絵がさらにうまくなる!おすすめのイラスト教本16選【2020年下半期】

更新:2021.11.28

「描きたいイラストのタイプが決まらない」「絵がうまくなるコツを知りたい」こんな悩みを抱えている人は多いでしょう。絵はコツや練習法を意識するだけで格段にうまくなります。 今回はイラストや絵がうまくなるコツや練習方法、教本の選び方に加え、おすすめの教本を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

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イラストや絵がうまくなるには?上達のコツや練習方法を解説

絵をトレースする

まず初心者には、完成されたイラストや絵を真似して描くことをおすすめしています。なぜなら、はじめから自分で描いていくのは難しいからです。真似して描くことで、絵を描くうえでの土台を築くことができます。

そして、最初におすすめしたいのが絵をトレースすることです。トレースとは参考のイラストの上に、トレース専用の紙を敷くなどして複写する練習方法です。トレースをすることで、基本的なイラストの描き方や線の引き方といった、最低限必要な能力を養うことができます。

また、どんな初心者でもある程度のイラストが描けるので、達成感を味わえ、モチベーションも持続できます。初心者が最初に取り組むにはもってこいの練習方法です。

模写をする

次におすすめなのが模写です。模写というのは、イラストをよく観察し同じように書き写すことです。トレースと比べて自分で描く部分が多くなるので、少しだけ難易度が上がります。

模写で養える能力は、観察力や全体のバランスを考える力です。これらはイラストを描くうえで絶対に必要な能力なので、きちんと取り組みましょう。また、パーツごとの描き方を学ぶこともできます。

模写のコツは形をよく観察し、単体ではなく全体で捉えることです。イラストを描く際にキャラクター単体を描くのではなく、キャラクターを含む1枚のイラストを描き上げるイメージだとよいでしょう。

そうすることで、観察力や全体のバランスを把握する能力が格段に上がります。慣れてきたら質感や重心を考えながらおこないましょう。

次の項目では、模写の際に意識すべきポイントを順番に解説していきます。

形を見る

ここでは先述した、形を観察することについて少し深堀りしていきます。イラストを描くとき、キャラクターだけをメインにして描くことはありませんか。

もちろんキャラクターはメインですが、実はコマの全体像を意識して描いた方がバランスがよくなります。イラストでキャラクターの形を捉えるときは、キャラクターを形取っている線を基準に、内側と外側で形を捉えることが重要です。これができるようになれば、イラストのバランスがかなりよくなるでしょう。

最初はかなり大変ですが、模写するときには絶対に意識してほしいポイントです。これを意識する前とした後で比べると、イラストのバランスがだいぶ変わってくるのがわかると思います。

線を見る

次に意識してほしいのは線を見ることで、これは特にマンガを描く際に意識してほしいポイントです。

マンガの線にはいくつか種類があり、ふにゃふにゃした線や細い線、太い線、勢いのある線などさまざまです。実際にプロが描いたマンガを研究してみてください。線ひとつで意味合いや表現の違いがあることに気づくでしょう。

やわらかい線は柔らかいタッチで、勢いのある線は勢いがあるタッチで描かれるなど、プロはただなんとなく線を描いている訳ではありません。日頃から意識するようにしましょう。

形を見ることと線を見ることを意識できれば、初心者脱却はもうすぐです。次のポイントは少し難しいので、ここまででいちど、先述のポイントを完璧な状態にしておきましょう。

質感の表現

次に説明するポイントは、質感の表現です。イラストやマンガの絵はデフォルメされていますが、質感の表現がうまくいけばパッと見ただけでも物の質感を伝えることができます。

表現方法を学ぶことであなたの表現方法の引き出しが増え、絵のクオリティは一段階上がります。

質感の表現のコツとして、模写している素材はどういうものかを意識するとよいでしょう。よく観察して、デッサンの気分で模写するとうまくいきます。

また、マンガ絵を使って学ぶのも効果的です。デフォルメされたマンガ絵を観察し、実物と比べることで、質感表現への理解がより一層深まります。このポイントをクリアできれば、初心者レベルは脱却したも同然です。

