日本史は受験科目のなかでも覚えなければならない出来事や用語が多く登場します。 本記事では参考書選びのコツや日本史の勉強法について解説します。 受験する大学のレベルに合った参考書も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
日本史には「日本史A」と「日本史B」の2つがあります。まず、自分が受験する日本史科目はどちらなのかを把握しましょう。
日本史Aは近現代史を中心に、日本史Bは古代から現代までの幅広い分野を勉強することになります。
ほとんどの大学が日本史Bを受験科目としていますが、念のため自分が受験する大学の科目を調べておきましょう。そのうえで自分が勉強する科目の参考書を選んでください。
日本史は覚えるべき史実、用語などが膨大にあります。
そのため文字だけの参考書よりも、年表や地図、イラストが掲載されている方が頭に入りやすく、また理解もしやすいです。これらは日本史を楽しみながら勉強するのにも向いています。いくつか見比べて、自分が覚えやすいと思う参考書を選ぶようにしましょう。
歴史の用語や出来事は、最新の研究で表現の仕方が改訂されることがあります。
古い参考書だと用語などが改訂されていない可能性があるので、参考書はできるだけ最新のものを選びましょう。
まずは参考書を利用して日本史の流れを理解します。
特に日本史が苦手という方はいきなり無理に用語や年号を覚えようとせず、大まかな歴史の流れを理解しましょう。
日本史が苦手でない方は、この段階から用語や年号を覚えながら読むのもよいでしょう。
参考書で日本史の流れを理解したら、用語・年号の暗記に取り掛かりましょう。
流れを理解したうえで暗記に取り掛かると、1本の歴史の軸が頭に入っているため非常にスムーズに暗記できます。
軸に用語・年号の知識をくっつけるイメージで学習を進めましょう。一問一答形式の参考書を使って毎日取り組むのもおすすめです。
暗記に自信がついてきたら文化史の勉強にも取り掛かりましょう。文化史は日本史の試験で頻出されるため、対策は必須です。
文化史も歴史の流れを把握してから取り組むことをおすすめします。時代背景を知ったうえで学ぶことで、理解が深まるはずです。
ある程度知識がついたら過去問を解きましょう。
インプットした知識はアウトプットできなければ意味がありません。過去問を含め、問題集を活用してたくさん問題を解いてください。
そうすることで、理解が足りない部分や苦手なポイントを見つけやすくなります。
日本史に苦手意識がある方は、いきなり参考書や問題集に手をつけるよりも、まずがマンガなどでざっくりと歴史の全体像を掴むことをおすすめします。
読み進めるだけで歴史の流れを把握できることが大きな特徴です。全体像はマンガで、詳細な部分は参考書で理解を深めれば、効率よく日本史を学ぶことができるでしょう。
- 著者
- ["石川晶康", "プロダクション I.G 西尾鉄也"]
- 出版日
「こんな参考書見たことない!」がキャッチコピーの日本史参考書です。
日本史の流れを1つの軸として学べる内容になっており、先生と4人の生徒の会話方式で話が進みます。
日本史の基礎が学べるため、受験勉強の最初の一冊としておすすめです。また、歴史上の主要人物15人がイラスト化されており、マンガのように気楽に読むことができます。日本史の入門書として読んでみてはいかがでしょうか。
- 著者
- ["東京大学受験日本史研究会", "藍, 及川", "鷹哉, 鷲野"]
- 出版日
こちらは古代~近世の歴史をマンガで学べる参考書です。全8章、339ページです。
重要用語や歴史の流れを掴みながら、日本史の基礎を学ぶことができます。これから日本史の受験勉強をはじめようとしている方におすすめです。
教科書と違い、視覚的に理解しやすい点が特徴です。マンガを読んでるだけで日本史の流れが頭に入ってくるので、まずは気軽に勉強したい方におすすめです。
- 著者
- 金谷 俊一郎
- 出版日
こちらは日本史のカリスマ講師、金谷俊一郎の講義をマンガとして描いた参考書です。日本史全体の流れを説明し、そのうえで日本史の正しい勉強法について解説しています。
基礎がメインとなっているので、これから日本史の勉強をはじめたい方、復習をしたい方におすすめです。
絵が上手でマンガとしてのクオリティも高く、楽しく読みながら学習できます。
- 著者
- 山本 博文
- 出版日
大人気「角川まんが学習」シリーズの近現代史をテーマとした参考書です。第一次世界大戦から平成までの歴史をマンガ形式で学ぶことができます。
