参考書は大学受験にとって必須アイテムです。しかし、ひと口に参考書といっても数が多く「どんな参考書を選べばよいのかわからない」という方もいると思います。 この記事では、自分に合った参考書の選び方や使い方を解説します。また、教科別におすすめの参考書を紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
参考書は「わかりやすさ」が大切です。わかりやすさを具体的にいうと、以下の3つに分けられます。
・見やすさ
・読みやすさ
・解説の丁寧さ
参考書を選ぶ際はこの3つのポイントを意識しましょう。おすすめはオールカラー・イラスト付きの参考書です。
文字が大きめのものや、なかにはマンガ風の参考書もあり、楽しく学ぶことができます。
オールカラー・イラスト付きの参考書ではない場合も、「見やすさ」「読みやすさ」「解説の丁寧さ」を意識して参考書を選ぶようにしましょう。
参考書には基礎を重視するインプット系と応用を重視するアウトプット系があります。いまの自分に必要な参考書はどちらかをきちんと把握し、自分に合った参考書を選んでください。
インプット系は知識や理解を深めるための基礎的な参考書です。アウトプット系は身につけた知識を使って問題を解いていく実践的な参考書です。
基礎がある程度できているという方はアウトプット、これから本格的に受験勉強を始めるという方は基礎を学ぶためにインプット系を選ぶとよいでしょう。
応用の参考書を買うのは基礎をしっかり身につけてからにしましょう。
基礎ができていない状態では、応用問題を解くことはほとんどできません。さらに問題の理解にも時間がかかります。これでは勉強効率も下がってしまう一方です。
また、解けないものに時間をかけてしまい、自信を無くしてしまう恐れもあります。
そのため、応用系の参考書を買うのは必ず基礎を身につけてからにしましょう。インプットあってのアウトプットです。焦らずに基礎から積み上げていけば、応用編の問題も解けるようになります。
参考書の買い過ぎには気を付けてください。参考書にはたくさんの種類があり、これもいいあれもいいと、ついつい買ってしまうかもしれません。
しかし、いろいろな参考書に取り組んでいると集中力が分散してしまい、逆に知識が定着しません。
こういった事態を避けるためにも各教科1冊に絞り、まずはそれを徹底的にやり込むようにしましょう。英語や国語のように分野が多く1冊に絞れない教科は、各分野につき1冊持つようにすれば大丈夫です。
すでに参考書を買い過ぎてしまった、または学校で配られた参考書が余っているという方もいると思います。その場合は2冊目をサブの参考書として活用するとよいでしょう。
メインにしている参考書では補えない部分をサブの参考書で補うのです。たとえばメインの参考書が応用編の問題集ならば、サブに基礎知識を網羅したインプット系の参考書を用意します。
メインの応用編でわからないことがあったり、基礎を見直したい時にサブの参考書で見直すことができます。
参考書の解いたページや間違えた問題に印を付けましょう。1回だけでなく、何度も印を付けてください。そうすることで自分がその問題を何回解いたかを確認できます。
解いた回数がわかるとその問題に対しての自信がつき、かなりの数をこなせばその問題はそれ以上繰り返す必要がなくなります。
そのぶん間違えた問題に取り組みましょう。間違えた箇所にもそれが分かるように印をつけておくと、自分がどんな問題に弱いのかを把握できます。
何回も間違えている問題が自分の弱点です。印を付けることで、得意な問題か不得意な問題かを視覚的に把握できるようになります。
メインの参考書に載っていない情報はどんどん書き足していきましょう。
参考書を1冊に絞っていると、必ずほかの参考書や問題集に載っていない情報があります。そういった情報を見つけた時は自分の参考書をチェックしましょう。
もし載っていたなら自分の勉強不足としてマーカーを引き、載っていなければその情報を書き足します。
書き足すことで自分自身の復習にもつながります。ぜひあなただけのオリジナルの参考書を作ってみてください。
参考書で勉強するうえで大事なのは目標を明確化することです。どんな風に勉強すればこの参考書をマスターしたといえるかを考え、その実現を目標にしましょう。
たとえば「参考書の問題すべてを解けるようになるまで取り組む」などです。ただ闇雲に参考書に取り組むだけではあまり意味はありません。
受験勉強そのものにもいえることですが、目標を持たずにやっていると勉強をやった気になるだけで効果は見込めません。しっかりと目指すべき目標を決め、参考書を活用しましょう。
ここからは大学受験で役立つ英語の参考書を紹介します。
英単語や英文、リスニングが学べる参考書をそれぞれ紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 風早 寛
