探偵小説おすすめ9選!名探偵で読む名作ミステリー

更新:2021.12.14

傑作と呼ばれる探偵小説の必須要素は、物語の筋やトリックの巧妙さだけではありません。頭脳明晰な名探偵の華麗なる解決があってこそ傑作と呼ばれます。しかし、名探偵にも様々なタイプがいます。

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休職中に隠密捜査。多重債務をテーマにした社会派ミステリー小説

犯人を確保するときに負った傷のために休職していた刑事の本間俊介。彼の元に、亡き妻の親戚の銀行員から、謎の失踪を遂げた婚約者の女性を探してほしいとの依頼が届きました。銀行員によれば、婚約者にクレジットカードの作成を勧めたところ、審査落ちしてしまったといいます。調べてみると、彼女は自己破産経験者でした。彼は彼女を問い詰めましたが、納得のいく回答は得られず、翌日には姿を消していました。

著者
宮部 みゆき
出版日
1998-01-30

銀行員の依頼を受けた本間でしたが、休職中のため、警察手帳を使えません。仕方なく、婚約者の親戚や雑誌記者を装って、捜査を開始します。勤め先、自己破産手続きに関わった弁護士に婚約者の素行を聞きますと、それぞれ全く別人のような印象を受けた本間は、誰かが婚約者に成りすましたのではと疑いを強めます。

作者はベストセラー作家・宮部みゆきです。ミステリー、ファンタジー、SF、時代小説と様々な分野でヒットを飛ばしています。『龍は眠る』で日本推理作家協会賞(長編部門)受賞、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、『理由』で直木三十五賞受賞、日本冒険小説協会大賞国内部門大賞受賞など多くの賞を受賞しています。

火車は1992年に発表された、社会派ミステリです。同年の週刊文春ベスト10で第1位、第6回山本周五郎賞受賞など、高い評価を受けています。高い評価の理由は、謎解きの面白さに留まらず、多重債務という問題をテーマにして社会に切り込んだことです。サラ金やカードローンは身近なものですが、それらによる自己破産について詳しい人はそれほどいません。本作ではごく普通の女性が、借金への知識がないために、泥沼にはまっていく様子が描かれています。もちろん、本人の不注意のせいでもあるのですが、簡単に借金を重ねることができるシステムを運営しているクレジットカード産業の構造問題にも言及しています。

事件に挑むのは、休職中の刑事・本間俊介。なぜ休職中なのかというと、別事件の捜査中に足を撃ち抜かれてしまったからです。亡き妻の親戚の頼みをすぐにでも解決したいのですが、警察特権は使えませんし、長距離の移動は厳しい状況なのです。それでも本間はなんとか事件を解決しようと奮闘します。一つ一つの痕跡をじっくりと吟味して考えていきます。その過程で多くの人々から事件にまつわる社会問題の知識も蓄えていきます。本間は一つ一つ丁寧に謎を解いていきますが、また謎が現れます。刑事ならでは根気強さで、真相に近づく様に思わず感情移入してしまいます。

人間の記憶の曖昧さと心理が謎を生む!明智小五郎の初登場作品

学校を出たばかりの無職の「私」は、東京のD坂にある喫茶店で時間を潰していました。すると、喫茶店で知り合いになった明智小五郎がやってきて、噂話に花を咲かせます。なんでも喫茶店の向かいの古本屋の妻は身体中傷だらけだといいます。しかも、近くの蕎麦屋の妻も同じように身体中傷だらけとのことでした。

著者
江戸川 乱歩
出版日
2016-03-25

「私」は何気なく向かいの古本屋を眺めていましたが、古本屋の奥の障子はずっと閉められたまま。客が来ても閉められたままだったので、不審に思い、明智を連れ立って古本屋の中に入ります。障子を開けると、そこには古本屋の妻が首を絞められて殺されている無残な姿があったのでした。警察によると、殺されてから一時間も経っていないとのこと。その一時間の間、「私」は古本屋に侵入した者など見ていません。一体誰が、どうやって古本屋の妻を殺したのか。

