三四郎相田周二のべしゃり書き漫画道【連載第6回】

三四郎相田周二のべしゃり書き漫画道【連載第6回】

更新:2021.11.28

M-1ラストイヤーを戦い終えたり、『有吉の壁』ではあのおなじみのくだりをやり続けて相田さん自身の名前がトレンド入りしたり。色々あった2020年も、三四郎を追いかけていたファンにとっては充実した1年だったのではないでしょうか。 そんな三四郎相田さんが好きな漫画を自由に語るこの連載も、ついに最終回を迎えました!

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漫画を読まない相田母も欲した漫画『MONSTER』

連載最後にオススメする漫画はこれだ!

『MONSTER』

MONSTER 全18巻 完結コミックセット(ビッグコミックス)

 
2010/1/1
小学館

言わずもがな、『20世紀少年』、『PLUTO』、『YAWARA!』などを描いた浦沢直樹先生の漫画です。

なぜこの漫画を最後にしたかというと、僕実はそもそもそこまで漫画読んできていなくて長編の漫画なんか揃えたこととかないんですよ。『スラムダンク』も読んでないし、『ドラゴンボール』も読んでないしほとんどアニメからの知識しかないんですけど、大学生になってバイトして稼いだお金で色々欲しいものが買えるようになった時に、初めて買い揃えようと思ったのがこの『MONSTER』なんです。全18巻。

当時12巻くらいまでしか出てなくて、完結してから買おうと思ってたのに1巻に手出しちゃって……そっからはもう終わりです。完落ちしたのを覚えてます。新巻が出るのが約10ヶ月に1巻とかだったから待ち遠しすぎて……当時連載してた「ビッグコミックオリジナル」を立ち読みしたら単行本よりだいぶ進んでて際どいネタバレ食らって後悔したり……あ、母親も何故か一緒に読んでましたね。新巻はまだかと、母子で『MONSTER』を欲してました。浦沢先生の漫画ってとにかく画が上手すぎるんですよ。細部までこだわってるから読むのが時間かかっちゃう。井上雄彦先生の漫画と同一現象です。

あらすじ

物語は天才外科医と呼ばれるテンマが、婚約者の父で自身が働く病院の医院長であるハイネマンの命令を無視して重傷で運ばれてきた一人の少年の命を助けるところから始まるんだけど……テンマがその少年の手術を終えた直後にハイネマンが殺害され、そして命を助けた少年とその双子の妹が失踪してしまう……。

数年後、テンマが助けた少年・ヨハンはテンマの前に再び現れ、テンマの患者を殺害すると同時に、自分が過去の事件の犯人であることを告白。警察にヨハンの犯行の濡れ衣を着せられたテンマは、事件の真相究明のために、失踪した双子の兄妹を探すのだが……。

ここに着目!テンマを追い込むルンゲ警部

……って感じなんだけど、浦沢先生の漫画の中でダントツでシリアスな物語なんだわ。で犯人の濡れ衣を着させられたテンマを追い込む切れ者ルンゲ警部が怖くてさ。もう目つけられたら終わりよ?頭の中にフロッピーディスク入ってっから!指カタカタ動かされて頭の中で調べ上げられるからね。このクセカッコいいなーと思って当時真似したなー。何も出てこないのに指動かしてたなー。

あとルンゲめちゃくちゃ黒目ちっちゃいんだよ。三白眼とかのレベルじゃない。視線が鋭過ぎるんだよ。テンマとルンゲは天才×天才のチェイス。『プリズン・ブレイク』でいうマホーンとスコフィールドの関係性なんだよね。そのルンゲがテンマに背中越しで「すまなかった」って言うシーンがあってそこのシーンが好きなんだわ。ずっと取り憑かれたようにテンマを追いかけてきたルンゲの、最終巻での一言痺れたなー。

あとこの漫画、なまえのないかいぶつ、三匹のカエル、赤いバラの屋敷などキーワードの不気味さも光っていて伏線が至るところに張り巡らされてるんだよね。これが何を意味しているのかは読んで確認してみてください。

あ、ちなみに『20世紀少年』でT.REXの「20th Century Boy」を昼休み中に校内に流すか流さないかの放送部のやり取りがあるんだけど、このシーンは浦沢直樹と、一つ後輩の小室哲哉が、実際に中学時代にやり取りした場面なんだって。なんだそれ。鬼強エピソード。『MONSTER』とは全く関係ないけどこれだけは言いたかった。20世紀少年は見たことあるけど……って人読んでほしいなー。1巻読んだら終わりだから。テンマの逃走劇追うことになるよ。漫画を読まない母親も大満足なMonsterぜひ。

ホンシェルジュ半年間ありがとうございました!6本の漫画を紹介しましたがまだまだ紹介したい漫画たくさんあるのでまた機会があれば宜しく頼みます!

皆さんに少しでも僕の通ってきた漫画道を歩んで頂ければと思います!


編集追記(編集者より)

半年間この連載を追いかけてくださった皆さま、そして相田さん、マネージャーさん本当にありがとうございました!

「フリースタイル書評バトル」の第1回目をきっかけに始まった当連載ですが、実は編集担当にとって初めての新企画の立ち上げ、そして初めての連載でした。それを相田さんのお力を借りてここまで推し進めることができ、とてつもなく感謝しています。

そして、三四郎ファンの皆さまはとても盛り上げ上手、楽しみ上手で温かい方々!!ぜひ相田さんおすすめの漫画も楽しんでいただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

プレミアムゲラへー!

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