- 出版日
根強い人気を誇る速読シリーズの英単語参考書です。
この参考書は英文を読むことを通じて英単語を学習する方式をとっており、英単語だけでなく英文読解力も身につきます。
単語とその意味を文脈と合わせて記憶するため、覚えやすくかつ忘れにくくなります。
- 著者
- 関 正生
- 出版日
こちらは英文法の問題集です。全国の入試問題を収録しており、自分の志望レベルに合った問題に取り組むことができます。
頻出パターンの分析や手厚い解説がされており、大学受験対策としてしっかり英文法を学習したい方に最適です。
- 著者
- 教学社編集部
- 出版日
こちらは英語のリスニング対策に最適な参考書です。大学入学共通テスト対策問題と本書オリジナル問題を収録しており、実践的な問題に取り組むことができます。
音源の再生スピードは自由に変更できるため、自分に合ったスピードで音源を聴くことができます。リスニング対策をしたい方は1冊持っておいて損はないでしょう。
- 著者
- 関 正生
- 出版日
オンライン講義「スタディサプリ」で人気を誇る講師・関正生が2つのプレテストを分析し、解説しています。
出題傾向やどのような対策が必要かをしっかり教えてくれるため、これから大学受験の勉強を始める方におすすめです。
- 著者
- 安河内 哲也
- 出版日
英語長文対策用の問題集です。読解に必要な力が身につく12の英文が収録されています。
速読トレーニングもできるため、英文を読む総合力が欲しい方にもおすすめです。
ここでは化学の参考書や問題集を紹介します。
基礎レベルから応用レベル、問題を兼ね備えたものまで、バリエーションに富んだ本を紹介するので、化学の参考書を探している方はぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 橋爪 健作
- 出版日
大学入試に出る用語問題から計算問題までを網羅している問題集です。この1冊で、大学入学共通テスト、国公立大、私立大の入試対策ができます。
基礎から応用力まで短期間で身につけられる優れた1冊で、化学の入試問題をたくさん解きたい方におすすめです。
- 著者
- 数研出版編集部
- 出版日
化学基礎・化学を総合的に学習できる実践的な問題集です。要項と問題で分かれており、問題はさらにA・Bの二段階に分けられています。
本書は毎年更新され、その年に流行した問題など良問が多く掲載されます。よりタイムリーな問題に取り組みたい方におすすめです。
- 著者
- 卜部 吉庸
- 出版日
難関大学突破のバイブルといわれる参考書で、832ページのボリュームがあります。
教科書や問題集に載っていない内容も収録されており、化学の辞書として使うことも可能です。化学を勉強するうえでとても心強い1冊です。
- 著者
- 淳一郎, 竹田
- 出版日
高校で学ぶ化学の基礎を解説した参考集です。高校化学の内容を網羅しているため、これから化学の受験勉強を始める方におすすめです。
また、化学の復習をしたい方がサブの参考書として活用するのもよいでしょう。
- 著者
- 橋爪 健作
- 出版日
化学の基礎を授業のように解説した本書は、化学が苦手な人にぜひ手に取っていただきたい1冊です。
解説がとても丁寧なため、化学が苦手な人でも理解できます。もちろん、これから化学の受験勉強を始めるという方にもおすすめです。
ここでは高校数学I・AとII・Bを学べる参考書・問題集を紹介します。
基礎はもちろん、難関大学向けの参考書まで、これさえあれば間違いないという本を厳選して紹介します。数学に不安がある方も必見です。
- 著者
- 広瀬 和之
- 出版日
こちらは受験生向けの問題集です。正しい計算法を身につけて得点が取れるよう、コツを伝授しています。
正しい計算法と比較した下手な計算法も紹介しており、そちらも参考になります。実力をグンと伸ばしたい方におすすめです。
- 著者
- ["米村 明芳", "杉山 義明"]
- 出版日
やや難しいレベルの問題を44問収録している問題集です。入試で合否を分ける問題を厳選しており、数学を得点源にしたい方におすすめです。
わからない問題はしっかり解説を見て、本番で正解できるようになるまで学習しましょう。
- 著者
- 小杉拓也
- 出版日
高校数学を基礎から解説している参考書です。教科書には載っていない解き方やコツも紹介しているため、周りと差をつけることができます。
1つ1つの用語の解説も丁寧で、数学が苦手な方や初学者にもおすすめです。
- 著者
- 箕輪 浩嗣
- 出版日
こちらは難関大学志望者向けの参考書です。重要な問題やテーマを厳選し収録しています。