重心を見る

模写の際に意識すべきポイントの最後は、重心を見ることです。特に人物を描くのが苦手な人やいまいちリアリティに欠ける人に重視してほしいポイントです。

立っているだけの絵でも重心がどこにあるのかは絵によって変わってきます。今にも動き出しそうなときはどこに重心があるのかなど、「こういう場面ではここに重心がある」ということを意識しながら、対象物をよく観察して描くことが大切です。

コツとしては、自分が同じポーズをしてみてキープできるかを確認するとよいでしょう。自分という対象物もうまく活用することで、絵のクオリティも上がるはずです。

アプリやサイトを使う

次におすすめするのは、アプリやサイトを使うことです。これは絵のテクニックというよりも練習のコツです。

絵を上達させるうえで、人に見せるというのはいつの時代にも有効です。人に見せるのが恥ずかしく、自分の中だけで完結させていてはいつまで経っても上達しません。

そもそも絵やイラストのうまさは客観的に判断されるものです。見る人を意識して描くことも必要になってきます。そこで、アプリやサイトを使って手軽に絵を公開してみましょう。

今の時代はTwitterやInstagramなどのSNSに、同じような志を持った人たちがたくさんいます。そういった人たちと絵を見せ合うことで、一緒に楽しく成長できるでしょう。

絵を分析する

最後におすすめする練習方法は、絵を分析することです。どんなジャンルの絵にもプロのイラストレーターが存在します。

そういったプロの絵を、自分なりに分析してみましょう。どのような演出をしているか、構成はどうしているかなど、プロから学べることは非常にたくさんあります。

また、分析後はそれらを自分のものにすることも大切です。プロから盗めるスキルはとことん盗みましょう。

分析の手順として、まずは絵をパッと見てその印象を思い浮かべるとよいでしょう。「かっこいい」「可愛い」など、そういった印象がその絵から盗めるスキルになります。そのうえで、構成や演出などを深堀りしていくのがおすすめです。

デッサンの練習におすすめの教本

ここではデッサンの練習におすすめの教本を紹介します。

デッサンとは絵やイラストを描く際の下書きのようなものです。デッサンが上達することで、観察力が身につき、物事の本質的な部分を理解できるようになります。

また、作品を客観的に見る能力も向上し、良し悪しを判断することが容易になります。これらの能力は芸術作品の基礎となる部分です。デッサンを練習し、芸術的センスを身に付けましょう。

どの本が自分に合っているかを検討し、デッサンの上達に役立てましょう。

比較でわかる初心者デッサンの教科書

著者
["美学館デッサンスクール", "玄光社"]
出版日

まずはじめにおすすめしたいのが、『比較でわかる初心者デッサンの教科書』です。デッサンは基礎を飛ばして上達することはありません。

本書では基礎の部分から、細かく丁寧に解説しています。また、初心者にありがちな勘違いがまとめられており、勘違いを正しながら基礎を学ぶことができます。

大きな特徴は、サンプル画像の質が高いことです。サンプル画像の質はデッサンの上達においてとても重要です。サンプル画像の質が低ければ模写が難しく、モチベーションも上がらないでしょう。質の高いサンプル画像はデッサンへの意欲もかき立ててくれるはずです。

360°どんな角度もカンペキマスター! マンガキャラデッサン入門

著者
藤井英俊
出版日

マンガキャラを描くための知識をいちから解説しているマンガキャラデッサン本です。

前、うしろ、ナナメ、俯瞰、アオリなど、360度どんな角度でも描けるようになりたい人におすすめです。

服のシワの描き方まで教えてくれるなど、豊富なアドバイスが掲載されています。

ここまでマンガキャラデッサンに特化している本は少ないので、ぜひ一度手に取ってみてください。

いちばんていねいな、基本のデッサン

著者
小椋芳子
出版日

白と黒の世界で描くデッサンを、オールカラーでわかりやすく解説しています。

白と黒のデッサンをオールカラーにするということは、一見矛盾しているように聞こえますが、実は一番わかりやすい方法なのです。

デッサンというのは、そもそもオールカラーで見えているものを、白と黒で描いたものです。つまり、オールカラーで理解できなければデッサンは描けません。

この本のポイントは、デッサンの専門知識を詳しく解説している点です。デッサンの「くずれ」や「パース」など、初心者には難しい専門知識を学ぶことで、デッサンへの理解がより深まることでしょう。

