漢字の意味や用法を詳しく調べることができる「漢字辞典」。きちんと使いこなせていますか?この記事では、漢字辞典の使い方や漢和辞典との違いをわかりやすく解説し、小学生から大人までそれぞれの年代におすすめの辞典を紹介していきます。
漢字辞典の使い方は、大きく分けて「音訓索引」「部首索引」「画数索引」の3つがあります。
探したい漢字の読みがひとつでもわかっている時は「音訓索引」を使いましょう。
読み方がまったくわからない場合は他の方法に切り替えます。
次におすすめなのが漢字の「へん」や「つくり」に着目した「部首索引」です。知っている部首が含まれた漢字であればこの方法で探すことができます。
どちらも不明な場合は「画数索引」が有効です。対象の漢字が多いため探すのが少し大変ですが、しっかり画数を数えれば確実に見つけることができます。
また熟語の意味や用法などを調べたい時も、調べたい熟語のなかからどれかひとつの漢字を引き、そこから検索して辿り着くことができるでしょう。
ちなみに、漢字について調べたい時に漢字辞典と漢和辞典のどちらを使えばいいか迷ったことはありませんか。
漢字辞典は、「漢字を理解すること」を目的にしたもので、成り立ちや意味、読み方、画数などを学ぶことができるものです。一方で漢和辞典は、「漢文を読み解くこと」を目的にしたもので、漢文の用例や現代語訳、書き下し文などを学ぶことができます。
ただ昨今では両者とも発展した解説が掲載されているものが多く、相互に情報が補完されているので、上記を頭に入れつつ使いやすさや収録字数、レベルなどで選ぶとよいでしょう。
新学習指導要領に対応し、類書中最大級の3200文字が収録された小学生向け漢字辞典です。1年生から使えるよう、すべての漢字にふりがなが付いています。
辞書としてはじめて「UDデジタル教科書体」を使用しているのが特徴。「UDデジタル教科書体」とは、子どもたちから読みやすいと評判の書体で、教育現場では学習の効率があがるといわれているのです。
- 著者
- ["林 四郎", "大村 はま", "月本 雅幸", "濱口 富士雄"]
- 出版日
「音訓索引」「部首索引」「画数索引」に加え、「部首スケール」や「小学校で学ぶ漢字一覧表」など豊富な検索方法があるのが魅力的。漢字辞典の引き方ガイドもついているので、初めて辞典を使う人にもおすすめです。
また見出しが大きく、意味や用法の説明が明確で、意味別に分類された熟語解説もついているので、漢字のもつイメージをつかみやすいのもポイント。自然と語彙が増え、応用力を身に着けることができるでしょう。
運筆がわかる筆順、故事成語、漢字パズルなどのコラムも充実しているので、楽しく学ぶことができる辞典です。
小学校の学習漢字1026字を含むすべての常用漢字と、人名用漢字、それ以外でよく目にする漢字が収録されています。
すべての漢字にふりがなが付いていて、解説は低学年でもわかりやすいように工夫され難しい印象を与えません。
- 著者
- 睦朗, 甲斐
- 出版日
国語の教科書を出版している光村図書の漢字辞典です。
学習漢字辞典として初めて「重要語」を選定しているのが特徴。重要な言葉を大きく表示し、自然に優先的に覚えられるようになっています。成り立ちを丁寧に解説し、身につけるべき漢字がシンプルに掲載されているので、小学生にぴったりです。
また「あわせて引こう」と題して、関連する漢字を調べられるよう誘導する仕組みがついているのも魅力的。言葉の幅が広がっていくでしょう。
和語やことわざ、慣用句なども掲載し、巻末の付録では絵や表を使って漢字の基本的な知識をわかりやすく解説しています。
国語の教科書に対応した中学生向けの辞典です。掲載されている親字数は7500字。主な親字には、初版から評価の高い「漢字の成り立ち」が最新の学説をもとに解説されています。
さらに熟語は2万5000語を収録。教科書学習に必要なものを中心に、日常生活で使うもの、中国の有名な故事成語、代表的な人名などを知ることができます。
- 著者
- ["明保, 藤堂", "喜光, 加納"]
- 出版日
漢字を書くこと、文章を書くことに役立つ辞書と銘打ち、常用漢字すべての筆順を載せています。また手書き文字の見本も掲載されているので、美しい文字を書くのに役立つでしょう。
また索引が拡充されていて、訓読みも多数収録されているので、意味の繋がりを理解しながら漢字を調べることができます。
コラムでは、異字同訓の漢字の使い分けを解説。作文を書く際にも便利です。中学受験、高校受験のどちらにも役立つ辞典になっています。
漢字の語源研究の第一人者、藤堂明保を中心に編集された漢字辞典です。親字数は類書中最多の1万7500字、熟語数は9万6000語、さらに古代文字を4300点収録しています。
改定版では、漢字の成り立ちを知るための「解字」が充実。人気絵師「へびつかい」がイラストを手掛けたケースと表紙も魅力的です。
- 著者
- ["明保, 藤堂", "昭, 松本", "晃, 竹田", "喜光, 加納"]
- 出版日
小口に画数を印刷、全ページの上部に同画数の部首一覧を掲載し、感覚的に引けるよう工夫した構成なのがポイント。漢字辞典最大の用途である「漢字を探す」ことを重視したつくりになっています。
漢字の意味を導き出すために漢文を用例として掲載していて、高校の授業で扱われる重要度ごとにロゴを使い分け、現代語訳もついているので大学受験にも役立つでしょう。
また歴史的仮名使いや、名前の読みを音訓索引に入れるなど、多様なシチュエーションを想定して漢字を見つけやすくする工夫もされているので、社会人にもおすすめ。教養や哲学が詰まった漢文の文脈から漢字の意味を知ることで、生きるヒントや奥深い知識を得る楽しみを与えてくれる読み物でもあります。
圧倒的な情報量で、まさに漢字の総合辞典ともいえる作品です。
多くの高校で推薦されている漢字辞典。B6サイズのコンパクトサイズながら、学習漢和最大級の1万4629字の親字を収録し、高校の漢文教育との親和性を徹底的に高めた辞典です。
とにかく意味が豊富に解説されているのがポイント。わからない単語を他の資料で調べる手間がかかりません。
- 著者
- ["正,鎌田", "寅太郎,米山"]
- 出版日
たとえば部首索引に時間がかかりそうなとき、辞書の耳の部分に表示された「部首+それ以外の画数」でさらに絞り込み、スピーディーに探すことができるなど、 引きやすさにこだわったつくりが魅力です。たとえ部首を間違えて引いてしまったとしても、数多く掲載されている参照見出しが探したい漢字に辿りつけるよう導いてくれる、検索機能の徹底ぶりが嬉しいでしょう。
また付録の「常用漢字一覧」を使えばよく使う漢字をそこから音訓索引することもできます。日本と中国それぞれの年号を検索できる付録や、高校の参考書レベルの中国学芸年表も掲載。
漢字辞典としての使いやすさを追及しながらも、軽くて持ち運びにも便利なので、普段使いに愛用できる一冊でしょう。