からないことを知っていたのです。
着々とノーマンが鬼を殲滅させる計画を進めて行くなか、エマとレイは、七つの壁へと行くことを決意します。
こうしてとうとう、ふたりは七つの壁の中へ。そこに待っていたのは、彼らが育ったGF農園で……?
15巻から16巻まで、七つの壁へと足を踏み入れたエマとレイが描かれます。入ってから七つの壁の中の「真実」「仕組み」にたどり着くまでに、かなり頭を悩ませます。コロコロと変わる目の前の場面に、ふたりは翻弄されてしまうのです。
ファンタジー要素たっぷりの展開に、きっとその謎を解明しようと読者も頭を悩ませてしまうはず。2人の見た目がコロコロと変わるのも面白さのひとつです。
また、16巻中盤以降は、エマだけが、目的地について探していた鬼と出会います。そこで待っていたのは、「あのお方」。全ての鬼の頂点にたつ鬼で、鬼と人間の争いを終わらせるため、新しい約束を結ぼうとします。
注目すべきはやはり、「あのお方」とエマが対峙するシーン。ふたりがどんな話をして、その結果がどうなるのかは17巻以降に持ち越しとなりますが、ついに七つの壁の先へとエマがたどり着いたということは、GF農園にいたあの頃からは想像できない光景です。ファンタジー要素満載のシーン、ぜひ注目して見てください!
そして物語は一気に時を遡り、鬼と人間が最初の約束を交わして1000年前へ。16巻の終盤は、なぜこのような約束が結ばれたかが明かされます。
鬼たちとの戦いに疲弊した人間のひとりであったユリウス・ラートリーが、レウウィス公へと跪き、約束を申し出て……。ユリウス・ラートリーとレウウィス公が交わした約束とは?また、新たな約束でエマが差し出した対価とは何なのでしょうか?
- 著者
- ["出水 ぽすか", "白井 カイウ"]
- 出版日
エマとレイが七つの壁に向かうストーリーとは別軸で、15巻からはノーマンが鬼たちの虐殺を試みている展開も描かれます。彼はギーラン卿という、現在鬼を統治している王家、五摂家に復讐心を持っている一族と手を組みます。
しかし完全に協力関係にあるかというとそうではなく、それぞれ相手を利用して自分だけがこの世界で生き残ろうと考えているのです。ノーマンは鬼同士をぶつかり合わせ共倒れさせることを、ギーラン卿は何としてでも特上級であるノーマンを食べることを目的としています。
決戦は、鬼の儀祭(ティファリ)の日。王家、五摂家が一堂に会するそこで、一気にかたをつけようとしているのです。
七つの壁から戻ったエマがそれを止めようとしますが……。17巻ではこの儀祭編に決着がつけられます。エマは果たしてノーマンを止められるのでしょうか?その結末は、ご自身でご覧ください。
- 著者
- ["出水 ぽすか", "白井 カイウ"]
- 出版日
物語の展開も早く、どんどんと核心へと迫っていく、『約束のネバーランド』。
登場人物も多く、鬼と人間、そして人間ながら鬼に加担する人物、人間を食べない鬼……など、さまざまなキャラクターがそれぞれの思惑をもって動いていきます。ファンタジー要素もしっかりと散りばめられており、読み進めて行くたびにワクワクが止まりません!
これまでの流れをあらためて復習しておけば、きっと物語の隠れた伏線などにも注目して読めるはずです。