こちらは近現代史を取り扱った参考書のため、日本史Aの受験生向けです。このシリーズは小学生にも読めるようなわかりやすさで作られており、近代史の入門書としておすすめです。
ここでは一般レベルの大学~MARCHレベルの受験勉強に活用できるおすすめの参考書を紹介します。
- 著者
- 石川 晶康
- 出版日
日本史全体の学習ポイントと時代別のイメージについて解説しています。試験対策用に作られており、基本知識から試験に必要な知識まで網羅できます。
多くの受験生が苦手とする経済史と文化史も詳しく解説されており、試験での得点につながる一冊です。
基礎的な日本史の流れを理解していなければ難しく感じる部分もあるため、これから日本史の勉強をはじめる方よりも、日本史の流れを掴み終えて本格的に試験対策をしたい方向けです。
- 著者
- 鈴木 和裕
- 出版日
日本史の入試問題で頻出の用語を網羅しています。160ページとコンパクトなボリュームながら約3000語を掲載しており、一冊やりきることで濃いインプットが可能です。
付属の赤フィルターを使いながら、左ページの表中の赤文字、右ページの「重要用語チェック」、文章中の赤文字、この3ステップで覚えていきます。
過去問や問題集に取り掛かる前のインプットがしたい方におすすめです。
- 著者
- 金谷 俊一郎
- 出版日
著者は先述した東進ハイスクールのカリスマ講師、金谷俊一郎です。上・下巻の2冊展開で、合計440ページです。
各章、「表解」「講義」「過去問」の構成で作られており、知識と時代がセットで覚えられるように工夫されています。表解で時代の全体像を、講義で時代の流れを、過去問でそれらをきちんと理解できているかをチェックできます。
まずは日本史の流れを掴みたい方、本格的に受験勉強がしたい方、どちらにもおすすめです。
- 著者
- 金谷 俊一郎
- 出版日
こちらは一問一答形式でNo.1の売上を誇る参考書です。おなじみの金谷俊一郎が作成しています。
大学入試での頻出度順に用語が★1〜3でランク付けされ、どの用語が特に出題されやすいかが一目でわかります。
最も出題されやすい★3の用語を押さえるだけでも点数をグンと伸ばすことができるでしょう。大学入試の用語対策をしたい方におすすめです。
- 著者
- 塩田 一元
- 出版日
歴史の流れに沿って実際に自分で書きこみながら勉強していく参考書です。教科書の記述に合わせて自分で穴埋め問題を解き、用語や日本史の流れを学ぶことができます。
重要用語などを書きながら覚えていくため、本を読んでいると眠くなったり退屈する方など、集中力に自信がない方におすすめです。
基礎的な問題も多いため、これから受験勉強をはじめる方でも取り組みやすい一冊です。
ここからは早稲田大学や慶應義塾大学を受験される方におすすめの参考書を紹介します。
一般大学よりもハイレベルな問題が出題されるので、対策をしっかりおこないましょう。両大学に使える参考書はもちろん、早稲田大学と慶應義塾大学それぞれに特化した日本史の参考書も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 石川 晶康
- 出版日
難関大学受験者からの評価が高いベストセラー参考書です。著者の講義が聴けるCDが付属されています。
日本史の基礎を把握していないとわかりづらい内容が多いため、いきなり本書を買うのではなく、入門レベルの参考書を読んでから活用することをおすすめします。
また、長期学習を前提としているため、大学受験間近に本書をつかうことはおすすめできません。大学受験対策に向けて高校1〜2年生の時から取り組むのが最適です。
- 著者
- 早稲田大学入試問題研究会
- 出版日
早稲田大学入試に重点を置いた問題集です。日本史が受験科目にある学部の入試問題の特徴や傾向を解説しています。
学部ごとに解説しているため、ほかの教科に時間を充てたい場合は志望学部の項目だけ勉強するといった使い方もできます。
早稲田大学を志望している方はほかの参考書で勉強したあと、仕上げとして本書を使ってみてください。
- 著者
- 慶應義塾大学入試問題研究会
- 出版日
こちらは先程紹介した問題集の慶應義塾大学版です。こちらも早稲田大学版と同じように学部ごとに問題の特徴や傾向を紹介しています。慶應義塾大学を志望する方はぜひ入手してください。
ほかの参考書でインプットしたあとに自身が志望する学部の問題に取り組むことで、本番をイメージしながら対策できます。合格を目指して、ぜひ取り組んでみてください。
- 著者
- 石川 晶康
- 出版日
