「将来大学受験を控えているのですが、世界史をどう勉強していいかわかりません。そこで、世界史のおすすめの参考書や勉強法などを知りたいです。」 今回はそんな疑問にお答えします。本記事では大学受験で世界史を選択する高校生に向けて、役立つ情報を紹介しています。記事を読んだあとは買うべき参考書が理解でき、すぐに学習を始められるでしょう。
まずは「歴史の流れがわかる参考書」を選ぶようにしましょう。
なぜなら歴史の全体像を先に把握していなければ、イメージが湧きづらいからです。流れのわかる参考書に関しては、後述する「おすすめの参考書」にて紹介します。
世界史の流れを知ったあとは本格的に歴史用語の暗記に取り組みましょう。
具体的には、一問一答形式や講義形式の参考書を選ぶといいでしょう。
世界史においては、出版日が新しいものや情報が更新されている参考書を選ぶことが重要です。
なぜなら世界史のような暗記科目では「情報の鮮度」が大切だからです。
世界史の試験範囲や、用語は時間とともに変化していく場合が多く、古い参考書を使っていては対応できなくなる恐れがあります。
新しい参考書を選べば、最新の試験問題にもしっかり対応できます。何版もある人気の参考書では、最新版を選ぶように注意しましょう。
国公立大学や難関私立大学の試験では「論述問題」もよく出題されます。
論述問題は、問われている内容を理解し、答えを文章にする力が求められるため、独自の対策が必要です。論述に最適な参考書も、のちほど紹介します。
先述した通り、はじめは「世界史の流れ」を理解することをおすすめします。
世界史は暗記科目でもあり、まずは歴史の大まかな流れをつかむことで、そのあとの学習がスムーズになりす。
また歴史の流れを知っておくことで、時系列の問題が出題されたとき、具体的な年号を覚えていなくても解ける可能性が高まります。
最初は細かいことを覚えなくても問題ありません。まずは大枠を捉えましょう。
世界史の大枠を掴んだら、細かい用語の暗記に取り掛かりましょう。
用語は目視だけではなく、音読しながら覚えることをおすすめします。
音読では「目で見る」「話す」「耳から情報が入る」というように体全体を使うので、記憶が定着しやすいと言われています。
知識をしっかりインプットしたら、すぐに問題演習を解いてみましょう。
マークシート形式の問題集と一問一答形式の問題集、どちらでも問題ありません。とにかく「蓄えた知識を正しく実践で引き出せるか」を確認することが大切です。
問題を解いて答え合わせをする際に必ずおこなってほしいのが「誤った選択肢のどこが間違っているか」を確認することです。
間違っている部分を細かく調べながら関連事項も理解することで、1つの問題からたくさんの知識を習得でき、学習効果が高まります。
問題を1回解いただけではあまり記憶には残りません。英単語同様、反復して学習することで記憶が定着していきます。
「問題を解く→2週間後に復習する」くらいのサイクルで、根気強く確認していきましょう。
ここでは高校1年生から2年生におすすめの参考書を紹介します。
受験対策をするうえで高校1〜2年生で習う知識は欠かせません。世界史の勉強をこれから始める方はもちろん、基礎をしっかりと学び直したい方にもぴったりです。ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 山﨑 圭一
- 出版日
- 2018-08-18
「現役高校教師」兼「教育系ユーチューバー」でもある著者が手がけた一冊です。
本書には以下の特徴があります。
①年号が登場しない
全ての歴史を始まりから数珠繋ぎで解説し、世界史の流れがシンプルに理解できるようになっています。
②主語をできるだけ固定している
主語の変化を最低限に留め、教科書特有の「どの人物や国の話をしているのかが途中でわからなくなる」といった事態をなくす工夫がされています。
③地図や図解の掲載が豊富
文字だけの参考書だとなかなかイメージが湧きづらいものですが、本書は図解が豊富で、世界史をはじめて学習する方にもおすすめです。