作者は日本探偵小説の大家・江戸川乱歩です。創作初期は、本格派の短編を多く書いて、日本人による創作探偵小説の基礎を築きました。乱歩は本格派を突き進みたかったのですが、大衆からはエログロ・猟奇趣味の通俗小説の人気が高く、そういった作品を多く手がけました。戦後は、日本推理作家協会の設立や、推理小説雑誌の編集長に就任するなど、推理小説の発展や新人の発掘に尽力を注ぎました。

『D坂の殺人事件』は1924年に発表された、本格推理短編です。乱歩には様々な有名作がありますが、本作は明智小五郎の初登場作品として有名です。もちろん、トリックの斬新さでも名高い作品で、当時としてはかなり革新的な密室トリックでした。なぜなら、当時の日本家屋は紙と木でできた密閉性の低いもので、密室トリックは難しいと考えられていたからです。乱歩が本作で難なくそれをやってのけたことに当時の読者は大きな驚きを覚えたのです。

本作に登場する名探偵は、明智小五郎です。本作の明智は、もじゃもじゃの髪をかきまわす癖がある、細身で無職の貧乏書生でした。大の探偵小説好きで、自室は本の山に埋め尽くされ、様々な分野に精通する博学さを持ち合わせていました。

本作では、犯人と疑われてしまいますが、人間心理の危うさを説いて自らの疑いを解き、自らの論理的推理で華麗に解決します。元々は本作だけの登場の予定でしたが、評判が良かったために続編『心理試験』に再登場します。

以後も様々な作品で登場し、乱歩作品の代表的名探偵となりました。後の作品では一転、キザな洋装の紳士になっています。探偵手法も、他人が集めた手掛かりから論理的な推理をするものから、自動車で犯人を追ったり、変装して潜入したりと行動的なものに変化しています。変化前の明智小五郎が見られる興味深い1冊です。

別荘で巻き起こる連続殺人!鼻持ちならない名探偵

荒川の上流にある「りら荘」に、日本芸術大学の学生7名が訪れました。それほど仲の良い7名ではなく、互いに貶しあい、とげとげしい会話も多い彼ら。さらには、7人のうちの2人が婚約を発表したことで、彼らに思いを寄せていた学生たちの心は乱れます。

著者
鮎川 哲也
出版日
2006-05-27

翌日の午前中、天気が悪く仕方なくトランプで遊ぼうとしたところ、なぜかスペードのカードが全て抜き取られてました。夕方、突如警察が訪ねてきました。すぐそばの崖下で近隣住人の死体が見つかったといいます。死体の横には、スペードのAが置いてありました。間もなく、スペードの2が郵便受けから見つかり、連続殺人の幕は開けます。毒殺、刺殺、絞殺……そして、死体の横にはスペードのカードが置いてあります。次々と起こる殺人に学生たちと警察は翻弄されます。進退窮まった警察はついに名探偵・星影龍三に助けを求めます。

作者は、アリバイ崩しの作品を得意とした鮎川哲也です。鮎川が活躍した時代は松本清張を代表とする社会派推理が主流でしたが、鮎川は一貫してトリックを主眼とする本格推理小説を書き続けました。創作以外でも後進の育成に力を入れ、若手作家に発表の場を与えていました。2001年には、本格推理小説に多大な貢献をしたとして本格ミステリ大賞特別賞を受賞しています。

『りら荘事件』は1959年に発表された作品です。アリバイ崩しで名を成した鮎川が、山荘での連続殺人ものを扱っていることでも有名で、代表作の一つと言えます。本作の山荘は外部との連絡が取れるので、嵐の山荘のように完全に密閉されたものではありませんが、限られた空間での連続殺人はめまぐるしく動くスピーディーな展開になっており、思わず手に汗を握ります。スピーディーな展開ですと勢いだけになってしまいがちですが、鮎川はアリバイ崩し作品で鍛えた綿密なプロット構成を持ち合わせており、本作でもそれを活かして、見事な伏線の張り方と回収でより作品を面白くしてくれます。