国公立二次試験・最難関大学の入試問題を掲載している問題集です。全83問が収録され、難関大学で出題されるハイレベルな問題にたくさん触れることができます。
合否の分かれ目となる重要な問題が多く含まれているため、本書に取り組んでライバルに差をつけましょう。
難関大学を目指し、よりレベルの高い問題を解きたい方におすすめです。
- 著者
- Z会出版編集部
- 出版日
標準レベルの頻出問題を掲載した問題集です。問題を解いたあとはそれぞれの知識がつながり、日本史の理解が深まります。
問題編と解答編に分かれており、問題編で解いた問題を解答編でチェックします。解答編の解説がとてもわかりやすく作られており、間違った問題の復習がはかどります。
本書は標準レベルの問題をあつかっているため、レベルの高い問題を集めた問題集と併用することをおすすめします。
- 著者
- ["佐藤四郎", "舩倉淳", "タイマタカシ"]
- 出版日
通史の全範囲を網羅した問題集です。過去問とオリジナル問題がうまく組み合わせられており、文化史やテーマ史の対策もできる一冊です。
基礎固めから難関大学受験対策まで幅広い用途に対応した内容で、自分のレベルに合った問題に取り組むことができます。
たくさんの良問に触れられるため、力をつけたい方におすすめです。
ここでは東大受験に役立つおすすめの日本史参考書を紹介します。しっかりと対策して、合格を目指しましょう。
- 著者
- 石川晶康
- 出版日
こちらは国公立二次・難関大で実際に出題された入試問題が収録された問題集です。本書の特徴はなんといっても「精講」です。
精講とは、ほかの難題にも対応できるようになる知識を、解説とは別でまとめているものです。それぞれの問題ごとに解説と精講が掲載されており、その他の難題にも対応できる実力が身につきます。
これからさらにスキルアップしたい方、幅広い難題に対応できる力を身につけたい方におすすめです。
- 著者
- 笹山晴生 佐藤信 五味文彦
- 出版日
文部科学省検定済教科書としてもあつかわれている参考書です。日本史が詳しく掲載されており、図や年表などの資料も豊富で、日本史の全容がわかる内容になっています。
教科書として採用されていることもあり、全体的によくまとまっています。ほかの教科書を使っている方が復習のために参考書としても使うのもおすすめです。
- 著者
- ["野島 博之", "井之上 勇"]
- 出版日
こちらは東大の過去問を時代別に収録した問題集です。また、東大の過去問とは別にそれと同等のハイレベルな問題も収録されています。
本書の特徴として解答の質の高さがあります。「どのように思考し、どのように解くのか」を解説しており、入試本番で難題に対応するための力が身につきます。東大志望者はぜひこの問題集に取り組んでみてください。
- 著者
- 福井 紳一
- 出版日
こちらは日本史の論述問題を集めた問題集です。東大向けの論述問題を分析し、解法を収録しています。かなりレベルの高い問題集で、東大を志望する受験生でも難しいと感じる内容です。
そのため、いきなり本書を解きはじめるのではなく、論述問題の参考書を何冊か読んだうえで取り掛かることをおすすめします。
東大の論述問題対策に力を入れたい方に、ぜひ挑戦していただきたい一冊です。
- 著者
- ["晶康, 石川", "弘, 桑山", "正弘, 溝田", "一郎, 神原"]
- 出版日
こちらも日本史の論述問題集です。東大受験対策もできるレベルの高い問題でありながら、はじめて論述問題に取り組む方にも理解しやすいよう、分かりやすい解説がされています。
論述問題の考え方や解き方を具体的に示しているため、これから論述問題対策をはじめる方の最初の一冊としてもおすすめです。
東大志望の方はもちろん、論述問題がある大学を志望する方は、ぜひ手に取ってみてください。
今回は日本史の参考書選びのコツと勉強法について紹介しました。本記事の内容をまとめると下記になります。
▼参考書の選び方のコツ
・自分が受験する日本史の種類を調べる
・イラスト付きなどのわかりやすいものを選ぶ
・なるべく最新の参考書を選ぶ
▼日本史の勉強法
・日本史の流れを理解する
・用語、年号を暗記する
・文化史を覚える
・過去問を解く
日本史は暗記が多くて大変ですが、歴史の流れを理解しておけばそこまで難しいものではありません。
そのためにも参考書は欠かせませんので、自分に合ったものを見つけましょう。今回の記事では、日本史が苦手な方から東大志望者までそれぞれにおすすめの参考書を紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事が受験生の皆様のお役に立てば幸いです。