- 著者
- 宮崎 正勝
- 出版日
中高6年間で学ぶ膨大な世界史の範囲・知識がまとめられた一冊です。見開きのページ構成で、左側では歴史の流れを説明し、右側では「30秒」で理解できるよう図を用いて解説しています。
文章での説明とわかりやすい図解がセットになっており、1見開きごとにしっかり理解しながら学習を進めることができます。
20章ある各章の冒頭には、その時代がひと目でわかる地図や概念図も掲載されており、まずはざっくりと世界史の流れをつかみたい方にもおすすめです。
- 著者
- 旺文社
- 出版日
こちらも世界史の大枠を理解しやすい参考書です。用語や出来事を細かくかみ砕き、わかりやすく解説しています。オールカラーで見やすい点にも定評があります。
タイトル通り、教科書よりもわかりやすい解説とレイアウトを意識しており、気軽に手に取れる一冊です。これから世界史を学びたい方、世界史に苦手意識がある方に最適です。
- 著者
- ["滝乃 みわこ", "本村 凌二", "和田ラヂヲ", "亀"]
- 出版日
各時代に活躍した人物をピックアップして紹介しています。時代ごとの主要人物や偉人の「すごい一面・やばい一面」がユニークな絵で表現されており、楽しみながら学習できます。
「勉強している」という感覚ではなく、シンプルに世界史を楽しむきっかけを与えてくれる一冊です。受験対策としてだけではなく、幅広い世代の趣味娯楽としてもおすすめです。
- 著者
- 宇山 卓栄
- 出版日
「そもそもなぜ歴史を学ぶ必要があるのか?」という本質から解説している参考書です。
「世界史で起こった事件はなぜ起こったかのか?」など、舞台背景を丁寧に説明し、「なぜ?」を徹底的に追究しています。
詳しく説明しながらも、読みやすさを意識して専門用語は極力省いています。
これから世界史を履修する方は、この参考書を併用することで授業の理解度が高まるでしょう。
- 著者
- 帝国書院編集部
- 出版日
本書は俗にいう「資料集」です。そのため教科書や参考書の副読本としても最適です。
メインで使っている教科書や参考書で気になる点がある際、本書で確認をおこなうと理解がより深まります。
世界史の試験では地図や絵を見て答える問題が頻繁に出題されます。資料集は図の掲載が多く、その図がそのまま試験に出る場合もあります。
世界史で確実に得点したい方は、目を通しておいて損はないでしょう。
ここからは、2021年より実施される「大学入学共通テスト」や大学受験全般に対応した世界史の参考書を紹介します。
大学入学共通テストでは、「思考力・判断力・表現力」が問われます。暗記するだけでは得点につながりにくくなるので、基礎をしっかりと身に付けておく必要があります。
ここで紹介する参考書は、基礎対策に加えて「思考力・判断力・表現力」の向上に最適です。世界史の受験対策に持っておいて損はないので、ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 鈴木 敏彦
- 出版日
国公立大・私大入試の両方に対応できる王道の参考書です。入試に必要な世界史の知識が講義形式で掲載されています。
受験で点を取るための「丸暗記テキスト」ではなく、世界史の流れや因果関係もしっかり説明しています。
また本書は、定番の教科書でもある『詳説 世界史B』を扱う山川出版社から出版されている参考書で、教科書をより分かりやすくしている中身が特徴です。
世界史の流れを確認し終わり、本格的な知識のインプットに取り組みたい方におすすめです。
- 著者
- 斎藤整
- 出版日
もともと東進ブックスから出版されていましたが、この度学研からリニューアルされました。
東進のころと比べるとレイアウトが見やすくなり、収録されている用語数も増加。さらに学習をサポートする無料アプリも利用できます。
問題は「必修レベル」「国公立・中堅私大レベル」「難関私大レベル」が用意され、自身の志望校に合わせた対策がしやすいことも特徴です。