本作に登場する名探偵は、星影龍三です。貿易商をしており、ポマードで撫でつけた黒髪に、コールマン髭を生やし、パイプをくわえているオシャレな紳士です。態度は傲慢で、人を小ばかにして見下しています。しかし、鋭い観察眼と類まれな推理力であっという間に事件を解決します。本作でも出てくるのはだいぶ後半ですが、出て来るや否やズバッと解決します。複雑に絡まりあった事件が瞬く間の解決される様は爽快感があります。あまりに天才的なので出番が少ないですが、見た目と言動のインパクトが強くて、なかなか忘れられない探偵です。

瀬戸内海での見立て殺人!頼りなさげな探偵がズバリと解決

昭和21年9月、金田一耕助は戦友の死を知らせるため、獄門島を訪れます。戦友は息絶える前に残した言葉が気にかかっていたからです。「おれが帰ってやらないと、3人の妹たちが殺される……」獄門島は封建的な因習が色濃く残っており、綱本である鬼頭家は、本鬼頭と分鬼頭に分かれ対立していました。

著者
横溝 正史
出版日

戦友の死を告げ、葬儀が行われた後、三人姉妹の三女が行方不明になります。島民で探し回ると、寺の庭にある梅の木に足を帯で縛られ、逆さまにぶら下げられて死んでいました。戦友の言う通り、妹が殺されてしまったのです。残る二人の姉妹が危ないと悟った金田一でしたが、不審人物として牢に囚われてしまいます。果たして、二人の姉妹を救うことはできるのでしょうか。そして、殺人の犯人は一体誰なのでしょうか。

作者は、戦前から活躍し、終戦直後もいち早く本格長編推理小説を発表した横溝正史です。薬剤師、探偵小説雑誌の編集長を経て、戦前から専業作家をしていました。戦時中は探偵小説の発表が制限されていたことから捕物帖を中心に執筆していましたが、終戦後は立て続けに本格推理小説を執筆し、乱歩に替わって日本探偵小説界のエースとなりました。1970年代には、『犬神家の一族』を始めとする角川映画の影響もあり、横溝ブームが起こりました。

『獄門島』は1947~1948年に雑誌『宝石』に掲載されました。俳句を使った連続殺人を扱っています。「鶯の身をさかさまに初音かな」「むざんやな冑の下のきりぎりす」「一つ家に遊女も寝たり萩と月」という俳句に沿った殺人が行われるのです。

当時、日本には俳句や童謡殺人を使ったものはなく、革新的なものでした。それだけでも怪奇的な雰囲気あるのですが、田舎の封建的な風習を描くことで醸し出されるおどろおどろしい雰囲気がさらに怪奇色を強めます。また、最初の殺人で、死体を見た時の和尚の一言「きちがいじゃが仕方がない」は有名で、メイントリックではないものの、深い謎を読者に提示し、真相がわかった時の驚きを大いに高める効果的なものでした。

本作に登場する名探偵は、金田一耕助です。戦後の横溝作品はほとんど金田一シリーズで、登場作品は80作近くもあります。ボサボサの髪に人懐っこい笑顔が特徴的で、貧弱な身体をした頼りなさそうな男です。興奮すると頭を掻きまわし、言葉がどもり出します。周囲が集めた情報を元に論理的な推理を導き出すという探偵手法を主に使います。

警察からも信頼が厚く、東京方面では等々力警部、岡山方面では磯川警部と旧知の中で、突発的に事件に出会うだけでなく、警察に助力を請われることも多い彼。本作では途中で牢に入れられて一時退場してしまいますが、人懐っこい態度で島民から効果的に情報を集めて、事件の解決だけでなく、その背景にあった因習までも崩壊させる凄腕推理を見せます。

