2022年から新たに高校課程で必修となる「地理」の学習におすすめの参考書を紹介します。 授業の補助として使えるものから、大学受験に最適なものまで、幅広くまとめたのでぜひ参考にしてください。まずは地理の学習方法や効果的な参考書の選び方を解説します。
学習の効果を十分に発揮するには、自分に合った参考書を選ぶことが大切です。
ここではまず、地理参考書の選び方を紹介していきます。ぜひ自分に最適な一冊を選んでください。
すでに地理が苦手科目となっている方やこれから学習を始める方におすすめなのが、読み物系の参考書です。
地理は暗記科目と思われがちですが、基礎をしっかりと理解しておくことが重要です。
理論をしっかりと理解して発展的な学習に繋げていけるのが、この読み物系参考書の一番のメリットです。
分野別の問題集は内容が整理されており、知識をしっかり定着させることができます。
そのため、基礎がある程度身についている方は、分野別問題集を使うことでより効率的に学習を進められるでしょう。
地理で頻出の統計などは、数年で値が変わります。また同じ事柄を指していても、呼び方が変わっていることも少なくありません。
そのため、地理の参考書はできるだけ最新のものを選びましょう。
ここからは前述した参考書の選び方に合わせて、おすすめの地理の勉強法を記述していきます。
参考書を使いせっかく勉強をしたのに効果が実感できない、なんてことにならないよう効果的な勉強法も知っておきましょう。
地理の勉強でまず最初にすべきことは、系統地理と地誌に分けることです。
最初は「気候」「農業」「人口」などのテーマ別で系統地理を学習し、その後に地域別の地誌で全体像を捉えるとよいでしょう。
地理を日本史や世界史のように暗記科目だと思っている人は少なくありません。
実は地理は「できるだけ量を覚える」科目ではなく、「必要な知識を身につけてその知識を基に考えて解く」科目です。
そのため、地理を学習するうえで地理的思考力を鍛えることは最優先事項です。
地理で重要な農業、動物の分布、人の行動指標などの根幹にはすべてケッペンの気候区分と大地形があります。
まずは気候区分と大地形を覚えることで、その後の学習における理解がより深まります。
ここからはおすすめ地理参考書をレベル別にご紹介します。
まずは「高校1〜2年で使えるおすすめの地理参考書」です。これから地理を学習する方や地理が苦手な方向けの参考書です。
各参考書の特徴を紹介するので、ぜひ自分に合った参考書を選んでみてください。
- 著者
- 吉田之彦
- 出版日
本当に重要な地理学習の基本事項を40テーマに厳選して編成した参考書です。
非常にコンパクトで、試験前の確認にも最適な一冊です。
授業の補助レベルの内容から、センター試験・大学入試の基礎レベル問題まで取り扱っています。日常学習や、共通テスト・大学入試対策へ移行する際の一冊としても使えます。
- 著者
- 村瀬哲史
- 出版日
地理が苦手な方にまずおすすめしたい一冊です。
豊富な図やイラスト、地理が苦手な方に説明することを前提としたわかりやすい解説が特徴です。地理が得意でない方も安心して使うことができます。
こちらは「地誌編」のため、前述したように先に系統地理を学習してから取り組むことをおすすめします。
- 著者
- 文英堂編集部
- 出版日
本書の一番の特徴は、まとめ部分が書き込み式になっているところです。
まとめの重要事項が空欄になっており、適切な語句を書き込むことで、無理なく重要語句を覚えることができます。
また各編に「定期テスト対策問題」が設けられており、授業をより深く理解したい方におすすめです。
- 著者
- 学研教育出版
- 出版日
定期試験や入試対策ができる問題集です。
幅広い用途に使える一冊で、キーワードチェック問題、センター試験の過去問、そして大学入試レベル問題で構成されています。
参考書を使ってある程度知識が定着してから取り組むことで、全体の理解度や自分の苦手な分野を知ることができます。ぜひ使ってみてください。
続いては「共通テスト対応の地理参考書」です。
基礎の理解はひと通りできた、もともと地理はそこまで苦手ではないのでより理解を深めたい、という方向けの参考書です。
私立大入試や国公立大入試の対策に使えるので、ぜひ参考にしてください。
- 著者
- 瀬川聡
- 出版日
地理に大切な「地理的思考力」の育成に力を入れていることが大きな特徴です。
先述したように、地理の学習では暗記よりも思考力が重要です。その思考力を鍛えるのに本書は最適な一冊といえるでしょう。
第一章に地図と地理情報、第二章に系統地理、第三章に地誌が掲載されており、バランスよく学習できます。
- 著者
- 松本聡
- 出版日
大学入学共通テスト対策に特化した問題集です。学習内容が掴みやすい単元別の問題と、習得度をはかることを目的とした直前対策用の問題に分かれています。
単元別の問題は、まだ教科書の学習が全範囲終わってない方でも好きな単元から取り組めます。直前対策用の問題はオリジナル問題で、実力確認や直前期の予想問題として活用するとよいでしょう。
- 著者
- 教学社編集部
- 出版日
こちらは言わずと知れた「赤本シリーズ」の地理B編です。
思考力を鍛える問題が満載の、共通テスト対策用問題集です。センター試験の過去問を数多く掲載しており、「読図」から「思考」への反復トレーニングができます。
また別冊問題集にはマークシート解答用紙が付いており、本番をイメージした練習にも取り組めます。
- 著者
- 宇野仙
- 出版日
本書は2015年〜2019年のセンター試験「地理B」での各項目の出題頻度を分析し、ランク付けをしています。そのため、重要度が高い問題を優先的に学習することが可能です。
