大人になってから「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」と思う科目のトップ3は、英語、数学、そして日本史だそうです。ただの暗記ではなく、教養として知識を身につけられる、学び直しにおすすめの本を紹介していきます。
大手予備校のカリスマ講師が、まるで講義のような語り口で日本史を教えてくれる作品です。
古代から現在まで、ストーリー仕立てで読むことができます。
- 著者
- 野島博之
- 出版日
作者の野島博之は、駿台予備学校や東進ハイスクールで講師を歴任し、「日本史に野島あり」とまでいわれる人物です。
「原始・古代」「中世」「近世」「近代」「現代」と5章に分け、さらに作者独自の切り口でテーマを細分化。ひとつのテーマは2~3ページほどなので、興味のある部分だけ読んでもよいでしょう。
歴史上の出来事をただ暗記するのではなく、「なぜ起こったのか」に焦点を当てていて、時代背景や人物の関係性などを理解できるのがポイント。日本史を通史で手軽に学び直したい人におすすめの一冊です。
時の政権を握る天皇や将軍、総理大臣を主役に据えて、日本史をひとつの数珠繋ぎで解説した作品です。
文化史をあえて巻末にまとめ、流れを重視した構成。理解しづらいポイントも、言葉を尽くして解説してくれています。
- 著者
- 山﨑 圭一
- 出版日
作者の山崎圭一は、公立高校の教師として働きながら、YouTubeに社会科目の授業動画を公開しているYouTuberでもあります。動画は学生だけでなく、社会人や教育関係者からも絶賛。「神授業」として話題です。
学校で使われている教科書の問題点として、時代と時代をつなぐ説明がないことと、縦軸となる政治史が少ないことを指摘。本書ではその欠点を補う内容になっています。
また本文中に年号を書かないのもポイント。通史として日本史をとらえることを重視しているのです。社会人の学び直しはもちろん、学生にもおすすめ。本書で全体像を把握しておけば、細かい知識も身に付きやすいでしょう。
日本の学校では、日本史と世界史は別々の教科。本来そこにあるはずの関連性に、なかなか気づくことができません。
本書では、密接につながっていた世界と日本の経済活動を明らかにし、教科書を見るだけではわからなかったことを教えてくれます。
- 著者
- 茂木誠
- 出版日
駿台予備学校やインターネット配信のN予備校で、受験世界史を担当している茂木誠の作品。世界史が専門の作者だからこそ、日本史を多角的な視点で解説してくれています。
そもそも日本は、江戸時代に鎖国をするまで世界と関わりをもちながら、自主独立を保ってきました。なぜこの条例が制定されたのか、なぜこの事件が起こったのか……点と点が繋がれば、日本史をより楽しく感じられるはず。グローバル社会の現代だからこそ、読んでおきたい一冊です。
ビジネスパーソンに必要な「本物の教養」を身につけられる作品。
古代・中世・近世と、社会人が知っておきたい知識を学べるでしょう。
- 著者
- ["安藤 達朗", "山岸良二", "佐藤 優"]
- 出版日
作者は、駿台予備学校で日本史の講師を務めていた安藤達朗。監修は考古学者の山岸良二が担当しています。企画を担当した佐藤優は、安藤が手掛けた伝説といわれる参考書『大学への日本史』を30年間読み返してきたそう。本書は、その座右の書をを全面改訂し、最新情報とともに現代人向けに編集しました。
「世界のなかの日本」という一貫した視点で解説することで、個々の事象ではなく歴史の「動き」を理解することができるでしょう。もともと日本史に詳しい人が読んでも、新たな発見があるはずです。
また佐藤は、近現代の知識はある意味一般常識だが、古代、中世、近世で起きた出来事が現代でも形を変えてくり返しているといいます。ビジネスパーソンに必要なのは、ビジネスや社交の場において、他と差をつけられる教養を身につけること。本書の知識は、一生モノとして役立ってくれるでしょう。
ヤマト政権から昭和の前半までを、高校の教科書を引用しながら12の時代に分けて解説した作品です。
教科書は時系列で出来事を羅列した無味乾燥なものですが、本書はいわばその行間を埋めてくれるもの。物語性をもって日本史を語っていきます。
- 著者
- 道生, 野澤
- 出版日
作者の野澤道生は、高校で日本史を教える教師。自身が授業で用いる板書の解説をホームページ上で公開したところ、受験生や予備校講師なども閲覧する人気サイトとなった名物先生です。
とにかく文章が易しく、わかりやすいのが魅力的。身近なものと結びつけて解説してくれるので、難解といわれる土地制度や文化史もスムーズに理解できるでしょう。
学び直しはもちろん、学生時代に日本史を選択しなかった初心者にもおすすめ一冊です。
教科書に載っている偉人たちを、ヘタうまイラストとともに紹介する作品。子どもにも大好評です。
歴史上の人物はどこか遠い存在に感じるものですが、時にひどい失敗をしたり変な行動をとったりする「やばさ」を知ることで、彼らも普通の人間だったのだと親しみをもつことができるでしょう。
- 著者
- ["本郷 和人", "和田 ラヂヲ", "横山 了一", "滝乃 みわこ"]
- 出版日
監修の本郷和人は、東京大学史料編纂所の教授。日本中世史が専門です。独特のタッチのギャグ漫画で知られる和田ラヂヲと横山了一が、イラストやショート漫画を担当しています。
歴史上の偉人たちを軸にして、右ページに「すごい」ところ、左ページに「やばい」ところが書いてある構成。「すごい」ばかりの人なんていないと実感できるでしょう。見やすいカラーイラストで人物相関図もついているので、混乱しがちな部分も視覚で理解できます。
肩肘張らずに読めるので、日本史の学び直しをしたいけど学術書はハードルが高いと思っている人にぴったり。日本史を好きになり、明日職場で話せるネタも仕込める一冊です。