二部構成の傑作ミステリ。名探偵の苦悩を描く

様々なメディアに一斉に送信された童話「メルヘン小人地獄」。毒薬を作った博士と材料にされた小人たちの物語で、残酷なものでした。誰もその意図を理解することはできませんでした。やがて、童話をなぞるように次々と猟奇殺人事件が起こります。

著者
城平 京
出版日

事件に巻き込まれた藤田家では、家庭教師の三橋が藤田家の人々を守ろうとしますが、現れた脅迫者に追い詰められてしまます。三橋は悩んだ末に、知り合いの名探偵・瀬川みゆきに助けを求めます。無事事件は解決しますが、それが原因となり、二年後別の事件が起きることとなってしまうのです。

作者は、マンガ『スパイラル~推理の絆~』や『絶園のテンペスト』の原作者として知られる城平京です。寡作ではありますが、デビュー作『名探偵に薔薇を』は鮎川哲也賞最終候補、『虚構推理 鋼人七瀬』では本格ミステリ大賞を受賞しています。

『名探偵に薔薇を』は、1998年に発表された作品です。二部構成となっており、童話殺人の起こる「第一部 メルヘン小人地獄」と「第二部 毒杯パズル」に分かれています。第一部は一般的なミステリーですが、架空の毒薬の使い方がユニークでなかなかの作品です。この小説が傑作であるのは第二部の存在です。

第二部では名探偵の苦悩を描きます。類まれな推理力があるがゆえに、名探偵であることを宿命付けられてしまう。そのことにひたすら苦悩していくのです。ミステリで中心に据えられるのは、名探偵ではなく、事件です。名探偵の内面に焦点を当てて、人間ドラマに仕立て上げた点が他のミステリとは全く違う味わいを見せてくれます。

本作の名探偵は、瀬川みゆきです。第一部では大学生、第二部では各地を放浪しています。背が高くて端正な女性で、無表情でとっつきにくい印象を与えます。しかし、その内面は苦悩に満ち満ちています。孤高で悲しみを湛えた名探偵。第一部では三橋からの依頼を受けてからの登場ということもあり、明晰な推理での事件解決の出番しかないのですが、第二部では彼女の視点で描かれます。事件の解決に呼ばれるのですが、「真相が必ずしも幸いかわからない」と告げて、解決すべきか思い悩みます。事件の解決という名探偵の使命を受け入れきれなくなった彼女の心の動きに注目です。

まさに変化球ミステリー小説!

日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品です。

自殺するために栖苅村を訪れた種田静馬は、ひょんなことから殺人事件に巻き込まれます。そこで出会った探偵、御陵みかげという隻眼の少女とともに、連続殺人事件の解決に挑みます。そして18年後、再び連続殺人事件が起こるのでした。

みかげの母もまた隻眼で力のある探偵であり、その血を引き、同じように真実を見抜く左目を持っているみかげは、果たして犯人を突き止めることができるのでしょうか。

著者
麻耶 雄嵩
出版日
2013-03-08

表紙の美少女にまず目を奪われ、半分ほど読み進めたところで謎が解決され、短編集だったかなと思っていると、とんでもない展開の第二部が始まります。前半も後半も、繰り返されるように残虐な殺人事件が連続し、その状況や、作品自体の舞台や登場人物は、八つ墓村を思い出させます。

かなりクセのあるミステリーです。いわゆるアンチミステリー。麻耶雄嵩はそんな反則技を追求する作家です。最初はツッコミやクセに慣れなかったあなたも、きっとトリコになり、もはやその期待の裏切り方を待ちわびてしまいます。まさに変化球な1冊です。

小市民を目指す2人組に謎が立ちはだかる

主人公、小鳩常悟郎は小佐内ゆきともに小市民を目指す高校生。推理もしない平穏な日常を望む彼らですが、鋭い洞察力によって日常の小さな謎と出会ってしまいます。

著者
米澤 穂信
出版日
2004-12-18

高校を舞台に、異なる謎に挑む小鳩と小山内の描いた連作短編集です。自身の推理を披露することに抵抗がある小鳩ですが、謎が目の前に現れ、巻き込まれていきます。無くなったポシェットを探したり、美術部卒業生の作品について考えたりと些細な出来事が小鳩の葛藤とともに大きく形を変えしまいます。