本書はインプットするための参考書ではなく、問題をゴリゴリ解いていくアウトプット本。知識の定着がある程度できている方におすすめです。
- 著者
- 斎藤整
- 出版日
先ほど紹介した『斎藤の世界史B 一問一答』と同じ著者が出している参考書です。
世界史にはタテの「世界史の流れの学習」と、ヨコの「同時代に他国ではどのようなことが起きていたか、どんなつながりがあったかの学習」があります。
本書では時代ごとの出来事について、世界の状況を踏まえて解説しています。世界史は単なる暗記だけでは解けない問題が多く、各国とどのようなつながりがあったかを理解していないと得点できません。
「用語を覚えたものの、単語や出来事がつながらない」「各国のつながりを意識した論述対策をしたい」という方におすすめです。
- 著者
- 平尾 雅規
- 出版日
効率よく高得点が取れるよう、重要な頻出部分がうまくまとめられています。
知識を詰め込むだけの参考書ではなく、用語の周辺情報もしっかり解説しており、ヨコのつながりも理解することができます。
見開きページで、左側は文章での解説、右側は図表での解説というレイアウトです。見やすく学習しやすいため、共通テストの学習を始めたばかりの方におすすめの一冊です。
- 著者
- 佐藤幸夫
- 出版日
「センター」というタイトルではあるものの、MARCHや関関同立レベルまで対応しています。世界史の流れが一冊にまとまっている講義形式の参考書です。
解説が堅苦しくない口語調でされており、内容が頭に入ってきやすいことも特徴です。また、全ページオールカラーで写真やイラストが豊富なため、図が用いられる問題の対策にもおすすめです。
- 著者
- 佐藤幸夫
- 出版日
シリーズ累計300万部を突破した、共通テスト対策シリーズの世界史参考書です。
以前より好評のわかりやすい解説はそのままに、大学入学共通テストに対応できる要素が追加されています。
本書の特徴は、覚えづらい世界史の事項を広く浅く、つながりを重視して説明しているところです。講義を聴くようにスラスラと読み進めることができるでしょう。
ここからは早稲田大学や慶應義塾大学などの難関大学受験に対応した参考書を紹介します。
このレベルになると基礎はもちろん、応用力も求められるので単なる暗記だけでは通用しません。基礎学力に加え、思考力や表現力も鍛えていきましょう。
- 著者
- Z会出版編集部
- 出版日
難関大学の世界史対策では王道の参考書です。早稲田・慶応レベルの入試になると単語の詰め込み、流れの丸暗記だけでは太刀打ちできません。
一般的に難関大学の世界史の問題は、「いろいろな国の政治・文化が絡んだ論述問題」「人物の動きが複雑に絡み合った説明問題」「ニッチな単語を答える問題」など、難易度の高いものが多くなります。
本書では難関大学対策として、レベルの高い問題を揃えています。歴史の流れや用語をある程度理解している難関大学志望の方に活用いただきたい一冊です。
- 著者
- 青木 裕司
- 出版日
ロングセラーの世界史参考書が改訂され、これまで別巻だった文化史が各巻に振り分けられました。
予備校講師が監修しており、難関大学レベルの用語まで丁寧に解説されているのが特徴です。また、講師によるアウトラインに沿った講義を聴くことができるCDも付いています。
- 著者
- 松永 陽子
- 出版日
本書では、「ニッチな知識を必要とする問題」「さまざまな知識を絡ませて解く問題」が豊富に用意されています。
早慶で頻出のテーマ史対策にもぴったりです。実際に出題された入試問題が掲載されているため、「生きた問題」でアウトプットができ、足りない知識の補強や弱点の再確認にも役立ちます。
タイトルには「標準」と書いてありますが、MARCH以上を目指す方は持っておきたい参考書です。
- 著者
- 茨木 智志
- 出版日
王道の論述問題集です。難関国公立、早慶レベルの受験生を対象にしています。
「論述だから答え合わせはどうなるのだろう?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それについての心配はいりません。