試験本番で使えるテクニックや解法を学べますが、かなりレベルが高いため、志望大学の数学レベルを確認してから購入することをおすすめします。
- 著者
- ["雲 幸一郎", "森 茂樹"]
- 出版日
「実験する」「論理を使う」「活かす」「設定する」「自然流、逆手流」「評価する」「視覚化する」「見方を変える」「何に着目するか」の9つのテーマから構成された参考書です。講義篇で、そのテーマでマスターすべき数学的な考え方や手法を解説しており、演習篇で入試問題を解きながらそれらを定着させていきます。
出題される問題はどれもハイレベルで、最難関理系志望の人が基礎固めを終えてから解く応用問題として適しています。
現代文や古文の学習に最適な参考書・問題集をそれぞれ紹介します。
読み方やルールを丁寧に解説しているものばかりなので、これから受験勉強を始める方にもおすすめです。
- 著者
- 柳生 好之
- 出版日
「超入門書」を謳い文句にした現代文の参考書です。現代文の基礎やあらゆる疑問について解説しています。
「現代文が苦手」「これから現代文の受験勉強を始める」という方におすすめです。
- 著者
- 中西実
- 出版日
現代文の読み方とルールについて解説している参考書です。ルールを基に読み方を学び、読解力を向上させることができます。
短い文章から徐々に長い文章にステップアップしていくので、着実に実力が伸ばせます。読解力を身につけたい方におすすめです。
- 著者
- 梅澤 眞由起
- 出版日
こちらは現代文の問題集です。基礎レベルから国公立レベルの問題が収録されており、自分に合ったレベルの問題を解くことができます。
大学入学共通テストでの時間配分や解き方も解説されており、共通テスト対策をしたい方には特におすすめです。
- 著者
- 望月光
- 出版日
古典が苦手な人でも、確実に古典文法が身につけられる参考書です。
基礎を学べる「ウォーミングアップ編」、古典文法を学べる「実践編」の2つで構成されており、古典を基礎から学びたい方におすすめです。
- 著者
- 荒川 久志
- 出版日
現代文の高度な読解力を身につけるための参考書です。
どのような問題が出るかを考えながら文章を読む力をつけ、問題の傾向や解法について理解を深めることができます。読解力を伸ばしたい方におすすめです。
暗記する語句が多く、苦手な人も多い日本史と世界史。
ここでは単なる暗記ではなく、ストーリー形式で歴史の流れを解説した本や1冊で基礎レベルから難関大学レベルまでを網羅できる参考書・問題集を紹介します。
- 著者
- 山﨑 圭一
- 出版日
YouTuberとして日本史・世界史の講義を配信している高校教師による参考書です。
日本の歴史を古代から現代まで、1つのストーリーとして解説しているため、わかりやすく日本史の流れを学べます。これから日本史の勉強を始める方に最適です。
- 著者
- Z会出版編集部
- 出版日
こちらは日本史の問題集です。標準レベル、入試頻出の問題が収録されています。
本書を解いたあとは日本史の知識が随所でつながり、日本史全体の流れを深く理解することができます。大学受験に向けて日本史の理解を深めたい方におすすめです。
- 著者
- 白木 宏明
- 出版日
こちらは日本史Bの用語集です。基礎レベルから難関大対策にも使える必須用語を収録しています。
「理解」と「知識」を両立させ、用語を脳に定着させていきましょう。共通テスト対策として日本史用語をインプットしたい方におすすめです。
- 著者
- 鵜飼 恵太
- 出版日
こちらは世界史をストーリー形式で解説している参考書です。ストーリーを楽しみながら世界史の流れを理解することができます。
歴史上の人物の行動や因果関係などをわかりやすく解説しています。世界史が苦手な方やこれから勉強を始める方におすすめです。
- 著者
- 岩田 一彦
- 出版日
こちらは世界史の問題集です。過去10年分の『全国大学入試問題正解』を徹底分析し、厳選した問題を収録しています。
この1冊で大学受験に必要な世界史の知識を身につけることができます。
今回は大学受験に向けて参考書を買おうとしている方向けに、参考書の選び方、使い方を解説しました。
まとめると以下になります。
【参考書の選び方】
・見やすさ、読みやすさ、解説の丁寧さで選ぶ
・基礎編か応用編かで選ぶ
・応用系の参考書は基礎を身につけてから
・参考書の買い過ぎは厳禁!
・2冊目はサブとして活用
【参考書の使い方】
・解いたページ、間違えた問題に印をつける
・参考書に載っていない情報を書き足していく
・目指す目標を明確にする
これらを念頭に参考書を選び、活用してみましょう。
本記事では各教科別におすすめの参考書も紹介したので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。今回の記事が誰かのお役に立てれば幸いです。