中でも「おいしいココアの作り方」は必見です。ココアを作ってもらったはずなのに、台所のシンクは乾いていました。どうやって作ったのか、そんな小さな謎からの推理合戦、そして真相と浮かび上がるキャラクターなど、非常に魅力的な作品です。

論理的な推理の中にドラマが潜む作品

 

鳴海理沙と矢代朋彦が配属されたのは、警視庁捜査第一課科学捜査係文書解読班。捜査資料の整理と分類ばかりしていた理沙ですが、文章から情報を引き出す文書捜査官でもあります。

杉並区で発見された、右手が切断された遺体……被害者の所持品はレシートに書かれたメモとアルファベットのカードだけでした。どこの誰かも分からない遺体に戸惑う捜査陣。そこで登場するのが自称文字フェチの鳴海です。

文書捜査官として残された文章を解読し、様々な情報を得た鳴海でしたが、彼女を待ち受けていたのは第二の殺人現場ともう一枚のアルファベットカードでした。

著者
麻見 和史
出版日
2017-01-25

 

ミステリーのジャンルとしては安楽椅子探偵モノに近いでしょうか。遺留品の解読というテーマは非常に地味で、アクション性もありません。

しかし、本作は安楽椅子探偵モノの欠点を見事に補っています。その要素が警察を主人公にした「警察24時」的な捜査過程の見せ方であり、ドラマやアニメを見ているかのような親しみやすいキャラクターです。

キャラクター作品でありながら、論理性を両立させている……そんな巧さが味わえる新しい1冊です。

刑事に見えない刑事の名推理

短編集「福家警部補」シリーズの第1作目となる本作は、『刑事コロンボ』をリスペクトした作品となっています。アリバイ崩しを主軸に、4編を収録しています。

小柄でおとなしい外見の福家警部補は、ショートヘアに眼鏡をかけ、「刑事には見えない」と言われることも多い彼女は、捜査に没頭すると寝食を忘れるため、周りからは「眠らずの魔女」と呼ばれています。オタク気質で幅広い知識を持ち、実はお酒にとてつもなく強いという一面も。ちなみに、彼女の下の名前は不明です。

著者
大倉 崇裕
出版日

売却されようとしているある私設図書館の館長・天宮祥子が、借金返済のために図書館を売却しようとする息子の宏久を排除しようとする「最後の一冊」。元・伝説の科警研職員といわれ、現在は大学講師をしている柳田にはある秘密が。それをネタに准教授の池内に脅迫され、彼を殺害することを決意する「オッカムの剃刀」などを収録しています。

「三浦真理子は床に倒れていた。仰向けになったまま、ぴくりとも動かない。 
河出みどりは、呆然と立ち尽くしていた。足元に落ちた、丸い文鎮。さっきまでテーブルの上にあったものだ。」 
(『福家警部補の挨拶』より引用)

淡々とした文章でテンポ良く情景が綴られ、最初から犯人が読者に明かされた状態で物語が進んでいきます。これは「倒叙形式」といわれ、最初に犯人が誰なのかを明示し、その人物の視点で物語が展開していく手法で、かの名作『刑事コロンボ』やテレビドラマ『古畑任三郎』などで使用されてきました。

見た目は地味すぎるほど地味、警官にも見えず、いつも現場に入るまでにひと悶着を起こしてしまう福家警部補ですが、その洞察力と推理力は一級品です。大倉崇裕はかなりのコロンボマニアで、自らそのノベライズも手掛けているほど。作中に漂うコロンボへのオマージュは、氏の愛を感じずにはいられません。

以上、傑作探偵小説を紹介しました。ミステリー好きなら抑えておくべき作品ですし、ミステリー初心者にもうってつけの作品です。ぜひ上記の作品を読んで名探偵の活躍に酔いしれてください。

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