また重要項目を厳選し、基本的に1つのテーマが6ページから8ページになるよう、構成にも気を使っています。
効率的な学習がしやすいため、共通テスト直前に重要テーマのおさらいをする際にも最適です。
- 著者
- 根木島 正之
- 出版日
こちらは膨大な量の問題をZ会が徹底的に分析し、共通テストを攻略するために、注意すべき点や厳選した必要知識を丁寧に解説している参考書です。
共通テストで頻出の「図表問題」攻略のため、図表問題の例題に直接「目のつけどころ」を赤字で提示していることも大きな特徴です。
例題で学習したしたあとは実際にオリジナル問題を解き、総仕上げもできます。
- 著者
- 河合塾
- 出版日
続いては、お馴染み河合塾シリーズのからの一冊です。
「全統マーク模試」「2018年度試行調査」「全国共通テスト高2模試」の問題を収録しており、本番を意識した問題にたくさん触れることができます。
オリジナルの「予想問題」も収録されているため、過去問を解いて力をつけた後は実力の確認もしてみましょう。
- 著者
- 山岡信幸
- 出版日
東進ハイスクール講師・山岡信幸の超人気講義を再現した参考書です。
講義形式の文章で、参考書での学習が苦手な方でも無理なく最後まで読み進められます。
また要点や頻出語句をまとめた別冊のキーワードチェック付きで、試験直前の最終確認にも活用できます。
- 著者
- 全国入試模試センター
- 出版日
本書は今年の7月に駿台から出版された、最新の地理B共通テスト対策問題集です(2020年8月現在)。
先述の通り、地理の参考書は「出版日が新しいものを選ぶこと」が好ましいです。
その点、本書は時間経過による統計の変化や語句の変化を気にせず学習を進められます。共通テストと同様のマーク形式を採用しているので、本番を想定した問題を解くこともできます。
- 著者
- 代々木ゼミナール
- 出版日
試行調査と過去のセンター試験の出題傾向を分析し、そこから作成したオリジナル予想問題や学習アドバイスが収録されています。
丁寧な解説も特徴で、弱点補強、時間配分把握、実戦力の強化、直前期の総仕上げにも最適です。
こちらの問題集もマークシート解答用紙が添付されており、本番形式で学習することができます。
- 著者
- Z会編集部
- 出版日
4回分のZ会オリジナル模試と、平成30年度の試行調査が掲載された問題集です。
まずは、試行調査をもとに新傾向に合わせて作成されたZ会オリジナル模試で学習を進めましょう。その後、試行調査で知識の定着を確認していくのがおすすめです。
また本書では演習後の復習が何より大切だと考えています。丁寧な解説が付いているため、答え合わせをする際はしっかりと読み込んで、確実に実力をつけることを意識しましょう。
- 著者
- 瀬川 聡
- 出版日
大学入学共通テストで高得点を取ることはもちろん、地理の本質的な面白さを追求し、地理力育成も叶えてくれる参考書です。
演習問題を考えるヒントとして記述される講義を読み、その後自力で問題を解くことで、地理における論理的思考力を養いながら学習できます。
本書は「地誌編」のため、1巻の「系統地理編」から学習すると理解がスムーズです。
- 著者
- 山岡信幸
- 出版日
地理問題集の中で抜群の人気を誇る「地理B一問一答」の改訂版です。最新の入試傾向に合わせて掲載問題や解説が大幅に更新されています。
また3段階で重要度と頻出度がランク付けされており、志望校に合わせて必要な問題が取捨選択できる設計です。こちらのランクも、最新の入試傾向が反映されています。
系統地理と地誌で5000問以上が掲載されており、この問題集だけでも大学入試に必要な知識が身につきます。
最後に紹介するのは「難関大学受験におすすめの地理参考書」です。
地理が得意でさらに伸ばしたい方や、大学入試で地理を武器にしたい方に最適です。
まだ基本がしっかりと固まってない方は、先述した参考書で学習してから使用することをおすすめします。
- 著者
- Z会出版編集部
- 出版日
国公立二次と私大の地理受験対策が万全となるよう、さまざまな形式の問題が収録された一冊です。
対策が難しい論述問題が各章で出題されている点も特徴です。問題の難易度は高めですが、そのぶん解答が充実しており、読者を置いていかない工夫がされています。
入試に役立つ関連知識も掲載されており、参考書として使用することも可能です。
- 著者
- 帝国書院編集部
- 出版日
「系統地理」「地誌」両方を網羅し、国公立二次と私大の受験対策も万全にできる参考書です。
詳細な解説、多数設けられた用語コーナー、わかりやすい図や表、そして万全な論述対策と、基礎を疎かにせずハイレベルに仕上げているのが特徴です。
ほかの参考書では説明が不十分だと感じるときに、二冊目の参考書として使用するのもよいでしょう。
- 著者
- 二宮書店編集部
- 出版日
世界すべての独立国の情報が掲載された「世界各国要覧」と、自然・産業・貿易・経済など、分野ごとの統計が掲載された「統計要覧」の2部構成です。
地理の学習や入試対策としてはもちろん、社会人になっても使えるほど実用的な内容です。受験を機に国際理解を深めたい、ずっと使える知識を養いたいと考えている方におすすめです。
今回は、高校で使える地理の参考書をレベル別に紹介しました。
地理は暗記ではなくどれだけ地理的思考力が養われているかを問われる科目です。
そのため、授業でわからなかった箇所を補習したり、受験に対応できる力を身につけたりと、参考書を使いながらの学習がおすすめです。
ぜひ本記事を参考にして自分に合った参考書を選び、学習を継続していただければうれしいです。