鉛筆デッサン基本の「き」 やさしく、楽しく、デッサンを始めよう

著者
["スタジオ・ものくろーむ", "角丸つぶら"]
出版日

タイトルの通り、基本の「き」から楽しくデッサンを学ぶことができます。

基本だけではなく応用の説明もあるので、この1冊でかなりのレベルに達することができるでしょう。

おすすめのポイントは、身近なモチーフの規則性や法則性に気づき、普段見慣れたものを新鮮な感覚でデッサンする機会を与えてくれる点です。

身近なものから学んでいくことで、デッサンへの理解がより一層深まるでしょう。

イラストの練習におすすめの教本

絵の勉強としてイラストを練習する人も多いと思います。

ここではキャラ画をメインに学べる本を紹介します。将来イラストレーターとして活躍したい人はぜひチェックしてみてください。

アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術

著者
室井 康雄(アニメ私塾)
出版日

YouTubeやTwitterなどで話題になった実用的なテクニック本です。

最速でうまくなるには模写をすること、画力アップには肩や腰が重要であることなど、キャラ作画において大事なノウハウがわかりやすくまとまっています。

おすすめポイントは、DVDが付属しているところです。文章だけでなく、音声で学習することでイラストへの理解がさらに深まります。

イラスト解体新書

著者
["ダテナオト", "弐藤 潔", "レミック"]
出版日

「少しは描けるけど自信がない」「いまいち魅力的に描けない」などの悩みを持った人におすすめのイラスト再入門書です。

本書では一切の才能はいらないという前提のもと、イラストの基礎の部分から丁寧に教えてくれます。もうワンランク上を目指したい人は必読です。

パーツやポーズごとに、比較する例を踏まえながら解説しているので、読み進めるうちにどこを直せばいいのかが理解できるようになります。

描きたかった絵を描けるように、この1冊でレベルアップしましょう。

アニメーターが教えるキャラ描画の基本法則

著者
toshi
出版日

大ヒットした『キャラに生命を吹き込むイラスト上達テクニック』をもっと詳しく解説したのが本書です。アニメーター視点で、キャラクターの描き方を添削しながら解説しています。

電子書籍に適したレイアウトになっており、デジタルでイラストを描くことが多い人にもおすすめです。

サンプル本は無料なので、試しにダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

ゼロから学ぶプロの技 神技作画

著者
toshi
出版日

アニメーターの技術が 確実に身に付くイラスト入門者必見の教本です。

イラストを描く際につまずきやすい部分を、Q&A形式で丁寧に解説しています。

キャラの動きや衣服のシワを描く中級テクニック、さまざまな衣装による描き分け、シチュエーション別の効果的な表現技法など、この1冊で人物作画の基礎から応用技までが身に付きます。

