こぶしファクトリー広瀬彩海が選んだ「アイドル活動において救われた本」

こぶしファクトリー広瀬彩海が選んだ「アイドル活動において救われた本」

更新:2021.11.21

こぶしファクトリーの広瀬彩海です。 お久しぶりになってしまいましたが、寒さに負けずお過ごしでしょうか? 私、広瀬彩海の所属するこぶしファクトリーが3月30日をもって解散することとなりました。 今後はそれぞれの道に進んで今までより一層頑張っていきます。 解散する。 字面だけで見ると、悲しい、バラバラになる、というイメージがついてしまうと思いますが、決して後ろ向きなものではなく、次のステップに進んでいく、という解散です。 私は、一人前のシンガーに成長できるよう勉強しながら活動していこうと思います。 もちろん大好きな読書に今後も関わるような仕事が出来たらいいなとも思っています。 最後まで、ハロー!プロジェクト、こぶしファクトリー、アイドルとして恥じない広瀬彩海でい続けられるよう活動していきますので、今後ともよろしくお願いします。 そんな今回は普段こぶしファクトリーを応援してくださる皆様にも、ホンシェルジュ読者様にも読んでいただきたい、アイドル活動において救われた本を3冊ご紹介します。 本好きの皆さんにも、「こぶし組」(こぶしファクトリーのファンの方の総称です)の皆さんにもオススメしたい3冊になっています。 どんな場面で救われたのかもお話しながら紹介していきますので普段より自分のバックグラウンドなども多めになるかもしれませんが、ご了承頂きたく思います。 また、私のオフィシャルブログにも同じ3冊を、普段のブログのような語り口で紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

ブックカルテ リンク

一番になる人/つんく♂

著者
つんく♂
出版日
2011-06-14

ホンシェルジュの連載が始まった頃に一度、サイト内のインタビューを受けさせていただき、その中でこの本について少しお話したことがあるのですが、私の本棚にすでに入っている本だし……と何となく紹介せずにいましたが、このタイミングかな、と思い紹介させていただききます。

小学生の頃に、母から「つんく♂さんは本当にすごい人だから読んでみたら?」と薦められて初めて読みました。

見出しだけでもとにかく共感したり感激するワードが多くあります。

本の中にあった“クラスで一番になれないと世界で一番にはなれない”という言葉に幼いながらも共感を受けました。

いま私を応援してくださっている方は驚くと思いますが、その当時は歌よりも断然ダンスが得意でした。

その頃から私は「一番」にもの凄くこだわっていて、歌でも1番になりたい、ダンスも1番になりたい、成績も1番になりたい、と思っていました。

この本に出会った日から、書かれていたことを全て実践しました。

それからはダンスや歌も成長し、成績もクラスで一番でした(中学生になってからはあっという間に成績落ちました)。

数年経ってこぶしファクトリーになってからは、歌声をほめていただくことが増えましたが、それと同時に「〇〇が一番歌が上手い」「広瀬より〇〇の方が上手い」と、グループ内で比較されることも増えました。

私はなんのために一番になりたかったんだろう。どのコミュニティで一番になりたいんだろう。グループ内で一番を決めることに意味はあるのだろうか、と迷いが生じることがありました。

その度にこの本を読んで、自分への自信やモチベーションを取り戻していました。

この本は一番になりたい人だけではなく、誰かの役に立ちたい、ためになりたい、そう思う全ての人に読んでほしい本です。

友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える/菅野仁

著者
菅野 仁
出版日
2008-03-06

本の帯に“「みんな仲良く」という重圧に苦しんでいる人へ。”と書いてあります。

正直私はプライベートでは、みんなと仲良くしたい派です。

ただ、仕事としてアイドル活動をさせていただく中で、友だちと仕事仲間の境界線が曖昧になり、アイドルの仲間とどう付き合っていけばいいかわからなくなることが時々ありました。

当時同じハロー!プロジェクトに在籍されていた和田彩花さんが、「私がリーダーになった時、新垣里沙さんに『メンバーは友達じゃないから、仕事仲間なんだと割り切っていいんだよ』ってアドバイス貰ってから、ラクになった」という話をしてくださりました。

それと同時くらいのタイミングでこの本に出会いました。

決して、友だちを作るな、群れるな、と言っている訳ではなく、距離感を見つめ直すという話なのです。

プライベートの友だちはもちろん、仕事の同僚や上司、部下、全ての人間関係に当てはまる本です。

現代のSNSやコミュニケーションツールなどとの向き合い方についても言及されています。人間関係で行き詰まった時に読んでほしい一冊です。

世界の美しい本屋さん いつか行きたい世界中の名店ガイド/清水玲奈

著者
清水 玲奈
出版日
2015-04-18

これは完全に、現実逃避用の書物です(笑)。

なんだか息が詰まるなぁ、理由はないけどモヤモヤするなぁ、と思う夜に、暗い部屋に間接照明をつけこの本を眺めるのが好きです。

中学生の頃、古本屋巡りにハマっていたことを思い出しなんだか懐かしい気持ちになるのです。

小さな古本屋に入り、店員さんにおすすめを聞き、買って、読んだら感想を手紙にして渡しに行っていました。

古本屋にいらっしゃる店員さんはご年配の方が多く、感想を渡しに行くと、とても喜んでくださりました。

その頃から本の感想を書くことが好きで、その時の経験が今のホンシェルジュにも活きているかな、と思います。

世界中の美しい本屋さんを見ているだけで幸せな気分になりますし、非日常的なワクワクを感じることが出来ます。まるで旅行に出かけているかのような気分です。

そしてまた著者の清水玲奈さんの紹介文のことば選びも、これまた書店に行きたくなる欲をそそります。

大聖堂やコンサートホールのような華やかな内観から、隠れ家のような落ち着いた内観まで、眺めて、読むだけで浮き立つような気持ちです。

こんな素敵な本屋さんに足を踏み入れたら、と思うと妄想が止まりません。

本好きな方にも、そうでない方にも、本屋の知的な美しさをぜひご覧になってほしいなと思います。

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  • 本とアイドル

    アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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