論述問題で問われている出来事を詳しくまとめている箇所があり、添削者がいなくてもどのように解答すべきなのかが理解できるようになっています。
論述で頻繁に問われる問題が豊富に盛り込まれており、一冊仕上げると得点力向上を感じるはずです。世界史の流れや知識の習得が終わり、論述試験対策を本格的におこないたい方は、ぜひ取り組んでみてください。
- 著者
- 神余 秀樹
- 出版日
世界史のなかでも特に「文化史」にフォーカスした参考書です。
文化史は教科書でも情報が少なく、機械的な暗記になりがちです。本書では文化史を1つの軸にして、地域や政治の背景などを解説しています。
また論述問題で文化史を問われた際には、文化の背景知識をもっていることで対応することができます。
共通テストレベルであれば本書は不要ですが、早慶などの難関大学を志望している方は取り組んでおくべき一冊です。
ここからは東大受験におすすめの世界史参考書を紹介します。
難問への対策を重視した参考書をメインに紹介するので、東大志望の方はもちろん、難関大学を志望の方もぜひチェックしてみてください。
- 著者
- Z会出版編集部
- 出版日
難関大学の論述対策ができる参考書です。最大の特徴は「論述問題を段階的に学習できる」という点です。
はじめは50字程度の論述から始まり、徐々に300字以上の問題へとステップアップしていきます。
「解答例」が記載されており、「論述問題のポイント」「解答作成までに至る経緯」を詳しく解説しています。採点ポイントが細かく載っているので自己採点もしやすいのが特徴です。
難関大学の論述対策をはじめたい方におすすめです。
- 著者
- ["斎藤 善之", "出口 敬智", "大谷 和正"]
- 出版日
本書は国別・地域別の歴史、タテの流れが理解できるようにつくられています。
世界史の流れを理解したい方に最適な一冊でありあがら、難関大学の試験で出題されるニッチな用語にもしっかり対応しています。
暗記系科目の参考書は赤シートでの暗記が多いですが、本書は重要語句を空欄に埋めていくスタイルの参考書です。難関大志望、かつ流れを細かく覚えたい方におすすめです。
- 著者
- 今泉 博
- 出版日
山川出版社の『詳説 世界史B』に出てくる用語を一問一答形式で解いていく問題集です。
一問一答ではあるものの比較的難易度が高く、東大や京大などの難関大学志望者を想定した内容です。
1つ1つの用語がしっかり解説されており、用語集としても使えます。教科書では説明しきれない因果関係や時代背景など、ヨコのつながりを確認することもできます。
- 著者
- ["靖二, 木村", "美緒, 岸本", "久男, 小松"]
- 出版日
教科書の内容を深く掘り下げて解説している一冊です。
おすすめの使い方は、問題演習や模試で間違った部分を、本書で細かく確認することです。
参考書よりもさらに詳しい解説がされており、参考書や教科書にプラスして使うことで一層知識が深まります。
難関大学の試験対策強化に最適で、特に数百字にも及ぶ論述問題が出題される難関大学を志望する方は、ぜひ持っておいてください。
- 著者
- 沼田英之
- 出版日
志望大学のレベルに応じた問題が掲載されています。
東大などの難関大学レベルの問題も多数掲載され、直近の各大学の入試傾向をしっかり抑えながら対策できます。
しっかりと受験準備をし、自信をもって本番に臨めるよう後押ししてくれる一冊です。
いかがでしたか。
本記事では本格的に世界史を学習したい受験生に向けて
・世界史参考書の選び方
・世界史の勉強法
・志望大学レベルに応じて使うべき参考書
の3つをポイントに紹介しました。本記事で紹介した参考書はどれも素晴らしく、受験生から圧倒的な支持を得ているものばかりです。
大学受験は参考書選びで合否が分かれるといっても過言ではありません。ぜひとも自分に合った参考書を選び、合格をつかみ取っていただけたらと思います。本記事が少しでも受験生であるあなたのお役に立てば幸いです。