コミックの練習におすすめの教本

同じ絵描きでも、コミックでは描き方が異なります。

ここではマンガ特有のコマ割りやキャラクターの描き方が学べる本を紹介します。

マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編

著者
かとうひろし
出版日

マンガ専門学校講師兼プロのマンガ家がマンガで解説した、ユニークで実用的なマンガ教材本です。

人に伝わるマンガを描くために知っておきたいルールをわかりやすく解説しています。

新人マンガ家にもおすすめの1冊です。

ゼロからわかるマンガの作り方

著者
田中 裕久
出版日

マンガを描くのに必要なのは才能ではなくコツであると掲げているマンガ入門書です。

これから初めてマンガを描く人や一度チャレンジしたもののうまくいかなかった人でも、最後まで描き上げられる力がつきます。

マンガの基礎が自然と身につく構成になっており、この1冊でストーリーやキャラクターの作り方まで学べます。

サンプルマンガが掲載されている点も見逃せません。作例があることで、そこからしっかりと学ぶことができます。

人物画の練習におすすめの教本

絵を描くうえで、人物画は避けて通れません。

どのパーツから描けばよいのかわからない……という人も多く、つまずきやすいポイントでもあります。ここでは人物画を上手に描くコツを解説している本を紹介します。

基本はかんたん人物画

著者
内田 広由紀
出版日

身体の各部分の特徴とその描き方をポーズのバリエーションで分け、豊富な図版でわかりやすく解説している教本です。

見るべきポイントをおさえ、体の構造や基本をしっかり理解して、楽に人物画を描くことを目指します。

この1冊があれば、マンガやイラストを描く際にさまざまなポーズが描けるようになるでしょう。

人物を描く基本 使える美術解剖図

著者
["三澤寛志", "角丸つぶら"]
出版日

人物を描く基本をいちから解説し、人体構造を論理的に説明している1冊です。

この本のおすすめポイントは、骨や関節の仕組みまで教えてくれる点です。これらを理解することで、ワンランク上の人物画を描けるようになるでしょう。

動物画の練習におすすめの教本

動物画は見本によって描き方が大きく異なります。

そのため、見本が多く掲載されている本をメインに選ぶとよいでしょう。ここでは解説が丁寧と定評のある、選りすぐりの2冊を紹介します。

動物の描き方

著者
["ジャック・ハム", "島田 照代"]
出版日

初心者からプロまで、幅広い層から参考になると定評があります。動物の描き方を基本から応用まで丁寧に解説しています。

おすすめのポイントは、例画が1000枚以上あることです。これだけ豊富なサンプルを掲載している教本はなかなかないでしょう。ぜひ活用してみてください。

ウェザリーの動物デッサン 立体と線でみるみる描ける!

著者
["ジョー・ウェザリー", "大久保 ゆう"]
出版日

立体デッサンの基本に沿った動物の描き方について、動物画のプロが本当に必要な内容に絞って徹底解説しています。

解剖学の知識も掲載されており、デッサンの理解がより深まります。初心者から上級者まで必読です。

背景画の練習におすすめの教本

キャラクターをかっこよく描けるようになりたい、という人も多いでしょう。

しかし、キャラクターの魅力を引き立たせるには、背景画も重要です。おすすめの2冊を紹介するので、背景画のクオリティを上げたい人はぜひチェックしてください。

「キャラの背景」描き方教室

著者
["よー清水", "江原 康之", "UGUME"]
出版日

アニメ『甲鉄城のカバネリ』のコンセプトアートなどに携わる、アニメイラストレーター・よー清水による教本です。

背景描写の考え方からCLIP STUDIO PAINT PROの活用まで、すぐに役立つ情報が満載です。

購入特典として、著者が使用しているブラシがダウンロードできます。このブラシでイラストを仕上げれば、クオリティもワンランクアップするでしょう。

魅せる背景 上達術 決定版

著者
["サイドランチ", "吉田誠治", "吉川アキ", "電鬼", "ゼンジ"]
出版日

苦手意識を持ちがちな背景描画を徹底解説した本です。背景描画への不満や疑問を解消してくれる内容になっています。

本書の大きな特徴は、4名のイラストレーターによる徹底解説がある点です。

プロのさまざまな技を学んで自身に取り入れることで、イラストは格段に上達するでしょう。ぜひとも背景画の技術を磨き、苦手を克服してください。
 

今回は、イラストや絵がうまくなるコツや練習方法、おすすめの本を紹介しました。

絵の上達のためにはトレースや模写をするなどして技術を高める必要があります。また、SNSやサイトを使って自分のイラストを披露することも重要です。そこでのフィードバックを通じて、自分のイラストレベルを上げていきましょう。

後半部分ではおすすめの教本について解説しました。

教本は分野や形式によってさまざまなものがあります。また、レベルによっても選ぶべきものは変わります。

自分が描きたいものやレベルを客観的に捉え、自分に合うものを選びましょう。

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